Pj SiM調査研究

2025年2月 7日 (金)

国際会議MEMS2025(台湾 高雄開催)参加報告

 MEMS2025(The 38th IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems)が、1月19 日~23日に、台湾 高雄のKaohsiung Exhibition Centerで開催されました。今回、MEMS分野の研究開発事例が発表される代表的な国際会議であるMEMS2025に参加し、最新の研究開発動向を調査しました。

 MEMS2025への投稿件数は729件(前回659件)で、昨年より10%超増加しました。採択された論文数は、全体で328件(前回324件)、採択率は約45%(前回49%)でした。採択論文の地域別の割合では、アメリカ13%、ヨーロッパ&アフリカ9%、アジア&オセアニア78%となっており、この分野でアジア&オセアニアのプレゼンスが向上していることがわかります。

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MEMS2025 <https://mems25.org/>

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MEMS2025が開催されたKaohsiung Exhibition Center

 MEMS2025のCONFERENCE CHAIRSは、Korea Adv. Inst. of Science and Tech.のHyunjoo “Jenny” Lee氏とNational Tsing Hua UniversityのSheng-Shian Li氏で、以下に示す4件のプレナリートーク、4件の招待講演がありました。その中で韓国i3systemからは、3D MEMS技術を用いた赤外線アレイセンサについて講演され、従来の0.35 µm CMOS技術&2 µm 3D MEMS技術から0.18 µm CMOS技術&0.18 µm 3D MEMS技術への進展により、画素サイズの小型化(50 µm → 8 µm)、大フォーマット化(320画素×240画素 → 1280画素×1024画素)を実現し、高性能なセンサについてはミリタリー用途が紹介されました。CMOS技術との融合によるMEMSデバイスの高性能化は近年重要性を増しています。

【プレナリートーク】 

① NAVIGATING THE NEW NORMAL (Tien Wu氏, Advanced Semiconductor Engineering, Inc (ASE), TAIWAN)
② MY 50 YEARS IN MEMS (Kurt Petersen氏, Silicon Valley Band of Angels, USA)
③ HIGH-RESOLUTION UNCOOLED INFRARED SENSORS: INNOVATIONS IN 3D MEMS TECHNOLOGY FOR MILITARY USE (Hau Chung氏, Myungho Kwon氏, Sang-gu Kang氏, i3system, KOREA)
④ WILL ORGAN-ON-A-CHIP SURVIVE THE TEST OF TIME? (Sabeth Verpoorte氏, University of Groningen, NETHERLANDS)

【招待講演】 

① CARBON NANOTUBES AS CONTACT MATERIAL FOR MEMS: ENHANCING SENSITIVITY, DURABILITY, AND FLEXIBILITY (Jongbaeg Kim氏, Yonsei University, KOREA)
② 3D PRINTED MEMS (Frank Niklaus氏, KTH Royal Institute of Technology, SWEDEN)
③ MICROMACHINED SILICA RESONATORS FOR BIOSENSING APPLICATIONS (Srinivas Tadigadapa氏, Northeastern University, USA)
④ EMERGING TECHNOLOGY FOR THE BIOHYBRID ROBOTICS (Shoji Takeuchi氏, University of Tokyo, JAPAN)

 発表論文の分野別では、MEMS Physical & Chemical Sensor 83件とBio and Medical MEMS 75件が多く、MEMS/NEMS for Optical, RF and Electromagnetics 37件で続きました。詳細のプログラムは以下のURLに記載されており、MEMSに関して基礎分野から応用分野まで幅広い研究の発表が行われました。オーラルセッションはシングルセッションまたはパラレルセッションで行われ、オーラルセッションおよびポスターセッションの様子を以下に示します。

MEMS2025プログラム <https://mems25.org/program/program_overview.html>

 

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オーラルセッションの様子(メイン会場)

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ポスターセッションの様子(展示会場)

 本国際会議は、MEMSに関する材料、デバイス構造、製造方法、実装方法から特性評価方法まで多岐にわたる技術領域を網羅し、最新のMEMS研究開発動向を知る上で重要な会議となっています。内容としては、Materials, Fabrication, and Packaging for Generic MEMS and NEM、Micro-and Nanofluidics、Bio and Medical MEMS、MEMS Physical & Chemical Sensors、MEMS/NEMS for Optical, RF and Electromagnetics、MEMS Actuators and Power MEMS、Industry MEMS and Advancing MEMS for Products and Sustainability、Emerging Technologies & New Opportunities for MEMS/NEMSのカテゴリーでの最新の論文発表により活発な議論がなされ、研究開発動向について情報が得ることができ、大変有意義な会議となりました。

 

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次回MEMS2026説明の様子

 また、会議では次回のMEMS2026が、2026年1月25 日~29日にオーストリアのザルツブルグにおいて開催されることがアナウンスされました。

 

(調査研究・標準部長 藤澤 大介)

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2024年12月 9日 (月)

Future Technologies from SENDAI合同シンポジウム参加報告 (2024年11月25日~28日)

 Future Technologies from SENDAI合同シンポジウムは電気学会センサ・マイクロマシン部門主催の第41回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム、日本機械学会マイクロ・ナノ工学部門主催の第15回 マイクロ・ナノ工学シンポジウム、応用物理学会集積化MEMS技術研究会主催の第16回集積化MEMSシンポジウム、化学とマイクロ・ナノシステム学会(ケムナス)主催の第50回研究会が合同で開催するMEMS関連の国内最大のシンポジウムです。

 今回は仙台国際センター展示棟(写真1)においてテクニカルセッションが11月25日(月)~27日(水)にテクニカルツアー(Aコース:仙台村田製作所、CKD東北工場、Bコース:アドバンテスト研究所・アドバンテストコンポーネント、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング白石蔵王TEC)が11月28日(木)に開催されました。

 今回、NEDO調査事業「未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査」の先端技術動向調査の一環としてMEMSシステム開発センターの武田が、当該分野の技術・業界動向把握やMNOICのPRのためにMNOIC研究企画部の渡辺が参加いたしましたので、ご報告いたします。

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写真1 会場の仙台国際センター外観

 講演数は第41回「センサ・マイクロマシンと応用シンポジウム」が307件(基調講演1、オーラル83、ポスター223)、第15回 マイクロ・ナノ工学シンポジウムが210件(基調講演1、招待講演4、ポスター204)、第16回集積化MEMSシンポジウムが30件(基調講演1、オーラル18、ポスター11)、ケムナス第50回研究会が195件(基調講演1、招待講演4、ポスター190)、企画セッションが14件(FT合同招待4、若手企画登壇10)の計756件、参加者数1,292名、技術展示・スポンサー機関71機関ともに過去最高を記録し,盛会のうちに無事終了いたしました。
 発表件数が多いため、5パラレルセッション+ポスターセッション+技術展示で開催されました。メイン会場(M会場)の様子とポスターセッションの様子を写真2と写真3に示しますが、活発な議論が行われている様子がうかがえると思います。
 日本のMEMSは最近低調がちですが、多くの若い研究者が活発に議論をしている様子から日本MEMSの復活が期待されます。

Ft_sendai02写真2 メイン会場の様子

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写真 3 ポスター会場の様子

 今回基調講演としましては、以下の4件が行われました。ここでもMEMSの重鎮のご講演に対して、フロアから若手研究者が質問する場面も見受けられ、今後の若手研究者の活躍に期待したいと思います。

(1) 11月25日(月) 10:30-11:10 【ケムナス】
  東京大学 総長 
  藤井輝夫氏:「多様性の海へ:対話が創造する未来」
(2) 11月26日(火) 08:30-09:10 【応用物理学会】
  SKグローバルアドバイザーズ 代表取締役 
  神永 晉氏:「集積化MEMSと40年~次世代へのメッセージ~」
(3) 11月26日(火) 17:35-18:15 【日本機械学会】
  国立研究開発法人産業技術総合研究所 理事長 
  石村 和彦氏:「日本の産業競争力強化に向けて」
(4) 11月27日(水) 08:30-09:10 【電気学会】
  株式会社メムス・コア CTO兼東北大学マイクロシステム融合研究開発センター シニアリサーチフェロー 
  江刺 正喜氏:「MEMSのオープンコラボレーション」

 今回ポスター発表が多いため、フラッシュプレゼンテーションのセッションが設けられ、それを聞いてからポスター発表を聞く人が多かったためか、ポスター発表で活発な討論が行われていたような印象を受けました。
 また、電気学会では若手賞・優秀技術論文賞のファイナリストセッションが設けられ、審査の結果下記発表が受賞しました。
 優秀技術論文賞として、日本が海外に負けている伝統的なMEMSデバイスであるマイクロフォンやジャイロの新しい研究やこれから伸びると考えられるバイオ関連の研究が選定された意義は大きいと思います。

【最優秀技術論文賞】(1件)
・山本貴富喜、林田健、細谷俊太(東京工業大学):「AI駆動ACナノポア法によるフェノタイプ型微生物センシングシステムの開発」

【優秀技術論文賞】(3件)
・池上尚克、白石健太郎、高橋宏、白井孝英、久保田瑶、柏木一郎(日清紡マイクロデバイス):「pd系金属ガラスメンブレンによる高破壊靭性MEMSマイクロフォンの開発」
・宇野真由美[1]、小森真梨子[1]、坂本憲児[2]([1]大阪産業技術研究所、[2]九州工業大学):「微小量生体液の粘度および電気伝導度計測に向けた不織布流路デバイスの開発」
・明石照久[1]、高橋一平[1]、船橋博文[1]、原田翔太[2]([1]豊田中央研究所、[2]ミライズテクノロジーズ):「積み木式実装による3軸化ジャイロ」

【五十嵐賞】(1件)
・島村龍伍(東京大学):「ナノスパイアを用いた絶縁層貫通式接続機構の実現」

【奨励賞】(7件)
・宇梶尚弥(電気通信大学):「電流検出型表面プラズモン共鳴センサのAu/n-Si Schottky界面における拡散の影響」
・伊藤陸(群馬大学):「気導音と骨導音を同時計測する二層流路型ヒト内耳模倣MEMSセンサの開発」
・加藤源基(豊橋技術科学大学):「エラストマーナノシートを用いた二軸ひずみ印加グラフェン共振質量センサの作製と分子質量計測」
・松下優介(豊橋技術科学大学):「植物の光合成産物可視化に向けた刺入型スクロースイメージセンサの機能検証」
・Pham Viet Khoa(豊橋技術科学大学):「電流駆動型グラフェン共振センサによる質量・粒子数マルチモーダル測定」
・Ma Cheng(京都大学):「Evaluation of the capacity of organic anion and cation transporters in a proximal tubule-on-chip model derived from hiPSC-derived kidney organoids」
・後藤慎太郎(東北大学):「Au薄膜転写による中空マイクロバンプアレイの作製」

 MNOICについては、会期中を通して技術展示を行いました(写真4)。会場では、自社での「人員不足」、「プロセス設備の不足・老朽化」、「パイロット生産から大規模生産まで小回りの利くファウンドリがない」などの要因から、MNOICにかける期待を多くいただきましたが、当方でもまさしく同様な課題を抱えており、政府のMEMS分野についての重点的な支援などとともに、自助努力で課題解決可能な施策を検討していきたいと思います。

Ft_sendai04写真4 MMC技術展示での説明の様子

 テクニカルツアーに関しては、武田がAコースに参加しました。
 仙台村田製作所は2008年7月から金沢村田製作所仙台工場として創業し、2021年7月1日から仙台村田製作所として分社独立し、「SAWフィルタ」を生産し、その生産量・シェアともトップクラスです。テクニカルツアーでは、会社の概要説明の後、SAWフィルタの構造と生産プロセスの主要工程の説明を受け、実際の生産ラインを見学いたしました。Yoleの調査ではMEMSのカテゴリーから外れているSAWデバイスではありますが、MEMSのトップ30企業に日本企業として入っている村田製作所が国内で生産しているものであり、今後MEMSデバイスの国内生産拠点の拡充へも期待したいと思いました。

 CKDは1943年設立の自動機械装置、駆動機器、空気圧制御機器、空気圧関連機器、流体制御機器など機能機器を開発・製造・販売・輸出する会社で、東北工場は半導体向けを中心とした流体制御機器及び自動車や電機・電子業界向けの空気圧機器を製造する工場として2019年に竣工されました。自動倉庫を導入し、組立・検査工程の自動化・省人化に取り組んだ「人にやさしい工場」をコンセプトに働く人に配慮した構造を有するスマートファクトリ―となっていました。テクニカルツアーでは、会社の概要説明の後、スマートファクトリ―の主要部分を見学いたしました。現在NEDO調査で実施している「未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査」で対象としている製造分野のスマートファクトリの参考となりました。

 来年はFuture Technologies from UTSUNOMIYAとして、2025年11月10日(月)~13日(木)(11月10日~12日:テクニカルセッション、11月13日:テクニカルツアー(HONDA COLLECTION HALL))に栃木県のライトキューブ宇都宮で開催されます。


(MEMSシステム開発センター 武田 宗久、MNOIC研究企画部 渡辺 秀明)

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2024年11月 5日 (火)

MSEC 2024 (MEMS & SENSORS EXECUTIVE CONGRESS) 参加報告

 SEMIのテクノロジーコミュニティーMSIG (MEMS & SENSORS INDUSTRY GROUP) が主催するMSEC 2024が10月7日から9日までカナダ・ケベック州ブロモンのChâteau-Bromont Hotelにて開催されました(写真1)。
NEDOからの受託調査の一環で、MEMS業界をリードする経営層や開発責任者ら一堂に会する本会議に参加し、北米を中心とした世界のMEMS関連産業の最新の投資状況や市場・技術動向を調査しました。


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写真1 MSEC 2024が開催された会場ホテル

 本会議は、2016年より毎年米国各地で開催されてきましたが、今回初めてカナダでの開催となりました。開催地のケベック州ブロモンは、古く(1972年)からIBMカナダの拠点であり、また、世界2位のMEMSファウンドリであるTeledyne MEMSが立地するなどマイクロエレクトロニクス関連の企業や研究機関の集積地域となっています。

 今回の会議では、会場近くに立地するカナダ最大のマイクロエレクトロニクス研究開発拠点であるC2MI (Centre de Collaboration MiQro Innovation) のテクニカルツアーから始まり、”SENSORIZATION: Enabling a New Intelligence”をテーマに、以下の7セッション計24件の講演が行われました(写真2)。

・Session 1 - MSEC 2024 Keynotes (4件)
・Session 2 - MSEC 2024 Product Showdown: AR/VR Technology (3件)
・Session 3 – Emerging MEMS & Sensors Market Trend & Ecosystem Challenge (4件)
・Session 4 – MEMS & Sensors Industry Trends & Sustainable Future (4件)
・Session 5 – Canadian Start-up Pitches (4件)
・Session 6 – Advancements in Positioning, Navigation and Timing (3件)
・Session 7 – MSEC 2024 Closing Keynotes (2件)

 参加者は80機関より集まり、北米中心に全体で約95名、内、欧州から十数名、日本から2名でした(写真3)。プログラムの詳細は以下のURLからご覧いただけます。
https://www.semi.org/en/connect/events/mems-sensors-executive-congress-msec

 セッションに先立って、SEMI America Presidentによる開会の挨拶の中で、世界各地域の先端半導体ファウンドリの動向について言及されました。2030年までに、AI、モビリティー、ファクトリー及び医療の各分野の進展により半導体市場は1兆ドルに達すると予測されており、その経済安全保障を確保するため、米国、ヨーロッパ、日本は、先端半導体製造産業の再興に向けて多額の投資を継続している。
 しかしながら2027年時点で期待される半導体ファウンドリ生産量の世界シェアは米国で10%、欧州で8%、日本で13%に留まり、依然として台湾、韓国が大半を占めること、また、今後10年の最大のリスクとして、PFAS規制の強化やオペレータ、エンジニア人材の不足などが指摘されました。

 北米では、これら半導体産業への投資は、MEMS分野へも波及しており、2024年7月には、MEMSファウンドリ企業のRogue Valley MicrodevicesがMEMS分野で初めて米国CHIPS and Science Actに基づく補助金を獲得しました。同社創業者CEOによる講演では、この補助金を活用し、フロリダ州パームベイにあるMEMS製造施設に300mmウエハ対応設備を導入する計画であり、その主な目的は、CMOS/MEMS統合デバイスやウエハレベルパッケージングなど半導体製造のエコシステム構築にあり、ウエハサイズ(300 mm)の共通化は重要な要件であると述べられました。

 MEMSの設計・開発サービスを提供しているAM Fitzgerald & Associatesの創業者CEOによる”The Past, Present and Future of MEMS” と題した基調講演では、1970年代から今日に至るまで主流であるSiウエハベースのMEMSデバイスについて触れ、今後、新しい薄膜材料(PZT, GaN, diamond, graphene, etc.)の活用やシリコンフォトニクスとの融合により、さらなる革新が期待できると述べられました。
 また、製造技術においては、多品種少量生産や多種材料使用を可能とする3Dプリンティングにより製造されるMEMSデバイス、LCDパネルのような大型基板やプラスチック、紙、布をベースとした超低コストで必要十分な性能を有するMEMSデバイスなど、新たな開発の方向性で進展するであろうと、開発事例を交えながら説明されました。

 続く研究開発関連の講演においても、AR/VR、医療・ヘルスケア、ナビゲーションなど今後拡大が期待されるアプリケーションに向けた新規デバイスの製造技術(新材料、積層構造)や信号処理(AI融合、エッジデバイス)、及びチップレット実装などMEMS技術のCMOS半導体パッケージングへの展開などの取り組みが紹介されました。
 これらの講演から、従来のSiウエハベースの微細化、集積多機能化に留まらない新たな開発の方向性が示され、MEMSデバイスのさらなる進展の可能性が感じられました。

 本会議では、スタートアップ企業にもフォーカスが当てられており、Session2では、カナダのスタートアップ企業3社がそれぞれ開発した製品について実機デモにより優位性がアピールされました。また、Session5では、カナダのスタートアップ企業4社から、各社の独自技術とその事業戦略に関するピッチが行われ、投資獲得をかけてベンチャーファンド3社の審査員との厳しい質疑応答が行われました。これらの様子から、カナダにおけるMEMSスタートアップの勢い、またそれを支援する投資家の熱意が感じられました。

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写真2 講演会場の様子

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写真3 参加者集合写真

 また、会議に先立って、前日夕刻より開催されたテクニカルツアーでは、カナダ最大のマイクロエレクトロニクス研究開発拠点であるC2MI (Centre de Collaboration MiQro Innovation) を訪問し、研究開発事例やクリーンルーム(外から)の見学を行いました(写真4)。
 C2MIは、2009年にカナダ政府や民間企業(IBM, Teledyne)からの資金提供で設立され、2012年より正式に活動が開始されたとのことです。その後も継続的に政府、民間から投資を受け、現在、90社以上の企業とのコラボレーションが進められ、250名以上の研究者・技術者を迎え入れているとのことです。
 保有する施設は、200 mmウエハ対応MEMSライン、先端パッケージング・光エレクトロニクス実装ライン、プリンテッドエレクトロニクス・表面実装ライン及び信頼性評価・故障解析・材料特性評価設備などであり、今年度もカナダ政府の補助金が投入され、2025年夏の完成を目指して、先端パッケージング関連の300mmウエハ対応ライン(約1,000 m2)の整備が進められていました。

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写真4 テクニカルツアーで訪れたC2MI
(Centre de Collaboration MiQro Innovation)

 本会議を通じて、北米におけるMEMS関連技術の研究開発に大きな活気が感じられました。その背景には、米国の半導体戦略とそれを補完するカナダ政府のMEMS製造インフラへの継続的な投資が大きく寄与しているものと考えられました。

(MNOIC 所長 福本 宏)

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2024年8月 2日 (金)

国際会議APCOT2024(シンガポール開催)参加報告

 APCOT2024(The 11th Asia-Pacific Conference of Transducers and Micro-Nano Technology)が、6月23 日~26日に、シンガポールのNational University Singaporeで開催されました。アジア、太平洋地域でのMEMS/ナノテク分野の研究開発事例が発表される本会議に参加し、最新の研究開発動向を調査しました。APCOTは、2002年に中国・アモイ市で第1回が開催されて以来、2004年は札幌、2006年シンガポール、2008年台湾・台南、2010年オーストラリア・パース、2012年中国・南京、2014年韓国・大邱、2016年金沢、2018年香港と、国際会議Transducersが開催されない年に隔年で開催されてきました。第10回が開催予定であった2020年は新型コロナウィルス感染拡大のため中止となり、2022年に開催地を上海としてハイブリッド形態で開催され、第11回である今年は、シンガポールで開催されました。

Apcot2024_b01APCOT2024開催 <https://www.apcot2024.org>

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 APCOT2024が開催されたNUS(National University Singapore)会場

 GENERAL CO-CHAIRSは、National University of SingaporeのProf. Guangya ZhouとProf. Chengkuo Leeで、参加者は250名超でした。以下に示す日本、米国、シンガポールから各1件のプレナリートークがありました。

【プレナリートーク】
① Piezo Device 2.0 (Prof. Shuji TANAKA, Department of Robotics Tohoku University, JAPAN)
② Piezoelectric and Piezoelectret Sensors and Actuators (Prof. Liwei LIN, James Marshall Wells Professor, Mechanical Engineering Department Co-Director, Berkeley Sensor and Actuator Center (BSAC) University of California Berkeley, USA)
③ Lanthanide Transducers for Advanced Imaging and Assistive Technology (Prof. Xiaogang LIU, Department of Chemistry Faculty of Science National University of Singapore, SINGAPORE)

 このほかに、24件のキーノートトーク(日本:8件、米国:6件、中国:4件、韓国:3件、台湾:1件、シンガポール:1件、スウェーデン:1件)、58件の招待講演(日本:8件、米国:1件、中国:25件、韓国:7件、台湾:3件、シンガポール:11件、オーストラリア:3件)などの講演もありました。また、口頭発表は、5つのパラレルセッションで行われ、MEMS/ナノテク分野の最新の研究発表に関して活発な議論がなされました。
 詳細のプログラムは以下のURLに記載されており、プロセス技術など基礎分野から各種センサ技術など応用分野に関する幅広い研究の発表が行われました。ポスター発表の様子を以下に示します。

APCOT2024プログラム <https://www.apcot2024.org/programme>

 

Apcot2024_b03ポスター発表の様子

 

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バンケットの様子

 

 MEMS分野は材料、デバイス構造、製造方法、実装方法から特性評価方法まで多岐にわたる技術領域を網羅しており、各セッションでは、Micro/Nanofluidics, 3D printing, bioprinting, Wearable devices & flexible electronics, MEMS & NEMS, Physical sensors, Micro-optics & nanophotonics, Biological sensors & biomedical devices, Piezoelectric transducers, RF & acoustics, Micro/Nanofabrication and materials & packagingの分野での最新の論文発表により活発な議論がなされ、研究開発動向について情報が得ることができ、大変有意義な会議となりました。また、本会議のStudent awardでは、ポスターと口頭の両方の表彰があり、このような受賞の機会は若手研究者の励みとなり、今後も活躍されることが期待されます。
 また、6月25日夜には、Shangri-La Rasa Sentosaにおいてバンケットが開催されました。バンケットでは、次回のAPCOT2026が、2026年6月21 日~24日に台湾の台中市において開催されることがアナウンスされました。

 

(調査研究・標準部長 藤澤 大介)

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