ICEP2011報告
ICEP 2011報告
The International Conference on Electronics Packaging (ICEP 2011)が、2011年4月13日(水)~15日(金)に、奈良県新公会堂で開催されました。この国際会議は、エレクトロニクス実装学会とIEEE CPMT Society Japan Chapterとの共催で日本だけで開催されており、前身であるIMCの第1回目1980年開催から数えて24回目となります。2001年にICEPと改称されてからは11回目となります。
本会議では、5件の基調講演と163件の口頭発表、32件のポスター発表が予定されていました。日本以外の参加国は、Taiwan 27件、USA 16件、Malaysia 11件、China 11件、Korea 9件、Germany 7件、UK 2件を含め14カ国です。ところが、東日本大震災の影響を受け、残念ながら2割程度のキャンセルが発生しました。最終的には参加者は300名程度とのことでした。
基調講演では、IBMのDr. Claudius Feger氏が、ブラジルでのマイクロエレクトロニクスの市場に関して、さらに、台湾のIndustrial Technology Research Institute のFellow Dr. John H. Lau 氏が3D-IC/Si などのパッケージに関する歴史及び将来展望を含めた動向について講演されました。また、Samsung Electronics のDr. Taejoo Hwang氏によるモバイル用の3D 実装の動向に関しての講演などが行われました。口頭発表は、基調講演も行われたメイン会場の能楽ホールをはじめ、4パラレルセッションで行われました。
発表論文数を分野別に分類した結果は、以下のとおりです。
1. Design,Modeling,Reliability 26件
2. Interconnection 24件
3. MEMS 21件
4. Manufacturing 18件
5. Thermal Management 17件
6. Printed 16件
7. Optoelectronics 8件
8. Substrate 8件
9. 3D/TSV 7件
10. Advanced PKG 6件
11. その他 12件
MEMSは発表分野別では第3位の発表件数であり、BEANS関連は招待講演の1件を含め10件の発表でした。BEANSセッションは、武田前副所長の招待講演で開始され、Macro BEANS センター 2件、Life BEANS センター九州 4件、3D BEANS センター 3件の順で行われました。以下、タイトルと筆頭者を示します。
(1)BEANS Project based on Multi-Disciplinary Fusion - Process Integration for Hetero-Functional Integrated Devices(Session Invited), M.Takeda et al.
(2)Silicon Microparticle Ejection Using Mist-jet Technology, Y.Yokoyama et al.
(3)Continuous high speed thin film coating process on fiver-type substrates with die coater, N.Shibayama et al.
(4)Formation of Organic Crystalline Nanopillar Arrays and Their Application to Organic Photovoltaic Cells, M.Hirade et al.
(5)Formation of organic semiconducting nano-dots by using vacuum deposition process and application for organic solar cells, M.Nakata et al.
(6)Preparation of porous film at micro-scale and nano-scale by modified breath figure method, Y.Zheng et al.
(7)Minimizing Etching Damages of Organic Semiconductor Layers by Neutral Beams, J.Adachi et al.
(8)Site-Slective Binding of Nanoparticles onto a Silicon Chip by Peptides with an Affinity for Inorganic Materials, Y.Shimada et al.
(9)Damage-free silicon etching using large diameter neutral beam source, T.Kubota et al.
(10)Embedded Nano-channel Fabricated in Fused Silica by Femtosecond Laser Irradiation and Wet Etching for Nano-scale Fluid Devices, O.Nukaga et al.
また、ミストジェット技術とも関連するプリンティングのセッションでは、AIST鎌田氏のTFT用のインクジェット技術に関する最新の動向に関しての報告があった。メタルパターンを印刷後、圧力17MPaをかけると低温焼成が可能になるそうです。また、大阪市立工業研究所中許氏からは、銀と銅の混合ナノ粒子を用いた低温接合プロセスの報告がありました。さらに、奥野製薬工業株式会社からは、スクリーン印刷が可能なITOやATO(Antimony-Tin Oxide)のナノ粒子の報告がありました。高価なITOの代替としてATOを説明していましたが、ヘイズ値(全反射光に対する拡散光の割合)と抵抗率が若干高いとのことでした。現在250℃以下での焼成が可能かどうかの検討をおこなっているとのことです。
本国際会議は、日本にいながら、海外の実装動向を知ることができるよい機会だと思われます。来年は、2012年5月9日から11日まで、東京の芝浦工業大学豊洲キャンパスで、開催されます。
以上
(MBC 横山 吉典)
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