MRS Fall Meeting 2012 参加報告
参加した学会の概要
MRS 2012 Fall Meetingは、アメリカ材料学会MRS (Materials Research Society) の主催する国際会議で、毎年ボストンのHynes
Convention Centerおいて開催されており、幅広い材料をカバーした国際学会である。具体的には,材料に関する網羅する内容でセッションの数が52
あり,以下のような大分類として5分類に分けられていた.
Materials for Energy Technologies11
Soft Materials and Biomaterials 10
Functional materials and Nanomaterials 11
Structural
and Advanced Materials 9
General 2
近年のエネルギー分野への注目が集まっており,太陽電池や蓄電池系の新規材料について多くの研究がおこなわれ発表が行われた.
Macro BEANSセンターにおいて取り組んでいる大面積タッチセンサに用いている有機材料やその加工技術について,functional materials
and nanomaterials 内のroll to roll processing of electronic and advanced
functionalitiesにおいて発表を行った.
学会における調査
プロジェクトに関係するroll to roll processing of electronic and advanced functionalitiesというセッションについて4日間91件の発表について調査を行った.3点ほど注目すべき研究について以下に紹介する.
1. PEDOT:PSSによる印刷による電子ペーパーの開発(Acreo, Sweden)
銀ペースト電極と色変化の特性を持つPEDOT:PSSの印刷し,電解液についても印刷を行うことでプラスチック上に連続的に低コストで電子ペーパーを製作できる.
2. 薄膜ガラス基板上へのTFTの連続製造(Corning, America)
耐熱温度が高いガラスを使うことで,プラスチックでは難しい通常の熱処理(1000℃)以上を行ってディスプレイを作る.薄いガラスを使うことでロールtoロールで作ることができる.
3. Electronic skin (UC Berkley America)
印刷により,電極,カーボンナノチューブによるTFTをプラスチック上に製作,センサ等をスイッチングすることで人工皮膚にする.
プロジェクト研究成果の学会発表とその反応
Meter-scale Large Area Touch Sensor with Conductive Polymer based Fabric for Human Motion Monitoringという題名で,MacroBEANSセンターで開発してきた大面積タッチセンサについてポスター発表を行った.発表に対して,使っている材料(PEDOT)の導電性,アプリケーション,どのような回路を使って計測しているかなどの質問があった.他のroll to rollによる製造方法で作られたものとしてはデバイス面積が最も大きいという部分が他の発表との大きな差であり,優位性であることが分かった.
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