MEMSビジネス展

2024年2月 7日 (水)

MEMSセンシング&ネットワークシステム展2024 開催報告 (2024年1月31日~2月2日)

 マイクロマシンセンター(MMC)は、2024年1月31日(水)から2月2日(金)までの3日間、東京ビッグサイトで開催された「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」を主催しました。
 MMCブースでは、研究開発プロジェクトとして「量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究(HS-ULPAC : High Stability Ultra Low Power Atomic Clock)」、「メタサーフェスSiハイパースペクトル赤外光センシングデバイス(MESH : MEtasurface Si Hyperspectral Infrared Sensing Device)」、今年度から活動を開始している「MEMS事業者連携委員会」の紹介を始め、MNOIC事業、標準化事業、調査研究事業などを展示しました。

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写真1 MMC展示ブース

 ブース展示とともに例年通り各種講演会も開催いたしました。1月31日は特別シンポジウム「MEMS・半導体次世代テクノロジーフォーラム」、2月1日は午後にTIA-MEMSウインターセミナー/MEMS講習会、研究開発プロジェクト/SSN研究会公開シンポジウム、MEMS協議会フォーラムを開催しました。

●1月31日10:15~12:15
特別シンポジウム「MEMS・半導体次世代テクノロジーフォーラム」
@東5ホール シーズ&ニーズセミナーC
 
 本シンポジウムでは、MEMS、センサの実用化・応用先として期待される次世代テクノロジー(半導体、5G、IoT、DX、ロボット、AIなど)にフォーカス。次世代MEMS・半導体市場、最先端のMEMS・半導体技術が社会および産業に貢献するビジョンや方向性について、政策動向や最新情報を報告しました。
 
 まず「半導体・デジタル産業戦略の現状と今後」と題して、経済産業省情報産業課企画官小林健様から、半導体産業の現状と我が国半導体産業復活の基本戦略の3ステップに従った最新の進捗状況について説明がありました。さらに今般その戦略の中にSAW/BAWを含む電子部品が加わったことと、それに続いて戦略にMEMSを加えようとしていることについてのご説明をいただきました。

 次に東京大学 生産技術研究所教授年吉洋様から「産学連携MEMS研究:これまでとこれから」として、MEMS発展の過程における、発展可能性を探る大学の研究と利益一点を追究する企業の研究の違いを示して、今後もお互いに補完しながら開発を行っていく必要性についてお話がありました。

 3番目の講演は、「モバイルの進化を可能にするRFフィルター技術」というタイトルで、スカイワークス・ソリューションズ株式会社BAW/SAWフィルター開発総括副社長アレクサンドレ・シラカワ様から、RFフィルター(BAW・SAW)の設計と製造プロセスの進化に焦点を当て、通信分野における重要部品に成長した経緯と技術革新についてご報告いただきました。

 本シンポジウム最後は「産総研センシングシステム研究センターにおけるセンシング技術の半導体分野への展開」と題して、産総研九州センター所長植村聖様から、産総研で開発してきたセンシング技術、センサ製造技術とその適応事例のご紹介と、今後それらの技術を活かした半導体産業への貢献、展望についてご報告いただきました。

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写真2 特別シンポジウム

●2月1日13:30~14:30
TIA MEMS ウインターセミナー/MEMS講習会
@東5ホール シーズ&ニーズセミナーC

 例年通り、主に学生や若手技術者向けにTIAの次世代人材育成事業に協力して実施するTIA-MEMSウインターセミナー MEMS講習会を開催しました。本講習会では、人と機械とのコミュニケーションに必要な注目技術である触覚センシングの最新技術についてMEMS初心者にもわかりやすく紹介されました。

 まず「極薄MEMSハプティック素子によるリモート触覚伝達システムの開発」と題して、産総研センシングシステム研究センターハイブリッドセンシングデバイス研究チーム長竹井裕介様から、極薄MEMS技術により厚さ7µmの圧電薄膜アクチュエータの開発と振動を最大化するフィルム基板実装技術により、多彩な触覚を表現できるハプティクスフィルムの開発についてご説明いただき、この素子を用いた双方向リモート触覚伝達システムに関する取り組みついてのご紹介をいただきました。

 次に香川大学創造工学部教授高尾秀邦様から「指先の手触り感を見える化する技術:シリコンMEMSナノ触覚センサ」として、人間の指先が持つ精緻な指紋構造と触覚受容器の機能を模倣する独自の原理による「粗滑感」「摩擦感」「硬軟感」「乾湿感」「冷温感」の5大触覚要素を実現するシリコンMEMSナノ触覚センサを開発し、繊細な指先の感覚を可視化する技術をご紹介いただきました。この触覚センサは、高尾先生が設計し、マイクロマシンセンターのMNOIC(マイクロナノ・オープンイノベーションセンター)が作製したものです。

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写真3 TIAウインターセミナー

●2月1日14:45~15:45
研究開発プロジェクト成果報告会/SSN研究開発公開シンポジウム
@東5ホール シーズ&ニーズセミナーC

 本報告会では、持続可能な社会の実現を目指してマイクロマシンセンターが現在取り組んでいるセンサやセンサネットワークシステム関係の技術開発プロジェクトの概要及び成果の報告が行われました。

 まずは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託で2023年度から開始した「NEDO先導研究プログラム/未踏チャレンジ/メタサーフェスSiハイパースペクトル赤外光センシングデバイス(MESH)」の基礎基盤技術を「シリコンを基材に利用した赤外光センサの展開」として電気通信大学教授菅哲朗氏からシリコンとプラズモニクスを融合することで得られるシリコン製赤外光センサの研究開発とその展開についてご報告いただきました。

 次にNEDO助成事業として実施している「非侵襲連続超高感度血中成分計測デバイス」について「血中成分モニターデバイスの研究開発 ~タニタのビジョンと商品開発の方向性~」としてタニタ蔦谷孝夫氏から研究進捗の経過報告がありました。

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写真4 研究開発プロジェクト成果報告会/SSN研究開発公開シンポジウム

●2月1日16:00~16:40
MEMS協議会フォーラム
@東5ホール シーズ&ニーズセミナーC

 本フォーラムでは、弊センター長谷川英一専務理事から今年度「産業動向調査委員会」が作成している「我が国MEMS事業者に関する動向調査」についての中間報告として、MEMS関連産業の現状とMEMS事業者の抱える課題の分析結果の紹介、並びにそれをもとに今後のMEMS戦略策定に資する政策提言などの検討を行うために新設した「MEMS事業者連携委員会」の状況についての紹介が行われました。また最後に経産省の半導体・デジタル産業戦略検討会議(2023年11月29日)が示した「半導体・デジタル産業戦略の現状と今後」に組み込まれた「MEMSの現状および今後の方向性」に対するマイクロマシンセンターの期待についての説明が行われました。

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写真5 MEMS協議会フォーラム

 今回の講演会は全て展示ホール内のセミナー会場で行われましたが、各講演会の会場は満席となり、追加の椅子を準備するほど盛況で、今回の講演テーマに対する関心の高さがうかがえました。
 2024年度は2025年1月29日~31日、東京ビッグサイト東ホールで開催を予定しております。

(MEMS協議会 八嶋 昇)

 

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2024年1月 9日 (火)

新年のご挨拶(MMC/NMEMS 2023年10大ニュース)

 新年あけましておめでとうございます。

 OECDの世界経済見通しによれば、昨年は世界経済の成長率が2.9%であったところ、本年はなお地政学的リスクやインフレの影響で、2.7%と若干の低下となるものの、後半からは緩やかに回復するとされています。ただ、昨年の日本の国民一人当たりのGDPは為替レートの影響でG7の最下位になるなど、あまり気持ちが浮き立つようなところではありませんでした。

 そのような中においても日本の経済の浮揚を図るべく、経済産業省は半導体・デジタル産業を「国家事業」と位置づけ、2021年6月に策定した「半導体・デジタル産業戦略」を2023年6月に改定を行い、その戦略の中に「MEMS」を加えていくという方向を示されています。これを受けてマイクロマシンセンターとしましても、我が国MEMS産業界の実態を、IDMのみならず、ファウンドリや装置・材料なども含めて、もう一度把握し直した上で、その課題や政策要望などの検討を行なう場とする「MEMS事業者連携委員会」を昨年11月に発足いたしました。今年からは、MEMS事業者の抱える課題等の分析や競争力を高めていくための方策の検討を本格化してまいります。委員会では多くのMEMS関連事業者や大学・研究機関の皆様のご意見・ご要望を集約致したく、広く皆様の参加を募集しております。
 また当センターは今年もDX、GXの推進に不可欠な各種MEMSセンサの開発の一環として、非侵襲で血中成分を計測するBaMBIプロジェクトや、小型原子時計の基礎研究であるHS-ULPACプロジェクト、昨年7月に開始したSi半導体プロセスと親和性が高く高機能なSi製ハイパースペクトル赤外光センシングデバイスを実現するためのMESHプロジェクトを推進するとともに、MEMS戦略にも通じるような新たなプロジェクトの獲得を目指してまいります。

 さて、当センターでは通算34回目にあたるマイクロナノ分野の展示会である「MEMSセンシング&ネットワークシステム展2024」を1月31日から2月2日にかけて東京ビッグサイトで開催いたします。今回もセンターの活動紹介、MNOICの紹介、研究開発報告とともに、各種セミナーを開催し、興味深い様々な技術報告を行います。セミナーの冒頭には経済産業省の情報産業課デバイス・半導体戦略室長に半導体・デジタル戦略関連のご講演をお願いしております。是非、多くの皆様にご来場いただき、今後のMEMSの発展のために当センターに対するご指導・ご支援を賜れれば幸いです。
 皆様方には以下のマイクロマシンセンターの2023年の10大ニュースをご覧いただき、このような私どもの活動状況をご賢察いただければ幸いです。

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マイクロマシンセンター/NMEMS技術研究機構
2023年10大ニュース
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1.「MEMS事業者連携委員会」発⾜、活動開始
 経済産業省では、半導体・デジタル産業戦略の中にMEMS戦略も加えていく方向性を打ち出されました。当センターとしてもこれに呼応して我が国MEMS産業界の実態を、IDMのみならず、ファウンドリや装置・材料なども含めて、今⼀度把握し直した上で、MEMS事業者の抱える課題等を分析し、競争力を高めていくための方策や政策提⾔等を検討する「MEMS事業者連携委員会」を発⾜しました。
 第1回委員会を11月28日に開催し、60名以上の方々にご参加いただき、有意義な議論や情報交換が行われ、経産省からもご評価いただきました。
 また、「産業動向調査委員会」と連携してアンケートを実施、現在分析結果を基に活動の基盤作りを行っています。
 委員会では多くのMEMS関連事業者の皆様のご意見・ご要望を集約致したく、広くMEMS関連事業者の皆様の参加を募集しております。

2.「GXを支えるMEMS」報告書の発行、MEMS事業者動向調査など、
   産業動向調査委員会 活発に活動
 3月末には、産業動向調査報告書「グリーントランスフォーメーション(GX)を支えるMEMS」を発行し、GXに貢献するMEMSとは何かという観点から結果を取り纏めて、好評を得ました。
 また、2023年度からは「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」に着手し、MEMS事業者連携委員会と連携して、MEMS事業者動向調査を実施しています。
 現在は調査結果を分析し、MEMS産業・政策に関する報告書を取り纏めると伴に、国内MEMS事業者を分野別に網羅したディレクトリ作成に向けて活動しています。

3.日本機械学会マイクロ・ナノ工学部門「技術功績賞」受賞
 マイクロマシン技術研究開発プロジェクトをはじめ、マイクロ・ナノ工学分野の研究開発プロジェクトを数多く推進してきたこと、MEMS展や併催シンポジウム、マイクロマシン国際シンポジウムの開催、マイクロマシンサミット、MEMS関連調査、国際標準化等の事業を通して、当分野の概念を内外に広く普及してきたこと、さらにMEMS協議会やMNOICによりMEMS産業化を支援してきたことなど、マイクロマシンセンターの長年の活動がマイクロ・ナノ工学分野に多大に貢献したとして評価され、日本機械学会マイクロ・ナノ工学部門から『技術功績賞』を11月8日に受賞しました。

4.NEDO先導研究プログラム「MESH」受託
 「NEDO先導研究プログラム/未踏チャレンジ」に電気通信大学、産業技術総合研究所と連名で提案した「メタサーフェスSiハイパースペクトル赤外光センシングデバイス」(MESH)が採択され、7月1日から事業を開始しました。
 電気通信大学の菅哲朗教授をプロジェクトリーダーとして、10年後の実用化を目指しSi半導体プロセスと親和性の高いSi製ハイパースペクトル赤外光センシングデバイスの実現に取組んでまいります。

5.HS-ULPAC、BaMBI、最終年度迎え、目標に向けて邁進中
(5-1)BaMBI最終年度として研究開発継続中
「血中成分の非侵襲連続超高感度計測デバイス及び行動変容促進システムの研究開発」(BaMBI)は、助成事業の最終年度として、最終目標達成に向けラストスパートに入っています。
(5-2)HS-ULPAC最終目標達成を目指し研究を推進
 防衛装備庁安全保障技術研究推進制度で受託した「量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究(HS-ULPAC)では、移動体に搭載可能な高精度原子時計を実現するため、周波数変動要因を根本から解明するとともにプロトタイプを試作して実証・評価しています。MMCでは2023年度は最終年度になるため、最終目標達成を目指し、MEMSガスセル、実験室モデル量子部、プロトタイプ真空断熱型量子部の3次試作を行っています。

6.4年ぶりに「国際マイクロマシンサミット」参加等、
  国際交流活動を本格再開
 新型コロナウイルス感染症の影響により延期されていましたが、4年ぶりにマイクロマシンサミットが5月22日~24日、ルーマニアのブカレストで対面開催され、参加しました。
 また、4月18日に賛助会員のオクメティック株式会社の親会社のフィンランドOKMETIC OYから、11月22日には海外アフィリエートのドイツのFraunhofer ENASからの研究者の受入れ等を行い、国際交流を本格開始しました。

7.MNOIC事業堅調
 現行製品の継続した製造や次期製品に向けた開発試作などを請負う工程受託コースを中心に依頼が増加し、直近3年間で20%の平均成長率を達成しています。
 産総研と連携した研究受託や企業ユーザの試作支援など、将来のMEMS産業活性化に向けた取組み案件も着実に増加しています。

8.国際標準化WG会議のホスト国となるなど、国際標準化事業を推進
 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会) /SC47F(MEMS分野)の国際標準化WG会議を日本のホスト(マイクロマシンセンター主催)で、6月21 日~23日に、熊本県 熊本市国際交流会館にて開催しました。各国主査等と技術交流を図ることができ、各国でのデバイス開発状況やデバイス標準化検討項目など情報の共有ができ、充実した会議となりました。
 また、11月13日~17日には、フランクフルトでIEC/TC47の国際標準化全体会議が開催され、SC47FとTC47/WG7(半導体デバイス エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)に関連する会議に参加しました。各国からの参加者と活発な議論を交わし、規格案審議を着実に前進させることができました。

9.MEMS展示会、セミナーが盛況
 例年通り当センターが主催する「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」を2023年2月1日から3日の3日間、東京ビッグサイトで開催し盛況の内に閉幕しました。会場への来場者はコロナ禍が落ち着き、前回の3倍以上の方にご来場いただきました。MMCブースでは、研究開発プロジェクトの紹介を始め、MNOIC事業、標準化事業、SSN研究会の概要などを展示しました。
 また同時開催の次の5つのセミナー「MEMS・半導体次世代テクノロジーフォーラム」「TIA MEMS ウインターセミナー MEMS講習会」「研究開発プロジェクト成果報告会」「SSN研究会公開シンポジウム」「MEMS協議会フォーラム」では、何れのセミナーでも多くの聴衆が熱心に聞き入られていました。
 主な講演として「MEMS・半導体次世代テクノロジーフォーラム」では経済産業省情報産業課長の金指壽様に「半導体・デジタル産業戦略の現状と今後」と題して、半導体産業の現状と我が国半導体産業復活の基本戦略についてご説明いただき、「TIA MEMS ウインターセミナー MEMS講習会」では、筑波大学、東京大学、東北大学の先生から、MEMSに関係する研究の取組みや最新の研究成果についてご報告いただきました。
 今年は1月31日(水)~2月2日(金)に昨年と同様、東京ビッグサイトにおいて、nano tech展等と同時開催を予定しております。また今年もご来場頂けますよう関係者一同お待ちしております。

10.MMC、MEMS協議会の新体制が始動
 3月末に株式会社日立製作所の鈴木教洋様が当センターの理事長をご退任され、4月1日に株式会社日立製作所執行役常務の西澤格様が理事長にご就任されました。
 7月には、MEMS協議会推進委員会を東京虎ノ門グローバルスクエアにおいて4年ぶりに対面により開催しました。協議会副会長に就任された三菱電機株式会社上席執行役員の岡徹様が新委員長として委員会を進行され、西澤理事長にもMEMS協議会会長としてご出席いただきました。また、経済産業省商務情報政策局情報産業課の金指課長様に経済産業省の政策をご紹介いただいたほか、経済産業省、NEDO、産総研の方々と委員との間で意見交換が行われました。

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2023年2月 8日 (水)

MEMSセンシング&ネットワークシステム展2023 開催報告 (2023年2月1日~3日)

  マイクロマシンセンター(MMC)の主催する「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」を2023年2月1日から3日の3日間、東京ビッグサイトで開催し、弊センターは会場出展並びに講演会を実施いたしました。
 MMCブースでは、研究開発プロジェクトとして「量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究(HS-ULPAC : High Stability Ultra Low Power Atomic Clock)」、「環境調和型MEMS技術の研究開発に関する戦略策定(EfriM : Environment friendly MEMS)」、昨年度から自主検討を開始した「感情センシング・フィードバックシステムの戦略策定」の紹介を始め、MNOIC事業、標準化事業、SSN研究会の概要などを展示しました。

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写真1 MMC展示ブース

 ブース展示とともに例年通り各種講演会も開催いたしました。
 2月1日は特別シンポジウム「MEMS・半導体次世代テクノロジーフォーラム」、2月2日は午前にTIA-MEMS ウインターセミナー MEMS講習会、午後に研究開発プロジェクト、SSN研究会公開シンポジウム、MEMS協議会フォーラムを開催しました。

●2月1日10:30~12:30:
 特別シンポジウム
 「MEMS・半導体次世代テクノロジーフォーラム」@東1ホール
 本シンポジウムでは、MEMS、センサの実用化・応用先として期待される次世代テクノロジー(半導体、5G、IoT、DX、ロボット、AIなど)にフォーカス。次世代MEMS・半導体市場、最先端のMEMS・半導体技術が社会および産業に貢献するビジョンや方向性について、政策動向や最新情報が報告されました。 
 開会にあたって、MMCの長谷川専務理事より、「今回からMEMS次世代テクノロジーフォーラムからMEMS・半導体次世代フォーラムとしたが、もともとMEMSは国際半導体統計上もセンサという項目で半導体に分類されているが、日本ではロボット⇒マイクロマシン⇒MEMSという発展の経緯から半導体ということがあまり公言されていなかったところ、最近の半導体再興の機運の中で、経産省も製造装置やMEMSなどもまとめて半導体戦略の中で見ていくとの判断をされたことから、MMCとしてもMEMS・半導体フォーラムとしたものである。」旨の挨拶がありました。
 それを受けて、最初の講師に立たれたのが経済産業省情報産業課長の金指壽様で、「半導体・デジタル産業戦略の現状と今後」と題して、半導体産業の現状と我が国半導体産業復活の基本戦略の3ステップ(ステップ1:IoT用半導体生産基盤の緊急強化、ステップ2:日米連携による次世代半導体技術基盤、ステップ3:グローバル連携による将来技術基盤)についてご説明いただきました。
 次に産業技術総合研究所センシングシステム研究センター副研究センター長一木正聡様から「場でみるセンシングシステム」として、センシング技術により、人間活用あるいは生活環境の場から有意義な情報の抽出・解析を通じた価値創出が求められている中、産総研の直近の成果が価値創出にどのように寄与しているかご紹介いただきました。
 3番目の講演は、「セラミックエレクトレットの創成と静電ハーベスターへの展開」というタイトルで、東京理科大工学部准教授田中優実様からは、新規高性能無機エレクトレット材料と本材料の振動型エナジーハーベスターへの応用について、ご報告いただきました。
 本シンポジウム最後は「サーマルダイオード赤外線センサMelDIRと熱画像処理技術による活用」と題して、三菱電機の三輪祥太郎様から、赤外線センサMelDIRを活用した熱画像処理技術として深層学習を用いた人体検知技術について解説いただきました。

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写真2 特別シンポジウム

●2月2日10:30~12:00:
TIA MEMS ウインターセミナー MEMS講習会
「MEMS最前線 大学におけるMEMS研究の面白さ」@102会議室

 今回は、筑波大学と新たにTIAに加わった、東京大学、東北大学の三大学の先生から、MEMSに関係する研究の取組みや最新の研究成果についてご報告いただきました。
 最初は「化学、バイオと微細加工」として筑波大学数理物質系教授鈴木裕章先生から化学、バイオ分野で進んでいるデバイスの微小化、集積化、高機能化を実現する微細加工技術についてご説明いただきました。
 次に「自分で考えて、作って、評価できる、MEMSの面白さ」として東北大学マイクロシステム融合研究開発センターセンター長・教授 戸津健太郎先生からはMEMS加工の醍醐味について語っていただき、東北大学のクリーンルームの様子も生中継いただきました。
 最後は「作って測って世界初」として東京大学教授附属システムデザイン研究センター 基盤デバイス研究部門研究部門長三田吉郎先生からスーパークリーンルームで学生と一緒に世界最高のMEMSを製造する過程についてご説明いただきました。 

Fig3_mems2023写真3 TIAウインターセミナー

●2月2日13:00~14:00:
研究開発プロジェクト成果報告会@102会議室

 防衛装備庁の委託で2019年度から開始した「量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究」の成果である「移動体搭載に向けた小型量子クロック技術の研究開発」として日本電気桐原明宏様から「移動体搭載に向けた小型量子クロック技術の研究開発」として量子干渉効果に基づく小型原子時計について、移動体搭載を想定した安定性向上のための研究開発についてご報告いただきました。
 次にNEDO助成事業として実施している「非侵襲連続超高感度血中成分計測デバイス」について「『はかる』から始める行動変容アプローチ ~血中成分モニターの小型高精度化に向けて~」としてタニタ蔦谷孝夫様から研究進捗の経過報告がありました。

Fig4_mems2023写真4 研究開発プロジェクト成果報告会

●2月2日14:15~15:15:
感情センシングと環境調和型MEMSの研究開発シンポジウム
(SSN研究会公開シンポジウム)@102会議室

 SSN研究会において次期プロジェクト提案を目指して検討を進めている2つのテーマについての紹介がありました。
 セッション1では、人間の感情をセンシングし、それをフィードバックすることで様々な分野で活用する技術が徐々に実用化されつつある感性センシングについての技術動向について「Two-in-one system: 複数脳の同期と共感」として慶應義塾大学教授皆川泰代先生から人の協力行動や相互作用における脳の同期活動について、セッション2では、「自然に溶け込む調和型MEMS (EfriM : Environment friendly MEMS)」が活躍するインフラ分野に関して「BIMとセンサが実現するデジタルツイン」としてオートデスク株式会社アジア太平洋地域 土木事業開発部統括部長福地良彦様からBIMモデルとセンサ情報を統合し可視化することで実現するデジタルツイン技術について事例紹介がありました。

Fig5_mems2023写真5 研究開発プロジェクト成果報告会

●2月2日15:30~16:30:
MEMS協議会フォーラム@102会議室

 本フォーラムでは、MEMS協議会として長年続けている「国内外技術」と「産業動向」という2つの調査について最新の報告がありました。
 まず、長年MEMSの国際会議運営に携わってきた立命館大学理工学部小西先生から「国際会議発表を通してみるMEMS関連研究の動向」という題目でMEMSの研究開発動向について、わかりやすく解説頂きました。
 次に、弊センター長谷川専務理事からマイクロマシンセンター産業動向調査委員会が2022年度に取りまとめている「グリーントランスフォーメーション(Green Transformation : GX)を支えるMEMS」の調査結果報告が行われました。

Fig6_mems2023写真6 MEMS協議会フォーラム

 各講演会の会場はほぼ満席で、今回の講演テーマに対する関心の高さがうかがえました。
 2023年度は2024年1月31日~2月2日、東京ビッグサイト東ホールで開催を予定しております。

(MEMS協議会 八嶋 昇)

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2022年2月 2日 (水)

MEMSセンシング&ネットワークシステム展2022 開催報告 (2022年1月26-28日)

 マイクロマシンセンター(MMC)は、2022年1月26日から28日までの3日間、東京ビッグサイトで開催された「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」に出展しました。

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写真1 MMC展示ブース

 MMCブースでは、技術研究プロジェクトとして、2019年度から開始した「量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究(HS-ULPAC:High Stability Ultra Low Powe Atomic Clock)」と2020度から開始した「環境調和型MEMS技術の研究開発に関する戦略策定(EfriM: Environment friendly MEMS)」、今年度から自主検討を始めた「感情センシング・フィードバックシステムの戦略策定」の紹介を初め、今年度で研究を終了した「超高効率データ抽出機能を有する学習型スマートセンシングシステム(LbSS:Learning based Smart Sensing System)の研究開発」、今年度で研究を終了する「薄膜ナノ増強蛍光による経皮ガス成分の超高感度バイオ計測端末の開発」を展示し、自社事業として、MNOIC事業、標準化事業、SSN研究会の概要などを展示しました。
 また、ブース入口には「マイクロマシンセンター 活動の歩み」として、前述の5つのプロジェクトを含む、1991年のマイクロマシン技術研究開発プロジェクトからほぼ30年間に渡る研究開発PJの歴史を展示紹介しました。あわせて2022年1月でマイクロマシンセンターは設立30年を迎えるにあたり、今後20年のMEMS技術の展望として、MEMSの応用が期待される12分野と、予測されるMEMSデバイス・技術の展示紹介いたしました。

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写真2 活動の歩みと今後20年のMEMS技術の展望

 展示会では、各種講演会も開催いたしました。1月26日は特別シンポジウム「MEMS次世代テクノロジーフォーラム」、1月27日は午前中に研究開発プロジェクト、午後にSSN研究会公開シンポジウム、1月28日はMEMS協議会「MMC創立30周年記念講演会」を開催しました。

●1月26日10:30-12:30:
 特別シンポジウム「MEMS次世代テクノロジーフォーラム」@東3ホール

 本シンポジウムでは、MEMSの実用化・応用先として期待される次世代テクノロジー(5G、IoT、ロボット、AI、バイオ、自動運転など)にフォーカスし、次世代MEMS市場、最先端のMEMS技術が社会および産業に貢献するビジョンや方向性について、最新情報を報告しました。
 まず「現実・仮想空間を融合させる次世代無線通信技術の動向と課題」と題して、東工大 岡田先生から、VIDEO録画にて、第5世代移動体通信システム(5G)をはじめとする次世代無線通信技術の最新動向を解説されました。
 次に村田製作所 吉田部長から、「MEMS技術とデバイスで進歩する社会」として、主に村田製作所で開発したMEMSの事例をあげ、同社での取り組みを紹介しました。
 3番目の講演は、「活かせるデータを取得するためのセンサと高性能化におけるMEMS技術の活躍」というタイトルで、産業技術総合研究所のセンシングシステム研究センター副研究センター長の山下 健一氏からセンシングシステムとして活用し続けるため必要なMEMS技術について、報告されました。
 本シンポジウム最後は「住友精密グループが提供する ”MEMSソリューション”」と題して、住友精密の宮島室長から、住友精密グループの力を結集した“MEMSソリューション”提供推進の構想について紹介しました。

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写真3 特別シンポジウム

●1月27日10:30~12:00:
 研究開発プロジェクト成果報告会@102会議室

 防衛装備庁の委託で2019年度から開始した「量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究」の研究センター長であるMMC池上氏から「小型高安定で超低消費電力な原子時計の基礎研究」と題して目標を実現するために克服又は解明すべき要素課題の明示と、解決のための技術確立について報告頂き、次にNEDOプロジェクトで実施中の「血中成分の非侵襲連続超高感度計測デバイス及び行動変容促進システムの研究開発」の概要について電気通信大学の菅准教授とタニタの蔦谷氏から報告頂き、最後に今年度研究を終了した「超高効率データ抽出機能を有する学習型スマートセンシングシステムの研究開発と実証実験成果」と題して東京都市大学藤田教授から最新の研究成果が報告されました。

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写真4 研究開発プロジェクト成果報告会

●1月27日13:30-15:30:SSN研究会公開シンポジウム@102会議室

 感情センシングと環境調和型MEMSの研究開発シンポジウム(SSN研究会公開シンポジウム)では、セッション1-1ではMMCブースで紹介している環境調和型MEMS(EfriM)に関して、「環境調和型MEMS (EfriM: Environment Friendly MEMS) が切り拓く未来」と題して、その概要、ユースケース、開発戦略案等について、プロジェクトリーダーである藤田博之キャノンメディカルシステムズ(株)先端研究所名誉所長/東京都市大学教授からご講演頂き、次のセッション1-2では「次世代MEMS技術を基盤としたデジタルトランスフォーメーション」と題して、柔軟素材・液体金属を用いたウエアラブルセンサの開発とその応用について、太田裕貴横浜国立大学大学院工学研究院准教授からご講演頂きました。
 さらに、セッション2-1では、「感情推定技術とその応用」と題して、接客スタッフの生産性向上のためのウエアラブルセンサやカメラを使ったQoE (Quality of Experience)評価システム、トレーニングシステム、現場支援システムの開発について、佐藤洋産総研人間情報インタラクション研究部門研究部門長からご講演頂き、最後のセッション2-2では、MMCブースで紹介している感情センシングに関して、「生体センシングによる人の感情推定と今後の展望」と題して、心拍・脳波等からラッセルの円環指標をつかって感情を推定する手法やその応用として人とロボットの心地よい距離等について、菅谷みどり芝浦工業大学工学部教授よりご講演頂きました。

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写真5 SSN研究会公開シンポジウム

 2022年度は、2023年2月1日(水)~3日(金)、東京ビッグサイト、東ホールで「MEMSセンシング&ネットワークシステム展2023」の開催を予定しております。

(MEMS協議会 八嶋 昇)

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2021年12月 1日 (水)

第38回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム MNOIC出展のご報告 (2021年11月9日~11日)

 第38回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウムが、2021年11月9日から11日までの3日間にわたってオンライン開催され、マイクロマシンセンターMNOICがオンライン技術展示に出展しましたのでここにご報告いたします。

 本シンポジウムは、一般社団法人電気学会のセンサ・マイクロマシン部門が主催し、応用物理学会、日本機械学会、化学とマイクロ・ナノシステム学会の協力により行われる合同シンポジウムで、第38回を数える今回は、”Future Technologies from Himeji 2021 Online” の一環として開催されました。発表件数は、本シンポジウムの206件をはじめ、全体で484件を数え、環境・医用・バイオセンシングシステム、エネルギーハーベスタなどの注目すべき発表が行われ、838名の参加者による技術交流が行われました。

 技術展示のセッションでは、オンライン会議ツールを用いたバーチャルミーティングに加え、技術プレゼンテーションと展示コンテンツのバーチャル見学ツアーが行われました。オンライン展示出展のメリットとしては、訪問者のご承諾により情報交換実績やご興味をいただいた展示コンテンツ情報をデジタルデータで入手できることが挙げられます。今回の出展で、マイクロマシンセンターは、MNOICのMEMS研究開発支援サービスと国家プロジェクト参画によるプロセス技術の開発状況についてご紹介し、1日当たり約70名様程度のアクセスと、合計約30件の情報交換データを電子情報で入手しました。

 以下、出展内容について簡単にご紹介いたします。
MNOICのMEMS研究開発試作支援サービスは、国立研究開発法人産業技術総合研究所殿 (茨城県つくば市) の8/12インチウェハ対応MEMS研究開発拠点を活用して展開する事業で、2011年のサービス開始以来500件を超える試作契約実績をいただいており、研究開発初期段階から製品開発に至る幅広い試作開発をサポートしております。技術展示コンテンツとして、MEMS研究開発拠点の8/12インチMEMSラインと、触覚センサ、X線デバイス、国家プロジェクト成果であるAlN(窒化アルミニウム)圧電薄膜振動センサなどのMEMSデバイスの試作例をご紹介いたしました。MNOICでは試作開発のご希望を常時受け付けておりますので、私どもの窓口をご訪問下さるようお願い申し上げます。

 ご参考までに、次回は2022年11月14日から16日まで、徳島県のアスティとくしまにて開催されることが公表されました。

(MNOIC 原田 武)

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2020年12月15日 (火)

MEMSセンシング&ネットワークシステム展2021 開催報告 (2021年12月9-11日)

 マイクロマシンセンター(MMC)は、2020年12月9日から11日までの3日間、東京ビッグサイトで開催された「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」に出展しました。

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写真1 MMC展示ブース

 MMCブースでは、技術研究プロジェクトとして昨年度から開始した「量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究(HS-ULPAC:High Stability Ultra Low Powe Atomic Clock)」と今年度から開始した「環境調和型MEMS技術の研究開発に関する戦略策定(EfriM: Environment friendly MEMS)」の紹介を初め、MNOIC事業、標準化事業、SSN研究会の概要などを展示しました。
 また、ブース入口には「マイクロマシンセンター 活動の歩み」として、前述の2プロジェクトを含む、1991年のマイクロマシン技術研究開発プロジェクトからほぼ30年間に渡る研究開発PJの歴史を展示紹介しました。

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写真2 活動の歩み

 また、会議棟102会議室において、12月9日~10日にかけて、スマートセンシング&ネットワーク(SSN)研究会公開シンポジウム「MEMS次世代テクノロジーフォーラム」、環境調和型MEMSの研究開発シンポジウム、MEMS協議会フォーラム「MEMS講習会」、研究開発プロジェクト成果報告会を連続して開催しました。
 公開シンポジウムでは、MEMSの実用化・応用先として期待される次世代テクノロジー(5G、IoT、ロボット、AI、バイオ、自動運転など)に注目し、次世代MEMS市場、最先端のMEMS技術が社会および産業に貢献するビジョンや方向性についての講演が行われ、DX進展の中でAIとMEMS技術が重要であることや、人とのインターフェースや各種センシングにおけるMEMSの重要性について紹介がありました。

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写真3 特別シンポジウム「MEMS次世代テクノロジーフォーラム」より

 環境調和型MEMSの研究開発シンポジウムではMMCブースで紹介しておりましたしました自然に溶け込む環境調和型MEMS(EfriM)」に関しましてその概要とそれが活躍する応用分野 並びにEfriMを実現するために必要な代表的な材料技術と製造技術についての講演があり、EfriMのサブプロジェクトリーダである東大伊藤教授からEfriMの概要説明を初め、防災科学技術研究所酒井副センター長のEfriMの必要性、東大磯貝特別教授の新規バイオ系ナノ素材の紹介、産総研鎌田センター長のプリンテッドエレクトロニクスの紹介がありました。

 

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写真4「環境調和型MEMSの研究開発シンポジウム」より

 MEMS協議会フォーラムでは、MEMSに関する産業動向や近年注目されている圧電MEMS、異種材料集積などの最新技術をMEMS初心者にもわかりやすく解説が行われました。

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写真5 MEMS協議会フォーラム「MEMS分野の産業動向と注目技術」より

 研究開発プロジェクト成果報告会では現在弊センターが研究開発している次の4件について報告がありました。

  1. 「小型高安定で超低消費電力な原子時計の基礎研究」
  2. 「超高効率データ抽出機能を有する学習型スマートセンシングシステムの研究開発」
  3. 「『血中成分の非侵襲連続超高感度計測デバイスおよび行動変容促進システムの研究開発』の取組み状況について」
  4. 「医療・健康を目的とした経皮ガス成分の超高感度バイオ蛍光センシング」

  どの報告会も盛況で当該分野への関心の高さが伺われました。

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写真6「研究開発プロジェクト成果報告会」より

 2021年度は2022年1月26日~28日、東京ビッグサイト東ホールで開催予定しております。

(MEMS協議会 八嶋 昇)

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2020年2月17日 (月)

MEMSセンシング&ネットワークシステム展2020 開催報告 (2020年1月29-31日)

 マイクロマシンセンター(MMC)は、1月29日から31日までの3日間、東京ビッグサイトで開催された「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」に出展しました(写真1)。

 MMCブースでは、今年度新たに開始した2つの研究開発プロジェクト(PJと略します)「血中成分の非侵襲連続超高感度計測デバイスおよび行動変容促進システムの研究開発(BaMBI)」と「薄膜ナノ増強蛍光による経皮ガス成分の超高感度バイオ計測端末の開発(SNIF)」のテーマ紹介を始め、MNOIC事業、標準化事業、SSN研究会の概要などを展示しました。また、ブース入口には「マイクロマシンセンター 活動の歩み」として、上述の2PJを含む、1991年のマイクロマシン技術研究開発PJからほぼ30年間に渡る研究開発PJの歴史を展示紹介しました(写真2)。

 また、会議棟102会議室において、1月29日~30日にかけて、スマートセンシング&ネットワーク(SSN)研究会公開シンポジウム、MEMS協議会フォーラム、研究開発プロジェクト成果報告会を連続して開催しました。
 SSN研究会公開シンポジウムには、前述の今期開始したIoT社会実現のための超微小量センシング技術開発に関する2つのPJと医療・ライフサイエンスのプラットフォーム構築に有用なオリンパスのオープンAPI構想について紹介しました。
 MEMS協議会フォーラムでは「注目すべき海外でのMEMS関連トピックス、市場・技術動向」として、MEMS・IoTスマートセンサなどに関連した国際標準化や国際会議でのMEMS関連研究動向についての講演の後、西安交通大学の前田龍太郎教授から「内側から見た中国のMEMS開発動向」と題して、講演を行いました(写真3)。
 2日目の午後に開催した「超高効率データ抽出機能を有する学習型スマートセンシングシステム(LbSS:Learning-based Smart Sensing System)の研究開発」成果報告会では、プロジェクトリーダーの藤田博之先生とサブプロジェクトリーダーの日立製作所高浦則克氏、東大生産技術研究所の年吉洋先生から最新の研究成果の紹介があり、最後に「エッジデバイス向け名刺サイズCMOSアニーリングマシンの開発」と題して、日立製作所の山岡雅直氏から講演がありました。どの報告会もほぼ満員の盛況で当該分野への関心の高さが伺われました。

 2021年度も、今年度同様、Nanotech展などと同時開催で、2021年1月27~29日、東京ビッグサイト東ホールで開催予定です。

(MEMS協議会 渡辺 秀明)

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写真1 MMCブース(青)/NMEMSブース(緑)

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写真2 MMCの歴史

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写真3 MEMS協議会フォーラム

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2019年12月18日 (水)

第36回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム参加報告(11月19日-21日)

 第36回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウムが、2019年11月19日から21日までの3日間にわたって静岡県浜松市のアクトシティ浜松で開催され、マイクロマシンセンターが技術展示に出展してきましたのでここにご報告いたします。

 本シンポジウムは、一般社団法人電気学会E部門の主催で行われる、当該分野における日本最大級の学術シンポジウムで、日本機械学会マイクロ・ナノ工学部門主催の「マイクロ・ナノ工学シンポジウム」、応用物理学会集積化MEMS技術研究会主催の「集積化MEMSシンポジウム」、化学とマイクロ・ナノシステム学会主催の研究会と、また一般社団法人エレクトロニクス実装学会連携セッションとの同時開催により、”Future Technologies from HAMAMATSU” の一環として開催されました。発表件数は、本シンポジウムの263件を始め、全体で582件を数え、高機能の物理・化学・イメージセンサデバイス、トランスデューサ、エネルギーハーベスタ、最先端パッケージング技術などの注目すべき発表が行われ、1,000名を超える参加者による熱心な技術交流が行われました。

 今回、マイクロマシンセンターは、本シンポジウムの技術展示コーナーにおいて、センサネットワークシステム用基盤技術としてのパッケージング技術の研究開発成果とMEMS研究開発支援サービスについて出展いたしました。

(1)インフラモニタリングセンサネットワークシステム用パッケージング技術
マイクロマシンセンターのマイクロナノ・オープンイノベーションセンター (MNOIC)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) 殿から技術研究組合NMEMS技術研究機構が受託した国家プロジェクト「道路インフラ状態モニタリング用センサシステム (RIMS) 研究開発」に参画して、インフラモニタリング用無線センサ端末の高耐久性パッケージング技術を開発しました。試作開発品として、屋外の過酷な環境での長年月の使用に耐える耐候性に優れた透光性セラミックスと特殊グレードのポリカーボネート樹脂材料からなる2種類のパッケージと高気密性封止センサ端末を出展し、センサデバイスの実装評価に携わる多くの研究機関や開発メーカーの方々にご興味を持っていただきました。本技術は主として物理・光・電磁センサの実装に役立つ基盤技術で、原理検証から実証評価までの各段階でお役に立てるものと考えております。

(2)MEMS研究開発試作支援サービス
マイクロマシンセンターの主要事業のひとつであるMNOICが担当するMEMS研究開発試作支援サービスの活動状況を展示いたしました。本事業は国立研究開発法人産業技術総合研究所殿 (茨城県つくば市) の8/12インチ対応MEMS研究開発拠点を利用して展開する事業で、2011年の創設以来400件を超える試作契約実績をいただいており、研究開発初期段階から製品開発に至る幅広い試作開発をサポートしております。技術展示では、MEMS研究開発拠点の8/12インチMEMSラインと、触覚センサ、圧電型振動センサ、マイクロ流路などのMEMSデバイスの試作例をご紹介いたしました。前項でご紹介したパッケージング技術も含めて、MNOICでは試作開発のご希望を常時受け付けておりますので、私どもの窓口をご訪問下さるようお願い申し上げます。

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写真1 展示会場と説明風景

(MNOIC 原田 武)

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2019年9月24日 (火)

SENSOR EXPO JAPAN 2019(2019年9月11日-13日)報告

 SENSOR EXPO JAPAN 2019は、フジサンケイ ビジネスアイ様の主催で、一般社団法人 次世代センサ協議会様の特別共催を得て、測定計測展、第15回総合試験機器展、地盤技術フォーラム2019、第21回自動認識総合展と同時開催されました。本展示会では、経済産業省 製造産業局 産業機械課 課長補佐 池田秀俊様による基調講演「我が国製造業の課題と展望」を始めとして、製品・技術発表会、次世代センサフォーラム展示、技術発表会、次世代センサ総合シンポジウムといった盛り沢山の企画が催され、出展団体63団体、ご来場者(3日間の合計)7,416名の皆様による熱心な技術交流が行われました。

 今回、マイクロマシンセンターは3つのテーマについて出展いたしました。
(1) 道路インフラモニタリング用センサ端末パッケージング技術開発成果
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) 殿から技術研究組合NMEMS技術研究機構が受託した国家プロジェクト「道路インフラ状態モニタリング用センサシステム (RIMS) 研究開発」に参画したマイクロマシンセンターのマイクロナノ・オープンイノベーションセンター (MNOIC) が開発したモニタリングシステム用無線センサ端末の高耐久性パッケージング技術として、セラミックスとポリカーボネート樹脂材料からなる新しい高気密性封止パッケージの試作品を出展いたしました。センサのメーカー様とユーザー様から、センサとシステムの実用化時期や価格など、熱心なご質問と技術資料の請求をいただきました。国家プロジェクト終了後は参画企業の自主事業に移行したセンサ及びセンサネットワークシステムの開発に弾みを付けたいと考えております。

(2)MNOICのMEMS研究開発試作支援サービス
マイクロマシンセンターの主要事業のひとつであるMNOICが担当するMEMS研究開発試作支援サービスの活動状況を展示いたしました。本事業は茨城県つくば市にある国立研究開発法人産業技術総合研究所殿の8/12インチ対応MEMSデバイス試作ラインをお借りして展開する事業で、年々右肩上がりのご利用契約をいただいております。MEMSセンサを開発課題としてお持ちのお客様から熱心なご質問をいただき、具体的な打ち合わせもさせていただきました。MNOICでは試作開発のご希望を随時受け付けておりますので、思い立ったらご遠慮なく、私どもの窓口にご連絡をお願い申し上げます。

(3)MEMSセンサ&ネットワークシステム展のご紹介
本展示会はマイクロマシンセンターがJTBコミュニケーションデザイン様と共同で主催する展示会で、2020年1月29日から31日の3日間にわたって、今回の展示会と同じ東京ビッグサイトの西2ホールで実施されます。1990年開始の「マイクロマシン展」から継続開催してきた展示会で、最近はビジネス志向の展示会「MEMSセンサ&ネットワークシステム展」に名前を変えて実施しています。出展申込締切日は9月30日ですが、それ以降でもお申し込みは可能ですので、是非出展のご検討をよろしくお願い申し上げます。
お申込みサイトURL: https://application.jcdbizmatch.jp/jp/nanotech2020/MEMS

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展示会場と説明風景

(MNOIC 原田 武)

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2019年6月21日 (金)

Smart Sensing 2019出展報告 (6月5日~7日)

 センシング技術で価値創造する新社会プラットフォームの展示会として、2019年6月5日から7日までの3日間にわたって東京ビッグサイト西4ホールで開催された、株式会社JTBコミュニケーションデザイン殿主催のSmart Sensing 2019に出展してきましたのでここに報告いたします。
 Smart Sensing 2019は、電子機器トータルソリューション展2019のひとつとして、JPCA Show、マイクロエレクトロニクスショー、JISSO PROTEC 、有機デバイス総合展、WIRE Japan Show、JEP/TEP Showと同時開催され、センサとその材料、プロセス、実装、応用にご興味のある方には非常に楽しみな展示会となっています。本展示会は、IoT社会におけるキー要素であるセンサとセンシング技術を主なテーマとする今回で3回目の新しい展示会ですが、出展団体が81団体で、初回から比べて2倍以上に増加し、今回の来場者は、初日が14,217名、2日目が15,354名、最終日が14,539名、合計44,110名となり、初回の6倍以上に増加した熱意ある参加者の皆様で賑わいました。

 今回、マイクロマシンセンターは3つのテーマについて出展いたしました。

(1) 道路インフラモニタリング用センサ端末パッケージング技術開発成果
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) 殿から技術研究組合NMEMS技術研究機構が受託した国家プロジェクト「道路インフラ状態モニタリング用センサシステム (RIMS) 研究開発」の一環として、そのメンバーであるマイクロマシンセンターのマイクロナノ・オープンイノベーションセンター (MNOIC) が開発したモニタリングシステム用無線センサ端末の高耐久性パッケージング技術を出展いたしました。高耐久性セラミックスと高耐候性ポリカーボネート樹脂材料からなり、高気密性封止材料で接合封止した2種類のパッケージの試作品を展示したところ、同様のニーズを持つメーカーの方々から熱心なご質問と技術資料の請求をいただき、インフラモニタリングセンサネットワークの市場ニーズが十分あることを感じました。

(2)MNOICのMEMS研究開発試作支援サービス
マイクロマシンセンターの主要事業のひとつであるMNOICが担当するMEMS研究開発試作支援サービスの活動状況を展示いたしました。本事業は茨城県つくば市にある国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)殿の8/12インチ対応MEMSデバイス試作ラインをお借りして展開する事業で、年々右肩上がりのご利用契約をいただいております。MEMSセンサを開発課題としてお持ちのお客様から熱心なご質問をいただきました。MEMSデバイスを製品化されているメーカー様でも、デバイス開発の初期段階ではご自分の会社の生産ラインを使用する余裕はなく、デバイス試作のアウトソーシングが必要になっているご様子です。

(3)MEMSセンサ&ネットワークシステム展のご紹介
 本展示会はマイクロマシンセンターがJTBコミュニケーションデザイン様と共同で主催する展示会で、2020年1月29日から31日の3日間にわたって、今回の展示会と同じ東京ビッグサイト西2ホールで実施されます。1990年から開始した「マイクロマシン展」以来、30年間にわたって継続開催してきた展示会で、最近はその発展形態としてビジネス志向の展示会「MEMSセンサ&ネットワークシステム展」に生まれ変わりました。Smart Sensing 2019にご興味のあるお客さまには、ぜひご出展、ご参加をお願いしたい展示会です。

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写真1 展示説明風景

(MNOIC 原田 武)

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