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2012年12月

2012年12月21日 (金)

2012 MRS Fall Meeting & Exhibit報告

 November 25-30, 2012 @ Boston, MA

米国のMaterials Research Society 主催の国際会議および展示会に参加しました。材料物性科学の国際会議としては世界最大規模とされています。今回は約6,400人の参加者があり、過去最大規模でした。毎回ほぼ同じ時期にBostonの中心部にあるHynes Convention Centerで開催されます。今回はMRS OnDemandを初導入し、一部のセッションや会議風景、そして展示会の様子などのストリーミング映像がネットで公開されていました。

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Hynes Convention Center 内吹き抜け回廊

 

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会場となったHynes Convention Center/各フロアを結ぶエスカレータ群

Registrationが始まった11月25日(日)から早くも特別セッションたとえばRare Metals Workshopやエネルギー問題と地球温暖化対策についての招待講演などがありました。特に米国ではシェールガス産業の成功が、米国の石油や石炭への依存度を急速に減じていて、さまざまな良いインパクトを社会に与えていくことを述べていました。”Sustainability”をキーワードにしてさまざまな議論に発展していました。

 

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大会場での技術発表風景/極めてゆったりとした会場

11月27日(火)からは技術展示会も始まりました。北米を中心にあらゆる物性計測器や分析装置、薄膜形成装置、ナノ材料関係などのキーの技術をもつ大小さまざまな250社以上が出展していました。極低温分野で極めて重要な技術を有する超オタクの或る会社、J社も出展していて、その展示会の充実ぶりには思わずため息が漏れそうになります。単なる商品の展示ではなく見学者が求めているソリューションを提供しえる技術を垣間見ることができるよろず技術相談所のようなというと褒めすぎでしょうか。やたら規模だけが大きい展示会ではなく内容が伴った密度の濃い展示会でした。薄膜技術屋の小生にとっては居心地が良く、この展示会を巡るだけでも元が十分に取れたような気がしました。

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展示会場の風景(1)Boston周辺の企業、MITでの研究と密接に関係

 

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展示会場の風景(2)/広大な会場を埋め尽くした250社の展示ブース

技術セッションは技術分野ごとに細分化されています。たとえば流行のGraphaneを例にとっても用途別に細かに分かれていたりして、それがパラレルセッションだったりするとどれが本当に自分にとって重要なプリゼンなのか瞬時に判断しなければならず、規模の大きな学会はどうも苦手です。技術内容ごとに分かれているだけで内容のレベルは玉石混交のように感じました。著名な研究者の発表の次に大学院生のがあったりします。また大きい会場のほうに重要な発表が多いと思いきや、むしろ狭い会場のほうで注目の発表があったりします。このへんの矛盾が生じてしまうのは、事務局の会場振り分け決定にあたって、各セッションへの投稿数が注目度の判断基準になっているようでした。


技術発表の半分以上がアカデミック分野からのものです。大学と国の研究所の関係者が6割以上を占めるようです。そのせいでしょうか、重箱の隅をつついているだけで何のために何をやって何が得られたがはっきり響いてこない発表が多くみられました。厳しく言えば学生さんの発表機会を提供する教育的効果重視型の国際会議ともいえます。

変わったセッションでは政府系機関ばかりが集まったセッションがありました。どうやったらNSFから研究資金がつくのかについてその秘訣などを教えてくれるのもあり、それによれば提案を複数出すより一つに絞って、それにいろいろ詰め込むほうが有利であることや期限ぎりぎりではなく十分余裕をもって提出することなど披瀝されていました。国家防衛局DTRAから資金を得る場合には大量破壊兵器からの脅威を減らすエアフィルターやバイオセンサなどの関連ですが、あくまでも資金提供の決定権をもつプログラムマネジャーが望む具体的な要望に合わせていかなければならないことなどが披露されていました。

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会議場のロビー風景/窓際ではパソコンを充電しながら仕事する人々

技術発表では以下のようなセッションがありました。先入観も手伝ってか、ほとんどすべての内容がエネルギー・環境問題に絡めているようで、相変わらずCarbon Nanomaterials関係の話題が目立ちました。

Symposium E: Photovoltaic Technologies Materials, Devices and Systems

Symposium F: Oxide Thin Films for Renewable Energy Application

Symposium O: Next-Generation Polymer-based Organic Photovoltaics

Symposium P: Single-Crystalline Organic and Polymer Semiconductors

 Fundamentals and Devices

Symposium SS: Quantitative In Situ Electron Microscopy

Symposium WW: Roll-to-Roll Processing of Electronics and Advanced

                                                       Functionalities

Symposium ZZ: Communicating Social Relevancy in Materials Science

                                                      and EngineeringEducation

Symposium X: MRS Medal Award Presentation

Symposium G: Materials as Tools for Sustainability

Symposium I: Functional Materials for Solid Oxide Fuel Cells

Symposium K: Hierarchically Structured Materials for Energy Conversion

                                                             and Storage

Symposium CC: Optically Active Nanostructures

Symposium VV: Advanced Materials Exploration with Neutrons

                                                            and Synchrotron X-rays

Symposium UU: Scanning Probe MicroscopyFrontiers in Nanotechnology

Symposium D: Energy-Critical Materials

Symposium W: Carbon Nanomaterials

Symposium GG: Mechanical Behavior of Metallic Nanostructured Materials

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AVS2012参加報告

【概要】

 American Vacuum Society (AVS, アメリカ真空協会) International Symposiumは毎年米国で開催され、真空関連技術や半導体、表面科学、マイクロ・ナノテクノロジー等に関した幅広い研究者が世界中から集まる世界レベルの伝統的な国際学会である。本学会においてBEANSプロジェクトの成果である中性粒子ビームを用いたMEMSデバイスのシリコンエッチングを実現した結果について発表することで、世界へ向けて研究成果を公表してその評価を得ると共に、マイクロ・ナノシステムやMEMS、プラズマエッチング技術に関する情報収集を行った。

 本学会では26の部門からトータルで約1300件の講演があり、米国を中心として、ヨーロッパ、日本の他、アジア等の世界各国の研究者が参加していた。
 セッションはApplied Surface Science, Biomaterial, Electronic Material and Processing, Magnetic Interfaces, Graphene and Related Materials, MEMS and NEMS、Nanometer-Scale Science, Plasma Science, Thin Film, Vacuum Technology, 等に分かれており、各セッションでは各分野の著名な研究者らによる招待講演が多数行われると共に一般の研究者・技術者らから最新成果を含む多数の発表が相次いだ。

 筆者は主にMEMS and NEMSとPlasma Scienceのセッションに参加した。MEMS and NEMSのセッションではナノクリスタルダイヤモンドワイヤーを用いたメカニカルスイッチ、カーボンナノチューブを用いた3次元MEMS構造の作製やCMOS-MEMSセンサー、光MEMS、等に関する発表が行われた。Plasma Scienceのセッションでは、大気圧、マイクロプラズマ、FEOL/BEOLエッチング、プラズマモデリング、プラズマ成膜、低ダメージエッチング、等に関する発表があり、Fin型FETやスピントロニクス材料のエッチングに関する講演時には300名程度が収容できる会場が満員となる時がしばしば見られた。

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【研究成果発表】
 MEMS and NEMS Poster Session (MN-TuP4)において、筆者は “Low Damage Etching Process for Fabricating Micro Electro Mechanical Systems (MEMS) Devices using Neutral Beam”と題して、中性粒子ビームによるSiエッチングの研究成果に関するポスター発表を行った。発表ではアパーチャー表面のDLC(Diamond Like Carbon)コート、アパーチャーバイアス及びアパーチャーアスペクト比を最適化することで、線幅約200nm, アスペクト比約20のSiトレンチやカンチレバー等のMEMSパターンを塩素の中性粒子ビームによるエッチングを実現したことを示した。また、Si振動子パターンのエッチングにおいて、中性粒子ビームとDRIEでそれぞれエッチングした場合を比較した結果、中性粒子ビームでエッチングした場合には振動子の側壁面が平滑であり、振動のアドミッタンスがDRIEでエッチングしたものの約50倍高いことを報告した。

この発表に対して、中性粒子ビーム発生の原理や低ダメージである理由(カナダ、DALSA)、どの程度のアスペクト比までエッチング可能であるのか、エッチングレートはどの程度であるのか(東芝)、等の質問があった他、本発表に対して精華大(台湾)やSAMSUNGの研究者らが大いに興味を示し、ナノデバイスの作製には低ダメージエッチングが重要であることや中性粒子ビームエッチングの優位性を議論した。

これらの質疑応答から、中性粒子ビームを利用したMEMSデバイスを提案した研究成果に対する人々の関心の高いことが窺われると共に、中性粒子ビームという革新的技術を今後さらに世界中の研究者・技術者へ広く知らしめることが必要であると感じた。

【関連情報調査】

本学会においては下記のような発表が興味深く、また、聴講することで新たな知見を得ることができた。

<MEMS and NEMS session>

Fabrication of Nanomechanical Switch Based on Ultrananocrystalline Diamond Nanowire(A. V. SUMANT et.al, Argonne National Laboratory)

マイクロ波プラズマCVD法で成膜したグレインサイズが3-5nmのナノクリスタルダイヤモンド膜を、HSQ膜をマスクとしたEBリソグラフィーでパターンニングした後、RIEICPによってエッチングすることで線幅50-100nmのナノワイヤー及びナノメカニカルスイッチを形成した。ナノクリスタルダイヤモンドを用いることで100nsのスイッチング速度を得ることができたという内容の発表。[コメント] 最近、その耐高電圧性等からダイヤモンドパワーデバイス等の開発が発表されており、ダイヤモンドのナノスケール加工は今後重要な技術になると考えられる。本発表によりダイヤモンドのナノスケール加工が従来技術の応用によって可能であることがわかった

Carbon Nanotube Templated MEMS: Three Dimensional Microstructures in Semiconductors, Ceramics, and Metals(R. C. DAVIS et.al, Brigham Young University)

はじめに基板上にFeの触媒層からなるパターンを形成し、そのパターン上の垂直方向に長さ600μm程度のカーボンナノチューブを成長させることで、カンチレバー等の3次元MEMSや半導体、セラッミクスデバイスを形成するというユニークな発想に基づく研究。

[コメント] エッチング等のトップダウン手法によって高アスペクト比の3次元構造を形成することは困難な場合が多いが、本研究のようなボトムアップ手法を用いることでデバイス製造プロセスが容易になることが予想される。しかしながら、本研究の方法を用いることができる材料はカーボンナノチューブ等の垂直成長可能な材料に限られるという制約がある。そのため本研究の方法により、材料は限定されるが3次元構造を比較的容易に形成できる可能性が非常に高いと考えられる。

Plasma Science and Technology session>

[全体の印象] プラズマサイエンス・テクノロジーセッションにおけるデバイス製造プロセスに関係した講演では、FinFETの製造プロセスやプロセスプラズマから発生するVUV/UV起因のダメージに関する発表が目立つという印象を持った。特に、FinFETのチャネルとなる側壁部分への製造プロセス時に発生するプラズマダメージや、最先端の半導体デバイスにおいてSiリセスを引き起こすようなプラズマダメージに注目した発表が複数件見られた。BEANSプロジェクトにおいて筆者らが研究している中性粒子ビームはまさに超低ダメージデバイス製造を目指した研究であり、非常に時宜にかなったテーマであることを痛感した。以下に個別な発表から紹介する。

Molecular Dynamic Simulation of Possible Damage Formation at Vertical Walls of finFET Devices during Plasma Etching Processes(K. Mizotani et.al, Osaka University)

FinFETではSi側壁をゲートチャネルとして用いるため、プラズマエッチング時のイオン衝撃による側壁のダメージ発生が懸念される。そこで、HBrプラズマ中のH+Br+イオンによるSiエッチング時のダメージを分子動力学(MD)法でシミュレーションした。その結果、

H+では基板表面へ到達する程の深いダメージが生じる一方、より重いBr+イオンではH+よりも少ないダメージが生じることがわかったという内容の発表。[コメント] 本研究ではプラズマからのUV/VUV照射の影響は考慮されていないが、イオンとUV/VUV照射の相乗効果によって、より多くのダメージが発生することが予想される。

Controlling Correlations Between Ion and UV/VUV Photon Fluxes in Low Pressure Plasma Material Processing(M. J. Kushner et.al, University of Michigan)

プロセスプラズマ中のUV/VUVはダメージやシナジー効果などの様々な影響を引き起こすことから、プラズマ中のイオンとUV/VUV光子フラックスを個別に制御することが望まれる。そのためにはパルス制御放電が有効であると考えられることから、モンテカルロ(MC)シミュレーションにより、最適な放電条件を予測した。その結果、Ar/Cl2の混合ガスプラズマでは、Duty比に依存してイオンとUV/VUV光子フラックスの比が大きく異なることがわかり、パルスON時に発生する高エネルギー電子がイオンフラックスに比較してより多くのUV/VUV光子フラックスを発生させることがわかった。[コメント] 発表者であるKushner氏はプラズマエッチングにおけるシミュレーション研究の第一人者のひとりであり、彼らのグループを含めたプラズマエッチング関係の研究者らがプラズマ中のイオンとUV/VUVによるプラズマダメージに対して、以前に増して関心を持ち始めたことが窺われた。

New Method of damaged Layer Removal by Atomic Layer Etching for Interconnection in Semiconductor(J. K. Kim et.al, SAMSUNG Electronics)

最先端の微細半導体デバイスにおいては、コンタクトホール底部等にプラズマエッチングによる深さ数十nmのイオン衝撃ダメージが発生し、その影響が顕著になってきている。そこで、Arの中性粒子を用いた基板シリコンの原子層エッチング技術を開発し、基板シリコンのダメージ層を除去した。その方法は塩素ガス分子を基板へ吸着させた後、その吸着層へ低エネルギーのAr中性粒子を照射することで、付加的なダメージを発生させることなく、原子層でのシリコンエッチング反応を生じさせるという発表。[コメント] この発表に対してエッチングレートはどれ位なのか筆者が質問したところ、現在は原子層エッチングプロセスの1サイクルで2分間程度必要なのでエッチングレートとしては0.1nm/min程度ということになるが、サイクル時間の短縮を検討中とのことであった。原子層エッチング技術はエッチング反応を引き起こすための必要最小限のエネルギーを加えるという制限があることから、原理的にエッチングレートを増加させることは困難であると推測できるが、本発表のように数nmのダメージ層のエッチングに用途を限ればエッチングレートが低いことの悪影響は小さくなると考えられる。

Interface trap Generation by VUV/UV Radiation from Fluorocarbon Plasma(M. Fukasawa et.al, Sony Corporation)

プロセスプラズマ中のイオンとUV/VUVによるSiNx:H膜とSi基板との界面に対するダメージをMgF2(>115nm透過), Quartz(>170nm透過), BK7(>300nm透過)の各窓材料を用いたプラズマ照射実験とCV測定による界面トラップ密度測定から評価した。その結果、波長170nm以下のVUV照射では影響が見られず、170nm以上のUV照射により界面トラップ密度が増加することがわかった。また300nm以上の光照射にも影響は見られなかった。これらの結果は、VUV光がSiNx:H膜で吸収されるのに対して、170-300nmUV光はSiNx:H膜を透過してSi基板との界面に到達する為に生じたと考えられる。また、300nm以上の光はSiNx:H膜で反射されることから界面には影響がなかったと考えられる。 [コメント] 本発表は、単にプラズマから照射されるVUVのみならず、被照射膜による吸収、透過、反射も考慮した結果であり、実用的な知見が得られていると思われた。

Analysis of Run-to-Run Variability in the Bosch Process using rf Probe and Emission Spectroscopy Measurements(M. Fradet et al, Universite de Montreal)

BoshプロセスはMEMSデバイス製造に広く用いられているが、量産プロセスにおけるエッチングレート変動等のプロセスバラツキをモニタリングし、制御する必要がある。そこで、RFプローブとプラズマ発光分光により、量産装置におけるBoshプロセス時のプラズマをモニタリングした。その結果、エッチングレート低下とプラズマインピーダンスのリアクタンス成分の低下が連動していることがわかり、エッチングレート低下時にはチャンバーウオールのデポジションが増加していることが推測された。また、エッチング中のFラジカルの発光強度は減少し、デポジションプロセス時のFラジカルは増加していたことから、ウオールのデポジション量がレート変動に関与していることが裏付けられた。[コメント] 本発表は、半導体製造プロセスにおいて盛んに研究されているプロセス均一性もしくはプロセス変動対策に関する報告であるが、MEMS製造プロセスにおいてはあまり注目されていない。今後はMEMSプロセスにおいてもクローズアップされる重要な分野であると思われる。

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2012年12月20日 (木)

MRS Fall Meeting 2012 参加報告


参加した学会の概要

 MRS 2012 Fall Meetingは、アメリカ材料学会MRS (Materials Research Society) の主催する国際会議で、毎年ボストンのHynes Convention Centerおいて開催されており、幅広い材料をカバーした国際学会である。具体的には,材料に関する網羅する内容でセッションの数が52 あり,以下のような大分類として5分類に分けられていた. 

 Materials for Energy Technologies11

    Soft Materials and Biomaterials 10

    Functional materials and Nanomaterials 11

    Structural and Advanced Materials 9

    General 2

 近年のエネルギー分野への注目が集まっており,太陽電池や蓄電池系の新規材料について多くの研究がおこなわれ発表が行われた.

 Macro BEANSセンターにおいて取り組んでいる大面積タッチセンサに用いている有機材料やその加工技術について,functional materials and nanomaterials 内のroll to roll processing of electronic and advanced functionalitiesにおいて発表を行った.

 

学会における調査

 プロジェクトに関係するroll to roll processing of electronic and advanced functionalitiesというセッションについて4日間91件の発表について調査を行った.3点ほど注目すべき研究について以下に紹介する.

1. PEDOT:PSSによる印刷による電子ペーパーの開発(Acreo, Sweden)

銀ペースト電極と色変化の特性を持つPEDOT:PSSの印刷し,電解液についても印刷を行うことでプラスチック上に連続的に低コストで電子ペーパーを製作できる.

2. 薄膜ガラス基板上へのTFTの連続製造(Corning, America)

  耐熱温度が高いガラスを使うことで,プラスチックでは難しい通常の熱処理(1000℃)以上を行ってディスプレイを作る.薄いガラスを使うことでロールtoロールで作ることができる.

3. Electronic skin (UC Berkley America)

 印刷により,電極,カーボンナノチューブによるTFTをプラスチック上に製作,センサ等をスイッチングすることで人工皮膚にする.


プロジェクト研究成果の学会発表とその反応

 Meter-scale Large Area Touch Sensor  with Conductive Polymer based Fabric for Human Motion Monitoringという題名で,MacroBEANSセンターで開発してきた大面積タッチセンサについてポスター発表を行った.発表に対して,使っている材料(PEDOT)の導電性,アプリケーション,どのような回路を使って計測しているかなどの質問があった.他のroll to rollによる製造方法で作られたものとしてはデバイス面積が最も大きいという部分が他の発表との大きな差であり,優位性であることが分かった.

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