Pj LbSS/IoT

2020年12月15日 (火)

MEMSセンシング&ネットワークシステム展2021 開催報告 (2021年12月9-11日)

 マイクロマシンセンター(MMC)は、2020年12月9日から11日までの3日間、東京ビッグサイトで開催された「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」に出展しました。

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写真1 MMC展示ブース

 MMCブースでは、技術研究プロジェクトとして昨年度から開始した「量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究(HS-ULPAC:High Stability Ultra Low Powe Atomic Clock)」と今年度から開始した「環境調和型MEMS技術の研究開発に関する戦略策定(EfriM: Environment friendly MEMS)」の紹介を初め、MNOIC事業、標準化事業、SSN研究会の概要などを展示しました。
 また、ブース入口には「マイクロマシンセンター 活動の歩み」として、前述の2プロジェクトを含む、1991年のマイクロマシン技術研究開発プロジェクトからほぼ30年間に渡る研究開発PJの歴史を展示紹介しました。

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写真2 活動の歩み

 また、会議棟102会議室において、12月9日~10日にかけて、スマートセンシング&ネットワーク(SSN)研究会公開シンポジウム「MEMS次世代テクノロジーフォーラム」、環境調和型MEMSの研究開発シンポジウム、MEMS協議会フォーラム「MEMS講習会」、研究開発プロジェクト成果報告会を連続して開催しました。
 公開シンポジウムでは、MEMSの実用化・応用先として期待される次世代テクノロジー(5G、IoT、ロボット、AI、バイオ、自動運転など)に注目し、次世代MEMS市場、最先端のMEMS技術が社会および産業に貢献するビジョンや方向性についての講演が行われ、DX進展の中でAIとMEMS技術が重要であることや、人とのインターフェースや各種センシングにおけるMEMSの重要性について紹介がありました。

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写真3 特別シンポジウム「MEMS次世代テクノロジーフォーラム」より

 環境調和型MEMSの研究開発シンポジウムではMMCブースで紹介しておりましたしました自然に溶け込む環境調和型MEMS(EfriM)」に関しましてその概要とそれが活躍する応用分野 並びにEfriMを実現するために必要な代表的な材料技術と製造技術についての講演があり、EfriMのサブプロジェクトリーダである東大伊藤教授からEfriMの概要説明を初め、防災科学技術研究所酒井副センター長のEfriMの必要性、東大磯貝特別教授の新規バイオ系ナノ素材の紹介、産総研鎌田センター長のプリンテッドエレクトロニクスの紹介がありました。

 

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写真4「環境調和型MEMSの研究開発シンポジウム」より

 MEMS協議会フォーラムでは、MEMSに関する産業動向や近年注目されている圧電MEMS、異種材料集積などの最新技術をMEMS初心者にもわかりやすく解説が行われました。

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写真5 MEMS協議会フォーラム「MEMS分野の産業動向と注目技術」より

 研究開発プロジェクト成果報告会では現在弊センターが研究開発している次の4件について報告がありました。

  1. 「小型高安定で超低消費電力な原子時計の基礎研究」
  2. 「超高効率データ抽出機能を有する学習型スマートセンシングシステムの研究開発」
  3. 「『血中成分の非侵襲連続超高感度計測デバイスおよび行動変容促進システムの研究開発』の取組み状況について」
  4. 「医療・健康を目的とした経皮ガス成分の超高感度バイオ蛍光センシング」

  どの報告会も盛況で当該分野への関心の高さが伺われました。

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写真6「研究開発プロジェクト成果報告会」より

 2021年度は2022年1月26日~28日、東京ビッグサイト東ホールで開催予定しております。

(MEMS協議会 八嶋 昇)

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2019年12月 6日 (金)

PowerMEMS2019 参加報告

 2019年12月4日から6日にかけて、ポーランドのクラクフにおいて、第19回目となるThe 19th International Conference on Micro and Nanotechnology for Power Generation and Energy Conversion Applications(以下PowerMEMS2019)が開催され、研究発表と討議が行われました。またそれに先駆けて、122日から3日にはPowerMEMS schoolが開催され、主に学生を対象に講義等が行われました。本会議は、2000年に第1回を仙台で開催して以降、日本国内での開催が続き、2006年より北アメリカ、ヨーロッパ、アジアの順に開催される現在のスタイルとなりました。今回開催のクラクフは、ポーランドの中でも最も歴史のある街の一つであり、17世紀にワルシャワへ首都が遷都するまでは、ポーランド王国の首都であったため、工業や文化の中心地として栄えており、また旧市街には、歴史的な建造物が多く残っていました。

 

 本会議では、エネルギーハーベスティング全般に関しての発表、展示があり、例年150件〜200件程度の投稿件数です。今回に関しては投稿数などの発表こそなかったものの例年と同程度の投稿数であった様です。また、これまでPowerMEMSという学会名ではあるものの、MEMSに限定したものではなく、むしろMEMS関連の発表は非常に少ない傾向がありました。ただし、今回はMEMS研究に熱心なポーランドでの開催ということもあって、MEMS関連の発表が例年に比較しても非常に多かったです。ただし、今後も増えていく、というよりは今回に限ったことでもある様に感じました。発表形式は、4件の招待講演、1件のフォーカスセッションは1会場で全員参加の形式、その他の一般講演は2会場に分かれてのパラレル形式でした。

 

 基調講演4件に関しては、宇宙開発、カーボンナノチューブ、熱電子発電、そして摩擦発電のHMI・インプラント応用に向けて、がそれぞれ発表されました。また、フォーカスセッションとしては、宇宙用マイクロデバイスに関して1件の発表がありました。また、ここで、主に振動発電の応用分野に注目して発表を整理すると、風や波といった自然現象を利用したものとして、洋上風力発電のブレードモニタリングに関しての発表が2件、波力発電に関しての発表が2件、風力発電の発表が3件ありました。また、移動体を利用したものとして、鉄道車両に関する発表が1件、タイヤに関する発表が1件、自動車排ガスに関する発表が1件でした。また、人間や動物の動きに関連したものとしては、ウェアラブルに関する発表が4件、歩行に関する発表が1件、義足に関する発表が1件、心臓ペースメーカに関する発表が1件でした。本プロジェクトでは、工場などにある産業機器の振動からの発電について、研究開発を行っていますが、同じ様な応用を考えている発表はありませんでした。これは、やはり工場の振動は前記した応用分野と比較しても、振動があまりに微小(重力加速度の1/100.1G程度)であるため、大きな発電量を得られる技術は、我々が開発しているMEMSエレクトレット方式の他にないためと考えられます。この強みを生かした製品応用ができれば、非常に優位性を持ったものになると感じました。

 全体を通しての感想としては、近年のPowerMEMSでは非常に振動発電の割合が高かったのですが、他の技術(熱電発電、電力伝送など)の発表が多くなったと感じました。一方で、やはり企業からの発表は少なく、大学からの発表が圧倒的に多いため、実用化に近い物は見当たりませんでした。ですので、我々も、現在開発中の振動発電デバイスをいち早く市場投入することができれば、非常に大きく社会貢献できると感じました。

技術研究組合NMEMS技術研究機構 主任研究員 三屋 裕幸

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2019年11月29日 (金)

IoT Solutions World Congress 2019参加報告

 20191029-31日にスペイン・バルセロナで開催されたIoT Solutions World Congress 2019(以下、IoTSWC)に参加致しましたので、ご報告します。本カンファレンスは、来場エントリ数が120ヶ国から約16,000人となる欧米最大級のインダストリアルIoTに関するカンファレンスで、インダストリアル・インターネット・コンソーシアム(以下、IIC)に承認を受けたテストベッドが多数発表されるなど、欧米でのインダストリアルIoT(以下、IIoT)の技術動向調査を行ううえで最適なカンファレンスとなっています。

  現在、産業機器等から吸い上げたデータの有価情報を効率よく取り出しクラウドに送信する、超高効率データ抽出機能を有する学習型スマートセンシングシステムの研究に従事しておりますが、本研究の先端技術調査としてLbSSでは、複数社で共同推進されるIIoTの実運用に近い段階のユースケースをベンチマークとして把握し研究開発にフィードバックすべく、これまでIoTSWCへの毎年の定点観測を実施しております。

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         図1 開催地バルセロナ旧市街の街並み

 IoT分野の市場予測として、英国の市場調査会社によって算出された2024年の市場予測1.6兆円が1.3兆円に大きく下方修正されることが以前ございました。この背景としてIIoTが広まることによるベンダ・顧客へのユースケース適用への課題が双方の観点から表面化していることが考えられます。例えば、予兆保全のIoT化によってメンテナンスを自動化し、システム全体の課金モデルでリースとすることで、ユーザの投資負担は減りメンテナンスの責任を製造側に任せられる利点のほか、製造側は稼働設備のリアルタイムな分析結果をフィードバックすることで信頼性向上や長期の動作条件の中で発現する潜在的な不良原因に関して、既存機器を止めずに解析することが可能になります。しかし、予兆保全のモデルが提供ベンダのサービスで完結しメンテナンスのタイミングが顧客企業で把握しづらくなることは、現場作業者による点検と修理の自由度が下がることにつながり、ベンダのメンテナンスモデルの独占状態が大きくなるにつれて現場からの反発の声も大きくなることが考えられます。

 また国内外でビジネスを展開するうえでは、データの越境移転により厳しく制限がかかる国・地域に対して、IoTのサービスを開始するうえでのデータ主権に関する課題の解決策をベンダは十分に検討したうえで臨まなければなりません。ウェアラブルのようなIoT機器を用いて、これまでとは比較にならない高い精度で、人の行動パターンや生体情報などを取得する、あるいは、それに準じるデータを扱う場合に、プライバシー問題への懸念が高まる各国の状況に対して、法規制で要件される技術的な施策を講じたうえでビジネスを展開することは非常に難しいことだと感じます。今後は、カンファレンスにおいて技術で先行する企業や団体が、実運用の場で。こうした課題にどのように対処するかも同様に注視すべき点だと考えます。

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            図2 会場周辺の様子

 対して顧客側も、提供ベンダに依存するクローズドなシステムとは対照の、よりオープンで汎用的なIoTプラットフォームを求めることも予想されます。

 顧客はベンダ非依存のシステムを構成する際、より汎用的なインターフェースの実装を持たすべく、導入実績が多いOSSを検討することが考えられます。しかし、OSSEnd Of Life(以下、EOL)により保守が継続されないことや、インターフェースが頻繁に変更されることで他のシステムとの相互接続性が突然失われることなど懸念点が多いのも事実です。顧客側は将来に渡る継続的な互換性が担保されないなか、工場設備のようにライフサイクルが長い既存システムに、IoTシステムを連携させることで後々どのような影響が生じるか、大きな不安を抱いております。セキュリティ面を考えた場合、インターネット側と既存機器を仲介するIoT機器が踏み台として攻撃される事例もあり、OSSコミュニティのEOLにより脆弱性に関する不具合が放置されたままとなる事態はIoTシステムを構築するうえで致命的です。特に後述する風力タービンに関してはライフスパンが十年〜数十年と非常に長く、その間、IoTシステムが継続的に保守するための体制を組んでいかなければなりません。同時にFuture Proofの観点からインターフェースのメジャーアップデートにも追従し互換性を維持していかなければなりませんが、実際にはそのような追従は難しく古いOSSの脆弱性を独自に修正しつつ適用せざるを得ない状況が生じてしまう矛盾も見られます。こうしたことから、エコシステムを形成するうえでは、パートナーの協業形態が将来に渡り継続し、産業機器設備に対するIoTプラットフォームを長期的に保守する体制を保証することが鍵であり、例えばIICテストベッドのように研究からビジネスまで複数のパートナー企業が一体となり推進していくことが有利に働いていくものと考えます。

      表1 各国の講演者数 (開催プログラムより算出)

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 LbSSでは、産業機器等から取得するデータをクラウドへ送信する際に有価情報を効率よく抽出する、超高効率データ抽出機能を有する学習型スマートセンシングシステムの研究に従事しているため、本研究に関連が深いと考えられる社に関して抜粋し、ここでご報告させて頂きます。

  1社目はEdgeXとそのパートナー企業となります。EdgeXにつきましては、2017年のプロジェクトの立ち上がり時から動向を注視しておりましたが、当初の概念的な展示から一転し、2019年前半のVer 1.0となるEdinburgh(EdgeX IoTプラットフォームのリリース名)のリリースが為されたことで、ユーザ数の大きな増加が見られました。EdgeXはパートナー企業の多さもあり、制御機器側の対応プロトコルのバリエーションが豊富なことが特徴のうちの一つでありましたが、APIのドキュメンテーションが一通り揃ったことに加えて、Dockerコンテナによる配布形態を利用したことにより、ユーザによって環境構築が以前より容易になったことが大幅なユーザ数増加に繋がりました。Dockerは抽象化レイヤを多段的に介在させることで、マルチプラットフォームだけでなく、現場の異なる様々な構成例に即座に対応し運用開始までの工数を短縮できるメリットがございます。異なる現場に合わせてユーザ・開発者が専念するのはアルゴリズム開発だけであることが理想でありますが、Dockerのようにテスト環境の構築や、アルゴリズムをもつアプリケーションの入れ替えに関する手間をユーザ・開発者に意識させない工夫は、ユースケース適用先ごとにアルゴリズムのデータフローが変わるIoTシステムには必要不可欠な技術と考えます。ただ、Dockerに関しては、Linuxの機能を利用して実現する機能であるため、今後はLinux以外のOS上で数十のセンサを一度に集約する際に期待したスループットやレイテンシが担保されるかも併せて検証しておくことが必要と思われます。

 2社目はB社のIIC承認テストベッドである、風力タービンのメンテナンス半自動化デモとなります。風力タービンは、落雷、雨、湿気、急激な温度変化等の厳しい天候に晒されつつ、屋外での長い年月に渡る安定動作が求められるため、IoT化による自動化のメリットが大きな分野と言えそうです。また、調べたところによると世界の風力発電の累計導入量は約5kWに達するようであり、風力タービン全体の保守作業の短縮を考慮すると作業工数の短縮が各国の電力ビジネスに与えるインパクトも大きいことが伺えます。IICテストベッドでは、風力タービン上の傷、摩耗等、潜在的な事故要因に対する従来のメンテナンス手順に対して、ドローンとクラウドにおける画像解析を活用し、現場作業者間で均一なレベルを保つことが難しかった保守手順を自動化できたことが大きな差分となっております。簡潔に従来の保守手順の一例を説明致しますと、一台の風量タービンには3枚のブレードが付属し両面合わせて6面を保守しなければなりません。ブレード各面の点検は地上に固定したカメラで撮影した画像をもとに行いますが、これにはピッチ制御によるブレード面の反転と、ブレードの端から端をカメラの画角に収めるための回転制御が必要となります。このため、従来の人の手による保守では、一台の風力タービンにつき数時間を要し、また、ブレードの回転制御のズレでカメラの撮影点が前後で重なり傷・摩耗の誤カウントを引き起こすことなど、点検精度のばらつきも課題になっておりました。一方、IICテストベッドでは、ドローンをブレード面に対して並行に飛ばすための軌道を予めインプットしておくことでメンテナンスに必要なピッチ制御と回転制御の手順の数を抑え、撮影したブレード面の映像をクラウドのAIが画像判定することで点検作業が従来の数時間から僅か1520分に短縮できるようになったとのことです。

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            図3 講演会場の様子

[所感]

 今回の調査で感じたことの一つに、IoTプラットフォームのエッジコンピューティングに関する必要な技術がカンファレンスで出揃ってきたことがございます。会場では12ドルといった評価ボードも登場しており、簡単なユースケースに対しては十分な性能を発揮するようにも感じました。また、会場ではエッジコンピューティングの適用として、テストベッドにエッジでの画像認識システムを連携させる例が多かったことがございます。画像認識処理でスループットを上げるにはGPUを要するケースもあり、低価格ボードでは精度の高い画像処理など難しい面がありますが、センサデータの一次解析や、ノイズの除去などには一定の効果を発揮するものと思われ、こうした低価格なボードを用いシステムを多段的に組んでいくことで上位のシステム構築の費用を大きく削減していけるものと考えます。

先に挙げたように、顧客側のユースケースによってはクラウドのほか、オンプレミスや、場合によってはエッジ単体での運用もあり得ます。ユースケースにより様々なシステム構成を各々実装するやり方もあり得ますが、本来であれば不必要なコストを掛けることは望ましくない為、各機能を細かな単位で多段的に抽象化することで、構成例に合わせてどのような性能であっても動作できるよう状況に合わせて機能を選択できるようにする仕組みが必要となりそうです。

 今後もこうした技術動向調査で得られた知見をベンチマークに、研究開発を進めていきたいと考えております。次回のIoT Solutions World Congressは、20201027日〜29日に開催が予定されております。

技術研究組合NMEMS技術研究機構 研究員 相見 眞男

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2019年11月27日 (水)

NEDO IoT横断技術開発プロジェクトの成果であるIoTエッジシステム(自立電源センサ/コンセントレータ)活用事例の講演とデモ展示の報告(2019.11.27)

 IoTワークショップ「センシング・エッジによるIoT革新的ビジネスの潮流」と題し、2019年度第1回産業・インフラ向けIoTデバイス・システムの進展と活用事例を、会津若松市のスマートシティAiCT交流棟で行いました。今回のワークショップでは、下記のプログラムの様に、IoTセンサシステム及びエッジ処理の高性能化技術を講演とデモ展示で紹介いたしました。会津地域のものづくり企業から成る会津産業ネットワークフォーラムの会員企業やスマートシティAiCTに入居しているICT企業他一般参加者と講演関係者の約60名が集まり、各テーマの成果ポスター、開発したセンサ・コンセントレータ等のデモにより、開発者と参加者の間で、システムの設置方法やユースケース等について活発な意見交換が行われました。開発者にとっても中小企業のIoT導入課題や会津若松市のスマートシティの取り組みの中でセンサ活用について直接話を聞ける良い機会になったと思います。2020年度のIoT横断技術開発プロジェクト終了まで、学習型スマートセンシングシステムは、工場の現場作業者だけで容易に設置し、あとは学習型コンセントレータが無線センサを自動制御して必要なデータだけを収集するシステムの完成を目指し、今後もユーザヒアリングや展示会(MEMSセンシング&ネットワークシステム展)・ワークショップでの成果展示を通じて、様々なユーザのユースケースを抽出してシステムソフトウェアへのフィードバックを進めます。


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講演会場の様子
   
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 パネル・デモ展示の様子

(プログラム)

【開会挨拶・来賓挨拶】

 ①NMEMS事務局 長谷川英一研究調整監 

 ②アクセンチュア㈱イノベーションセンター福島 中村彰二朗センター長

【セッション1 IoTセンサシステムの紹介①】

 超低消費電力データ収集システムの開発と実証実験

 (㈱デバイス&システム・プラットフォーム開発センター 開発第一部 勝村英則プロジェクトマネージャー)

 トリリオンノード・エンジンの開発と実証実験

 (東京大学大学院工学系研究科 桜井貴康上席研究員/東京大学名誉教授) 

【セッション2 IoTセンサシステムの紹介②】

 MEMS振動発電デバイスを用いたポンプ監視システム

 (高砂熱学工業㈱ 事業革新本部 イノベーションセンター 技術研究所 柴田克彦担当部長)

 学習型スマートセンシングシステムの開発と実証実験

 (東京都市大学総合研究所 藤田博之教授/東京大学名誉教授)

【Coffee break&デモ・パネル展示】

 セッション12及び()ナカヨIoTセンシングシステムの紹介

【セッション3 エッジ処理の高性能化技術】

 ソフトテンソルプロセッサによる超広範囲・高精度にセンシング

 可能なAlエッジ技術

 (会津大学コンピュータ理工学部 富岡洋一上級准教授)

【閉会挨拶】

 NEDO IoT推進部 遠藤勇徳 プロジェクトマネージャー

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2019年8月 8日 (木)

APM(Arm Partner Meeting)2019(2019/8/6~8/8)参加報告

 APM2019への参加目的は、LbSSの研究開発目標である「開発したスマートコンセントレータ及びスマートセンサ端末を用いた学習型スマートセンシングシステムにより産業機器モニタリングシステムを構築し、工場環境における動作を検証する」に必要な情報の収集である。

 APM2019IoTAI業界リーダを対象とした招待制イベントで、世界No.1マイコンIPベンダーであるArm社がAI/IoTソリューションビジネスの転換を図るべくエコシステム構築を狙ったイベントである。

 本イベントのデモ展示や講演を通して、下記の調査を行った。

LbSS学習型スマートセンシング方式と類似の技術をArm社が開発中か、さらに現場実証が行われているかを調査。

LbSSで昨年度開発した赤外線アレー及びガスセンサ付きスマートセンサ端末が、Arm社のマイコン技術等を用いて機能向上するかを調査。

LbSSスマートセンサ端末の差別化技術である2種類以上のセンサデータを用いて学習する自動解析の事例の有無を調査。

LbSSが目指す、センサ設置時間短縮化などのユーザペインポイントの解消に、Arm社が注目しているかを調査。

⑤アルゴリズムをコンセントレータにデプロイする際のIoTセキュリティや運用管理の先端技術を調査。

     Apm2019 

           調査したシステムの一例 

 以上の調査から、LbSSArm社を中心とした同業他社の技術の違いを明確に把握できたので、今後のLbSS開発に於ける課題を整理し、弱点を補強していきたい。

以上

 

 

 

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2019年1月 4日 (金)

2018年MMC十大ニュース決まる

 マイクロマシンセンターでは、2018年の10大ニュースを選択いたしました。私どもの活動状況をご賢察いただければ幸いです。

1.インフラモニタリングプロジェクト(RIMS、UCoMS)、最終年度の開発実証試験成果が各種シンポジウム、展示会で注目
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「インフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発プロジェクト」において、技術研究組合NMEMS技術研究機構(以下NMEMS組合)が提案した「道路インフラ状態モニタリング用センサシステムの研究開発」及び社会・産業インフラ維持管理・更新等の重要な社会課題の一つである都市機能を支えるライフライン系の都市インフラ(電気、ガス、上下水道、情報、エネルギー)の安全な保全のためのセンサーモニタリングシステムの研究開発の最終年度の実施を行いました。
 これらの成果は、国内外で開催された学会、シンポジウム、展示会等で広く発表を行い多くの関心を集めました。

2.スマートセンシング・インターフェース国際標準化案がIECで1年前倒しでNP提案が承認され審議入り
 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)/SC47F(MEMS分野分科委員会)にて、提案を行っておりました、「スマートセンサの制御方式」が、2018年、NP(New work item Proposal)承認され審議が開始されました。
 IEC国際標準化SC47E/WG1,2F合同アドホック会議において「スマートセンサの制御方式」について、IECへのNP(New work item Proposal)投票が完了し、エキスパート参加国6か国でNP承認(参加国4か国以上が必要)された旨、また、韓国・米国からそれぞれ1件ずつあげられたコメントへの対応方針を各国に説明しました。

3.MNOICの工程受託活動がPR拡大等により引き続き右肩上がりで推移
 研究開発を支えるMEMS試作ファンドリとして、7年前に開設したつくばの「マイクロナノオープンイノベーションセンター(MNOIC)」も今や中小・ベンチャーを含む40社以上からの研究や工程の受託により、フル稼働の状況にあります。さらに設備整備や技術向上に努めて、我が国のMEMS開発需要に応えてまいります。

4. MMC理事長が山西氏から山中氏に交代、MMCの新体制が始動
 2018年度はマイクロマシンセンター理事の改選期にあたり、MEMS理事会において2期4年にわたり当協議会会長(MMC理事長)を務めて頂いた山西健一郎三菱電機相談役から山中康司株式会社デンソー代表取締役副社長(MEMS協議会会長も兼ねる)に理事長が交代されました。
 新理事長には、続いて開催したMEMS協議会推進委員会において挨拶及び最近のトピックスとして1つはスマートセンシング&ネットワーク研究会(SSN研究会)に、医療MEMS研究会などのワーキンググループを設置し、新テーマ発掘に努めていること、二つ目は、設立から8年目のMNOIC事業が、2020年以降も事業の持続的拡大に向け、現場中心に着実に改善活動を進めていることを述べられました。

5. MEMS講習会、マイクロナノ先端技術交流会、海外調査報告会等セミナーが多くの技術者を集め活況
 マイクロマシンセンターでは、MEMS講習会、マイクナノ先端技術交流会、海外調査報告会を開催しており、多くの技術者の参加を頂き活発な意見交換が行われています。
 MEMS講習会は年2回開催し、そのうち1回は地方で開催しています。2018年は2月に九州で開催し、地方でのMEMS技術の普及に貢献しています。
 先端技術交流会は第2回医療MEMS研究会と兼ねて、「生体モニタリングの最前線」をテーマとして開催し、MEMS及び医療関係の技術者と意見交換が行われました。
 海外調査報告会は、MEMS関連の海外調査及び国際標準化の最新状況について国際交流事業の一環として報告するものです。毎年のように北米や欧州を中心に学会等のイベント、海外の大学や研究施設、関連企業の訪問見学の報告を行っています。

6. MEMSセンシング&ネットワークシステム展2018、盛況でビジネスチャンスが拡大
 2018年 10月 17日(水) から19日(金)まで幕張メッセで開催された「MEMS センシング&ネットワークシステム展 2018」は、3日間の開催期間を終え、盛況の内に閉幕しました。来場された皆様方に御礼申し上げます。

 初日は、展示会場内特設ステージでMEMS協議会フォーラムを10:00から12:30まで開催いたしました。2日目は、国際会議室で研究開発プロジェクト成果報告会を開催いたしました。最終日は、国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム及びスマートセンシング&ネットワーク(SSN)研究会公開シンポジウムが10:00から16:05まで開催致しました。何れのシンポジウムも多くの聴衆が熱心に聞き入っておりました。
 会期中の様子は以下を参照ください。
 (初日)
http://www.nanomicro.biz/mems/2018/10/mems2018-be33.html
 (2日目)
http://www.nanomicro.biz/mems/2018/10/mems2018-9487.html
 (3日目)
http://www.nanomicro.biz/mems/2018/10/mems2018-fd87.html

 今回ご来場頂きました皆様に御礼申し上げます。

 次回は2020年1月29日(水)~31日(金)に、東京ビッグサイトにおいて、nano tech2020と同時開催を予定しております。
 次回もご来場頂けますよう関係者一同お待ちしております。

7. マイクロマシンサミット2018への参加や海外アフィリエート交流など、国際交流事業を活性化
 マイクロマシンサミットは、年に1回、世界各国・地域の代表団が集まり、マイクロマシン/ナノテクノロジーに関する課題や展望につき意見交換する場です。日本の提案により平成7年3月に京都で開催されたのが始まりで、以後、各国持ち回りで開催されています。
 2018年は5月14日(月)から16日(水)までアルゼンチンのブエノスアイレスで開催されました。南米での開催は、2014年にブラジル・サンパウロに続く2回目になります。今回のトピックスは、農業や畜産大国のアルゼンチンらしく”Agro-food & Environment. Other related applications and results from new and highly relevant R&D actions”でした。
 次回、2019年のマイクロマシンサミットは、中国・西安(Xi’an)で開催されることが決まりました。コーディネータはNorthwestern Polytechnical UniversityのWeizheng Yuan教授です。

8. LbSSプロジェクトも中間(5年のうち3年)に差し掛かり、成果が現実化
 本研究開発では、工場等の設備の稼働状況等の把握を目的とするスマートセンサモジュール、高効率MEH(Micro Energy Harvester)などの自立電源、及びスマートセンシングフロントエンド回路を開発し、動的センシング制御可能な無給電のスマートセンサ端末を実現します。さらに、同時に開発する学習型スマートコンセントレータとの連携により、従来の環境発電で収集可能な有価情報量を100倍化することを可能とする学習型スマートセンシングシステムの基盤開発と実証を行います。
 現在、学習型スマートセンシングシステムの開発として、有価情報を高めるための自立型センサ端末/学習型センシングアルゴリズムの開発、測定パラメータ可変型スマートセンサ、製造往路セス革新で小型・安価、高効率発電デバイスの開発を行っています。

9. センサ端末同期用原子時計(ULPAC)が世界最高水準の長期安定度を達成
 道路インフラモニタリングシステム(RIMS:ROAD Infrastructure Monitoring System)をはじめとするセンサ端末群は、ネットワークを介して時刻同期をすることで、データ取得の正確な時間を把握し、かつ、データ転送の効率化を図っています。もし、その時刻同期を不要とすることが出来れば、ネットワークの構築や運用にかかる負担を大幅に低減することができます。そこで、正確な時を刻む原子時計をセンサ端末に搭載可能なサイズや消費電力、価格にすることが出来るかを解析や試作を通して、長期間安定的に稼働する時計が完成しました。

10. 青柳副理事長、荒川センター長、野村総務担当部長などMMCの中興を担った方々が引退
 2018年に開催したMEMS理事会において、2003年MMC専務理事に就任し、2006年の当協議会発足に尽力した前MMC副理事長の青柳桂一氏も退任しました。
 また、マイクロマシンセンターを発展させてきた有力メンバーである荒川センター長及び野村総務担当部長が退職致しました。

成果普及部 水島 豊

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2018年10月22日 (月)

IoTSWC2018参加報告

 2018年10月16日‐18日にスペイン・バルセロナで開催されたIoT Solutions World Congress 2018(以下、IoTSWC)に参加してまいりましたので、ご報告します。IoTSWCは、スペイン・バルセロナで開催される欧米最大級のIoTに関するイベントで、来場エントリ数は120ヶ国から約16,250人以上となり2016年開催時の2倍となった他、一般展示ブースに加え、インダストリアル・インターネット・コンソーシアム(以下、IIC)承認のテストベッド等も多数発表され、メディア等による記事数が2000を超えるなど、本イベントの注目度の高さが窺えるものとなっておりました。また、同イベント開催期間において、会場から少し離れたItalian                 Pavilion会場ではIoT Solutions Awardの受賞式が行われ、IICテストベッドからも多数受賞するなど、大きな盛り上がりを見せておりました。

 本イベントはIICが推進するテストベッドの展示も多数行われるため、インダストリアルIoT事業を複数社で共同して推進する社技術動向をベンチマークとして測るには非常に有益なイベントと考え、毎年の定点観測を行っております。

                  

図 1 バルセロナの街並み
                  

 一昨年リサーチ会社によるIoT市場予測において、2024年のIoT市場規模予測が1.6兆円から1.3兆円に下方修正されました。生産工場等の機密データや、そこで従事する個人に紐づく稼働データを収集するIoT機器においては、センサデータがクラウドに収集されるまでの経路においてデータを第三者の盗聴・改竄なしに正しく配送される必要があり、この認証情報をやり取りする経路のリソースを正しく配分するためのスケーラビリティを確保する構成にするには専門性の高いネットワーク技術者等のノウハウが必要となり、デバイス管理技術とセキュリティの両立への課題になっていると考えます。こうしたことが生産工場に存在する数千、数万といったセンサデバイスを一度に大量に、認証またはリボークする際のセッション管理やリソース確保においてネットワーク構成設定の煩雑化を招き、工場ごとにことなる構成のIoT機器の導入を難しくしております。また、ヘルスケアやウェアラブル端末からの情報収集等も考慮すると個人情報に結びつくデータを扱う可能性が非常に高いIoTゲートウェイにおいて特に欧州では個人情報の匿名化技術等も注目されつつあることから、こうした技術を発表する社もあり、IoT機器に関する技術動向調査として非常に有益な機会となりました。

                  

図 2 会場入口周辺の様子
                  

 一般的なIoTに対する課題には既存のIT技術を適用できますが、大量のセンサデータに対して、セキュリティやプライバシー保護のための処理を施すためにCPUリソースを大きく割くと、IoTゲートウェイが規定時間内にデータを処理するためのマイクロバッチにおいてデータの検証までを含めた高い応答性能を出すことが難しくなると考えます。

 既存解析基盤を連携させてより高度な処理を施す際に、規定した時間内で必要な応答を受け取って処理を継続するための連携手法に関してもヒアリングを実施しましたが、今後多数のセンサ端末を収容する際にセンサに対応するアルゴリズムを適用する動的な制御を行うプラットフォームを構築する場合、アルゴリズム間のインタフェースの差異によりレイテンシにも時間差がうまれ、意図した応答時間内に分析が終えられないことにより他のセンサデータの刈り取りが失敗しデータ欠損が発生するといった課題についても、膨大なセンサ群を接続するユースケースにおいて、検討が必要不可欠な事項であると考えます。

                  

図 3 講演会場の様子
                  
                  

表 1 各国の講演者数(開催プログラムより算出)
                  

 現在、産業機器から取得するデータをクラウドへ送信する際に有価情報を効率よく抽出する、超高効率データ抽出機能を有する学習型スマートセンシングシステムの研究に従事していますが、本研究に関連が深い数社に関して抜粋し、ご報告致します。

 1社目は、I社 E技術によるデバイス・プロビジョニングの例となります。こちらは従来のPKIと同じく、1対1の秘密鍵と公開鍵を生成したうえで、当秘密鍵から複数の新たなMember秘密鍵を生成し、サードパーティ側でシグネチャを検証することでデータの改竄を検知します。サードパーティのクラウドからは署名されたデータが複数のMember秘密鍵のどの秘密鍵によるものか判別がつかない為、匿名性を保ったままで改竄検知等が行える点が特徴です。これにより例えばヘルスケアの現場ではIoT機器活用のユースケースの幅が増えると考えられます。ヘルスケアのような現場では、患者は医師に対してより正確な医療アドバイスを求める為に自己のデータをできる限り開示すると考えられますが、将来的な投薬研究や医療保険上のデータには収集の際に十分な匿名性が担保されることを望む傾向にあります。データ保護のレベルをデータの利用用途ごとに動的に変更する技術を、デバイスのユニークなIDで管理する技術はチップベンダの強みと考えます。

 2社目のH社はネットワーク構成、各設定を単一の汎用サーバのソフトウェアにより動的に変更するSoftware Defined Network(以下、SDN)技術を採用したIoTプラットフォームと、分散型対応かつリモート制御可能なIoTゲートウェイにより、エッジからクラウドまでの一元管理を実現しています。例えば製造現場の構成が変わりIoT機器の配置・数が変化するなど、IoTゲートウェイやクラウドの構成が大きく変わるリソース増減時には、各機器に対するファイアウォールや経路の設定が必要となりますが、従来は専門の知識を習得したネットワーク技術者が煩雑な設定手順を踏む必要があり管理コストが大きくなっておりました。SDNはIoTゲートウェイのネットワーク構成がモニタリング対象により動的に変化する場合も上記課題を解決し、管理コストの増加を大きく抑えることが可能になると考えます。また、H社は同時に、Kernel部分が10KB以下で省電力な動作制御が可能な超軽量OSアーキテクチャの発表を行っておりました。ウェアラブル端末は個人に紐づくデータが収集される為、ウェアラブル端末やヘルスケア現場でのコネクテッドデバイス上の動作を想定した、ARM、X86、RISC-V、Microcontrollersといった異なるアーキテクチャをサポートする超軽量OSの登場で、例えば1社目で紹介しましたI社E技術を抽象化するソフトウェアの実行環境も整えやすくなり、高度なデータ処理を要求するウェアラブル端末上等で、セキュリティやプライバシー保護に関する課題を解決できるのではと考えます。H社では、数千万台のデバイスのプラグアンドプレイや、通常よりも格段に容量が小さくIoT機器に搭載可能な超軽量OSの展示等、本展示会において積極的な展示を実施する社の一つであり、同社の車両用に特化したIoTプラットフォーム等2件でIoT Solutions Awardsを受賞していたことから、本イベントで存在感を際立たせておりました。

 3社目は、P社による顔認証が可能なIoTゲートウェイのデモです。額から顎までの大きさ、顔のライン、各パーツから、顔データの特徴を抽出することで1データを128Bytesに削減した顔データを扱っておりました。最低1000データが必要な顔認証用データも、IoTゲートウェイでデータを適切に間引き意味のあるデータ部分のみを蓄積することで、ゲートウェイ相互に顔認証で必要なデータのスムーズなやり取りを可能にし、当ゲートウェイの設定から、導入時のデータ収集、運用までを専門知識なしに導入可能な構成となっておりました。本IoTゲートウェイは社内の複数地点に設置し、社員からの顔特徴データをIoTゲートウェイ相互でやりとりし認証精度を向上させることが可能なため、ユーザ側の負担が極力抑えられるゲートウェイとなっている印象でした。ただし、例えばスペインでは、顔画像だけではなく顔特徴データも個人情報として扱いを受ける為、こうしたデータを各拠点間のIoTゲートウェイで相互にやり取りさせる場合には、データ自体やデータの所在を、匿名化または仮名化したうえでデータの改竄検証等を正しく行える仕組みも求められているのではないかと考えます。

 4社目のP社では、S社とのゲートウェイでの動体検出及び異常検知デモや、T社が推し進めるAR技術を利用した工場保守員支援システムの具体的なデモを提示しており、特定のユースケースに専用にチューニングされたエッジコンピューティングとしてシステムを開発する社のIICテストベッドを用いたパートナーシップ戦略が前年度に引き続きスムーズに進んでいる印象を受けました。

[所感]
 生産から配送までのデバイス・プロビジョニング、クラウド側のSDNを利用した一元管理等の技術を組み合わせることで、専門技術者の介在なしにデバイスが相互に認証しつながる柔軟なIoTのコネクティビティを向上させることが可能であると考えております。また、I社技術によりデータの出所を匿名化しつつ、データ自体の改竄を検出するような技術は、サードパーティ上のクラウドで匿名化技術を実装することなく、開発者の負担も軽減できることからPoCから導入までの一連のサイクルを短期間にこなす為の技術としても重要であると考えます。

 前年に引き続き、耐タンパ性を有するセキュリティチップ等を利用したセキュリティの議論が、G社、I社、M社、A社といった企業をはじめ、スペイン企業であるW社といった現地企業からも出ており、TPMを利用したデバイス管理技術のユースケースがより具体化したものとなってきた印象でした。こうした技術は改竄には効果を発揮しますが、IoTという特性上、悪意ある第三者の物理的な攻撃は全て防ぐことができるものではなく、クラウドやゲートウェイに対する意図しない制御データのIoTゲートウェイやデバイスからの侵入をどのように防御するか、多段レイヤの観点で検討していくことが、運用現場において完全性や可用性を担保するための要素であると考えます。

 今後もこうした技術動向調査で得られた知見をベンチマークに、研究開発を進めていきたいと考えております。次回の IoT Solutions World Congressは、2019年10月29日~31日に開催が予定されております。

         技術研究組合 NMEMS技術研究機構 相見 眞男                               

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2018年10月18日 (木)

MEMSセンシング&ネットワーク展2018 2日目

                   本日2日目も初日同様、展示会場は、IoTに不可欠な技術分野の関心が高く、多くの来場者にあふれ活気に満ちた会場となりました。

 本日は、研究開発プロジェクトの成果報告会を国際会議室302で催し、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や国から受託し、研究開発を進めているプロジェクトについて、各プロジェクトの責任者から報告が行われ、聴衆者は熱心に聞き入っていました。

 成果発表を行った講師の方々です。

                  

開会挨拶を行う長谷川専務理事
                  
                  

                  RIMSの成果発表を行う 東京大学 下山教授
                  
                  

ULPACの成果発表を行う 産総研 柳町主任研究員
                  
                  

                  UCoMSの成果発表を行う 東京大学 伊藤教授
                  
                  

アニーリングマシンの成果発表を行う 日立製作所 山岡主任研究員
                  
                  

                  LbSSの成果発表を行う 東京大学 藤田教授
                  
                  

                  LbSSの成果発表を行う 日立製作所 高浦主管研究員
                  
                  

                  SSI国際標準化の成果発表を行うMMC 中嶋担当部長
                  
                  
成果普及部 水島 豊
                  

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2018年5月18日 (金)

IoTWorld2018参加報告

 

 2018年5月15日‐17日に米国・サンタクララで開催されたInternet of Things World 2018(以下、IoT World)に参加してまいりましたので、ご報告します。
               
 IoT Worldは毎年5月に米国・サンタクララで開催されるIoTに関する米国最大級のイベントであり、今年の講演者はのべ約350人、来場者は約12000人にのぼったことから、本イベントに対する注目度の高さが窺えるものとなりました。
               
 今年は各ブースにおいて実際の現場に即したユースケースを模すデモの展示が増えており、例年コンセプト展示が多かった本イベントですが、IoTゲートウェイの活用事例がより幅広く報告される回となっておりました。また、欧米の工場には日本と同じく古いインタフェースのシステムが未だ多く残るという工業先進国特有の課題がありますが、レガシーなシステムから直結しデータを収集するだけでなく、IoTゲートウェイに多数収容される外付けのセンサからデータを収集する活用事例も多数ありました。
               
 現在、産業機器等から吸い上げたデータの有価情報を効率よく取り出しクラウドに送信する、超高効率データ抽出機能を有する学習型スマートセンシングシステムの研究に従事しておりますが、こうした本イベントの調査内容からいくつか抜粋してご報告します。
                  
                  
                  


図1 マウンテンビューの街並み
                  


 本イベントは、本年度もサンタクララ・コンベンションセンターで実施されました。サンタクララからサンフランシスコ方面にかけては世界有数のIT企業がオフィスを構えており、会場へ向かう途中にこれら企業のオフィスが点在し拠点を構える光景が目に入るのが印象的です。このような米IT企業から、経営者だけではなく、多くの研究者やエンジニアが講演者や出展者として参加するため、直にIoT先端技術における市場動向や課題点をヒアリングできる点も本イベントの特徴で、インダストリアル・インターネット・コンソーシアムが主導するテストベッドのような形での複数社共同による技術展示はあまり見られなかったものの、米国やその他の国々でのユースケースに関する調査をするには最適なイベントとなっておりました。
                  
                  
                  


図 2 会場周辺の様子
                  


 講演では膨大なセンサ群を管理・制御するための仕組みとしてIoTプラットフォームに言及する企業が多く、なかでもセンサ端末やゲートウェイのスケーラビリティやセキュリティに関しての課題が挙がっておりました。
                  
 単独センサとしてデータを即時に取得可能な端末と、そのデータを簡易的に可視化する画面で構成されるシステムの数は年々増えてきております。こうしたセンサ群から得た複数のデータを突き合わせて知見を得ようとした場合はデータを蓄積しアルゴリズムを適用するためのインタフェースが必要となりますが、これには一般的な方法として、DBに蓄積しバッチ処理としてセンサデータのクレンジングと呼ばれる前加工の処理や、分析を行う方法と、データをバッファしマイクロバッチ処理として処理する方法が考えられます。
                  
 本イベントでは有力なクラウドベンダによるリソース管理に関する講演もありましたが、膨大なセンサ群をクラウド側で管理することでスケーラビリティが担保できるものの、マイクロバッチ処理を行った際にセンサをきめ細かく制御するようなリアルタイムに近いレイテンシでの応答速度を出すことが難しいといった課題も存在します。
                  
 ただし、マイクロバッチ処理は1つのセンサデータが処理を行うために割り当てられる時間を制約条件として正しく規定し、時間内に応答を正しく返せない場合の扱いを正しく設計しないと後続するデータが渋滞しデータ欠損が発生するなど、システム全体のボトルネックともなりかねません。データ欠損を起こさせないため、センサデータに対する非同期的または並列的な処理の技術を活用する場合、各センサデータの時系列データを正しく突き合わせるためのアルゴリズムの設計が非常に複雑になりがちです。
                  
 マイクロバッチ処理の分析でできるだけ多くの間引けるデータを導き出すことで、有益なデータのみを集中的に大量に取得することが可能になると考えておりますが、マイクロバッチ処理によるレイテンシの優位性を確保しつつ、リソース管理にもスケーラビリティを持たせることが、膨大なセンサ群を扱うための鍵になると考えます。
                  
                  
                  


図 3 講演会場の様子
                  


                  
                  


図 4 各国の講演数(カンファレンス資料より算出)
                  


 今回行った技術動向調査のうち技術展示2件をご紹介します。
                  
 1件目は、A社の数百km以内の航空機からのストリーミングデータをリアルタイムにキャプチャし高速処理するIoT実機デモとなります。市販のADS-B受信アンテナと専用のハードウェアデコーダを利用し、高頻度でRawデータを受信し、市販のシングルボードコンピュータでデータ変換を行うバッチ処理を施した後、A社DBに転送し、インターネットから取得可能な航空データと地理空間情報を突き合わせ、航空機の飛行速度、ルート、距離を算出することで、多数の航空機のリアルタイムの可視化を行うようです。本例はあくまでデータベース用のコンセンプトデモということでしたので、ADS-B受信アンテナが大量に航空データを受信した場合にシングルボードコンピュータでのデータ前加工処理にどれだけの負荷が掛かるかには言及されておりませんが、多数の飛行機から受信される膨大なセンサデータを扱うためには、シングルボードコンピュータの処理能力を最大限に引き出し、許容されるレイテンシのなかで適切にデータを間引くことができる加工処理を行うことが重要になってくると思われます。
                  
 2件目は、B社によるIoT機器への不正なファームウェア更新の防止デモとなります。Common Criteriaにおいてランク付けされるセキュリティ要件のうち、改ざん防止対策としてのセキュリティ実装を要件定義・設計段階から計画できるような高い基準を満たすSDKを実装しております。実行メモリ展開時にのみ復元されるセキュアイメージのブートや、ファームウェアおよび組込みデータのIoT機器導入後の改ざんを防止しているのが特徴で、特に、IoT機器での装置開閉といった物理的なアクセスが可能なことによる短期間での攻撃試行回数を容易に増加させる攻撃に対して、データを耐タンパ領域に保護すること攻撃の根本を絶っている点が特徴です。
                  
 サイバー攻撃に関して既知の脆弱性の対策をとることは不可欠ですが、IP層での遮断だけでなく物理的レイヤやアプリケーションのレイヤまで一貫して多段的に防御可能なアーキテクチャを検討していかなければなりません。特に、IoT機器やPLC等の装置と双方向性を有するアーキテクチャの場合、脆弱な機器がサイバー攻撃の侵入経路となる可能性が非常に高いため、IoTゲートウェイのアプリケーションの不具合を悪用されて行われる、IPレベルでは遮断不可能なアプリケーションレイヤでの攻撃、を防ぐための仕組みを検討していかなければならないと考えております。
                  
 本イベントでは、収容可能なセンサの数が年々増加するなかで担保しなければならないセキュリティやリソース管理のための技術的課題が健在化しているように感じました。
                  
 また、細かな測定ルールや周辺環境の条件が変化した場合に、迅速なカスタマイズ、またはカスタマイズなしにIoTゲートウェイを即時適用するためには、IoTゲートウェイとセンサ端末のプラットフォームを構築するほかにIoTゲートウェイそのものを管理するための統合的なダッシュボードも迅速に提供しなければなりません。熟練工によらず現場監視を的確に行うためには、現場で起きる異常をユーザが異常として把握できる必要がありますが、IoTゲートウェイを扱う現場作業者が異常に対して原因と事象の関係性をうまく把握できるよう、蓄積されたデータ群を適切かつ迅速にドリルダウンできるダッシュボードを構成するための技術も検討されなければならないと考えます。
                  
 今後もこうした技術動向調査で得られた知見をベンチマークに、研究開発を進めていきたいと考えております。次回のIoT Worldは、2019年5月13日~16日に開催が予定されております。
                  
                  
                  

技術研究組合 NMEMS技術研究機構 相見 眞男
                  

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2018年1月10日 (水)

IoTSWC2017参加報告

 昨年10月3日から5日にかけてIoT Solutions World Congress 2017(以下、IoTSWC2017)に参加してまいりましたので、そちらのご報告を致します。IoTSWCは、毎年10月にスペイン・バルセロナで開催されるインダストリアルIoT(以下、IIoT)に関するイベントとなります。本イベントにはインダストリアル・インターネット・コンソーシアム(以下、IIC)が関わっており、IIoTに関するリファレンス実装等が多数のテストベッド(複数社による実運用レベルに近いユースケース検証)として報告されることから、IIoTに関する様々な仕様のデファクトスタンダード形成の場として注視しております。
                  
 現在、産業機器等から吸い上げたデータの有価情報を効率よく取り出しクラウドに送信する、超高効率データ抽出機能を有する学習型スマートセンシングシステムの研究に従事しておりますが、本研究の先端技術調査として前年度にも本イベントに参加した際には、テストベッドを有する先端企業からIIoTに関する多くのヒアリングを実施でき大変有益な機会となった為、今年度も技術動向の定点的な調査を実施して参りました。
                  
                  


図 1 バルセロナの街並み
                  


[概要]
 本年度は、来場者数は114ヶ国240社から約13000人(72%が経営幹部・上位管理職)となり、会場も昨年度比1.7倍の規模で実施されました。会場ではIoTプラットフォームに関するコンセプト展示だけでなく、農業、トランスポート、そしてインダストリ分野から、Siemens社、Intel社による油入装置監視、Analog Devices社による果樹園霜被害予兆監視等、具体的なユースケース展示が多く見受けられ、特にテストベッドの約7割がインダストリ分野からの出展となるなど、IIoT分野の盛り上がりを見せておりました。
                
                  
                  


図 2 展示会場の様子
                 


                  
                  


図 3 各国の講演数(カンファレンス資料より算出)

 

 また、今年はEdgeX Foundryのようなコンソーシアムの動きも目立っており、エッジコンピューティングに関する実装例もございました。EdgeX Foundryに参画する企業によるEdgeXゲートウェイの活用例としてのデモ展示は、OPTO社のブースで風車タービンの遠隔監視デモとしてエッジ側ゲートウェイにEdgeXゲートウェイを採用する例がありました。OPTO社の場合、サーバから、WANインタフェースとなるgroov Boxを介しFAN側コントローラであるOpto 22 SNAP PACsまでの一連のデータ送受信の環境を提供できることからシステムとしては自前で完成しておりましたが、Opto 22 SNAP PACsでは吸収しきれない将来的なプロトコル等に関して相互運用性を向上させる為に、EdgeXゲートウェイを一段仲介させることでエッジ側の抽象化を実現しておりました。クラウドにおけるUIダッシュボードからのビジネスロジックを解釈し異なる装置に対して、PLCコマンドのような制御コマンドを投入するにはエッジを抽象化するインタフェースの役割が明確にする必要がありますが、従来は管理対象ごとに作りこみを行っていたダッシュボードが発行するAPIからFAN側への制御コマンドを変換するアダプタにおいてコネクティビティを持たせる為にEdgeX Foundryが行うエッジインタフェースの標準化の取り組みは、今後きわめて重要な活動になっていくのではないかと感じております。このため、こうしたコンソーシアムの動向にも注目していきたいと思います。

 反面、相互接続性を上げていくことで古い装置に対する接続性が増し、セキュリティホールを有する古い装置を入口とした他の装置への攻撃のリスクを上げてしまうことにもなりかねません。また、ゲートウェイ側で抽象化する部分がオープンソースであることを利用しソースコードから脆弱性を類推するなどといった、プロプライエタリではないことに起因するセキュリティの脅威に対しても、相互接続性を担保しながら対策していくことが今後の課題となりそうです。
                  
                  


図 4 講演会場の様子


[講演]
 講演企業の中にはIoTプロジェクトの75%程度において期待通りの価値を提供しきれていないと感じている社もありました。これは、データ収集からデータモデル構築、そして分析を行うアルゴリズムのデプロイを行う一連のサイクルの中で、広域に据え付けられる数千単位でのデバイス・ゲートウェイに対するデプロイに、概念検証の段階では見えない課題が多数あり、実運用の段階でデータ収集力に直結するスケーラビリティに制限が課せられるケースがある為です。これまで工場の単一ラインでは、データ収集から知見獲得までをオートメーション化してきましたが、IIoTはこれに加えて、広範囲のデバイスやゲートウェイに対してセキュリティパッチや特定の状況下に適する分析アルゴリズムをあまねく導入後に継続適用していくことで全体最適を行っていく必要があります。
                  
[展示ブース]
 今回、技術動向調査を行ったなかから、LbSS研究に関係がありそうな技術展示2件、ご紹介させて頂きます。
                  
 1件目は、Intel社、BOSCH社による大気モニタリングに関する共同展示になります。ダスト排出量モニタリングによる、建設現場における大気汚染防止に関する法令の遵守度を測定する環境基準トラッキングとそれに応じた建設リソーススケジューリングが特徴です。また、CO検知センサにより、例えば無煙の熱分解等を分析することで火災報知器が検知しない火災の予兆検知にも適用可能と思われます。大気モニタリングといった汎用的な技術をビルの建築・設備運用における各フェーズのユースケースに適用することで、ビルのライフサイクルの初期からシステムを提案・導入できるメリットがある為、他社と比較し競争力のあるモニタリングシステムだと感じました。尚、建設中は本システムが屋外設置となる為、デプロイを正しく機能させることで中継器の不具合によるアップデート未実施を回避しサイバー攻撃による踏み台対策を行うだけでなく、装置そのものを盗難され物理的なメモリアクセスを介して行われるリバースエンジニアリングにも対処しなければならないと思われます。
                  
 2件目ですが、昨年度に引き続き、HPE社、NI社、およびPTC社が提供する予兆保全プラットフォームが展示されておりました。既に前年度の調査で燃料ポンプに対するキャビテーション検知を行うFlowserve社の適用例として本プラットフォームのことは把握しておりましたが、本年度はDeloitte社による振動アノーマリ検知による装置故障の予兆保全にも適用されるなど、本システムが汎用的なIoTプラットフォームとして提供可能なことが示され興味深く感じました。本予兆保全プラットフォームは、NI社の制御ハードウェアからHPE社のコンバージドIoTシステムにセンサデータを送信する際に帯域を圧迫しないよう、コンバージドIoTシステム上では全データから異常と判断されるデータの範囲が分析し、NI社の制御ハードウェアが次回以降の送信時に異常値のみを送信することで転送データの大幅な削減が可能となるデータ転送制御を実装している点が特徴です。実際には、予兆保全は10秒に1回のような頻度の閾値検知で事足りると思われますが、工場のラインではリアルタイム監視による画像データでの製品判定も行うことがあり、こうしたユースケース等ではセンサのデータ転送量が課題となることから本プラットフォームが適用される場面も多そうです。
                  
 今回、会場で見られた展示では特定のユースケースに特化したプラットフォームが多く、大量のセンサ端末やゲートウェイに対してスケーラビリティを考慮しないシステムはユースケースが個別最適になりがちでした。スケーラビリティを考慮することでゲートウェイ間での接続性も増し、従来システムとは違ったIoTプラットフォーム独自のメリットを享受できると思われます。
                  
[所感]
 日本・欧米等の産業先進国では独自の古いインタフェースを持つPLCを有する工場が未だ多いなか、こうしたインタフェースを扱う為の属人的な手順・ノウハウに頼る部分に対して汎用的なIoTプラットフォームを適用するには多くの課題が残っていると感じています。欧州における本会場でも適切な専門知識やOT知見を有する技術者の不足が聞かれており、スケーラビリティやコネクティビティを向上させることで、本来の高度な技能が必要とされる知見以外でシステムが属人化しない工夫が必要です。こうした点を踏まえたうえで、より高度な解析を行うIoTプラットフォームを構築するには、概念検証の期間にデータモデルの構築に注力する必要があり、データを即日といった短期間で収集開始できるよう、下回りはビルトインのフィルタや既製のプラットフォーム・ダッシュボードを利用するのが望ましいと考えます。
                  
[次回開催]
 今回の技術動向調査で得られた結果はベンチマークとしてフィードバックし、研究開発を継続してまいりたいと思います。次回のIoT Solutions World Congress 2018は、2018年10月16日~18日に開催が予定されております。
                  
                  

           技術研究組合 NMEMS技術研究機構 相見 眞男

                  

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