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2012年2月

2012年2月17日 (金)

MEMS2012 参加報告 (3D BEANSセンター)

3D-BEANSプロジェクトの成果である中性粒子ビームエッチングによる超低損傷デバイスの作製について「RECOVERY OF PLASMA-INDUCED MECHANICAL DAMAGE IN RESONATORS USING NEUTRAL BEAM ETCHING:WAFER-SCALE VALIDATION BY ARRAYED CANTILEVERS」という題で発表すると共に、最新MEMS関連技術の情報収集を目的とし、2012年1月29日(日)~2月2日(木)の5日間の期間に、フランス・パリにあるマリオットホテルで開催されたMEMS2012(The 25th International Conference on Micro Electro Mechanical Systems)に参加しました。本学会は、口頭発表48件、ポスター発表298件から構成されており、口頭発表は1会場で行われるため、全ての発表をMEMS2012に参加した方全員が聴講することができ、異分野からの幅広い意見が聞ける場となっていると思います。

私の研究に関係するRF-MEMS, SENSORS,のオーラル発表内容について記事を書かせて頂きたいです。

RF MEMS>
RF-MEMSのオーラルプレゼンテーションは全部4件であったが、いずれもアメリカの研究グループからの発表でした。完成度の高いチューナブルなMEMSフィルターや、ノイズを減少させるための手法についての報告がなされており、ノイズに関する議論が多い事が印象的でした。

SENSORS>
基盤に接着したガラスにかかるトルクや圧力を適切な箇所に配置したCMOSセンサで検出するもの、蠅が飛行する際にかかる力を計測したもの、十数種類のセンサを同一の基盤状に作製したもの。計4件の報告がなされた。その内訳は日本から二件、アメリカから二件でした。日本からの発表はホワイトノイズの確率分布が正規分布に従う事をうまく利用した新規性の高いセンサや、虫の運動を理解する手段としてMEMSセンサを用いた報告がなされておりました。一方アメリカからは新規性は薄いですが、センサをかなりシステムに近いレベルまで作り込んでいる印象を受けました。

アメリカでの研究報告は大学からの発表でありながらデバイスの完成度が高く
大規模なクリーンルームでのプロセスや、充実した研究補助員等の配備が連想されました。半導体分野でのトランジスタのようなキーデバイスがあると信じMEMS分野でのそれをいち早く見つけることが必要であると感じました。

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2012年2月16日 (木)

MEMS2012 報告(BEANS本部)

★第25回IEEE/MEMS2012国際会議(25th IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems)が、2012年1月29日(日)~2月2日(木)の日程で、フランス・パリのMarriott Rive Gauche Hotel & Conference Centerにて開催されました。マイクロ・ナノテクノロジー分野では、MEMS国際会議は、隔年開催のTransducers(The International Conference on Solid-State Sensors, Actuators and Microsystems)と並び、最も重要な国際会議と位置付けられ、アメリカ、ヨーロッパ/アフリカ、及びアジア/オセアニアの3つの地域が持ち回りで毎年開催されています。第25回目にあたる今回はヨーロッパ/アフリカ地域が担当で、フランスでは初めての開催となりました。投稿論文数は、過去最多の978件(前回886件)、その中から45件のオーラル、298件のポスターが採択され、採択率は合わせて35%と厳選された論文が発表されました。地域別ではアメリカ126件(前回146件)、ヨーロッパ/アフリカ54件(前回61件)、アジア/オセアニアが160件(前回136件)で、ヨーロッパ開催にもかかわらずアジアの躍進が目立ちました。国別ではUSAが1位で119件、日本が2位で84件、以下、台湾29件、韓国21件、中国14件、フランス12件、シンガポール10件の順で、日本は健闘しています。また,事前登録参加者は、アメリカ地域206名(前回228名)、ヨーロッパ/アフリカ地域237名(前回128名)、アジア/オセアニア地域281名(前回204名)で、ここでもアジアの勢いを感じました。次回は、2013年1月20日(日)~1月24日(木)の日程で、台湾・台北のTaipei International Convention Center (TICC)にて開催されます。アブストラクト締切りが9/10、採択通知が10/19、最終原稿締切りが11/23となっています。

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★BEAMSプロジェクトからは、4件のポスター発表が採択されました。Life BEANSセンターの高橋研究員は、分野8(Medical Microsystems)の中で、蛍光血糖値センサなどの埋め込みデバイスに不可欠な要素となる皮下組織の炎症を抑制するナノパターン付きハイドロゲルについて発表しました。3D BEANSセンターの西森研究員は、分野1(Fabrication Technologies)の中で、プラズマ起因のSi表層に生じる機械的損傷を中性粒子ビームエッチングにより低減できる可能性について、カンチレバーアレイを形成したウエハを用いて評価した結果を発表しました。Macro BEANSセンターの高松研究員は、分野1(Fabrication Technologies)の中で、テキスタイルデバイスの製造に要求される高い導電性を有するポリマーのパターニング技術について、UVナノインプリントによる表面改質(親/疎水化)とエチレングリコールによる2次ドーピング処理の有効性について発表しました。また、Macro BEANSセンターの山下研究員は、分野3(Materials and Device Characterization)の中で、テキスタイルデバイスに要求される耐久性の高い柔軟な接点として開発中の、シリコーンエラストマーに導電性ポリマーをコーティングした新規接点構造について発表しました。各ポスターとも多くの聴講者が訪れ、熱心な議論がなされていました。このように各分野の専門研究者との生の議論を通して、各研究員は、貴重な情報が収集でき、また、BEANS成果の広報もできたものと思います。以下に、各研究員の発表の様子を写真で示します。(各研究員からもブログを発信しておりますので、参照ください)

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★以下に、招待講演、及びオーラルセッションとポスターセッションの構成、件数を示します。概要、トピックスにつきましては、追って報告したいと思います。

【招待講演】
(1)CHALLENGES AND EMERGING DIRECTIONS IN SPINTRONICS
  Albert Fert
  UMP CNRS/Thales, Palaiseau and Université Paris-Sud,
  Orsay, France

(2)SEMICONDUCTOR DEVICES INSPIRED BY AND INTEGRATED WITH BIOLOGY
  J.A. Rogers
  Department of Materials Science and Engineering, University of Illinois,
  Urbana/Champaign, USA

(3)MICROROBOTS IN SPOTLIGHT FOR EVOLUTION OF BIOMEDICINE
  F. Arai
  Department of Micro-Nano Systems Engineering, Nagoya University,
  Nagoya, Japan

【オーラルセッション】 45件(11件) ()内は日本からの発表件数
  ●セッションⅠ (OPTICAL MEMS): 3件(0件)
  ●セッションⅡ (RF MEMS) : 4件(0件)
  ●セッションⅢ (POWER MEMS) : 5件(0件)
  ●セッションⅣ (FABRICATION) : 4件(1件)
  ●セッションⅤ (ACTUATORS) : 4件(2件)
  ●セッションⅥ (BIO & CHEMICAL MICROSYSTEMS) : 6件(2件)
  ●セッションⅦ (MEDICAL MICROSYSTEMS) : 4件(2件)
  ●セッションⅧ (SENSORS) : 4件(2件)
  ●セッションⅨ (MICROFLUDIC COMPONENTS & SYSTEMS) : 4件(1件)
  ●セッションⅩ (GYROSCOPES) : 3件(0件)
  ●セッションⅪ (NANO & MATERIALS) : 4件(1件)

【ポスターセッション】 298件(73件) ()内は日本からの発表件数
  ■分野1(Fabrication Technologies):39件 (11件)
  ■分野2(Packaging Technologies):8件(1件)
  ■分野3(Materials and Device Characterization):26件(7件)
  ■分野4(Mechanical Sensors and Systems):35件(6件)
  ■分野5(Physical MEMS (Optical, Magneto)):11件(2件)
  ■分野6(RF MEMS):19件(0件)
  ■分野7(Bio and Chemical Micro Sensors and Systems):43件(11件)
  ■分野8(Medical Microsystems):20件(6件)
  ■分野9(Micro-fluidic Components and Systems):32件(14件)
  ■分野10(Micro-Actuators):20件(8件)
  ■分野11(Energy and Power MEMS):25件(6件)
  ■分野12(Nano-Electro-Mechanical Devices and Systems):20件(1件)


★MEMS2012における技術動向の一つの指標として、オーラルとポスターの発表件数から分析してみました。下の図は、分野1~分野12で分類した発表件数の割合を%で示したグラフです。昨年度MEMS2011のデータも併せて示しました。多少の増減はありますが、発表件数が多い分野は、昨年度と同様、⑦バイオ・化学センサシステム、①製造技術、④メカニカルセンサ・システム、⑨マイクロ流体要素・システム、③材料・デバイス特性となっており、バイオ・化学系のデバイス開発がMEMS研究の大きな流れになっている状況が定着してきたようです。また、将来の革新デバイス実現に向けた、新たな製造技術や材料の研究においても、新たな研究成果が継続して発表されており、これは、BEANSの目的と一致しています。また、従来からのメカニカルセンサにおいても、継続的に新たな研究成果が発表されています。今回の特徴は、エネルギー・パワーMEMSの分野の発表件数が倍増していることです。この分野では、昨今のエネルギー事情から、特に、エネルギーハーベスティングに対する期待の高まりとともに、今後研究が増加していくものと思われます。

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★また、各分野における日本からの発表の割合を分析してみました(下図)。他国に比べて日本で研究が盛んな分野は、⑨マイクロ流体要素・システム、⑩マイクロアクチュエータ、⑧医療用マイクロシステムなどです。逆に、研究が少ない分野は、⑥RF-MEMS、⑫ナノデバイス・システム、④メカニカルセンサ・システムとなっています。特に、RF-MEMSでは、遂に日本からの発表がゼロとなってしまいました。これは、日本が苦戦している既存のセンサ・デバイス分野よりも、研究段階では将来の伸びが期待できるバイオ・化学センサや医療デバイス分野にシフトしている状況が伺えます。一方、ナノデバイス分野は将来期待されるところですが、日本の出遅れが懸念されます。また、これまで、エネルギー・パワーMEMS分野では、日本の存在感は低いものでしたが、日本が強みとする省エネルギー技術において、今後、ナノ・マイクロ技術が展開され世界をリードする分野になると期待されます。

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★BEANSプロジェクトは、エネルギー、医療、ナノ分野の革新的デバイスの実現に向けて、バイオ、有機、ナノ、及び大面積フレキシブル化などを融合させた製造技術を開発するプロジェクトであり、上記、世界の技術動向とその中での日本の方向性とマッチしたものであることを改めて認識することができました。

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MEMS2012 参加報告 (Life BEANSセンター)

BEANSプロジェクトのテーマの一つである「ハイドロゲル高次構造形成プロセスの開発」に関して、プロジェクトの成果であるナノパターン表面を有するハイドロゲルの生体適合性向上について、「NANO-PATTERNED HYDROGEL REDUCED INFLAMMATORY EFFECTS IN SUBCUTANEOUS TISSUE」という題で発表すると共に、最新MEMS関連技術の情報収集(特にバイオセンサーや医療関連技術)を目的とし、2012年1月29日(日)~2月2日(木)の5日間の期間に、フランス・パリにあるマリオットホテルで開催されたMEMS2012(The 25th International Conference on Micro Electro Mechanical Systems)に参加しました。本学会は、口頭発表48件、ポスター発表298件から構成されており、口頭発表は1会場で行われるため、全ての発表を聴講することができました。発表内容はFabricationやRF MEMS、Medical MicrosystemsなどMEMSに関する基礎技術から応用技術までの内容が満遍なく発表されており、自分の分野以外の情報を得ることができる良い機会でした。また、各日のPlenaryセッションでは、分野の第一人者による研究発表があり、その独創的なアイデアや考え方に触れることができ、貴重な経験となりました。

研究発表では、当プロジェクトの成果であるナノパターン表面を有するハイドロゲルの生体適合性向上に関して、ゲルの作製と表面形状の確認、生体に埋め込んだ評価について発表しました。発表は最終日の朝ということもあり、人が来てくれるか心配していましたが、2時間のポスター発表中、途切れることなくディスカッションを行うことができました。人数は全部で15人ぐらい、日本人と海外の人が半々といったところでした。生体適合性については、なぜLine & Space形状が生体適合性に効果があるのか、深さ、幅、スペースのどれが一番効いているのということに関する質問が多く、表面形状と生体適合性の関係に関する関心の高さが伺えました。この点に関しては本発表までに十分な検討を実施することができなかったこともあり、今後の課題です。また、本技術について、細胞培養やセンサーへ応用できないかということについてディスカッションでき、MEMS技術のバイオ、医療分野への応用については多くの人が模索中であると同時に、色々なアイデアを考えているんだということを感じられました。。なお、他の発表ではin vivoの内容が少なく、in vivo実験メインの本研究発表を聞きたかったという声も多く、ラットへのゲル埋め込み写真を前面に押し出したポスターの効果があったようです(写真参照)。

Mems2012_lbc

他の報告でも、全体の内容を取り上げていると思うので、私が気になった分野として、Medical Microsystemsを取り上げたいと思います。自分が医療分野の研究を行っていることもあり、この分野の発表者とディスカッションすることが多かったです。その中で、Medical分野では①治療と、②検査・診断という二つの方向性を強く感じました。治療に関しては、再生医療が、検査・診断に関しては、低侵襲、長期埋め込み、連続測定の3つがキーワードでした。再生医療に関しては、まだまだ研究段階であるという印象が強かったです。検査・診断に関しては、グルコースやラクトース、温度や圧力などを測定するためのMEMSデバイス開発がメインで、どれも測定可能なところまで来ているが、測定した値の有用性について、従来法との差を示すのに苦労しているという印象を受けました。この点に関しては、我々の研究でも今後課題になると思うので、センサーや装置を作るだけでなく、新しいデバイスによる測定値から得られる新たな知見について、その解析法や使い方を含め、何を提供できるのか、深く考えていかなければならないと感じました。

なお、次回のMEMS2013は台北のInternational Convention Centerで行われます。次回も成果報告ができるよう、頑張ります。

Life BEANSセンター
高橋正幸


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MEMS2012 参加報告 (MACRO BEANSセンター)

MEMS2012はMEMS関連の最も重要な国際学会の1つであり,2012年1月29日~2月2日を会期としてフランス・パリで開催された。今回で25回目となり,約1,000件の発表申し込みに対し,発表件数は口頭45件,ポスター298件であり,採択率は3割弱という非常に厳しい数字の中,BEANSプロジェクトからは4件採択されたことから,本プロジェクトに対する国内外からの高い注目が感じられた。
選ばれる論文は従来からの研究よりも新規な内容を重視しているため,今後のMEMS分野の動向を映す鏡である.採択される論文数はアメリカが最も多く,アジア,ヨーロッパの順で多い.論文内容としては,バイオ分野へのMEMS技術を応用する研究が増えている.細胞やたんぱく質などをシリコンニードルやマイクロチップにより計測するものが多いまた,研究内容がシリコンを用いたものだけでなくポリマーを基板に用いたフレキシブルデバイスに関するものも増えている.ポリマーを基板に用いたデバイスは,MACRO BEANSセンターの繊維状基材を用いたデバイスに近い研究テーマである.そのため,さまざまなフレキシブルデバイスを繊維状基材上に展開することが可能である.

 テクニカルプログラム
以下のようなオーラルセッションがあった.
Optical MEMS
RF MEMS
POWER MEMS
FABRICATION
ACTUATORS
BIO&CHEMICAL MICROSYSTEMS
MEDICAL MICROSYSTEMS
SENSORS
MIROFLUIDIC COMPONENTS AND SYSTEMS
GYROSCOPES
NANO & MATERIALS
であり,MEMSの設計や製作,センサやアプリケーションまでをカバーするプログラムである.
近年の傾向としては,マイクロビーズやマイクロタス技術によるバイオ関連のセッションが多いことが特徴である.研究者は大学関係者が多くバイオ応用を目指したデバイス開発が多い.具体的な技術としては,細胞などをゲルビーズで包む技術や磁性体で配列させる方法などがあげられる.また,細胞に刺激を与えたり,力を計測するためにシリコンの静電アクチュエータや磁気アクチュエータ,光ピンセットを用いた方法などについて発表があった.
従来からのシリコンMEMSに関しては,RFレゾネーターやジャイロスコープに関する研究が応用を目指して研究がおこなわれていた.さらに,カンチレバーを用いた圧力だけでなく滑り力も計測できるデバイスの研究も多く発表される内容となってきている.
学会全体としては,バイオ関連のデバイスを大学の研究者が行っており,サイエンティフィックな内容が多い.現在産業となっている振動子やジャイロなどの研究もおこなわれている.MEMSにおける加工技術,システム化技術に関しては,年々大幅な進化が見られており発表されているデバイスの完成度が上がっているため産業応用可能な学術分野となってきていることは確実である.センサ等を小型,高機能,高集積するデバイス化技術を何に応用するのかについてのアイデアが最も求められており,次に産業になるようなキーデバイスについての模索が続いている.

 発表内容とその反応
MBCからは2本の論文を発表した.一つは,この学会のポスターセッションにおいて「Conductive polymer coated elastomer contact structure for woven electronic textile」のタイトルで,繊維状基材の製織デバイスで発生する基材間空隙の防止を目的としたシリコーンエラストマーと導電性ポリマーであるPEDOT:PSSから成るフレキシブル接点に関する発表を行い,プロジェクトにより得られた筆者の研究成果を広く発信することができた。また,重要な国際学会ということもあり聴講者の数も非常に多く,筆者のポスターに関しても時間帯によっては多くの人だかりができるほどであった。本成果の目標アプリケーションとしているウェアラブルデバイスが,洗濯機による強い負荷や濡れ環境での洗浄にも耐えうるものかという質問が多く寄せられたため,プロジェクトの実用化に対する高い関心が窺えた。本学会で見られた,筆者の研究に関係のある他の研究機関による発表としては,主として生体用デバイス開発に向けたフレキシブルMEMSに関する総括的な内容の基調講演「J. A. Rogers, Semiconductor devices inspired by and integrated with biology」や,圧電体のPVDFと導電体のPEDOT:PSSによるポリマー材料のみで作製された重量測定センサに関する報告である「J. R. Busch, et al. Inkjet printed all-polymer flexural plate wave sensors」,導電性液体による流路チャンネルとシリコーンゴムによる,透明でフレキシブルなタッチパネルに関する報告である「K. Asano, Flexible transparent touch panel mounted on round surface」などが挙げられ、これらの研究内容について情報を収集し、筆者の研究に対する知見を得ることができた。
 また,もう一つはナノインプリントによるプラスチック基板上の選択的親水化技術とセカンドドーピング技術を用いた導電性ポリマーPEDOT:PSSのパターニング技術についてポスター発表を行った.発表は初日であったこともあり,多くの参加者がポスターに集まり質問を受けた.具体的には,
1. 他の技術でできない機能は何なのか.
2. どこまでプロジェクトの完成予想図のような複雑なシステムができるのか?
3. 他の方法と違うからオリジナルはあるけど,社会でこれでないといけない必然性はあるのか?
4. マスクのナノスケールのパターンはオーバースペックな装置で作ってるのでは?EBでダメな理由は何か?コストなのか時間なのか何なのか?何がリソと違うのか?
5. ピラーをもう少し小さくすると今度は,疎水になってそういうものになるのでは?
6. 疎水の材料でナノインプリントをすればもっと親水と疎水の差が大きくなるのでは.
7. ナノピラーの部分に,レジストとかつけると入った後でとれなくなったり,レジストがつかないのではないのか.
8. ナノピラーなので何かセンサにしたときに機能を持ったりしないのか?面積が広いので感度が上がることや曲げの影響が変わるなど.
などの質問が出た.ナノピラーに関する加工,特性に関する質問が多く,今後加工を簡易化することや親水や疎水などの機能をうまく用いることに関して改良していくことが必要であることが分かった.

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