Future Technologies from UTSUNOMIYA 2025参加報告 (2025年11月10日~12日)
Future Technologies from UTSUNOMIYA 2025は電気学会センサ・マイクロマシン部門主催の第42回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム、日本機械学会マイクロ・ナノ工学部門主催の第16回 マイクロ・ナノ工学シンポジウム、応用物理学会集積化MEMS技術研究会主催の第17回集積化MEMSシンポジウム、化学とマイクロ・ナノシステム学会(CHEMINAS)主催の第52回研究会が合同で開催するMEMS関連の国内最大のシンポジウムです。学会連携の必要性が叫ばれている中で、本シンポジウムは毎年多くの研究者が参加しており、学会連携の成功例の一つに挙げられると思います。
今回はライトキューブ宇都宮(写真1)においてテクニカルセッションが11月10日(月)~12日(水)、テクニカルツアー(Aコース:LRT車両基地と本田技研工業、Bコース:キャノンメディカルシステムズと本田技研工業)が11月13日(木)に開催されました。
今回、MNOICのPR及び当該分野の技術・業界動向把握のためにMNOICの鈴木とMEMSシステム開発センターの武田が参加いたしましたので、ご報告いたします。

写真1 ライトキューブ宇都宮外観
講演数は第42回「センサ・マイクロマシンと応用シンポジウム」が306件(基調講演1、招待講演6、オーラル73、ポスター226)、第16回 マイクロ・ナノ工学シンポジウムが200件(基調講演1、招待講演5、ポスター194)、第17回集積化MEMSシンポジウムが27件(基調講演1、オーラル15、ポスター11)、化学とマイクロ・ナノシステム学会第52回研究会が205件(基調講演1、招待講演5、ポスター199)、企画セッションが11件の計749件でした。
技術展示・スポンサー機関は69機関でした。講演件数及び技術展示・スポンサー機関では過去最高だった昨年の講演件数756件と技術展示・スポンサー機関数71機関に及びませんでしたが、参加者数は昨年の1,290名を超える1,307名で過去最高を更新し、盛況裡のうちに無事終了いたしました。
今年度も発表件数が多いため、昨年と同様に5パラレルセッション+ポスターセッション+技術展示で開催されました。
今年のシンポジウムは当マイクロマシンセンターMEMS事業者連携委員会委員長である東京大学生産技術研究所 所長の年吉教授が大会委員長を務められました。年吉教授の開会の辞のご挨拶の様子(M会場)を写真2に示します。また、ポスターセッション・展示会場の様子を写真3に示します。

写真2 年吉大会委員長の開会挨拶の様子

写真3 ポスター・展示会場の様子
各学会から1テーマずつ企画される基調講演としましては、以下の4件が行われました。DDS、マイクロ計測、SDV(ソフトウェアデファインドビークル)、チップレット集積技術といった各分野の最新の技術に関してそれぞれの分野の第一人者からの講演がなされました。本田技研工業株式会社の波多野氏とは、講演後にいろいろお話をさせていただき、自動運転に於いてセンシング技術は非常に重要であり、これまでも搭載センサに関しては、単なる買い物ではなく、センサメーカと一体になって開発を行ってきており、我々が目指している従来にない新しいセンサの開発には期待しているとの心強い言葉をいただきました。
(1) 11月10日(月) 10:30-11:10 【CHEMINAS】
京都大学 大学院医学研究科 特任教授
秋吉一成氏:「バイオインスパイアードDDSの設計とワクチン応用」
(2) 11月11日(火) 08:30-09:10 【応用物理学会】
株式会社日立ハイテク 常務執行役員CTO ヘルスケア事業統括本部 統括本部長
坂詰 卓氏:「医学検査領域のマイクロ計測の応用」
(3) 11月11日(火) 15:50-16:30 【日本機械学会】
本田技研工業株式会社 四輪事業本部 SDV事業開発統括部 先進安全・知能ソリューション開発部 エグゼクティブチーフエンジニア
波多野 邦道氏:「ソフトウェアデファインド時代における、運転支援・自動運転とセンシング技術」
(4) 11月12日(水) 09:20-10:00 【電気学会】
東北大学 大学院医工学研究科 教授 兼 技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC) 3Dパッケージング技術開発部門 部門長
福島 誉史氏:「チップレット集積技術最前線」
今回も、日本機械学会とCHEMINASはフラッシュプレゼンテーションのセッションが設けられ、それを聞いてからポスターセッションを訪れる人が多かったためか、ポスターセッションでは活発な討論が行われていたような印象を受けました。
また、閉会式において、電気学会からは優秀ポスター発表賞(7件)・速報ポスター賞(4件)・最優秀技術論文賞(1件)・優秀技術論文賞(4件)・ファイナリスト賞(9件)・五十嵐賞(1件)・奨励賞(7件)、最優秀展示賞(1件)、フォトコンテスト賞(5件)の発表が、日本機械学会からはファイナリスト(24件)の発表が、CHEMINASからは優秀発表賞(12件、内1件は「Analyst賞」)、優秀研究賞(4件、内1件は「Lab on a chip賞」)、企業賞(新興精機賞(1件)、日本ゼオン賞(1件))、Art in CHEMINAS(最優秀賞(1件)、優秀賞(2件))、CHEMINAS研究川柳大賞(最優秀賞(1件)、優秀賞(4件))の発表がありました。
以下に電気学会の優秀技術論文賞、五十嵐賞、CHEMINASのAnalyst賞とLab on a chip賞を示します。医学と工学が融合した新たな研究分野のテーマが多く選定された意義は大きいと思います。
【最優秀技術論文賞】(1件)
「マイクロ温度センサアレイを用いた細胞小器官の熱物性評価~空間分解能を超えて」
「低侵襲ニューロン計測に向けたフレキシブル基板直径5 µmニードル電極デバイス」
「尿流れ刺激の模倣により成熟化した膀胱上皮モデルの開発」
「3D-printable poly(vinyl alcohol) for sacrificial molding in biomimetic matrices」
MNOICについては、会期中を通して技術展示を行いました(写真4)。会場では、従来のMEMSファウンドリへのご要望のほかに、半導体3D実装プロセスとの融合で「12インチ、8インチ」などの大口径プロセスのニーズ、光電融合など異種機能集積で「シリコン以外材料」などの加工ニーズの要因から、MNOICにかける期待を多くいただきました。
政府の成長戦略に基づき、AI・半導体・医療を支えるMEMS技術分野についての重点的な支援などとともに、自助努力で課題解決可能な施策を検討していきたいと思います。


写真4 MMC技術展示での説明の様子
来年はFuture Technologies from MATSUE として、2026年11月16日(月)~19日(木)(11月16日~18日:テクニカルセッション、11月19日:テクニカルツアー)に島根県松江市の「くにびきメッセ」にて、住友精密工業の宮島博志氏が実行委員長になって開催されます。
(MEMSシステム開発センター 武田 宗久、MNOIC 鈴木 浩助)


写真2 メイン会場の様子
写真4 MMC技術展示での説明の様子





写真1 大西熊本市長来賓挨拶




写真3 TIAウインターセミナー
写真4 研究開発プロジェクト成果報告会
写真5 研究開発プロジェクト成果報告会
写真6 MEMS協議会フォーラム




