事業者連携委員会

2025年12月26日 (金)

新年のご挨拶(MMC 2025年10大ニュース)

あけましておめでとうございます。

 OECDの最新見通しによれば、2026年の世界経済はトランプ関税や地政学的緊張の影響を受け、成長率は2.9%に鈍化すると予測されています。日本は2025年に成長率1.3%を記録しましたが、高市総理の下での積極的な財政政策や賃上げを背景に、2026年も0.9%のプラス成長を維持する見通しとされています。
 そのような中において、世界の半導体はWSTSの25年12月予測によれば、AI需要を見越したデータセンター投資に連動する形でメモリー製品やGPUなどのロジック製品が半導体市場の成長を牽引し、全半導体では26.3%増の9,754億ドルに、そのうちのSensor & Actuator(MEMSとほぼ同義)は8.7%増の227億ドルに拡大するであろうとされています。我が国政府も経済安全保障の強化、社会課題の解決と持続的な経済成長の実現に向けては、半導体・AI分野が必須であるとしています。

 経済産業省が2025年5月に公開した「半導体・デジタル産業戦略の現状と今後」においては、電子部品やMEMS等も含めて官民で政策のアプローチを検討していくとされております。2023年に当センター内に設置した「MEMS事業者連携委員会」においては、我が国のMEMS再興に向けて国からの支援を確保するべく政策提案に向けての活動を行っています。

 また昨年防衛イノベーション科学技術研究所から受託した「FuMEMTex(テキスタイルと小型デバイスの融合に関する検討役務)」では多機能センサのテキスタイルプラットフォームへの実装に向けた技術のフィージビリティスタディを実施して、有望な技術等を見出す先導研究を行っています。
 さらにMNOIC(マイクロナノ・オープンイノベーションセンター)は、企業からのMEMS製品の工程受託が堅調で、大学・研究機関からの研究受託や企業向け試作支援も増加し、2025年度の事業収入も過去最高となる見込みです。

 さて、当センターでは通算36回目にあたるマイクロナノ分野の展示会である「MEMSセンシング&ネットワークシステム展2026」を1月28日から1月30日にかけて東京ビッグサイトで開催いたします。
 今回も当センターやMNOICの事業紹介の展示に加え、各種セミナーを開催し、興味深い様々な技術報告を行います。セミナーの冒頭には経済産業省の情報産業課デバイス・半導体戦略室様より半導体・デジタル戦略関連のご講演を、また「マイクロナノが支えるフロンティア領域」のセミナーでは経済産業省のイノベーション政策課様を中心にテクノロジーインテリジェンス、量子センシング、ブレインテックについてのご講演をお願いしております。是非、多くの皆様にご来場いただき、さらなるMEMSの発展のために当センターに対するご指導・ご支援を賜れれば幸いです。

 皆様方には以下のマイクロマシンセンターの2025年の10大ニュースをご覧いただき、このような私どもの活動状況をご賢察いただければ幸いです。

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マイクロマシンセンター
2025年10大ニュース
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1.MEMS事業者連携委員会でMEMS技術の戦略的な重要性など活発な意見交換を実施
 2023年度に始動した「MEMS事業者連携委員会」では、我が国MEMS事業者の再興に向けて議論を行っています。2025年度第1回の委員会では、経済安全保障、人材、ファウンドリ・研究拠点、アプリケーション、研究開発について、前年度に引き続き議論を行いました。第2回では経済安全保障と研究開発に課題を絞り込み、AIロボティクスやフロンティア領域においてもMEMS/マイクロナノ技術は戦略的に重要であることなどの議論がなされました。2月19日開催の第3回において政策提言に向けてのとりまとめを行います。

2.防衛イノベーション科学技術研究所の革新型ブレークスルー研究で「テキスタイルと小型デバイスの融合に関する検討役務(FuMEMTex)」を受託
 受託した「FuMEMTex」について、多機能センサのテキスタイルプラットフォームへの実装に向けた先行技術の調査や国際ワークショップの開催などにより、フィージビリティスタディを実施して、11月に中間報告を終えました。今後、2026年度以降の本格研究に結び付けるべく、引き続き先導研究に力を入れてまいります。

3.未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査
 日本のMEMS開発戦略を策定するために、2024年度にNEDOのAI・ロボット部から受託した「未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査(SiM :Study of innovative MEMS for coming society)」として、2035年の社会像からのバックキャスト並びにMEMSの市場及び技術動向からのフォアキャストを基にして、モビリティ、製造・ロボット、ヘルスケアの3分野におけるMEMS研究開発戦略を策定しました。今後、この戦略を基に、研究開発プロジェクト化を目指していきます。

4.MNOIC事業が堅調に推移
 MNOIC(マイクロナノ・オープンイノベーションセンター)は、企業からのMEMS製品の工程受託が堅調で、大学・研究機関からの研究受託や企業向け試作支援も増加し、2025年度の事業収入も過去最高となる見込みです。その一方で持続可能な成長に向けたMEMS製造装置の更新などのインフラ整備にも努めていきます。

5.産業動向調査委員会「フロンティア領域とMEMS/マイクロナノ技術」の調査に着手
 経産省/NEDO事業であるフロンティア育成事業で提示されました、フロンティア領域・技術シーズからMEMS/マイクロナノ技術の貢献が期待されるものを抽出し、それらの開発動向と将来展望についての調査に着手しました。その一環としてMEMS展の中で1月29日に「マイクロナノが支えるフロンティア領域」と題するセミナーを開催します。

6.NEDO先導研究プログラムMESHの開発は順調に推移
 電気通信大学、産総研、当センターで実施中の「メタサーフェスSiハイパースペクトル赤外光センシングデバイス(MESH:Meta Surface Si Hyper spectral infrared light sensing device)」ではプロセス開発並びに試作が計画どおりに進捗しており、当センターではメタサーフェスの試作やマイクロ工学系との融合等を担当しています。チームとしては2026年度以降の研究継続に向けて、研究開発のとりまとめに注力しています。

7.MEMS展2025は盛況裡に終了
  (MEMS展2026は2026年1月28日~30日開催)

 「MEMSセンシング&ネットワークシステム展2025」を2025年1月29日~31日に、東京ビッグサイトで開催し盛況の内に閉幕しました。来場者は42,089名に上りました。MMCブースでは、各種事業の展示を行いましたが、特に上述のSiM調査の成果パネルへの反響は高いものとなりました。また会議棟で開催した各セミナーはいずれも満席となり、関心の高さがうかがえました。MEMS展2026も1月28日~30日、東京ビッグサイト西2ホールで開催を予定しておりますので、奮ってのご参加よろしくお願いいたします。

8.MEMS協議会・海外調査報告会の開催や第28回国際マイクロマシンサミット2025への参加等、国際交流事業を活発化
 海外調査報告会を3月26日にハイブリッドで開催し、200名以上の方にご参加いただき、PNT Technologiesの山下雅樹氏を特別講師とし「タイミングデバイスの世界動向」の特別講演をいただくとともに、MMC事務局からはIEEE MEMS2024、2025APCOT2024等の国際会議報告や標準化国際会議報告などを行いました。また、国際マイクロマシンサミット(2025年6月2日~5日、モントリオール)には東京大学伊藤寿浩教授をチーフデリゲイトとして参加しています。そのほかにも国内外の国際会議等に積極的に参加し、国際交流事業を活発に実施しました。

9. MEMSの国際標準化事業を積極的に推進

(1)フレキシブルMEMSデバイスの国際標準化に関し「IEC1906賞」受賞

IEC TC47/SC47F(MEMS)国内審議団体である当センターが組成したフレキシブルMEMSデバイスに関する国際規格起案検討委員会委員である近畿大学 宍戸 信之准教授がフレキシブルMEMSデバイスの信頼性試験法に関する国際規格制定への貢献が認められ、「IEC1906賞」を受賞されました。

(2)IEC TC47国際標準化全体会議が東京で開催

IEC TC47(半導体分野技術委員会)の国際標準化全体会議が、11月17日~21日に東京で開催され、SC47F(MEMS分野)に関する会議に当センターは国際幹事として参加しました。TC47/SC47F/ WG1-3&MT1会議には各国から33名(日本5名、韓国19名、中国7名、他2名)が参加し、国際規格制定に向け審議を前進させることができました。

10.マイクロマシンセンター/MEMS協議会で官民の積極的な交流を実施
 2025年度、日立製作所の 鮫嶋茂稔 執行役常務(CTO) がマイクロマシンセンター理事長に就任され、新体制が始動しました。6月にはMEMS協議会・推進委員会、12月にはMEMS懇話会を開催し、経済産業省、NEDO、産総研と会員企業の委員との間で、我が国MEMS産業の再興などを中心に、活発な意見交換を行いました。

 

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2025年12月 5日 (金)

第2回MEMS事業者連携委員会開催報告 (2025年11月6日)

 今年度第2回MEMS事業者連携委員会(委員長:東京大学年吉洋教授)を、オンラインで50名程の事業者や大学の先生方のご参加を得て、2025年11月6日に開催いたしました。

 冒頭の経済産業省商務情報政策局情報産業課の加藤公彦課長補佐様のご挨拶では、高市総理の所信表明演説に関連して、危機管理投資と、エネルギー安全保障、地域未来戦略の文脈で、AI・半導体に力を入れるとの方針が示されたとのご紹介がありました。
 経産省でも半導体デジタル産業戦略において施策のステップを進めるとともに、「電子部品やMEMS等、また半導体については前工程のみならず設計や後工程も含め、官民で政策のアプローチを検討していく」と記載しており、そちらも引き続き検討していきたいとのお話と、最近のキーワードとしてAIロボティクスがあるが、MEMSとは具体的に示されていないものの、センシングが重要な要素であることから、今後もMMCとして調査を続け、提案などもしてほしいとのお話がありました。

 次に今回の検討課題であるMEMSと経済安全保障、MEMS関連の研究開発、そして我が国MEMS産業の再興に向けての現在の検討状況等について事務局から説明を行い、議論が行われました。

 特に経済安全保障の施策マッピング等におけるMEMS技術の位置づけの明確化などにより、経済安全保障に組み込まれることの必要性についてや、AIロボティクス、フィジカルAIなど、フロンティア領域の実現のためにはMEMS/マイクロナノ技術が不可欠であるとのアピールを強化していくことなどについて活発な意見交換が行われました。また中国の競争力が高まっており、AIロボットやドローンでは世界をリードするとともに、MEMSでももはやコンベンショナルな製品での競合が激しくなっているなどのお話もありました。

 第3回の開催は2026年2月19日を計画しています。

 なお、この「MEMS事業者連携委員会」は、MEMSに関する事業や研究を行われている事業者や、大学・公的研究機関の方々には、広く門戸を開放しておりますので、ご関心のある向きは、これからのご参加を歓迎いたします。
 委員会への参加には委員やオブザーバ等への登録が必要ですので、下記事務局の方にお問合せをいただければと思います。また当センターホームページからも登録可能です。

★MEMS事業者連携委員会ホームページ
   https://www.mmc.or.jp/mbcc/index.html

★MEMS事業者連携員会事務局
  メールアドレス

(MEMS事業者連携委員会事務局 八嶋 昇)

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2025年7月 2日 (水)

第1回MEMS事業者連携委員会開催報告 (2025年6月5日)

 今年度第1回MEMS事業者連携委員会(委員長:東京大学 年吉洋教授)を、対面とオンラインのハイブリッドで50名程の事業者や大学の先生方のご参加を得て、2025年6月5日に開催いたしました。
 今回は議論に先立ち、2件の講演がありました。

1.経済産業省商務情報政策局
  情報産業課 課長補佐 加藤公彦 様
   「我が国の半導体デジタル産業について」

2.豊橋技術科学大学
  次世代半導体・センサ科学研究所 所長・教授 澤田和明 様
  「マルチモーダルブロードセンシングによるグリーンイノベーション」

 経産省 加藤課長補佐からは「我が国の半導体デジタル産業について」という講演題目で経産省が2021年より公開され今年5月30日に改訂された半導体デジタル産業戦略について、2030年に市場規模を15兆円に拡大することを目指し、戦略を次の3ステップで進めていく旨のご説明がありました。ステップ1: 国内生産基盤の強化(例:JASM支援、先端/レガシー半導体)、ステップ2: 技術確立と日米等国際連携(例:ラピダスの2nm開発)、ステップ3: 光電融合・量子など将来技術への対応。その中でアナログ・レガシー半導体に対する今後の支援の考え方で電子部品やMEMS等、また半導体については前工程のみならず設計や後工程も含め、官民で政策のアプローチを検討していくとのご説明もありました。
 またLSTC(技術研究組合最先端半導体技術センター)による人材育成と先端技術開発として、ビヨンド2nmの先進技術(例:縦型トランジスタ、配線技術)を研究とTenstorrent社と連携した設計人材育成プログラムについてのご紹介がありました。

 豊橋技術科学大学 澤田教授からは「マルチモーダルブロードセンシングによるグリーンイノベーション」という講演題目では、現状、高感度・高選択性センサが主流であり、且つ多センサ化に伴う消費電力・コスト増大が課題となっている。特性が異なり、且つその特性が既知のセンサをいくつか組み合わせ、それらを同時に検出することができれば、少ないセンサで多様な情報を測定できるようになる可能性があり、少数のセンサでも組合せ・学習により多様な物理情報を取得可能とする「ブロードセンシング技術」での環境・社会課題に対応した低消費電力・高効率なセンシングの実現を通じて、持続可能なグリーン社会に貢献できるとの提案がありました。
 加えて豊橋技術科学大学としての人材育成の取り組みについてもご紹介がありました。

 委員会の議論においては今年度の課題として1.経済安全保障関連、2.統計上の課題、3.人材、4.ファウンドリ・研究拠点、5.アプリケーション、6.研究開発関連を事務局案として提案しました。
 さらに事務局は上記6つの課題を説明した上でMEMSの経済安全保障上の位置づけが進んでいないことへの懸念と、日本政府による支援の必要性を訴え、今般5月30日に新たに発表された「半導体・デジタル産業戦略の現状と今後」の資料の中に、1年ぶりにMEMSに関する記述が復活し、「アナログ・レガシー半導体に対する今後の支援の考え方」の中で、「電子部品やMEMS等、また半導体については前工程のみならず設計や後工程も含め、官民で政策のアプローチを検討していく。」とされているところに着目することが適当ではないか。またMEMSを経済安全保障上の特定重要物資として指定されるために必要なサプライチェーン調査を、本委員会においてもできる範囲で実施していくことが必要か、加えてMEMSに関する人材育成、大学との連携強化が必要ではないかなどの提案をしました。
 これらの事務局提案をもとに次回委員会までに各委員に議論するべき課題について検討依頼を行いました。
 
 次回開催は2025年11月6日を予定しています。

 なお、この「MEMS事業者連携委員会」は、MEMSに関する事業や研究を行われている事業者や、大学・公的研究機関の方々には、広く門戸を開放しておりますので、ご関心のある向きは、これからのご参加を歓迎いたします。
 委員会への参加には委員やオブザーバ等への登録が必要ですので、下記事務局の方にお問合せをいただければと思います。また当センターホームページからも登録可能です。

★MEMS事業者連携委員会ホームページ
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(MEMS事業者連携委員会事務局 八嶋 昇)

 

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2025年4月 4日 (金)

第3回MEMS事業者連携委員会開催報告 (2025年3月12日)

 今年度第3回MEMS事業者連携委員会(委員長:東京大学年吉洋教授)を、オンラインで50名程の事業者や大学の先生方のご参加を得て、2025年3月12日に開催いたしました。

 まず年吉委員長から、現在半導体設計者不足に対する教育の課題が浮き彫りになっており、MEMSも同様であり、これを克服するためにも日本のMEMS産業を盛り上げる議論を行っていきたい、とのお話があり、また経済産業省商務情報政策局情報産業課の加藤公彦課長補佐様から、経済安全保障の観点からも国内MEMS産業の重要性について伺っているが、研究開発や人材の問題なども含め、国内のMEMS産業の発展に向けた努力を期待するとのお話もありました。
次に本日の検討課題である「研究開発」と「MEMS戦略の策定」の現在の状況を事務局から説明を行い、その後議論が行われました。

 研究開発については、別途MMCで推進してきた2035年の未来社会に向けたMEMSセンシングデバイスに関する調査報告(NEDO委託)での研究開発の方向性について、事務局からの報告に対して当委員会でも賛同が得られるとともに、MEMS単体と言うよりAIやソフトウェアの連携により注意を向けることや、MEMSと言う基幹技術をきちん維持してニーズがあったときにすぐに応えられる体制を築いておくことなどの重要性が語られました。

 MEMS戦略の策定については、残念ながら2023年11月の経済産業省の「半導体・デジタル戦略」を最後にMEMSについての記述がされなくなってしまっているところ、MEMSは半導体の一部であって世界各国ともMEMSを半導体と同様に支援していることから、当委員会でも引き続きMEMSを我が国経済安全保障の枠組みに加えていただけるよう、議論を継続していくための方策等について様々な意見が交わされました。2025年度もそれに向けて本委員会での検討を継続していくこととなりました。
 次回開催は2025年6月頃を計画します。

 

 なお、この「MEMS事業者連携委員会」は、MEMSに関する事業や研究を行われている事業者や、大学・公的研究機関の方々には、広く門戸を開放しておりますので、ご関心のある向きは、これからのご参加を歓迎いたします。
 委員会への参加には委員やオブザーバ等への登録が必要ですので、下記事務局の方にお問合せをいただければと思います。また当センターホームページからも登録可能です。

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(MEMS事業者連携委員会事務局 八嶋 昇)

 

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2024年12月27日 (金)

新年のご挨拶(MMC 2024年10大ニュース)

 新年あけましておめでとうございます。

  OECDの世界経済見通しによれば、2024年は世界経済の成長率が3.2%であったところ、2025 年は貿易摩擦や保護主義の高まり、地政学的紛争激化などのリスクもあり、インフレは和らいだものの、3.3%に留まるとの予想をしています。日本については、24年はマイナス0.3%と、G7中最低であったところ、景気刺激策を追い風に25年は1.5%のプラス成長を回復するとされています。

 そのような中において、世界の半導体はWSTS2412月予測によれば、全半導体では11.2%増の6,871億ドルに、そのうちのSensor & ActuatorMEMSとほぼ同義)は7.0%増の200億ドルに拡大するであろうとされています。我が国政府も社会課題の解決と持続的な経済成長の実現に向けては、DXGXの推進を中心に据え、それを支える柱の一つがAI・半導体であるとしています。

 経済産業省においても、半導体・デジタル産業を「国家事業」と位置づけ、20216月に策定した「半導体・デジタル産業戦略」を「経済安全保障推進法」とも関連させて発展させ、その政策的支援を加速されているところですが、MEMSもその波に乗せていただくべく、2023年に当センター内に設置しました「MEMS事業者連携委員会」において、我が国MEMS再興についての検討を精力的に進めています。ただ、現時点ではMEMSは半導体の中で唯一、経済安保の枠外という状況にあることから、その点も含め、さらに議論を深めてまいります。

 また、昨年NEDOから受託しました「未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査(SiM)」事業において、2035年を視野とするMEMS研究開発戦略の議論を深めており、これもMEMS再興への一つの重要な活動と位置付けています。

 さらにMNOIC(マイクロナノ・オープンイノベーションセンター)では、老朽化設備の更新を引き続き産業技術総合研究所にお願いしつつも、自前での新規設備投資も行い、MEMSの研究支援や工程受託などのユーザーのご要望に的確にお応えできるよう、運営に努めてまいります。

 さて当センターでは通算35回目にあたるマイクロナノ分野の展示会である「MEMSセンシング&ネットワークシステム展2025」を129日から31日にかけて東京ビッグサイトで開催いたします。今回も会場でのセンターの活動紹介、MNOICの紹介、研究開発報告とともに、各種セミナーを開催し、興味深い様々な技術報告を行います。セミナーの冒頭には経済産業省の情報産業課デバイス・半導体戦略室長に半導体・デジタル戦略関連のご講演をお願いしております。是非、多くの皆様にご来場いただき、今後のMEMSの発展のために当センターに対するご指導・ご支援を賜れれば幸いです。
 皆様方には以下のマイクロマシンセンターの2024年の10大ニュースをご覧いただき、このような私どもの活動状況をご賢察いただければ幸いです。

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マイクロマシンセンター
2024年10大ニュース
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1.報告書「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」に基づき「MEMS事業者連携委員会」で活発な意見交換を実施
(1)「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」報告書を3月にリリース
 産業動向調査委員会は、我が国MEMS産業の再興のため改めてMEMS事業者の動向調査を行い、国内MEMS関連事業者73社、大学・公的研究機関40機関の協力を得て2024年3月に報告書「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」並びに調査に協力いただいた法人のディレクトリをまとめました。
(2)MEMS事業者連携委員会で活発な意見交換
2023年11月から始動したMEMS事業者連携委員会では、前述の報告書の中で「MEMS戦略に関する期待」として整理された事項から、我が国のMEMS事業者が抱えている課題の抽出を行い、2024年は委員会を3月、6月、11月に開催し我が国MEMS産業の再興に向けた方向性をめぐって活発な意見交換を行いました。引き続き次回委員会(3月12日開催)ではこれまでの意見を集約し政策提言に向けてのとりまとめを行います。

2.2つのプロジェクト(HS-ULPACとBaMBI)が所望の成果をもって終了
(1)量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究(HS-ULPAC)
防衛装備庁令和元年度安全保障技術研究推進制度の中で「量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究(HS-ULPAC)」のプロジェクトを2020年3月から2023年度まで実施して参りました。この度2024年3月31日をもって、ほぼ所期の目標を達成して終了いたしました。
(2)血中成分の非侵襲連続超高感度計測デバイスおよび行動変容促進システムの研究開発(BaMBI)
2019年度にNEDO委託事業「IoT社会実現のための革新的センシング技術開発」の中でスタートした本事業は2022年度からは株式会社タニタ様主導の2年間の助成事業として継続、この度2024年3月31日に終了いたしました。当センターはウェアラブル中・遠赤外ディテクタプロセス試作を行い、非侵襲で血中成分のトレンドを追うことが可能な試作機を構築することができました。

3.NEDO「未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査」を受託
 2024年度に受託した本調査事業では、富山県立大学の下山勲学長を委員長に、東京大学の伊藤寿浩教授と東北大学の田中秀治教授を副委員長とする有識者委員会での議論及び有識者へのヒアリング調査等を通じて、2035年の社会像からのバックキャスト及びMEMS市場/技術動向からのフォアキャストから、日本のMEMS研究開発として実施すべき項目を抽出するとともに、フィージビリティスタディでその研究開発内容を明らかにして、日本のMEMS研究開発戦略を策定しています。

4.MEMS展示会並びにセミナーは来場者増で盛況に終了
例年通り当センターが主催する「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」を2024年1月31日から2月2日までの3日間、東京ビッグサイトで盛況裡に開催しました。会場への来場者は前回より1万人以上多く、MMCブースでは、研究開発プロジェクトの紹介をはじめ、MNOIC事業、標準化事業、MEMS事業者連携委員会の概要などを展示しました。また当センター主催のセミナーは全て展示ホール内のセミナー会場で行われましたが、どのセミナーも満席となるほど盛況で、今回の講演テーマに対する関心の高さがうかがえました。2025年は1月29日~31日、東京ビッグサイト東ホールで開催を予定しております。奮ってのご参加をよろしくお願いいたします。

5.NEDO先導研究プログラム「MESH」の開発は順調に進捗
 電気通信大学、産業技術総合研究所と当センターの連名で実施中の「メタサーフェスSiハイパースペクトル赤外光センシングデバイス」ではプロセスの開発並びに試作が計画通りに進捗しており、当センターではメタサーフェスの試作やマイクロ工学系との融合等を担当しています。

6.MNOIC事業は堅調に推移
 MNOICユーザーの現行製品の継続的な製造および次期製品に向けた開発試作等を請け負う工程受託が堅調に推移している一方で、産総研との連携による研究受託や企業ユーザー向けの研究試作支援など、将来の高機能MEMSデバイスを目指した取り組み案件も着実に増加しています。また、工程の効率化を図るため、新たにリフトオフ装置、レーザマーカ、チップソータを導入し稼働を開始しています。

7.MEMS協議会・海外調査報告会の開催や第27回国際マイクロマシンサミット2024への参加等、国際交流事業を活発化
 新型コロナの影響で5年ぶりの開催となった海外調査報告会を3月4日にハイブリッドで開催し、オンライン109名を含む137名の方にご参加いただき、世界の最新MEMS動向等を広く紹介しました。また、当センターが1995年に開始した国際マイクロマシンサミットも第27回を数え、MEMS協議会副会長の東京大学伊藤寿浩教授をチーフデリゲイトとして、2024年5月、オーストラリアのゴールドコーストに派遣しました。そのほかにも国内外の国際会議等に積極的に参加し、国際交流事業を活発に実施しました。

8.2024年度MEMS協議会・推進委員会とメンバー交流会を開催
 7月10日、虎ノ門APの会場にて2024年度MEMS協議会・推進委員会を開催しました。経済産業省の清水情報産業課デバイス・半導体戦略室長から半導体政策の全体像についてご紹介いただいた後、2024年度の協議会活動、プロジェクトの状況等も含め、出席者の間で活発な意見交換が行われました。委員会終了後はMEMS協議会のメンバー交流会を開催し、ご参加いただいた50名以上の方々の間で、様々に情報交換や懇談が行われました。

9. MEMSの国際標準化事業を積極的に推進
 2021年度に国から受託した国際標準化事業では、薄膜圧電MEMSについての「Temperature and humidity test methods for piezoelectric MEMS cantilevers」と、フレキシブルMEMSデバイスについての「Test method of electrical characteristics under two-directional cyclic bending deformation for flexible micro-electromechanical devices」をIEC(国際電気標準会議)/TC47(Semiconductor devices)/SC47F(MEMS)に提案し承認を受けるという目標を達成し、2024年2月末に終了しました。当センターはSC47F国内審議団体として日本提案の規格案への理解獲得のためIEC会議等で積極的な活動を推進し、IEC/TC47/SC47Fでこれまでに発行されたMEMSに関する国際規格42件のうち、18件を日本提案規格とすることができています。

10.技術研究組合NMEMS技術研究機構の解散
 2011年7月に設立以降、多くの組合員が参加し、9つのプロジェクトを実施してまいりましたが、組合員の技術水準の向上を図るという所期の目的を達成することができましたので、2024年3月27日に開催されました臨時総会におきまして解散することが決議され、2024年3月31日をもって組合は解散いたしました。13年間に亘るご支援・ご協力、誠に有難うございました。

 

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2024年12月 9日 (月)

第2回MEMS事業者連携委員会開催報告 (2024年11月27日)

 今年度第2回MEMS事業者連携委員会(委員長:東京大学年吉洋教授)を、オンラインで40名程の事業者や大学の先生方のご参加を得て、2024年11月27日に開催いたしました。

 まず年吉委員長から、本日の議論は、昨年度末に取りまとめた「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」の中に提起された課題の中から、アプリケーション並びに経済安全保障的な観点からみたMEMSの重要性について取り上げたいとのお話があり、事務局からの状況の説明に続いて、議論が行われました。

 アプリケーションについては、医療系でウェアラブルデバイスが進展し、ケミカルやバイオ関連の情報取得が主体になってくる、環境計測分野でも高性能なガスセンサが求められる来るのではないか、それらのセンサに対してAIとの融合が重要であるなど、多数の意見が出されました。

 経済安全保障とMEMSについては、事務局から世界半導体統計でMEMSは半導体の一部として世界では半導体と同様に振興されているが、日本ではこれまでの半導体・デジタル戦略や経済安全保障推進法の中では、MEMSが明確に謳われていないところ、引き続き経済産業省にMEMSの経済安全保障上の支援を働きかけたいとの説明があり、それに沿って、様々な意見がだされました。アプリとも関係しますが、MEMSにおいて投資の規模と製品の売上のバランスがとれないところでの、ファウンドリなどの活用やROI(投資対効果)的な考え方も入れての支援などの重要性が議論されました。
 
 次回開催は2025年3月12日となります。

 

 なお、この「MEMS事業者連携委員会」は、MEMSに関する事業や研究を行われている事業者や、大学・公的研究機関の方々には、広く門戸を開放しておりますので、ご関心のある向きは、これからのご参加を歓迎いたします。
 委員会への参加には委員やオブザーバ等への登録が必要ですので、下記事務局の方にお問合せをいただければと思います。また当センターホームページからも登録可能です。


★MEMS事業者連携委員会ホームページ
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★MEMS事業者連携員会事務局
  メールアドレス

(MEMS事業者連携委員会事務局 八嶋 昇)

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2024年7月 8日 (月)

第1回MEMS事業者連携委員会開催報告 (2024年6月13日)

 今年度第1回MEMS事業者連携委員会(委員長:東京大学年吉洋教授)を、オンラインで50名程の事業者や大学の先生方のご参加を得て、2024年6月13日に開催いたしました。

 まず年吉委員長から、本日の議論は、昨年度末に取りまとめた「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」の中に提起された課題の中から、人材育成と、ファウンドリ及び研究拠点について取り上げたいとのお話があり、事務局からの状況の説明に続いて、議論が行われました。
 人材育成については、まずは半導体とMEMSは共通の部分が多いことから、MEMSも半導体の中で捉えて人材育成に当たるべきとの意見がありました。また、東北大で進められているARIM研修なども含めた先進的な人材育成について、大変参考になるものであり、それらのオンラインコンテンツの一層の活用なども提案されました。また、企業側が人材を大学に送り込んで育成することに加え、例えば寄付講座などで最初から企業がMEMS人材を登用するような環境作りも重要との意見もありました。
 ファウンドリ及び研究拠点については、設計まで含めたファウンドリサービスが求められているものの、対応できる人材が不足していることが課題として提起され、標準化されたプロセス、設計支援、人材育成、リソース投入の必要性等について議論されました。そのための、ファウンドリと研究拠点のネットワーク化などの重要性についても指摘されました。
 最後に、経産省の方から、MEMSの予算要求などに当たっては、エッジAIなどのMEMSとの相性が良いところなどを捉えて、半導体の文脈でMEMSを語るなどもあるのではないかとのご助言がありました。

 次回開催は本年9月以降を予定しています。


 なお、この「MEMS事業者連携委員会」は、MEMSに関する事業や研究を行われている事業者や、大学・公的研究機関の方々には、広く門戸を開放しておりますので、ご関心のある向きは、これからのご参加を歓迎いたします。
 委員会への参加には委員やオブザーバ等への登録が必要ですので、下記事務局の方にお問合せをいただければと思います。また当センターホームページからも登録可能です。


★MEMS事業者連携委員会ホームページ
   https://www.mmc.or.jp/mbcc/index.html

★MEMS事業者連携員会事務局
  メールアドレス

(MEMS事業者連携委員会事務局 八嶋 昇)

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2024年3月29日 (金)

第2回MEMS事業者連携委員会開催報告 (2024年3月26日)

 第2回MEMS事業者連携委員会(委員長:東京大学年吉洋教授)を、ハイブリッドで60名程の事業者や大学の先生方のご参加を得て、2024年3月26日に開催いたしました。

 まず年吉委員長から、最近のアメリカにおいてはMEMSをアンビエントIoT(環境IoT)という言葉や、電源をなるべく使わないゼロエナジーデバイス(ZED)という新しい用語などで表現されつつあるというようなトピックスが示され、MEMSを異なる観点から見直していくと新しい知見が得られるかもしれないとのご挨拶をいただきました。

 委員会では、第1回で中間報告を行った産業動向調査委員会がまとめた「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」(最終案)について、100以上の事業者、大学等からのアンケート回答を集計分析し日本のMEMS事業の強みや弱み、そしてそれらの課題に対し今後必要となる取組みや、それらから得られた「MEMS戦略策定への期待」という報告書のまとめの部分についての報告が行われました。委員会では、その報告をもとに非常にに活発な議論が行われ、さらに来年度以降もそのような議論を継続していくことが確認されました。
 オンラインでご出席の経産省の小林健企画官からは、今回の議論などをもとに、MEMS戦略にもつながる技術開発プロジェクトの組成について検討されている状況や、それらに対して、是非、意見や提案を経産省に直接届けて欲しいとのお話がありました。

 次回開催は来年度5月以降を予定しています。

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委員会の様子

 なお、この「MEMS事業者連携委員会」は、MEMSに関する事業や研究を行われている事業者や、大学・公的研究機関の方々には、広く門戸を開放しておりますので、ご関心のある向きは、これからのご参加を歓迎いたします。
 委員会への参加はには委員やオブザーバー等への登録が必要ですので、下記事務局の方にお問合せをいただければと思います。また当センターホームページからも登録可能です。

★MEMS事業者連携委員会ホームページ
   https://www.mmc.or.jp/mbcc/index.html

★MEMS事業者連携員会事務局
  メールアドレス

(MEMS事業者連携委員会事務局 八嶋 昇)

 

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2024年2月 7日 (水)

MEMSセンシング&ネットワークシステム展2024 開催報告 (2024年1月31日~2月2日)

 マイクロマシンセンター(MMC)は、2024年1月31日(水)から2月2日(金)までの3日間、東京ビッグサイトで開催された「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」を主催しました。
 MMCブースでは、研究開発プロジェクトとして「量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究(HS-ULPAC : High Stability Ultra Low Power Atomic Clock)」、「メタサーフェスSiハイパースペクトル赤外光センシングデバイス(MESH : MEtasurface Si Hyperspectral Infrared Sensing Device)」、今年度から活動を開始している「MEMS事業者連携委員会」の紹介を始め、MNOIC事業、標準化事業、調査研究事業などを展示しました。

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写真1 MMC展示ブース

 ブース展示とともに例年通り各種講演会も開催いたしました。1月31日は特別シンポジウム「MEMS・半導体次世代テクノロジーフォーラム」、2月1日は午後にTIA-MEMSウインターセミナー/MEMS講習会、研究開発プロジェクト/SSN研究会公開シンポジウム、MEMS協議会フォーラムを開催しました。

●1月31日10:15~12:15
特別シンポジウム「MEMS・半導体次世代テクノロジーフォーラム」
@東5ホール シーズ&ニーズセミナーC
 
 本シンポジウムでは、MEMS、センサの実用化・応用先として期待される次世代テクノロジー(半導体、5G、IoT、DX、ロボット、AIなど)にフォーカス。次世代MEMS・半導体市場、最先端のMEMS・半導体技術が社会および産業に貢献するビジョンや方向性について、政策動向や最新情報を報告しました。
 
 まず「半導体・デジタル産業戦略の現状と今後」と題して、経済産業省情報産業課企画官小林健様から、半導体産業の現状と我が国半導体産業復活の基本戦略の3ステップに従った最新の進捗状況について説明がありました。さらに今般その戦略の中にSAW/BAWを含む電子部品が加わったことと、それに続いて戦略にMEMSを加えようとしていることについてのご説明をいただきました。

 次に東京大学 生産技術研究所教授年吉洋様から「産学連携MEMS研究:これまでとこれから」として、MEMS発展の過程における、発展可能性を探る大学の研究と利益一点を追究する企業の研究の違いを示して、今後もお互いに補完しながら開発を行っていく必要性についてお話がありました。

 3番目の講演は、「モバイルの進化を可能にするRFフィルター技術」というタイトルで、スカイワークス・ソリューションズ株式会社BAW/SAWフィルター開発総括副社長アレクサンドレ・シラカワ様から、RFフィルター(BAW・SAW)の設計と製造プロセスの進化に焦点を当て、通信分野における重要部品に成長した経緯と技術革新についてご報告いただきました。

 本シンポジウム最後は「産総研センシングシステム研究センターにおけるセンシング技術の半導体分野への展開」と題して、産総研九州センター所長植村聖様から、産総研で開発してきたセンシング技術、センサ製造技術とその適応事例のご紹介と、今後それらの技術を活かした半導体産業への貢献、展望についてご報告いただきました。

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写真2 特別シンポジウム

●2月1日13:30~14:30
TIA MEMS ウインターセミナー/MEMS講習会
@東5ホール シーズ&ニーズセミナーC

 例年通り、主に学生や若手技術者向けにTIAの次世代人材育成事業に協力して実施するTIA-MEMSウインターセミナー MEMS講習会を開催しました。本講習会では、人と機械とのコミュニケーションに必要な注目技術である触覚センシングの最新技術についてMEMS初心者にもわかりやすく紹介されました。

 まず「極薄MEMSハプティック素子によるリモート触覚伝達システムの開発」と題して、産総研センシングシステム研究センターハイブリッドセンシングデバイス研究チーム長竹井裕介様から、極薄MEMS技術により厚さ7µmの圧電薄膜アクチュエータの開発と振動を最大化するフィルム基板実装技術により、多彩な触覚を表現できるハプティクスフィルムの開発についてご説明いただき、この素子を用いた双方向リモート触覚伝達システムに関する取り組みついてのご紹介をいただきました。

 次に香川大学創造工学部教授高尾秀邦様から「指先の手触り感を見える化する技術:シリコンMEMSナノ触覚センサ」として、人間の指先が持つ精緻な指紋構造と触覚受容器の機能を模倣する独自の原理による「粗滑感」「摩擦感」「硬軟感」「乾湿感」「冷温感」の5大触覚要素を実現するシリコンMEMSナノ触覚センサを開発し、繊細な指先の感覚を可視化する技術をご紹介いただきました。この触覚センサは、高尾先生が設計し、マイクロマシンセンターのMNOIC(マイクロナノ・オープンイノベーションセンター)が作製したものです。

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写真3 TIAウインターセミナー

●2月1日14:45~15:45
研究開発プロジェクト成果報告会/SSN研究開発公開シンポジウム
@東5ホール シーズ&ニーズセミナーC

 本報告会では、持続可能な社会の実現を目指してマイクロマシンセンターが現在取り組んでいるセンサやセンサネットワークシステム関係の技術開発プロジェクトの概要及び成果の報告が行われました。

 まずは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託で2023年度から開始した「NEDO先導研究プログラム/未踏チャレンジ/メタサーフェスSiハイパースペクトル赤外光センシングデバイス(MESH)」の基礎基盤技術を「シリコンを基材に利用した赤外光センサの展開」として電気通信大学教授菅哲朗氏からシリコンとプラズモニクスを融合することで得られるシリコン製赤外光センサの研究開発とその展開についてご報告いただきました。

 次にNEDO助成事業として実施している「非侵襲連続超高感度血中成分計測デバイス」について「血中成分モニターデバイスの研究開発 ~タニタのビジョンと商品開発の方向性~」としてタニタ蔦谷孝夫氏から研究進捗の経過報告がありました。

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写真4 研究開発プロジェクト成果報告会/SSN研究開発公開シンポジウム

●2月1日16:00~16:40
MEMS協議会フォーラム
@東5ホール シーズ&ニーズセミナーC

 本フォーラムでは、弊センター長谷川英一専務理事から今年度「産業動向調査委員会」が作成している「我が国MEMS事業者に関する動向調査」についての中間報告として、MEMS関連産業の現状とMEMS事業者の抱える課題の分析結果の紹介、並びにそれをもとに今後のMEMS戦略策定に資する政策提言などの検討を行うために新設した「MEMS事業者連携委員会」の状況についての紹介が行われました。また最後に経産省の半導体・デジタル産業戦略検討会議(2023年11月29日)が示した「半導体・デジタル産業戦略の現状と今後」に組み込まれた「MEMSの現状および今後の方向性」に対するマイクロマシンセンターの期待についての説明が行われました。

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写真5 MEMS協議会フォーラム

 今回の講演会は全て展示ホール内のセミナー会場で行われましたが、各講演会の会場は満席となり、追加の椅子を準備するほど盛況で、今回の講演テーマに対する関心の高さがうかがえました。
 2024年度は2025年1月29日~31日、東京ビッグサイト東ホールで開催を予定しております。

(MEMS協議会 八嶋 昇)

 

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2024年1月 9日 (火)

新年のご挨拶(MMC/NMEMS 2023年10大ニュース)

 新年あけましておめでとうございます。

 OECDの世界経済見通しによれば、昨年は世界経済の成長率が2.9%であったところ、本年はなお地政学的リスクやインフレの影響で、2.7%と若干の低下となるものの、後半からは緩やかに回復するとされています。ただ、昨年の日本の国民一人当たりのGDPは為替レートの影響でG7の最下位になるなど、あまり気持ちが浮き立つようなところではありませんでした。

 そのような中においても日本の経済の浮揚を図るべく、経済産業省は半導体・デジタル産業を「国家事業」と位置づけ、2021年6月に策定した「半導体・デジタル産業戦略」を2023年6月に改定を行い、その戦略の中に「MEMS」を加えていくという方向を示されています。これを受けてマイクロマシンセンターとしましても、我が国MEMS産業界の実態を、IDMのみならず、ファウンドリや装置・材料なども含めて、もう一度把握し直した上で、その課題や政策要望などの検討を行なう場とする「MEMS事業者連携委員会」を昨年11月に発足いたしました。今年からは、MEMS事業者の抱える課題等の分析や競争力を高めていくための方策の検討を本格化してまいります。委員会では多くのMEMS関連事業者や大学・研究機関の皆様のご意見・ご要望を集約致したく、広く皆様の参加を募集しております。
 また当センターは今年もDX、GXの推進に不可欠な各種MEMSセンサの開発の一環として、非侵襲で血中成分を計測するBaMBIプロジェクトや、小型原子時計の基礎研究であるHS-ULPACプロジェクト、昨年7月に開始したSi半導体プロセスと親和性が高く高機能なSi製ハイパースペクトル赤外光センシングデバイスを実現するためのMESHプロジェクトを推進するとともに、MEMS戦略にも通じるような新たなプロジェクトの獲得を目指してまいります。

 さて、当センターでは通算34回目にあたるマイクロナノ分野の展示会である「MEMSセンシング&ネットワークシステム展2024」を1月31日から2月2日にかけて東京ビッグサイトで開催いたします。今回もセンターの活動紹介、MNOICの紹介、研究開発報告とともに、各種セミナーを開催し、興味深い様々な技術報告を行います。セミナーの冒頭には経済産業省の情報産業課デバイス・半導体戦略室長に半導体・デジタル戦略関連のご講演をお願いしております。是非、多くの皆様にご来場いただき、今後のMEMSの発展のために当センターに対するご指導・ご支援を賜れれば幸いです。
 皆様方には以下のマイクロマシンセンターの2023年の10大ニュースをご覧いただき、このような私どもの活動状況をご賢察いただければ幸いです。

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マイクロマシンセンター/NMEMS技術研究機構
2023年10大ニュース
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1.「MEMS事業者連携委員会」発⾜、活動開始
 経済産業省では、半導体・デジタル産業戦略の中にMEMS戦略も加えていく方向性を打ち出されました。当センターとしてもこれに呼応して我が国MEMS産業界の実態を、IDMのみならず、ファウンドリや装置・材料なども含めて、今⼀度把握し直した上で、MEMS事業者の抱える課題等を分析し、競争力を高めていくための方策や政策提⾔等を検討する「MEMS事業者連携委員会」を発⾜しました。
 第1回委員会を11月28日に開催し、60名以上の方々にご参加いただき、有意義な議論や情報交換が行われ、経産省からもご評価いただきました。
 また、「産業動向調査委員会」と連携してアンケートを実施、現在分析結果を基に活動の基盤作りを行っています。
 委員会では多くのMEMS関連事業者の皆様のご意見・ご要望を集約致したく、広くMEMS関連事業者の皆様の参加を募集しております。

2.「GXを支えるMEMS」報告書の発行、MEMS事業者動向調査など、
   産業動向調査委員会 活発に活動
 3月末には、産業動向調査報告書「グリーントランスフォーメーション(GX)を支えるMEMS」を発行し、GXに貢献するMEMSとは何かという観点から結果を取り纏めて、好評を得ました。
 また、2023年度からは「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」に着手し、MEMS事業者連携委員会と連携して、MEMS事業者動向調査を実施しています。
 現在は調査結果を分析し、MEMS産業・政策に関する報告書を取り纏めると伴に、国内MEMS事業者を分野別に網羅したディレクトリ作成に向けて活動しています。

3.日本機械学会マイクロ・ナノ工学部門「技術功績賞」受賞
 マイクロマシン技術研究開発プロジェクトをはじめ、マイクロ・ナノ工学分野の研究開発プロジェクトを数多く推進してきたこと、MEMS展や併催シンポジウム、マイクロマシン国際シンポジウムの開催、マイクロマシンサミット、MEMS関連調査、国際標準化等の事業を通して、当分野の概念を内外に広く普及してきたこと、さらにMEMS協議会やMNOICによりMEMS産業化を支援してきたことなど、マイクロマシンセンターの長年の活動がマイクロ・ナノ工学分野に多大に貢献したとして評価され、日本機械学会マイクロ・ナノ工学部門から『技術功績賞』を11月8日に受賞しました。

4.NEDO先導研究プログラム「MESH」受託
 「NEDO先導研究プログラム/未踏チャレンジ」に電気通信大学、産業技術総合研究所と連名で提案した「メタサーフェスSiハイパースペクトル赤外光センシングデバイス」(MESH)が採択され、7月1日から事業を開始しました。
 電気通信大学の菅哲朗教授をプロジェクトリーダーとして、10年後の実用化を目指しSi半導体プロセスと親和性の高いSi製ハイパースペクトル赤外光センシングデバイスの実現に取組んでまいります。

5.HS-ULPAC、BaMBI、最終年度迎え、目標に向けて邁進中
(5-1)BaMBI最終年度として研究開発継続中
「血中成分の非侵襲連続超高感度計測デバイス及び行動変容促進システムの研究開発」(BaMBI)は、助成事業の最終年度として、最終目標達成に向けラストスパートに入っています。
(5-2)HS-ULPAC最終目標達成を目指し研究を推進
 防衛装備庁安全保障技術研究推進制度で受託した「量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究(HS-ULPAC)では、移動体に搭載可能な高精度原子時計を実現するため、周波数変動要因を根本から解明するとともにプロトタイプを試作して実証・評価しています。MMCでは2023年度は最終年度になるため、最終目標達成を目指し、MEMSガスセル、実験室モデル量子部、プロトタイプ真空断熱型量子部の3次試作を行っています。

6.4年ぶりに「国際マイクロマシンサミット」参加等、
  国際交流活動を本格再開
 新型コロナウイルス感染症の影響により延期されていましたが、4年ぶりにマイクロマシンサミットが5月22日~24日、ルーマニアのブカレストで対面開催され、参加しました。
 また、4月18日に賛助会員のオクメティック株式会社の親会社のフィンランドOKMETIC OYから、11月22日には海外アフィリエートのドイツのFraunhofer ENASからの研究者の受入れ等を行い、国際交流を本格開始しました。

7.MNOIC事業堅調
 現行製品の継続した製造や次期製品に向けた開発試作などを請負う工程受託コースを中心に依頼が増加し、直近3年間で20%の平均成長率を達成しています。
 産総研と連携した研究受託や企業ユーザの試作支援など、将来のMEMS産業活性化に向けた取組み案件も着実に増加しています。

8.国際標準化WG会議のホスト国となるなど、国際標準化事業を推進
 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会) /SC47F(MEMS分野)の国際標準化WG会議を日本のホスト(マイクロマシンセンター主催)で、6月21 日~23日に、熊本県 熊本市国際交流会館にて開催しました。各国主査等と技術交流を図ることができ、各国でのデバイス開発状況やデバイス標準化検討項目など情報の共有ができ、充実した会議となりました。
 また、11月13日~17日には、フランクフルトでIEC/TC47の国際標準化全体会議が開催され、SC47FとTC47/WG7(半導体デバイス エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)に関連する会議に参加しました。各国からの参加者と活発な議論を交わし、規格案審議を着実に前進させることができました。

9.MEMS展示会、セミナーが盛況
 例年通り当センターが主催する「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」を2023年2月1日から3日の3日間、東京ビッグサイトで開催し盛況の内に閉幕しました。会場への来場者はコロナ禍が落ち着き、前回の3倍以上の方にご来場いただきました。MMCブースでは、研究開発プロジェクトの紹介を始め、MNOIC事業、標準化事業、SSN研究会の概要などを展示しました。
 また同時開催の次の5つのセミナー「MEMS・半導体次世代テクノロジーフォーラム」「TIA MEMS ウインターセミナー MEMS講習会」「研究開発プロジェクト成果報告会」「SSN研究会公開シンポジウム」「MEMS協議会フォーラム」では、何れのセミナーでも多くの聴衆が熱心に聞き入られていました。
 主な講演として「MEMS・半導体次世代テクノロジーフォーラム」では経済産業省情報産業課長の金指壽様に「半導体・デジタル産業戦略の現状と今後」と題して、半導体産業の現状と我が国半導体産業復活の基本戦略についてご説明いただき、「TIA MEMS ウインターセミナー MEMS講習会」では、筑波大学、東京大学、東北大学の先生から、MEMSに関係する研究の取組みや最新の研究成果についてご報告いただきました。
 今年は1月31日(水)~2月2日(金)に昨年と同様、東京ビッグサイトにおいて、nano tech展等と同時開催を予定しております。また今年もご来場頂けますよう関係者一同お待ちしております。

10.MMC、MEMS協議会の新体制が始動
 3月末に株式会社日立製作所の鈴木教洋様が当センターの理事長をご退任され、4月1日に株式会社日立製作所執行役常務の西澤格様が理事長にご就任されました。
 7月には、MEMS協議会推進委員会を東京虎ノ門グローバルスクエアにおいて4年ぶりに対面により開催しました。協議会副会長に就任された三菱電機株式会社上席執行役員の岡徹様が新委員長として委員会を進行され、西澤理事長にもMEMS協議会会長としてご出席いただきました。また、経済産業省商務情報政策局情報産業課の金指課長様に経済産業省の政策をご紹介いただいたほか、経済産業省、NEDO、産総研の方々と委員との間で意見交換が行われました。

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