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2012年11月

2012年11月28日 (水)

18th North American Regional ISSX meeting報告

標記会議が4日間にわたって開催され,薬物動態研究に従事する約500名の世界中のアカデミア・企業研究者が参加した。会議では、3つの基調講演セッション、3件のkeynote lecture、ならびに10個のシンポジウムテーマで計50件の口頭発表が行われた。また、同時に28の小テーマに別れて258件のポスター発表が行われた。


 基調講演では、(1) MSを用いた画期的な薬物代謝解析方法に関する報告、(2)動物モデルとメタボロミクスを用いた薬物毒性のメカニズム解析に関する報告、(3)抗体医薬の先の生物医薬品開発の紹介、といった内容であった。医薬品開発において、肝臓での薬物動態・毒性の解明が重要な位置を占めているにも関わらず、代謝物やその反応に関わる分子の多様性、定量的解析の必要性、ヒトと動物との種差、といった難しい要素を抱えている。基調講演では最新の創薬トレンドの紹介とともに、これらの要素を乗り越えるためのそれぞれ独自のアプローチを紹介していたので、非常に有意義なものであった。


 ISSX meetingは、アカデミアが少なく、企業の発表が多くの部分を占めているところも大きな特徴であった。発表者の所属が企業系の口演は50件中22件とさすがに過半数を下回るが、ポスター発表件数258件中では207件と約80%を占めていた。


 本報告では、小生の専門であるin vitro解析のための肝細胞培養技術について主に記述する。今回のISSX meetingでは、サンドイッチ培養もしくは肝細胞とクッパー細胞をパターン化した共培養に関する発表が相次いだ。肝細胞とクッパー細胞の共培養は、肝炎などで肝臓が炎症反応を起こしている際の薬物の作用や、薬物等により生じる免疫反応の影響を調べるためのもの。もともとはHepregen社単独の技術のようだが、複数の企業がこの技術を用いた解析を行っており、最近では最もホットな共培養系だと感じた。スフェロイド培養の情報に注意して全体を見ていたが、これを用いた解析例はまったく見られなかったのが意外であった。

一方、活性の高い肝細胞の材料としては、生体の肝臓から得られた初代肝細胞を使用したもののみで、今話題のES/iPS細胞といった幹細胞由来の肝細胞を使用した解析はまったくなかった。幹細胞由来の肝細胞が、ドラッグスクリーニングや薬物動態研究の用途のレベルにはまだまだ到達していないのが現状と言っていいだろう。一方、新たに樹立されたHep-TRU1という肝細胞様細胞株(ヒト肝細胞をSV40で不死化,Corning社)が紹介されており、成熟肝レベルの代謝能発現はともかくとして,酵素誘導プロファイルなどが比較的均一かつ把握可能な不死化肝細胞株には一定のニーズがあることが窺われた。

小生は,胆管から直接胆管代謝物を抽出し測定するという試みに関するポスター発表を行った.会場からは非常に好意的な意見が多く,担当者として嬉しく思った。一方、再現性よく同じ微細胆管構造を作らせ、分析に足る量の代謝物を抽出するプロセスの必要性を問われた。また。ビリルビンの代謝異常は肝毒性の大きな要因の一つとなっているが、本培養系では正常なビリルビン代謝が見えるので、ビリルビン代謝異常の原因解明やモデル作製に用いることも考えられるとの意見もあった。さらに、ヒト肝細胞に見られるロット差は大きな問題となっており、本技術でロット差を改善できるかどうかを問われた。今後は、さらなる製造プロセスの確実化とヒト肝細胞を用いた解析を進める必要があると考えている。

 なお,プログラム・アブストラクト等の情報は,http://www.issx.org/?page=Dallasから入手可能である.

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2012年11月22日 (木)

IEEE SENSORS2012参加報告

Fig1

概要

IEEE SENSORSは、センサーならびに関連分野(材料、システム、応用)に関する世界最大規模の国際会議であり、欧州/アフリカ、アジア/太平洋地域, アメリカの3地域の持ち回りで毎年開催されています。今年は、その11回目の開催として1028日から31日の3日間、台湾の台北にてIEEE SENSORS 2012(http://ieee-sensors2012.org/)が開催されました。世界のセンサー・MEMS専門家が多く集まる本学会にて、Macro BEANSセンターにて行っているマイクロ・ナノ構造大面積・連続製造プロセス技術開発の成果報告と、最新の技術動向の調査を行うため、今回参加を行いました。

発表

本会議は2012102831日の3日間で行われ、キーノートプレゼンテーション3件と通常セッション51件(うちポスターセッション3件)が開催されました。運営委員発表によると投稿件数は1082件で、うち580件の採択が行われたとのことです(採択率54%)。発表の内訳としては、オーラル286件、ポスター314件でした。採択された発表を国別でみると(図1)、台湾が101(奇しくも台北のランドマークである台北101と同じ数)で最も多く、次いでアメリカ99件、日本78件、中国50件という順番でした。学会で行われたセッションの一覧を図2に示します。3日間という短い会期でしたが、連日センサーに関する盛沢山の発表が行われ、センサー分野における本学会の重要性を再認識しました。

Fig2

1 国別発表件数

Fig3_2

2 セッション一覧


成果発表

本出張の目的の一つである発表として、BEANSプロジェクトからは、ポスターセッションにて以下の2件の発表を行いました。

Development of an Implantable Micro Temperature Sensor Fabricated on the Capillary for Biomedical and Microfluidic Monitoring

Zhuoqing Yang, Yi Zhang, Toshihiro Itoh

Low Temperature Deposition of Doped Polycrystalline Silicon at Atmospheric Pressure and its Application to a Strain Gauge

Teruki Naito, Nobuaki Konno, Takashi Tokunaga, Toshihiro Itoh

Fig4_2

3 ポスター発表発表者の様子

技術動向調査

学会では、MacroBEANSセンターのテーマ(非真空プロセス、繊維状デバイス)に関連する報告を中心に聴講を行いました。そのうちのいくつかの報告ついて、以下に紹介します。

Micro-Plasma Field-Effect Transistors (M. Cai, et. al, University of Utah, USA)

大気圧RFヘリウムプラズマを用いて、マイクロプラズマFET(MOPFET)を作製した結果についての報告。通常の半導体ベースのFETとは異なり、プラズマ中の電子とイオンをキャリアとして利用する。利点としては、通常のFETの適用が難しい高温下や電離放射線照射環境下でも動作できる。さらに理論上は極少数のイオンを用いたナノメートル級の電子デバイスを作製できる可能性を秘めている。MOPFET中のプラズマはRF電力源によって励起される。今回、初めて5-10 Vで動作するプラズマスイッチや増幅器が実現できたとのこと。

Low power textile-based wearable sensor platform for pH and temperature monitoring with wireless battery recharge (M.Caldara, et. al, University of Bergamo, Italy)

ウェアラブルセンサー適用にむけた機能性繊維の開発の一つとして、pHメーターの機能を有する繊維を作製した結果についての報告。無毒で有機の酸塩基指示染料をゾルゲル法により布の上に塗布する。読み出しは、低電力の色・温度センサーを用いたセンサー回路と、無線によるデータ送受信・充電装置を用いて行われていた。応用としては、スポーツ工学、医療、環境への用途などが考えられるとのこと。

Transverse Force Sensitivity of photonic crystal fibres (M. Karimi, et. al, City University London, UK)

複屈折特性を有するフォトニック結晶繊維を用いたせん断応力センサーについての報告。4種類の異なるフォトニック結晶について、せん断慮に対する繊維の方位と外力の影響を評価。その結果、少ない複屈折特性を持つフォトニック結晶繊維のほうが、繊維長が長くなるものの、より高い感度を示すことが判明した。PandaBow-tie型の高複屈折率繊維に比べて、フォトニック結晶繊維は低い温度依存性を有し、温度変化が激しい環境下での測定に向いているとのこと。

Setup and Properties of a fully Inkjet Printed Humidity Sensor on PET Substrate (Eric Starke et. al, Technische Universität Dresden, Germany)

PET基板上にインクジェット塗布によって作製した湿度センサーについての報告。導電性の銀電極を、湿度感知層を続けて形成した後、ポリマー粒子を最上層に塗布する。電極塗布条件を最適化することで、センサー領域を削減し、検知部の作製条件を最適化することで、作業性、感度、ヒステリシスともによいセンサーを作製することができたとのこと。

Piezoelectric PDMS Films with Micro Plasma Discharge for Electromechanical Sensors (J-J Wang, et. al, ,National Tsing Hua University, Taiwan)

キャスト法、積層、表面塗布、マイクロ放電の工程を組み合わせることで、圧電性PDMSフィルムの作製を行った結果についての報告。PDMSフィルムの内部に存在しているμmサイズの空孔をPTFE薄膜により表面被覆し、続いてPDMSフィルムの両面にスパッタでAu電極を形成する。その後、電極間に電圧を印加し、空孔内にマイクロプラズマを生成する。マイクロプラズマは、周波数0.5HzAC電界を15min印加することで生成する。放電後、PDMSフィルム内の多孔内に放電による人工誘電分極が形成され、結果として圧電定数d33=1000pC/Nもの強い圧電特性を有するPDMSフィルムを得ることができた。さらに、多孔質構造を調整することでPDMSフィルムの圧電特性を制御することが可能とのこと。

次回開催

 

次回開催となるIEEE SENSORS2013(http://ieee-sensors2012.org/)は、2013114日(日)から6日(木)の3日間の日程で、アメリカのメリーランド州ボルティモアで開催されます。アブストラクトの締め切りは2013417日となっています。 

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2012年11月13日 (火)

MicroTAS2012参加報告

概要

 MEMS関連の最新研究動向の情報収集を行うことを目的に、2012年10月28日(日)から11月1日(木)の5日間の日程で、沖縄コンベンションセンター(沖縄県・宜野湾市)で開催されたμTAS2012(The 16th International Conference on Miniaturized Systems for Chemistry and Life Sciences、チェアマン 東京大学生産技術研究所藤井 輝夫教授)に参加しました。

 本会議は、細胞やDNAをはじめとする様々な生化学分析に必要な機能を、微細加工技術を用いて微小なチップ上に集約したデバイスであるμTAS(Micro-Total Analysis Systems)に関連する技術を中心として、材料・プロセス制御、分析等といった要素技術からデバイス・システム設計といった応用までの幅広いフェーズに渡り、最新の研究状況の報告が行われ、議論が行われる場となっています。
 講演は、Plenaryセッション6件、Oralセッション89件、Posterセッション575件(筆者がプログラムのタイトルからカウントしたものです。μTAS2012事務局からは600件のポスターの採択がされたとの発表がされています。)なお、開催前の事務局の発表によると、本会議には昨年と同程度900名以上の研究者の参加が見込まれていた模様です。(900名以上という数字は、恐らく、事前登録の人数の状況から割り出したものと思われます。)なお、今年の会議では、2日目(11月30日(火))の午後には、”Microfluidics for Ocean Application”と題するSpecial Sessionが開催され、サンゴ礁の生態調査や独立行政法人海洋研究開発機構の科学掘削船「ちきゅう」による海底掘削調査への生化学分析の最新状況が報告されました。海洋国家としての独自性を出した企画で、μTAS会議に新たな風が吹きこまれたように思います。
 なお、沖縄コンベンションセンターは、沖縄県宜野湾市の海岸近くに位置し、周辺にはマリーナ、海浜公園、野球場、リゾートホテル等が並ぶ、非常に落ち着いた環境の中の施設でした。宿泊施設が多い那覇市内の中心地からもバスで30分~40分程度と比較的アクセスも良く、この辺りからバスで通った参加者も大勢いらしたように思われます。なお、本会議は、沖縄コンベンションセンターの施設(会議棟、展示棟、劇場棟)を全て利用して行われていました。3つの会場に挟まれた場所には比較的広い屋外スペースがあり、各セッションの合間にそこで休憩し、次のセッションに向けて気分をリフレッシュすることもできました。

Microtas201201_2


セッションの様子

 Oral Sessionは、3つのセッションがパラレルに開催される形式で、会期を通して多くの研究者が会場に詰めかけ、発表者の報告内容に対して、応用を見据えた技術性能等の技術の有用性に関する質疑応答等、熱い議論が交わされていました。筆者が選択・聴講したSessionのためか、今年の口頭発表の報告内容は、昨年度と比較して、要素技術的な課題解決に取り組むものが多く、デバイス化やシステム化に取り組むものが少なかった印象を受けました。
 また、報告中で実際に作製したデバイスのデモンストレーション・ビデオを紹介する発表も少なくなったように感じました。この分野の流れがより個々のデバイス実現に向けた基盤技術の開発に向かっているのか、日本での開催(日本人の発表が多くなっていること)が影響しているのかは不明ですが、来年以降の動向をみていく必要がありそうです。 また、ポスター発表でも、発表者と訪問者との間で熱心な議論が交わされていました。ここでも、全体的な方向として、生化学分析を用いた診断デバイスの集積化という大きな流れの中で、分析方法や分析対象である微粒子などの操作方法、流路の制御等、基盤的な要素技術の研究に関する発表が目立っていました。各要素技術については、昨年同様、まだまだ最適なものを探索しているという段階であるという印象を受けました。このことから、BEANSプロジェクトで行っている異分野融合というキーワードでのプロセス技術開発も、本会議で議論されている応用分野に十分に展開できるものであると考えられます。


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採択論文の動向

<採択論文の分野>
 本会議の分野全体の動向をみるため、ポスターに採択された論文のカテゴリ別の件数を下図にまとめます。ここで、論文のカテゴリ分けは、μTAS2012のプログラムに掲載されている情報に従っております。論文数が最も多いカテゴリは、細胞や組織の培養、分析といった応用に関する研究である”Cell & Tissue Application”が最も多く、医療・ヘルスケア分野の検査・診断といった応用に関する”Life Science Application”、マイクロ・ナノ流路技術による粒子の操作やデバイスの作製に関する”Microfluidics and Nanofluidics”が続いています。昨年の会議とは、カテゴリが異なっているため、一概には比較できませんが、マイクロ流路技術や医療・ヘルスケアへの応用という切り分けでの研究が多い傾向は変わっていないように思います。



Microtas2012g01

<国別の採択論文数>
 以下に、OralとPoster Session(Plenary/Special Sessionは除く)の採択論文について、第一筆者の所属機関の国籍別に整理したグラフを示します。第一位は、開催国である日本で194件、米国(155件)、韓国(64件)、台湾(43件)、カナダ(26件)となっており、5位までをアジア勢と北米が占めています。昨年と比較して、全体的な傾向は大きく変わりませんが、昨年の開催国の米国が大きく数を減らし、代わりに今年の開催国である日本が件数を伸ばし順位が入れ替わった他、台湾からの論文数の増加も目立っています。  なお、グラフは示していませんが、Oral Sessionの採択論文だけに注目すると、1位は米国で全体の約4割を占める34件となっており、日本(22件)、韓国(5件)、カナダ(5件)、フランス(5件)と続いています。


Microtas2012g02

<採択論文数上位の研究機関>
 以下に、Oral SessionとPoster Sessionの採択論文について、第一筆者の所属機関の上位10位までを示します。

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BEANSプロジェクト・テーマの報告
 BEANSプロジェクトからは、以下の3件の論文がPoster Sessionに採択されました。

M.2.37 CONTINUOUS EXCHANGE OF BUFFERS OVER A LIPID BILAYER MEMBRANE FORMED IN A GLASS MICROFLUIDIC DEVICE Y. Watanabe1,3, and S. Takeuchi1,2, 1 BEANS Project, JAPAN, 2The University of Tokyo, JAPAN, and 3Olympus Co, JAPAN

W.2.57 A TRANSDERMAL CONTINUOUS GLUCOSE MONITORING SYSTEM WITH AN IMPLANTABLE FLUORESCENT HYDROGEL FIBER AND A WEARABLE PHOTO-DETECTORM. Takahashi1,3, Y. J. Heo2, T. Kawanishi1,3, T. Okitsu2, and S. Takeuchi1,2, 1 BEANS Project, JAPAN, 2The University of Tokyo, JAPAN, and 3TERUMO Co., JAPAN

W.3.95 FABRICATION OF MICROCHANNEL NETWORK IN LIVER TISSUE SPHEROIDS,N. Kojima1,2, S. Takeuchi1,2, and Y. Sakai1,2, 1 University of Tokyo, JAPAN, and 2BEANS Project, JAPAN

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各賞受賞者

Art in Science Award
 Stretching the Rainbow, Yi Zhang, Johns Hopkins University

Lab on a Chip Widmer Award

 T.2.43 Single Cell ELISA, Klaus Eyer, Swiss Federal Institute of Technolog(ETH) Zurich

■Young Researcher Poster Award

MONDAY
 M.8.182 Microfluidic Sample Preparation of Pleural Effusions for Cytodiagnostics, Albert J. MachUniversity of California, Los Angeles

TUESDAY
 T.7.159 Rapid Quantitation of C-Reactive Protein Agglutination with Acoustic-Enabled Microvortices. Arlene Doria, University of California, Irvine

WEDNESDAY
 W.4.120 Microfluidic Fabrication of Polymerized Ionic Liquid Microgels, Zahra Barikbin, National University of Singapore

Lab on a Chip / Corning Inc. Pioneers of Miniaturization Prize
 Prof. Andrew deMello, Swiss Federal Institute of Technolog(ETH) Zurich

Analyrical Chemical Young Innovator Award
 Prof. Amy Elizabeth Herr, University of California, Berkeley

次回開催
 次回のμTAS2013は、University of FreiburgのRoland Zengerle教授をチェアマンとして、2013年10月27日(日)から31日(木)の5日間の日程で、Messe Freiburg(Freiburg, Germany)で開催されます。
 なお、本会議の最後に、今年のチェアマンの藤井輝夫教授(東京大学生産技術研究所)から、来年の会議が無事に成功するよう沖縄の守り神(魔除け)であるシーサーがRoland Zengerle教授に贈られましたので、来年の会議も今年同様、盛況となることは間違いないかと思います。

その他
 本会議では、4日目の31日(水)の夕方には、会場から離れた首里城公園(沖縄県那覇市)内にある首里社館で、Social Event(懇親会)が行われました。筆者は、参加しませんでしたが、開催前の会場の様子を写真におさめましたので、掲載します。当日は、あいにくの雨でしたが、沖縄の美味しい食事とお酒、民族舞踊等を満喫されたことかと思います。

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2012年11月 9日 (金)

BEANS成果発信:NNT2012国際会議

BEANSプロジェクトの研究開発成果の一つとして、様々な形状のマイクロハイブリッドパターンを有するシームレス円筒モールドを用いて、繊維状基材に20m/minの送り速度で高速、且つ連続に熱インプリントする技術を開発しました。この成果を、10月24日から10月26日まで米国カリフォルニア州のナパで開催されたThe 11th International Conference on Nanoimprint and Nanoprint Technology (NNT 2012)にて発表しました。NNTはナノインプリントに関する最新の科学技術の成果が紹介される場で、次世代の半導体製造技術として現時点での到達技術水準や、幅広い応用展開について議論されます。参加者数の平均は100~200名で、今回ナパで開催されるNNT2012は、2002年にサンフランシスコで開催されて以来、11回目になります。来年(2013年)はスペインのバルセロナで開催される予定です。

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NNT2012開催会場のSilverado Resort and Spa

 さて、今回のNNT2012での発表件数は口頭発表で36件、ポスター発表で66件、計102件でした。発表者を地域別で分類すると、開催地である米国からは18件と少なく、欧州が40件と最も件数が多かったのが特徴です。日本からは8件の口頭発表と18件のポスター発表があり、日本を含まないアジア地域の総数が18件であったことからも、日本でのナノインプリント関連の研究開発が活発であることが窺えます。また、カテゴリー別にみると、今回の会議では実用寄りの応用研究が細分化されており、Roll-to-Roll Imprint Lithography(計9件)、Large Area Imprint Lithography(計6件)、Applications(14件)、Bio Applications(計8件)となっており、基礎研究はProcess, Materials and Characterization(計50件)に集約されていました。ナノインプリント関連の研究開発における全体的な傾向としては、円筒モールドを用いたディスプレイ等の大面積デバイスへの製造展開か、多層構造モールドによるアライメント不要の一括成形プロセスによるCMOS等の製造技術に二極化している印象を持ちました。その中で、ガラス基板等、従来のプラスチックやUV硬化性樹脂とは格段に成形が難しい材料へのチャレンジも増えており、その応用範囲の拡がりも見られました。

なお、BEANSプロジェクトからは以下の1件の口頭発表を行いました。

2.2 Manufacturing of smart fibers by high-speed reel-to-reel imprint using cylinder mold

機械加工と三次元フォトリソグラフィーを組み合わせて、モールドパターンが多段構造となっている直径100mmのシームレス円筒モールドを作製した。さらに、この円筒モールドをリールツーリールインプリント装置に組み込み、直径250µmのプラスチック製光ファイバーの表面に、製織工程で縦糸と横糸を位置決めするガイド構造と、摸擬MEMS構造を20m/minの送り速度で高速熱インプリントすることに成功した。(H. Mekaru, et al.)

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NNT2012にて口頭発表する筆者

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(a)円筒モールド表面の多段構造モールドパターンと、(b)リールツーリールインプリントによって加工された直径250µmのプラスチック製光ファイバー表面の成形パターン

 BEANSプロジェクトと関連のあるロールツーロールインプリントでは、モリキュラーインプリント社(アメリカ)、カタランナノテクノロジー研究所(スペイン)、南洋理工大学(シンガポール)、ミシガン大学(アメリカ)、国立台湾大学(台湾)、ヨアンノイム・リサーチ(オーストリア)、ポールシェーレ研究所(スイス)、日立研究所(日本)による8件の口頭発表がありました。3件は熱ナノインプリント関連で、残り5件はUVナノインプリントを対象とした研究開発であり、その内4件はLEDやディスプレイ等の光学部品をターゲットにしており、残り1件は濡れ性を制御した基板表面の改質が目的でした。また、シームレス円筒モールドについては、旭化成(日本)が回転駆動系を組み込んだ電子ビーム描画装置を開発し、直径100mm、幅50mmのシームレス円筒モールドを作製し、その円筒表面上に最小線幅140nm、ピッチ500nmのラインパターンを形成したことを報告していました。ロールツーロールインプリントの成形対象は全てフィルム基材であり、我々のような繊維状基材を加工対象とした報告例はありませんでした。BEANSプロジェクトの発表はキーノートスピーチ後の「Roll-to-Roll Imprint Lithography」セッションに含まれ、招待講演後の最初の一般公演として組まれており、我々の研究成果をPRするには最良の順番でした。我々の発表は異色だったためか多くの参加者を引き付けたようで、特に成形パターンの具体的な用途や繊維状基材ならでは技術的問題点、そしてシームレス円筒モールドの作製方法の詳細について多くの質問を受けました。中には、我々のリールツーリールインプリント装置を購入したいとの相談も受け、本会議における広報は大成功だったと思います。

(銘苅春隆)

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2012年11月 6日 (火)

電気学会センサ・マイクロマシン部門大会 第29回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム参加報告

参加概要

 マイクロマシン・ナノ分野の研究動向に関する情報収集を目的として、2012年10月22日(月)から10月24日(水)の3日間の日程で、北九州国際会議場および西日本総合展示場(福岡県北九州市)にて開催された電気学会センサ・マイクロマシン部門主催 第29回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウムに参加しました。
 本シンポジウムは、第4回「マイクロ・ナノ工学シンポジウム」(日本機械学会マイクロ・ナノ工学部門主催)、第4回「集積化MEMSシンポジウム」(応用物理学会集積化MEMS技術研究会主催)、第2回マイクロ・ナノ産業化シンポジウム(電気学会・日本機械学会・応用物理学会共催、日本学術会議講演)と同時開催され、学・協会を超えたグループ間の情報の交換、アイデアの討議の場としてセンサ・マイクロマシン技術のさらなる発展を目標に開催される日本最大のシンポジウムで、国内におけるマイクロマシン・ナノ分野の研究の最新動向が幅広く収集できる絶好と機会となっています。今回は参加者約600名(事務局発表)の参加者の間で連日活発な議論が交わされました、
 筆者は、シンポジウムの4つの招待講演の他、「ケミカルセンサ」(22日 15:40-16:40),
「フィジカルセンサⅡ」(22日 17:00-18:00、17:00-18:00)、「企画セッション ヘルスケアとバイタルサインモニタリング1・2」(23日 10:20-12:00、13:00-15:00)、「Bio MEMSⅠ」(24日 10:20-12:00)、「企画セッション グリーンセンサ」(24日 13:00-15:00)の4つのセッション、およびポスターセッション(23日 15:20-17:00)を聴講し、センシングに関する要素技術の他、環境・エネルギー、医療・ヘルスケアといった社会的要請が高い分野へのセンサの応用展開に関する最新動向の収集を行いました。また、本シンポジウムでは、新たな試みとして「センサ・マイクロ・ナノ領域への貢献」と題したランプセッション(23日 17:30-19:00)が催され、電気学会、日本機会学会、日本材料学会、電子情報通信学会、エレクトロニクス実装学会といった学会を代表するパネリストによって、各学会の活動の紹介や学会を超えた取り組みに関する現状、課題についての熱い議論が交わされました。夕方の開催で、軽食と軽いアルコールが供されたことも手伝い、学会活動の在り方、研究・ビジネスの枠組み等について、アカデミックと産業界の枠を超えた意見交換がざっくばらんに行われたかと思います。

Sensorsymp_hnitta04

各セッションの模様
 以下に、筆者が聴講した各セッションの模様を報告します。

■招待講演
 以下の4件の招待講演が行われました。

Printed Intelligence – Embedding in and Showing on Future Electronics Product
(Harri Kopola氏、VTT Technical Research Center for Finland)

プリンテッドインテリジェンス(印刷技術を利用したとしたコンポーネントの集積化)に関するVTTの取り組みについての講演が行われました。 医療分野、エレクトロニクス分野、エネルギー・ハーベスティング分野における未来のアプリケーションを想定し、材料からプロセス、デバイスまでをシームレスに取り組んでいる様子が紹介されました。

次世代燃料電池における現象解明と理論材料設計(小山通久 教授 九州大学)

 固体酸化物燃料電池(SOFC)の電極における三相界面反応機構の解明に対する理論的なアプローチに関する取り組みに関する講演が行われました。講演の中では、原子・分子スケールでの化学反応とμメートルスケールでの輸送現象の連携の必要性が強調され、第一原理計算を活用した反応シミュレーション、大規模分子動力学計算による分子モデリング、格子ボルツマンシミュレーションによる電流-電圧特性の導出等、ミクロからマクロスケールにわたるシミュレーションの取り組みについての紹介が行われました。

わが国の医療機器産業の現状と将来展望(三澤裕 氏、テルモ株式会社)

 医療機器分野の市場や製品開発における現状が述べられた上で、今後の医療機器産業の展望について講演が行われました。講演においては、様々な情報を提供して頂きましたが、その中でも特に、世界的に拡大傾向にある医療機器の現状や日本の高効率・高品質な医療という強みを好機として捉え、海外進出を含めた積極的な展開が重要であること、そのために医療現場のニーズを新しい技術を商品にする力、市場を創る力という視点が重要であるといったメッセージが強く印象に残りました。

生き物としての細菌のすがた(吉田真一 教授、九州大学)

 細菌学の視点から、生物浄化、発酵食品への利用、感染症といった微生物と人間の関わり、環境センシングの仕組み、走行性・環境に対するストレス応答といった生き物として細菌のすがた、細菌の培養・検知に関する講演を頂きました。一見、マイクロマシンと無関係に見える細菌の世界からも、「予測のできない環境の変化を認識し、それに応じて自らを適切に行動させる操作情報を自己創出する」といった点で共通点が見いだされ、今後のセンサの研究開発にも何らかのヒントが与えられたかと思います。また、細菌学の研究から、微生物を構造や機能だけでなく、生き物としての相(すがた、対象全体を感覚的に把握する)と捉えるというニーズが提供され、センシングに関する大きな課題が与えられたのではないかと思います。

■ケミカルセンサⅠ(22日 15:40-16:40)
 細孔形成逆オパール構造を用いた高比表面積化による高感度ガスセンサの開発(BEANS研究所他)、分子ふるい吸着・分離により選択的に匂いを検知するセンサの開発(九州大学)、蛍光消光を用いて匂いを可視化するフィルムの開発(九州大学)といった化学物質(エタノール等のガスやにおい分子)の検出に関する研究テーマについて、報告が行われました。なお、匂いセンサの講演では、食品の安全や環境といった視点から匂い検知へのニーズについて言及されていましたが、数多くの匂い分子の種類への対応等の乗り越えるべき多くの技術的な課題があるとの所感を持ちました。

■フィジカルセンサⅡ(22日 17:00-18:00)
 曲率を変えることで焦点距離を合わせる距離センサの開発(東京大学)、MEMS共振器を用いたリングレーザの開発(兵庫県立大学他)、振動型MEMSジャイロスコープで動作レンジの限界をもたらす非線形現象の原因究明(立命館大学)に関する報告が行われました。距離センサでは、内視鏡等の検査機器への応用を想定していましたが、聴講者から最終デバイスに適用するためのコンポーネントの要求性能(サイズや精度、信頼性、駆動電圧等)に関する質問が寄せられており、いくつかの性能は今後も検討が必要であるとの印象を持ちました。また、振動型MEMSジャイロスコープでは、効率的にレーザー光の強度を得るため、エッチング加工を最適化し、ミラー反射面の平滑化を行ったという内容の報告でした。また、振動型MEMSジャイロスコープでは、非線形現象をもたらす原因の候補として、内部構造とばね構造等について調査が行われており、漸硬ばね硬化によって非線形現象が引き起こされている可能性が示唆する結果が報告されていました。

■ヘルスケアとバイタルサインモニタリング1/ 2(23日 10:20-12:00 / 13:00-15:00)
 本セッションは、今後、ますます社会的なニーズが大きくなると考えられる医療・ヘルスケア分野に対するセンシング技術の展開についての企画セッションとなっていました。セッションの構成は、センサのユーザであるアプリケーション企業からの講演が3件、バイタルサインモニタリングの技術開発に関する報告が5件となっていました。アプリ側からは、心不全患者の見守り、住宅内でのヘルスケアモニタリング、がんの早期発見といった事例を挙げて、バイタルサインモニタリングの活用の現状が議論されました。主な課題としては、どのようなバイタルサインを取得し、ユーザに生活改善や健康促進等のメリットを提供していくのか、医療現場のニーズとのギャップをどのように埋めていくのかといったことが挙げられていました。

■Bio MEMS(24日 10:20-12:00)
 人工系脂質二重膜を用いたタンパク質機能解析デバイスの開発(神奈川県科学技術アカデミー他)、MEMS技術を利用した高速DNAファイバ解析デバイスの開発(香川大学他)、MEMSファブリペロー干渉計を用いた非標識タンパク質センサの開発(豊橋技術科学大学)、水晶振動子微小天秤センサを用いた細胞由来のリボソームの膜たんぱく質―リガンド相互作用の測定(九州工業大学)、細胞を用いた多チャンネル化学量センサのための電極一体型細胞アレイ化流路の作製(豊橋技術科学大学)といった生体材料や生体反応の検出、生体材料を用いたセンサ開発に関する報告が行われました。

■グリーンセンサ(24日 13:00-15:00)
 本セッションは、NEDO「グリーンセンサ・ネットワークシステム技術開発プロジェクト」(2011年~2014年、http://nmems.or.jp/gsnpj/)に関連した企画セッションであり、MEMSセンサを利用した省エネルギー・CO2削減のための取り組み事例、プロジェクトの概要の紹介、センサ用低消費電力回路の開発状況の報告が行われた。MEMSセンサの活用としては、クリーンルームの省エネソリューション、業務用車両の低燃費化に向けたセンシング、コンビニエンスストアによるグリーンセンサネットワークの実証、空調機器の省エネ運転へのソリューション提供といった事例が紹介され、低消費電力化、高速動作、集積回路とのマッチングといったセンサ性能に対する課題の他、処理負荷の低減や費用対効果のアピールといった省エネソリューションを提供するシステムの課題についても触れられていました。なお、セッションには、シンポジウムの最終日最後にもかかわらず、100名近くの聴衆者が集まっており、関心の高さが伺えました。

BEANSプロジェクト・テーマの報告及び展示
 BEANSプロジェクトからも以下の口頭発表9件、ポスター発表6件の発表がありました。また展示会場には、今回も恒例の展示ブースが設営され、BEANSプロジェクトも参加して来場者にアピールしました。

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■口頭発表
 1C4-1 ディップコーティング法により作製した細孔形成逆オパール構造ガスセンサ(阿波嵜 実1、相馬伸一2、諸貫信行3、杉山正和4、1BEANSプロジェクト 3D BEANSセンター、2富士電機(株)、3首都大学東京、4東京大学)

 2B2-2 プラズマダメージを抑制した中性粒子ビームエッチングのMEMSにおける効果検証と各種シリコン表面との比較(西森勇貴、植木真治、三輪和弘、杉山正和、寒川誠二、橋口 原、BEANS研究所)

 2B2-4 ペプチドアプタマーを利用したカーボンナノチューブデバイス構築プロセスの検討(嶋田友一郎1,2、梅津光央2,3、近本拓馬2、杉山正和1,2、藤田博之1,2、1東京大学、2BEANS プロジェクト 3D BEANS センター、3東北大学)

 2D2-3 ガラスマイクロ流路による脂質膜の形成(渡辺吉彦1,3、竹内昌治1,2、1BEANSプロジェクト Life BEANSセンター、2東京大学、3オリンパス(株))

 2D3-5 完全埋め込み型血糖センサの血糖測定精度評価(高橋正幸1,3、許 允禎2、川西徹朗1,3、興津 輝2、竹内昌治1,2、1BEANSプロジェクト Life BEANSセンター、2東京大学、3テルモ(株))

 3E3-1 大面積デバイスのための繊維状基材への連続微細パターン高速成形(高木秀樹1,2、大友明宏1,3、銘苅春隆1,2、小久保光典1,3、後藤博史1,3。1BEANSプロジェクト Macro BEANSセンター、2(独)産業技術総合研究所、3東芝機械(株))

 3E3-6 環境発電アプリケーションのための低共振周波数圧電ポリマーシートの開発(山下崇博1、高松誠一1,2、小林 健1,2、伊藤寿浩1,2、1BEANS研究所 Macro BEANS センター、2(独)産業技術総合研究所)

 3F3-5 マルチ耐摩耗プローブによるナノパターンの並列描画(李 永芳1、冨澤 泰1、古賀章浩2、杉山正和3、藤田博之3、1BEANS研究所、2(株)東芝、3東京大学)

 3F3-6 ナノスケール摺動電気接点における接触抵抗安定性と耐摩耗性の二律背反(冨澤 泰1,2,3、李 永芳1,2、古賀章浩1,2、年吉 洋3、安藤泰久1,4、藤田博之1,3、1BEANS研究所 3D-BEANS センター、2(株)東芝、3東京大学、4東京農工大学)

■ポスター発表

 SP1-5  中性粒子ビームエッチングモデルと加工形状解析(大塚晋吾1、渡辺尚貴1、岩崎拓也1、小野耕平1、入江康郎1、望月俊輔2、杉山正和3、久保田智広4、寒川誠二4、1みずほ情報総研(株)、2(株)数理システム BEANS 研究所、3東京大学、4東北大学)

 SP1-6  形状シミュレーションによる塩素中性粒子ビームエッチングの加工形状の検討(望月俊輔1、大塚晋吾2、渡辺尚貴2、岩崎拓也2、小野耕平2、入江康郎2、三輪和弘3、久保田智弘3,4、杉山正和5、寒川誠二4、1(株)数理システム、2みずほ情報総研(株)、3BEANS研究所 3D BEANS センター、4東北大学、5東京大学)

 SP1-7  開放系でのプラズマプロセス実現に向けた雰囲気制御技術開発(内藤皓貴1、紺野伸顕1、徳永隆志1、伊藤寿浩1,2、1技術研究組合BEANS研究所 Macro BEANS センター、2(独)産業技術総合研究所)

 SP1-14 シミュレーションによる熱電薄膜へのハーマン法適用の検討(谷村直樹1,2、入江康郎1、宮崎康次2,3、1みずほ情報総研(株)、2BEANS研究所 Life BEANS センター九州、3九州工業大学)

 SPB2-14 高い電流利得を有するVibrating-Body Field-Effect Transistorの提案(植木真治1,2、西森勇貴1,3、三輪和弘1、今本浩史2、久保田智広1,4、杉山正和1,5、寒川誠二1,4、橋口 原1,3、1BEANSプロジェクト3D BEANSセンター、2オムロン(株)、3静岡大学、4東北大学、5東京大学)

 SPB6-6 ガス透過性膜と3次元パターンコラーゲンゲルを利用した薬物代謝分析細胞チップ(松井 等1、竹内昌治2、長田智治2、藤井輝夫2、酒井康行2、1BEANS研究所、2東京大学)

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各賞受賞者
 なお今回、BEANSプロジェクトからは残念ながら受賞を逃しましたが、各賞受賞者は以下のとおりです.

■五十嵐賞:
魚の鮮度測定のためのプラグ型マイクロデバイス(小谷内絵梨1、伊藤大輔1、村田裕子2、村田昌一2、鈴木博章1、1筑波大学、2水産総合研究センター)

■奨励賞:
細胞由来リポソームを用いた膜タンパク質-リガンド相互作用のQCM計測(鈴木孝明1、寺尾京平1、鈴木博之1、新田祐幹1、高尾英邦1、下川房男1、大平文和1、平丸大介2、小寺秀俊2、1香川大学、2京都大学)

■最優秀技術論文賞:
MEMS技術を利用した高速DNAファイバ解析デバイスの開発(鈴木孝明1、寺尾京平1、鈴木博之1、新田祐幹1、高尾英邦1、下川房男1、大平文和1、平丸大介2、小寺秀俊2
1香川大学、2京都大学)

■優秀技術論文賞:
細胞を用いた多チャンネル化学量センサのための電極一体型細胞アレイ化流路の作製(三澤宣雄1、李 賢宰1、澤田和明1,2、1豊橋技術科学大学、2科学技術振興機構)

■最優秀ポスター賞:
 Dynamic Measurement of Surface Texture of Paper Using the Multi-Axial Tactile Sensors with Micro-Cantilever(K. Watanabe, M. Sohgawa, T. Kanashima, M. Okuyama, H. Noma、Osaka Univ., Advanced Telecommunication Research Institute International)

■最優秀技術展示賞:
NTTアドバンストテクノロジー株式会社

次回開催
 第30回の開催となる来年度の「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウムは、仙台国際センター(宮城県仙台市)にて、2013年11月5日~7日の3日間の日程で開催される予定となっています。

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