人材育成事業

2019年1月 4日 (金)

2018年MMC十大ニュース決まる

 マイクロマシンセンターでは、2018年の10大ニュースを選択いたしました。私どもの活動状況をご賢察いただければ幸いです。

1.インフラモニタリングプロジェクト(RIMS、UCoMS)、最終年度の開発実証試験成果が各種シンポジウム、展示会で注目
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「インフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発プロジェクト」において、技術研究組合NMEMS技術研究機構(以下NMEMS組合)が提案した「道路インフラ状態モニタリング用センサシステムの研究開発」及び社会・産業インフラ維持管理・更新等の重要な社会課題の一つである都市機能を支えるライフライン系の都市インフラ(電気、ガス、上下水道、情報、エネルギー)の安全な保全のためのセンサーモニタリングシステムの研究開発の最終年度の実施を行いました。
 これらの成果は、国内外で開催された学会、シンポジウム、展示会等で広く発表を行い多くの関心を集めました。

2.スマートセンシング・インターフェース国際標準化案がIECで1年前倒しでNP提案が承認され審議入り
 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)/SC47F(MEMS分野分科委員会)にて、提案を行っておりました、「スマートセンサの制御方式」が、2018年、NP(New work item Proposal)承認され審議が開始されました。
 IEC国際標準化SC47E/WG1,2F合同アドホック会議において「スマートセンサの制御方式」について、IECへのNP(New work item Proposal)投票が完了し、エキスパート参加国6か国でNP承認(参加国4か国以上が必要)された旨、また、韓国・米国からそれぞれ1件ずつあげられたコメントへの対応方針を各国に説明しました。

3.MNOICの工程受託活動がPR拡大等により引き続き右肩上がりで推移
 研究開発を支えるMEMS試作ファンドリとして、7年前に開設したつくばの「マイクロナノオープンイノベーションセンター(MNOIC)」も今や中小・ベンチャーを含む40社以上からの研究や工程の受託により、フル稼働の状況にあります。さらに設備整備や技術向上に努めて、我が国のMEMS開発需要に応えてまいります。

4. MMC理事長が山西氏から山中氏に交代、MMCの新体制が始動
 2018年度はマイクロマシンセンター理事の改選期にあたり、MEMS理事会において2期4年にわたり当協議会会長(MMC理事長)を務めて頂いた山西健一郎三菱電機相談役から山中康司株式会社デンソー代表取締役副社長(MEMS協議会会長も兼ねる)に理事長が交代されました。
 新理事長には、続いて開催したMEMS協議会推進委員会において挨拶及び最近のトピックスとして1つはスマートセンシング&ネットワーク研究会(SSN研究会)に、医療MEMS研究会などのワーキンググループを設置し、新テーマ発掘に努めていること、二つ目は、設立から8年目のMNOIC事業が、2020年以降も事業の持続的拡大に向け、現場中心に着実に改善活動を進めていることを述べられました。

5. MEMS講習会、マイクロナノ先端技術交流会、海外調査報告会等セミナーが多くの技術者を集め活況
 マイクロマシンセンターでは、MEMS講習会、マイクナノ先端技術交流会、海外調査報告会を開催しており、多くの技術者の参加を頂き活発な意見交換が行われています。
 MEMS講習会は年2回開催し、そのうち1回は地方で開催しています。2018年は2月に九州で開催し、地方でのMEMS技術の普及に貢献しています。
 先端技術交流会は第2回医療MEMS研究会と兼ねて、「生体モニタリングの最前線」をテーマとして開催し、MEMS及び医療関係の技術者と意見交換が行われました。
 海外調査報告会は、MEMS関連の海外調査及び国際標準化の最新状況について国際交流事業の一環として報告するものです。毎年のように北米や欧州を中心に学会等のイベント、海外の大学や研究施設、関連企業の訪問見学の報告を行っています。

6. MEMSセンシング&ネットワークシステム展2018、盛況でビジネスチャンスが拡大
 2018年 10月 17日(水) から19日(金)まで幕張メッセで開催された「MEMS センシング&ネットワークシステム展 2018」は、3日間の開催期間を終え、盛況の内に閉幕しました。来場された皆様方に御礼申し上げます。

 初日は、展示会場内特設ステージでMEMS協議会フォーラムを10:00から12:30まで開催いたしました。2日目は、国際会議室で研究開発プロジェクト成果報告会を開催いたしました。最終日は、国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム及びスマートセンシング&ネットワーク(SSN)研究会公開シンポジウムが10:00から16:05まで開催致しました。何れのシンポジウムも多くの聴衆が熱心に聞き入っておりました。
 会期中の様子は以下を参照ください。
 (初日)
http://www.nanomicro.biz/mems/2018/10/mems2018-be33.html
 (2日目)
http://www.nanomicro.biz/mems/2018/10/mems2018-9487.html
 (3日目)
http://www.nanomicro.biz/mems/2018/10/mems2018-fd87.html

 今回ご来場頂きました皆様に御礼申し上げます。

 次回は2020年1月29日(水)~31日(金)に、東京ビッグサイトにおいて、nano tech2020と同時開催を予定しております。
 次回もご来場頂けますよう関係者一同お待ちしております。

7. マイクロマシンサミット2018への参加や海外アフィリエート交流など、国際交流事業を活性化
 マイクロマシンサミットは、年に1回、世界各国・地域の代表団が集まり、マイクロマシン/ナノテクノロジーに関する課題や展望につき意見交換する場です。日本の提案により平成7年3月に京都で開催されたのが始まりで、以後、各国持ち回りで開催されています。
 2018年は5月14日(月)から16日(水)までアルゼンチンのブエノスアイレスで開催されました。南米での開催は、2014年にブラジル・サンパウロに続く2回目になります。今回のトピックスは、農業や畜産大国のアルゼンチンらしく”Agro-food & Environment. Other related applications and results from new and highly relevant R&D actions”でした。
 次回、2019年のマイクロマシンサミットは、中国・西安(Xi’an)で開催されることが決まりました。コーディネータはNorthwestern Polytechnical UniversityのWeizheng Yuan教授です。

8. LbSSプロジェクトも中間(5年のうち3年)に差し掛かり、成果が現実化
 本研究開発では、工場等の設備の稼働状況等の把握を目的とするスマートセンサモジュール、高効率MEH(Micro Energy Harvester)などの自立電源、及びスマートセンシングフロントエンド回路を開発し、動的センシング制御可能な無給電のスマートセンサ端末を実現します。さらに、同時に開発する学習型スマートコンセントレータとの連携により、従来の環境発電で収集可能な有価情報量を100倍化することを可能とする学習型スマートセンシングシステムの基盤開発と実証を行います。
 現在、学習型スマートセンシングシステムの開発として、有価情報を高めるための自立型センサ端末/学習型センシングアルゴリズムの開発、測定パラメータ可変型スマートセンサ、製造往路セス革新で小型・安価、高効率発電デバイスの開発を行っています。

9. センサ端末同期用原子時計(ULPAC)が世界最高水準の長期安定度を達成
 道路インフラモニタリングシステム(RIMS:ROAD Infrastructure Monitoring System)をはじめとするセンサ端末群は、ネットワークを介して時刻同期をすることで、データ取得の正確な時間を把握し、かつ、データ転送の効率化を図っています。もし、その時刻同期を不要とすることが出来れば、ネットワークの構築や運用にかかる負担を大幅に低減することができます。そこで、正確な時を刻む原子時計をセンサ端末に搭載可能なサイズや消費電力、価格にすることが出来るかを解析や試作を通して、長期間安定的に稼働する時計が完成しました。

10. 青柳副理事長、荒川センター長、野村総務担当部長などMMCの中興を担った方々が引退
 2018年に開催したMEMS理事会において、2003年MMC専務理事に就任し、2006年の当協議会発足に尽力した前MMC副理事長の青柳桂一氏も退任しました。
 また、マイクロマシンセンターを発展させてきた有力メンバーである荒川センター長及び野村総務担当部長が退職致しました。

成果普及部 水島 豊

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2018年1月 5日 (金)

「新年のご挨拶」

新年あけましておめでとうございます。

 本年はSociety5.0の実現を世界に打ち出していくための新たな産業・社会の在り方として、「コネクテッド・インダストリーズ」に大きな注目が集るとされています。特に、製造現場、自動走行、健康・医療・介護等の現実の「リアルデータ」を巡る競争が激しくなると予想されていますが、その「リアルデータ」を収集する最前線にMEMSを中心とする多様なセンサが位置しています。従いまして、ナノ・マイクロ技術分野における研究開発や普及促進等を長年担ってきた私どもマイクロマシンセンターの責任はさらに重くなっていくものと考えております。

 仏のヨール社によれば、世界のMEMS市場は消費者用や自動車用がけん引し、2017年の132億ドルから2022年には254億ドルと年率14%で伸びるとされています。MEMSデバイスとしては、スマホの4G/5G 化の進展によりMEMSフィルタの伸びが大きく、従来からの慣性センサ、圧力センサ、ジャイロなどを凌駕していくと見られます。

 このような中、当センターでは2000年代に注力したMEMS技術そのものの研究開発から、2010年代にはセンサネットワーク技術にシフトし、現在は道路やライフラインのインフラモニタリングに加えて、ファクトリやプラントのスマートセンシングの研究開発に注力しています。そして、昨年は経産省・NEDOがコネクテッド・インダストリーズの重点分野として推しているロボティクスや自動走行の鍵となるAI融合高精度物体認識システムの研究開発に着手しました。

 また、それらの研究開発を支えるMEMS試作ファンドリとして、7年前に開設したつくばの「マイクロナノオープンイノベーションセンター(MNOIC)」も今や中小・ベンチャーを含む40社以上からの研究や工程の受託により、フル稼働の状況にあります。さらに設備整備や技術向上に努めて、我が国のMEMS開発需要に応えてまいります。

 そして、上述の成果などを公開する場として、昨年、MEMSセンシング&ネットワークシステム展を刷新して、初めてCEATECと同時開催とし、5万人を超える来場者の方々にお出でいただくことができました。本年はさらにCEATECやAll about Photonics展とのシナジー効果を高め、IoTシステム、さらにはコネクテッド・インダストリーズの最先端技術展としてのプレゼンスを高めてまいります。

 当センターとしましては、本年もMEMS・スマートセンシング技術の開発や普及に真摯に取り組み、我が国のコネクテッド・インダストリーズの推進に微力ながらも貢献してまいりますので、引き続きご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願いいたします。

 皆様方には以下の10大ニュースをご覧いただき、このような私どもの活動状況をご賢察いただければ幸いです。

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2014年3月18日 (火)

第22回MEMS講習会:充実した内容の講習会と見学会が終了

2014年3月6日に富山県工業技術センター・中央研究所敷地内の富山県ものづくり研究開発センターにて第22回MEMS講習会を開催致しました。MEMS講習会はMEMS協議会メンバー企業、特にMEMSの試作(MEMSファンドリー)や設計ツール開発をサービスとする企業を中心に企画され、MMCの人材育成事業である「マイクロナノイノベータ人材育成プログラム」との連携を図りながら、地方都市と都内で年2回実施しています。  

今回は「MEMS技術を利用した地域活性化」をテーマに、MEMSを重要な産業として育成されている富山県工業技術センター、およびその関連企業とのビジネス交流を目的に、主催:一般財団法人マイクロマシンセンター、共催:富山県工業技術センターとして実施しました。MEMS分野での研究開発をされている研究者による特別講演・招待講演と、富山県、MMCの双方の報告を中心に最先端の技術開発や地域での産業化の課題等を議論する貴重な場となりました。

当日の北陸、上越の天気予報は雪で、越後湯沢からほくほく線の山中での雪景色を見て、富山の吹雪を心配しましたが、夕刻5cm程度の積雪はあったものの、講演会には殆ど影響がない程度の軽い積雪でした。

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写真1 高岡市を走る路面電車・万葉線

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写真2 富山県工業技術センター

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写真3 講演会場の全景

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写真4 中央研究所 榎本所長

主催者の挨拶のあと、最初の特別講演として、立命館大学・立命館グローバル・イノベーション研究機構の杉山進教授から「MEMSの活躍の広がりと生産技術の変革:しなやかMEMS[高分子材料を活用した低コスト・高機能MEMS]の未来」がありました。ご存知のように杉山先生は世界発のMEMSと言えるシリコンピエゾ抵抗素子を用いた圧力センサーから始まって、最近ではシリコン以外の材料、特に高分子を用いて機構素子を作成・評価し、デバイスに仕上げる研究で世界の第一人者です。先生はシリコンと高分子を物性面から比較し、高分子でも様々な機構部品が出来ることを理論予測すると同時に、実際にデバイスを構成して実装されています。

続く招待講演は、早稲田大学・ナノ理工学研究機構研究院の水野潤准教授から「MEMS技術の最先端;微細加工・接合技術を融合した新しい技術展開:グリーン・イノベーションMEMSへの応用」です。水野先生は企業にいらした経験から最先端のMEMS微細加工や接合技術を用いて、様々な応用を企業との共同研究として実施され、多くの成果を上げておられます。特に高密度デバイスの三次元実装に必要なキー技術や、最先端の有機ELや有機素子に必要な加工技術、更にマイクロTAS等です。ここから見えてくるのは、もはやMEMS技術は機械加工やモールド技術と同様に、製造業の様々なシーンにおいて、なくてはならない技術になりつつあるいう事です。逆に言えばMEMS技術なしには、もう世界と競争できない程度に重要になっていると言うことです。

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写真5 特別講演 杉山先生

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写真6 招待講演 水野先生

続いての富山地域からの報告では、富山県工業技術センター・中央研究所の小幡勤氏から「富山県におけるMEMSへの取り組み~MEMSで地域を活性化~」と題する講演がありました。この小幡氏は本講演会の開催にあたり富山県工業技術センターの窓口として企画に携わって頂きました。ここでも前述の水野先生同様に、MEMSの加工技術をあらゆる産業に応用することに力点を置かれ、多くの成果を出されるとともに、富山県の関連産業との強い連携が伺えました。特に最近の研究成果として、異分野研究者との協働にてシリコン細胞チップを作成し、この細胞スクリーニングに利用する研究では海外の研究機関と連携を図る等、国際的な取り組みもされています。MEMS技術を幅広く応用して行くことで、地域社会や異分野、更に国際連携へと広がりのある活動をダイナミックに展開されていることに深く感銘を受けました。更に株式会社オーギャの水島昌徳代表取締役 から「最先端技術を武器にした地域発ベンチャー:「静電容量型フレキシブル触覚フィルムセンサの開発」の話題提供がありました。このオーギャによる技術も、真正面からシリコンMEMSデバイス・センサー企業と競争するのではなく、MEMS加工技術を使って様々な材料を組み合わせて、安価で高性能な接触センサーを開発し、このセンサーを、ロボットハンドを始め今後の新たしい分野へ展開する構想です。このセンサー開発と事業化には、地域性の高いベンチャー産業支援を受けて、更に技術に磨きがかかっています。

MMCからの報告では、産業交流部の今本浩史氏から最先端MEMSを用いた「スマートモニタリングの状況とセンサネットワークへの展開」と題して、現在行われているセンサーネットワークシステム開発の概要説明がありました。また、MEMS協議会およびMNOIC事業の三原から「MEMS協議会、および最先端・大口径の産総研(つくば)・MEMS研究施設を活用した研究支援サービスMNOICのご紹介」、更に直前になってプログラムを一部変更しましたが、BEANS技術研究センター・出井敏夫から「BEANSパテントショップのご紹介」がありました。MMCでは、MemsONEも含めて過去に行った国家プロジェクトの成果を、有効に使って頂く為の様々な取り組みを行っていますが、BEANSプロジェクトの成果普及、特に「国家プロジェトで出願された特許を、維持管理しながらそのライセンス先を探す」と言うこれまで見られなかった活動をしています。また広報担当・内田和義から、「ナノマイクロビジネス展のご案内」がありました。

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写真7 富山県工業技術センター 小幡氏

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写真8 オーギャ 水島社長

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写真9 オムロン・貫井氏

最後のセッションとして、「ファンドリーサービス産業委員会企業からの報告」と題し、ファンドリサービス産業委員会・委員長の貫井晋氏から、「オムロン MEMSファンドリー紹介」、更に「ファンドリーサービス産業委員会企業からの報告」と題し、今回のMEMS講習会の意義も含めて紹介をさせて頂きました。

 今回は、年度末の忙しい中、また富山県と言う遠方にも関わらず、首都圏や関西圏も含めて多数の方々にご参加頂きました。関係者も含めて45名の参加者があり、中規模のセミナールームが満杯なる盛況ぶりでした。

また翌日は、富山県工業技術センター中央研究所が主催する施設の見学会が開催されました。この見学会では、今回のイベントの調整をして頂いた企画管理の土肥義治部長に、施設のご説明やご案内を頂きました。最初に富山県工業技術センターの概要説明があったあと、富山県工業技術センター中央研究所のMEMS関連施設、及び富山県ものづくり研究開発センターの見学でした。富山県の地域性が生かされた施設であると同時に、日本の工業技術センターでも此処しかない最先端施設(汗の出るマネキンとその評価設備や、大型電波暗室等)も多数あって、この工業技術センターの充実ぶりや活力を感じることができました。改めて、富山県工業技術センターでお世話になった方々に感謝したいと思います。(MEMS協議会 三原孝士)

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写真10 富山県工業技術センター 土肥部長による見学会説明

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写真11 電波暗室での集合写真

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2013年11月12日 (火)

第21回MEMS講習会を開催(2013年10月28日)

 2013年10月28日に一般財団法人マイクロマシンセンター(MMC)新テクノサロンにて第21回MEMS講習会「製造業における製造装置・設備のためのMEMSセンサとセンサネットワーク、それらを用いたモニタリングとメンテナンスの現状、課題とセンサへの期待」を開催致しました。

 今回は会場として、MMCの7F(MMC事務局の階上)に新テクノサロンを設置して初めてIm01
同会場での開催です。新テクノサロンは普段は委員会や打ち合わせに利用しますが、仕切りを取って講演会場として使用すると60名まで入れる大きなセミナールームになります。さて今回のテーマは「製造業におけるMEMS」を意識してのテーマ設定を致しました。テーマ設定の趣旨を説明しますと、MEMSセンサ、それらを使ったセンサネットワークは、今後の社会課題を解決するためになくてはならない「ソーシャルデバイス」として、近年急速にその注目度が上がっています。その中でも特に社会インフラのモニタリングやメンテナンス、農業や畜産、さらに医療や健康領域での社会課題を、これらを用いてどのように解決するかの議論や取り組みが重視されています。一方では日本が長年優位に進めて来た、製造業の製造設備や装置に関しても、これらと同様にセンサ、センサネットワーク、IT技術を用いた更なる活性化が必要になっています。
 本講習会は、この課題に関する議論を(独)産業技術総合研究所にて日々問題意識をお持ちの研究者の方々と、本分野で具体的な活動をされている企業の方々にご参加頂き、最新動向や課題・その将来を紹介して頂くとともに、関係者の方々との交流を深めて、今後の同分野の技術開発の加速に繋げていく布石になればと思い企画致しました。

 最初にMMC専務 青柳による主催者挨拶のあと、課題提起講演として(独)産業技術総合研究所・集積マIm02イクロシステム研究センター長 前田 龍太郎氏から「製造のグリーン化と強靭化を目指すセンサネット技術」と題し、現在のセンサー、センサーネットワークの活動内容を産総研の研究内容や、国/NEDOプロジェクトであるグリーンセンサネットワークシステムの事例を引用した内容でした。また最後にMEMSの製造業としての今後のあるべき姿に関して課題提起がありました。

 そのあと、【特別講演】として産総研ナノエレクトロニクス研究部門 、ミニマルファブ技術研究組合の原史朗氏から 「生産革新としてのミニマルファブ ~ 概念と開発状況、センサー等デバイス生産への可能性」と題する講演がありました。ご存知とは思いますが、ミIm03
ニマルファブは今までの半導体やMEMSの生産設備とは対極のシステムです。特に半導体はメガファボと言われるように5000億円の工場を建設しなければ世界に対応できないと言われています。これに対しミニマルファブで構成された装置群を用いれば2から3桁少ない投資で済み、また使用する材料や電力等も大変少なくてすみます。原氏によれば現在の大規模LSI工場であっても、顧客の様々な要求を満たすために非常に多種類の製品を出荷しており、このために効率を落としているとのことです。
 また製造チップ個数とチップ単価の関係を製造工場のウェハーの大きさでプロットすることで現在の半導体ラインでは1万個x 1万円の逆数の関係に或ことを整理され、ミニマルファブではこの関係を2桁下げることが出来てチップ生産数が100個であってもチップ単価を1万円以下に抑えることができることを示されました。更に集積マイクロシステム研究センターとの共同研究によって、実際のPZT圧電素子を用いたカンチレバーを、ミニマルファブを約30%使って作成することに成功したとのことで、いよいよ現実のものとなりつつあります。

 このあと、「企業の取り組み、製造装置・設備におけるセンサの現状とその必要性」と題して5つの講演を行いました。最初はオムロン(株)PMEMSプロジェクトの積 知範氏から「工場設備のモニタリングのためのセンサ、センサーネットワークの現状、課題とその将Im04来」でした。オムロンはクリーンルームの省エネのために温度や湿度、パーティクル等のデータと空調の制御を統合化して多くの実績を上げていることは既に広く知られていますが、今回の講演では特に重要なセンサである、MEMSフローメータの説明でした。フローセンサは熱容量の少ない精密な温度計とマイクロヒータを組み合わせるMEMSが最も活躍できるデバイスです。更に2次元赤外線センサを用いたセンサ等の紹介もありました。単なるセンサ素子開発に留まらず、回路やシステム、利用方法に関する紹介もありました。

 次は横河電機(株)イノベーション本部の磯崎克己氏から 「製造プロセス管理・制御におけるセンサ、センサネットワークの現状、課題とその将来」です。MEMSの研究者であれIm05ば誰でも知っている横河電機の真空パッケージMEMS振動素子を用いた圧力センサーは高い信頼性を持っていることから産業用に幅広く利用されています。今回は化学工場に使い無線センサーシステムの紹介です。化学工場では防爆と信頼性で特に注意が必要ですが、防爆や安全性にはセンサーを完全にシールドして可燃性ガス等から内部の電子システムに触れさせない工夫です。また信頼性に関しては、特に無線システム特有のデータ欠損や不安定性を取り除くために、センサー、送信、受信、制御コンピュータを全て二重化してあるとのことです。最後の工場等の生産管理に特有のシステムの特徴と10年を超える長い付きあい、更に世界標準に基づいたインターフェース等の必要性を報告して頂きました。

 次は(株)ティ・ディ・シー  取締役・企画営業推進 赤羽 優子さんから「精密機械加工技術のMEMS応用への期待」です。ティ・ディ・シーはウェハーやガラス基板を含む研磨Im06
サービスを行う社員60名の比較的小規模の企業ですが、その技術力は国内外から高く評価されています。その成功の秘訣は「失敗を恐れず、とにかく顧客の要求に沿って試行して見る」とのことです。これによって、1ナノメートル以下の超高精度のナノ表面を研磨すると同時に、その評価のために世界最大水準の計測器を揃えています。更にどんな物体でも、どんな材料でも研磨するという姿勢から多くの研究者から高い信頼を得て、最も小さいものでは一辺が10マイクロメータの立方体、更にJAXA はやぶさ2プロジェクトでも使用されているとのことです。日本のこだわりの精神が生きた素晴らしい企業であると感じ、元気を貰った気がします。

 みずほ情報総研(株) サイエンスソリューション部 岩崎 拓也氏から「シミュレーションツールを駆使したCO2見える化の現状、およびセンサネットワークにおけるビッグデータ処理」です。ご存知のように環境負荷の大きな指標であるCO2放出量(算出量)は研究開Im07
発から試作・量産・デリバリまで統合的に管理されなければ地球規模の継続的な安定と成長の達成はありえません。しかしこのCO2を計算すること、予測することは大変な労力を要します。特にMEMSの様に複雑な製造プロセス、多種多様な薬品等を使う場合はモデル化、データベース化が不可欠です。今回はMEMSの製造におけるCO2の算出システムの紹介と、その実施結果が報告されました。シリコン深堀、金属のドライエッチ、ウェハー洗浄等がCO2の排出が大きいとのことです。

 また(株)東芝 電力システム社 浅井 知氏から「溶接自動化システムにおけるモニタリングの現状、課題と将来」という講演を頂きました。溶接という古くから産業の基礎となるIm08
技術ですが、科学的な管理や制御は困難で自動化が進まない領域です。これに様々なセンサ技術を組み合わせて自動化を推し進める研究です。まず素人でも判るように溶接の原理と課題から始め、センシングの項目や現状の手段を説明して頂きました。溶接の場合は施行部位の表面を視覚的に捉える必要があるので、表面の観察のためCCDカメラの利用、光学手段による断面の推定、更にレーザ励起による超音波診断等が使われています。これらの手法は現在注目されているインフラ系のモニタリングに通じるものがありますが、溶接の場合は遥かに精緻であり、高い品質が求められます。更に設計やシミュレーションデータとの比較や再シミュレーションとの連動と言った高度な技術が必要で大変貴重な講演でした。

 最後に恒例の活動紹介としてファンドリーサービス産業委員会の貫井 晋委員長から、「MEMSファンドリーサービス産業委員会活動紹介」があり、この中でMEMSファンドリーサIm09
ービスのワンストップソリューションであるMEMStationにてMNOICとの連動の紹介がありました。これは従来からMEMStationへの問い合わせに開発行為が伴う場合が多いことに対応するもので、今後は研究開発案件にも積極的に答えていきたいと思います。
講演会の後、ネットワーク交流会を開催しましたが、その準備の間の20分を使ってMEMSファンドリネットワーク企業によるポスター報告会を行いました。
 以上、今回のMEMS講習会は明確なテーマを決めて、産総研と企業の関係者による講演会を中心に設定致しました。(有料)参加人数は40名で、講師やスタッフを含めて60人の規模でした。MEMSやセンサを取り巻く外枠まで含めた中身の濃いセミナーであったと思います。参加者からも(普段は聞けない内容が多くて)好評の声が多く、今後の企画の参考にしたいと思います。
 (MEMS協議会 三原 孝士)

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2013年10月18日 (金)

第24回マイクロナノ先端技術交流会 開催のご案内

第24回 マイクロナノ先端技術交流会

   「3次元光加工・精密造形技術の最前線」

    (マイクロナノイノベータ人材育成プログラム・先端アプリ講座)

 一般財団法人マイクロマシンセンターでは、MEMS産業の裾野を広げ、その発展を促進するために、マイクロナノイノベータ人材育成プログラム事業の一環として、マイクロナノ先端技術交流会を実施しております。これは産学交流を図ることを目的に、毎回大学等において先端的な研究に従事する方々を講師としてお招き、交流の機会を設けようとするものです。 今回は「3次元光加工、精密造形技術の最前線」をテーマに、同分野の最前線で活躍しておられます京都大学大学院 材料化学専攻 無機構造化学分野の平尾一之教授と産業技術総合研究所 先進製造プロセス研究部門 基盤的加工研究グループ グループ長の岡根様をお迎えして同交流会を開催致します。多くの方々にご参加頂き、ご議論を深めて頂ければと思います。

                         (産業交流部 今本 浩史)

 

■ 日時: 平成25年12月3日(火) 14:00~16:50 

         (交流会17:00~18:00)

■ 場所: 一般財団法人マイクロマシンセンター・新テクノサロン
       〒101-0026 東京都千代田区神田佐久間河岸67  MBR99ビル7階
        (地図:http://www.mmc.or.jp/gaiyou/map/) 

■ 参加費:一般 5,000円  /  賛助会員 ・ MEMS協議会メンバー 2,000円 

■ 主催: 一般財団法人 マイクロマシンセンター

 

【プログラム】
14:00~14:05 主催者挨拶
          (財)マイクロマシンセンター 専務理事 青柳 桂一

14:05~15:25 「3Dプリンタのものづくりへの活用」

           (独) 産業技術総合研究所 先進製造プロセス研究部門
           基盤的加工研究グループ     研究グループ長  岡根利光

15:25~15:35   ----- 休憩 -----

15:35~16:55 「3次元ナノ光加工の現状と今後の展開」
                       京都大学大学院 工学研究科 材料化学専攻 

            無機構造化学分野       教授 平尾一之

17:00~18:00 ----- 講師の先生を囲む交流会 (立食形式) -----
               (会場:(財)マイクロマシンセンター本部 会議室 同ビル6階)

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■定 員: 50名  

■参加申込
・インターネット参加申込 → http://www.mmc.or.jp/cgi/form/sentan_24/

■お問い合わせ先
一般財団法人マイクロマシンセンター
先端技術交流会 担当
産業交流部長 今本 / 酒向
E-mail: event@mmc.or.jp 

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2013年10月17日 (木)

MemsONE実習講座の関西第1回開催

MemsONEの使用方法を学習する「MemsONE実習講座」の関西第1回総合コースを京都大学の工学部物理系校舎1階で9月30日(月)に開催しました。当初、7月26日(金)に予定していましたが、都合により延期し、出来るだけ多くの受講者を確保して開催しました。今回の受講者は、京都大学関係7名(PJ関係者3名、研究者2名、学生2名)、その他の機関2名(企業1名、産技研1名)の計9名の参加があり、非常に充実した講習会となりました。

本コースは通常定員5名(当方が保有するPCは5台のため)のところ、参加9名のため、開催に当たっては、PCの確保が課題となりました。不足の4台は京都大学から借用し、臨時のライセンス発行で対応しました。

本コースは基本操作コースと解析コースの内容をミックスしたもので、時間的に欲張った内容となっています。このため、MemsONEに初めて触れる方には重荷だったようで、実習講座終了後のアンケート結果では、受講者の殆どが理解できた、役立ったとの回答がある反面、幾つかの改善要望もありました。今後、これらの要望を吟味し、プログラムやテキストに反映していく予定です。

 

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  関西第1回総合コースの受講風景(京都大学工学部物理系校舎1階にて)

今後の関東での講習会として、下記を予定していますので、ご興味のある方は是非ご参加ください。受講者1名でも開催致します。

 

◆関東第5回基本操作コース:     平成251114日(木)

◆第2MEMS設計解析基礎実習: 平成251129日(金)

 詳細・お申込みは、http://www.mmc.or.jp/mems-one/ 「講習会案内」を参照ください。

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2013年9月19日 (木)

「第21回MEMS講習会」の開催のご案内

第21回 MEMS講習会
「製造業における製造装置・設備のためのMEMSセンサとセンサネットワーク、
それらを用いたモニタリングとメンテナンスの現状、課題とセンサへの期待」

一般財団法人マイクロマシンセンターでは、MEMS産業の裾野を広げ、その産業推進の一助となるよう、人材育成事業「マイクロナノイノベータ人材育成プログラム」を展開していますが、その一環として年に2回のMEMS講習会を開催しています。 

MEMSセンサ、それらを使ったセンサネットワークは、今後の社会課題を解決するためになくてはならない「ソーシャルデバイス」として、近年急速にその注目度が上がっています。その中でも特に社会インフラのモニタリングやメンテナンス、農業や畜産、さらに医療や健康領域での社会課題を、これらを用いてどのように解決するかの議論や取り組みが重視されています。一方では日本が長年優位に進めて来た、製造業の製造設備や装置に関しても、これらと同様にセンサ、センサネットワーク、IT技術を用いた更なる活性化が必要になっています。

本講習会は、この課題に関する議論を(独)産業技術総合研究所にて日々問題意識をお持ちの研究者の方々と、本分野で具体的な活動をされている企業の方々にご参加頂き、最新動向や課題・その将来を紹介して頂くとともに、関係者の方々との交流を深めて、今後の同分野の技術開発の加速に繋げていく布石になればと思い企画致しました。多くの方々にご参加頂き、ご議論を深めて頂ければと思います。

(MEMS協議会 三原 孝士)

 

■ 日時:  2013年10月28日(月)14:00~17:40 ネットワーク交流会 ~19:00
■ 場所:  一般財団法人マイクロマシンセンター・新テクノサロン
        〒101-0026 東京都千代田区神田佐久間河岸67  MBR99ビル7階
       (地図:http://www.mmc.or.jp/gaiyou/map/)
■ 参加費:一般 5,000円  /  賛助会員 ・ MEMS協議会メンバー 2,000円

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プログラム
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14:00-14:05 主催者挨拶
                  (財)マイクロマシンセンター 専務理事 青柳 桂一
14:05-14:25 【課題提起】「製造のグリーン化と強靭化を目指すセンサネット技術」
                  (独)産業技術総合研究所 集積マイクロシステム研究センター センター長 前田 龍太郎 
14:25-14:55 【特別講演】「生産革新としてのミニマルファブ ~ 概念と開発状況、センサー等デバイス生産への可能性」
                  (独)産業技術総合研究所 ナノエレクトロニクス研究部門 / ミニマルファブ(技) 原 史朗

【企業の取り組み、製造装置・設備におけるセンサーの現状とその必要性】
14:55-15:15 「クリーンルームや工場設備のモニタリングのためのセンサ、センサーネットワークの現状、課題とその将来」(仮題)
                   オムロン(株)技術知財本部 PMEMSプロジェクト 積 知範
(15:15-15:25 休憩)
15:25-15:45 「製造プロセス管理・制御におけるセンサ、センサネットワークの現状、課題とその将来」 (仮題)
                   横河電機(株)イノベーション本部 研究開発部 研究支援室 磯崎克己 
15:45-16:05 「半導体・MEMS製造装置におけるリアルタイムプロセスモニタリングの現状、課題と将来」 (仮題)
                   (講演者検討中)
16:05-16:25 「シミュレーションツールを駆使したCO2見える化の現状、およびセンサネットワークにおけるビッグデータ処理」(仮題)
                   みずほ情報総研(株) サイエンスソリューション部 谷村直樹
16:25-16:45「溶接自動化システムにおけるモニタリングの現状、課題と将来」
                   (株)東芝 電力システム社 京浜事業所 浅井 知
16:45-17:00 「MEMSファンドリーサービス産業委員会活動紹介」 (仮題)
                   ファンドリーサービス産業委員会 委員長 / オムロン(株) 貫井 晋
17:00-17:30 【MEMSファンドリネットワーク企業によるポスター報告会】
17:35-19:00 【ネットワーク交流会】
                  懇親会 ((財)マイクロマシンセンター会議室(同ビル 6F)にて)

*プログラムはやむを得ず変更になる場合がございますのでご了承下さい。

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■定 員: 50名  

■参加申込
・インターネット参加申込 → http://www.mmc.or.jp/cgi/form/mems21/

■お問い合わせ先
一般財団法人マイクロマシンセンター
MEMS講習会 担当
MEMS協議会 事務局次長 三原 / 酒向
E-mail: mems-ws@mmc.or.jp

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前回(岡谷で開催)のMEMS講習会の様子

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2013年9月11日 (水)

MNOIC実習セミナー 「ナノインプリント実習、MemsONEによる形状予測とサンプル作成、その形状評価」【TIA連携大学院サマー・オープン・フェスティバル2013】の実施

一般財団法人マイクロマシンセンター・MEMS協議会では、MEMS・マイクロナノ領域における産業推進の一環として独立行政法人・産業技術総合研究所・集積マイクロシステム研究センターの研究施設を用いた研究支援を行うMNOIC事業を実施しています。その中で特に人材育成には力をいれ、これまでにUMEMSME・MNOICセミナーや装置セミナー、国際ワークショップ等を実施してまいりました。MNOIC事業も多数の装置を用いた研究支援が可能になって来ましたので、2012年度からMNOICで支援可能な最先端装置を用いた実習形式のセミナー「MNOIC実習セミナー」を開始致しました。今回はその第2弾として、8月29日-30日に1.5日のコースでMNOIC開発センターにて、「ナノインプリント実習、MemsONEによる形状予測とサンプル作成、その形状評価」を実施致しました。また今回のセミナーは「TIA連携大学院サマー・オープン・フェスティバル2013」の一環として開催し、より実践的な取り組みを希望する多くの学生の方にもご参加頂きました。今回の参加者は企業から3名、学生の方7名の計10名でした。

【学習・実習内容】

 MemsONE(統合化MEMS設計・シミュレーションツール)の原理・利用方法を製造販売元の一つである、みずほ情報総研㈱、浅海氏から紹介

MemsONEの基本的な使用方法の理解

MemsONEを用いたナノインプリントシミュレーション、型押し込みの際の高分子材料の変形、応力のダイナミックスのシミュレーション

Obducat社製ナノインプリント装置の原理、装置の特徴や有効性に関して販売元であるアペックス社・松本氏からご紹介

ナノインプリント技術の最前線と、具体的な応用事例に関して産総研の廣島(集積マイクロシステム研究センター・副センター長からの講演

Obducat社製ナノインプリント装置の操作方法の実習(クリーンルームにて実施)

Obducat社製ナノインプリント装置を用いた、8インチ金型による転写サンプルの作成実習

光学式干渉計やレーザ顕微鏡を用いた表面形状の計測

【MemsONEの概要】

MemsONE( MEMS Open Network Engineering System of Design Tools ) は、効率的なMEMSの設計・開発をサポートするためのソフトウェアです。MemsONEは経済産業省/NEDO技術開発機構の委託を受けた「MEMS用設計・解析支援システム開発プロジェクト」により産学連携の研究コンソーシアム(9企業、13大学、1研究機関、1団体)により、3年間を費やして開発され、その成果として2007年から販売され、その後、年1回のペースで機能の改善強化版がリリースされてきています。 MemsONEは、最先端の習熟したMEMS研究者・技術者に利用されるのみならず、初心者や経験の乏しい多分野の研究者・技術者であってもMEMSに関する高度な知見やデータをストレスなく利用することが可能なソフトウェアを目指して開発されました。

MemsONEの詳細は

http://www.mmc.or.jp/mems-one/

を参照してください。

【ナノインプリント装置の概要】

装置名:Eitre-8

・製造元:スウェーデン Obducat社

・販売元:アペックス株式会社 営業部 営業技術課
       URL : www.appex.co.jp

 Eitre-8の主な仕様

・最大型サイズ :200mm□
・最大サンプルサイズ : 200mm□
・インプリント方法 :熱、および紫外線、併用可能
・最高加工精度 :30nmのパターン

【実習に使用したサンプル】
(1)インプリント型

 ・大きさ: 8インチ

 ・ピッチ:  0.6μmラインから2mmφ

 ・段差: 200nm

 ・型材料: IPS(型転写用フィルム)を介してシリコン型から転写

 ・転写型: SiO2/SiウェハーのSiO2エッチパターン

 (2)インプリント材料  専用レジスト材料

 (3)インプリント方法  熱アシストUVナノインプリント

 (4)評価方法  Wyko (光学干渉式表面形状観察装置)

  Olympusレーザ共焦点3D顕微鏡
 (事前に表面に金属薄膜をコーティングしたサンプルを観察)

 

【実施結果】以下実施内容の概略をご紹介します。

(1)  一般財団法人マイクロマシンセンターの人材育成事業の一環であるため、人材育成委員会・前田龍太郎委員長(産総研・集積マイクロシステム研究センター長)から開会の挨拶を頂きました。

 

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写真 1 前田龍太郎委員長による開会の挨拶

(2)  MemsONE(統合化MEMS設計・シミュレーションツール)の紹介; MemsONEは「どんなシステム、何が出来るの?どこが凄いの?」と言う題目でMemsONEの開発、および販売企業である、みずほ情報総研 浅海氏に、質問を含めて40分の講演をお願いしました。講演ではMemsONEの開発の経過、全体の構成、機能ブロック、グラフィックインターフェース等の説明がありました。 一般的にMEMSを含む設計、レイアウト、機構解析、回路解析、プロセス解析等々は別々のソフトを用いるのが一般的ですが、MemsONEは統合化ツールに相応しく、統一的なデザインと操作方法、用語、単位に基づいて構成されているのが特徴です。また残念ながら流体解析は出来ませんが、機構解析、熱解析、電磁場解析を含む連成解析、プロセス解析等の幅広い解析ができること、材料データベースや過去の事例等の知識データベース等が画面の切り替えで簡単にできること、更にクリック動作で材料データベースに登録した物性パラメータを解析ソフトに取り込めること、もこの統合化ソフトの特徴と言えます。

 

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写真 2 みずほ情報総研 浅海氏による講演

(3) MemsONEによるナノインプリント形状予測シミュレーション実習;(財)マイクロマシンセンターのMemsONE担当の水津を中心にMemsONEの実習プログラムを約3時間かけて行いました。2名1組になってMemsONEがインストールされたノートパソコンを使っての実習です。今回は学生の方も多いことから、最初にこのMemsONEを実行することから開始しました。その後約1時間かけて三次元解析モデルを構成するための基本操作の学習をしました。さらにナノインプリント解析を行うための2次元モデルを作成します。この解析では体積収縮や変形を伴うモールド体と、剛体である型材料をモデル化し、その物理量や解析条件を指定する必要があります。モデルを作成したあと、メッシュを切って、指示された解析ステップに従って解析し、その結果を等高線や変形時のアニメーションの形で見ることが出来ます。学生の方が触れる最初の解析ツールにしては、このような変形シミュレーションは高度過ぎると言う懸念もありましたが、皆さん確実に課題をこなし、良い結果を出しておられました。

 

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写真 3 MemsONEナノインプリント解析実習

(4) Obducat社製ナノインプリント装置の原理・装置の特徴や有効性:2日目はナノインプリントの実習です。最初にMNOICが研究支援可能なObducat社製ナノインプリント装置の販売元であるアペックス社の松本氏から当該装置の説明がありました。通常ナノインプリント装置は非常に高い圧力(30気圧程度)をかけて型材料をモールド材料に押し込む必要があります。特に大面積になれば、この圧力は面積に比例して大きくなります。均一な力や変位量で押し込むには高い位置制御が必要になって装置が大型化し、高価になります。また熱インプリントだけだと、温度の制御が大変であるばかりでなく、高温から室温まで時間をかけて冷ます必要があります。この装置はこれらの問題を解決するために①紫外線硬化樹脂をモールド材料として、紫外線を使って硬化させるUVインプリントと熱を併用させること、②高分子で構成された型を膜状にして、このインプリント型膜の裏面から静水圧をかけることで高い機械的精度を不要にした点です。

 

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写真 4 アペックス社の松本氏による講演

(5) ナノインプリント技術の最前線と、具体的な応用事例;最後の講演として産総研・集積マイクロシステム研究センター廣島副センター長によるナノインプリント分野での最先端の技術状況と、最近の応用展開に関する講演を、質疑応答をいれて約1時間お願いしました。産総研はナノインプリント技術に関する長く、幅広い知見が蓄積されています。その技術を基礎から応用まで一気通貫で聞ける貴重なチャンスです。廣島副センター長の講演は、プロセス時にボイドを除去する具体的な方法から、最近の最先端のモスアイ構造を使った無反射膜の作成や応用事例等です。特にこの無反射膜はスマートホンから平面テレビ、更に自動車と市場がどんどん広がって行く予感があります。

 

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写真 5 廣島副センター長による講演

 

(6) ナノインプリント実習:2つの講演の後は、直ちにクリーンルームに入っての実習です。担当はMNOICの上野が行いました。クリーンルームでは、関連する装置群の説明を行ったあと、最初にナノインプリントを行うための型であるIPSモールドを、Obducat社製ナノインプリント装置を用いて作成します。このIPSモールドの作成は熱インプリントのみで作成します。IPSモールドが準備出来たら実際のインプリントを行います。最初に8インチのウェハーにコータデベロッパーを用いて専用レジスト材料をスピンオフ塗布、プリベイクを行います。このあと、おなじナノインプリント装置を用いて熱アシストによる紫外線照射ナノインプリントを行います。この時は、10名の参加者の内3人に実際にナノインプリントを作成&操作をして貰いました。

 

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写真 6 クリーンルームでの実習風景(ナノインプリント実習)

(7) 光学的評価の実習:サンプルの作成が終わると、クリーンルームを変えてサンプル表面の形状観察を行います。評価手段としてはWyko社の光学干渉式表面形状観察装置、およびOlympus製レーザ共焦点3D顕微鏡を用いました。そのままではサンプルの表面の反射率が小さすぎて観察できないので予め、金属反射薄膜をコーティングしたサンプルを使っての観察でした。

 

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写真 7 クリーンルームでの実習風景(ナノインプリント実習)

(8) 実習反省会; 最後に、今回の実習を振り返って皆様にアンケートの実施と、実習の感想をお聞きしました。全体的には大変好評で、MemsONEの概要が理解できた、世界最先端装置の有効性や応用が良くわかった、また特に学生の方には将来のオープンイノベーションの一環としてMNOICを検討したい等のご意見、更にこのような実習講座を今後も実施して欲しい等のご意見がでました。

 

最後に、第二回目のMNOIC実習講座をTIA連携大学院サマー・オープン・フェスティバル2013の活動の一環として開催し、沢山の学生の方を含む参加枠上限の10名の参加者に来て頂きました。参加枠を超えた後にお申し込み頂いてお断りした方には申し訳なく思いますが、このような企画を今後も進めたいと思います。またMNOICの年間利用法人は1法人1名まで無料で御参加頂けます。年に2回の実習講座を予定していますので、皆様も是非ご検討ください。(MEMS協議会 三原 孝士)

 

 

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2013年8月20日 (火)

MemsONE実習講座の開催報告及び開催案内

MemsONE の使用方法を学習する「MemsONE実習講座」の関東第1回基本操作コースを7月12日(金)に、関東第2回解析コースを8月9日(金)に開催しました。 第1回の基本操作コースでは、定員5名のところ大学生3名が受講されました。 第2回の解析コースでは、同じ大学の先生と学生の計5名が受講されました。 解析コースは、受講者が学習したい2機能を選択できる仕組みを採っているため、1回の開催では4~5機能が限度です。 このために定員を3名としています。しかし、当大学の希望される解析機能が3機能であることから、5名の受講を許可しました。 各実習講座終了後のアンケート結果からは、受講者の殆どが良く理解できた、役に立ったとの回答が得られました。

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          <<関東第2回解析コースの開催風景>>

第1回までは、別建物の会場を利用していましたが、第2回からは、当センター7階の新テクノサロンに会場を移して開催しました。

直近の関東での講習会として、下記を予定しておりますので、ご興味のある方は是非ご参加ください。 受講者1名でも開催致します。

◆関東第3回基本操作コース:    平成25年9月13日(金)

◆第1回MEMS設計解析基礎実習: 平成25年9月27日(金)

詳細・お申込みは、http://www.mmc.or.jp/mems-one/ の「講習会案内」を参照ください。

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2013年7月 9日 (火)

MNOIC実習セミナー「ナノインプリント実習、MemsONEによる形状予測とサンプル作成、その形状評価」ご案内

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 - MNOIC実習セミナー -
「ナノインプリント実習、MemsONEによる形状予測とサンプル作成、その形状評価」
【TIA連携大学院サマー・オープン・フェスティバル2013】
主催:一般財団法人マイクロマシンセンター・MEMS協議会 MNOIC事業
後援:独立行政法人・産業技術総合研究所・集積マイクロシステム研究センター
後援:つくばイノベーションアリーナナノテクノロジー拠点 運営最高会議

概要】
 一般財団法人マイクロマシンセンター・MEMS協議会では、MEMS・マイクロナノ領域における産業推進の一環として独立行政法人・産業技術総合研究所・集積マイクロシステム研究センターの研究施設を用いた研究支援を行うMNOIC事業を実施しています。その中で特に人材育成には力をいれ、これまでにUMEMSME・MNOICセミナーや装置セミナー、国際ワークショップ等を実施してまいりました。MNOIC事業も研究支援サービスを開始して2年が経過し、多数の装置を用いた研究支援が可能になって来ました。そこで昨年度からMNOICで利用可能な最先端装置を用いた実習形式の「MNOIC実習セミナー」を開催し、好評を得ました。今回はその第二弾として、最先端のナノインプリント装置を用いたMEMSの大面積微細3次元形状の構造作成と評価を行います。今回は、単にサンプルを試作するのみならず、統合化MEMS設計・シミュレーションツールである、MemsONEを用いて微細型部材への高分子材料の押し込みによる変形、応力分布のダイナミックス計算や、温度や圧力と言った基本パラメータの影響をシミュレーションします。その理解を基に幾つかのパラメータを変えて実際の大口径・高精度ナノインプリント装置を用いてサンプル作成を行い、表面形状評価を行って計算結果との比較や考察を行います。尚、この実習講座はTIA人材育成活動の一環として、「TIA連携大学院サマー・オープン・フェスティバル2013」として実施予定です。このため学生の皆様は無料で参加できます。この機会に世界最先端の装置を体験して頂き、更に多数のユーザの皆様にMNOICを利用して頂くことに期待しております。

【日程】
2013年8月29日( 木曜)13時20分開始、30日(金曜)16:30終了予定
【場所】
〒305-8564 茨城県つくば市並木1-2-1
産業技術総合研究所 東事業所:集積マイクロシステム研究センター内 NMEMSイノベーション棟
一般財団法人マイクロマシンセンター、MNOIC開発センター
http://mnoic.la.coocan.jp/access/index.html(MNOIC開発センター@つくば)
【学習・実習内容】
●MemsONE(統合化MEMS設計・シミュレーションツール)の原理・利用方法を製造販売元の一つである、みずほ情報総研㈱から紹介
●MemsONEの基本的な使用方法の理解
●MemsONEを用いたナノインプリントシミュレーション、型押し込みの際の高分子材料の変形、応力のダイナミックスのシミュレーション、およびそれらの温度、圧力依存性の計算(時間がないので予め計算済)
●Obducat社製ナノインプリント装置の原理、装置の特徴や有効性に関して販売元であるアペックス社からご紹介
●ナノインプリント技術の最前線と、具体的な応用事例に関して産総研の研究者からの講演
●Obducat社製ナノインプリント装置の操作方法の実習(クリーンルームにて実施)
●Obducat社製ナノインプリント装置を用いた、8インチ金型(*1)による転写サンプルの作成実習
●光学式干渉計を用いた表面形状の計測
●MemsONEによるシミュレーション結果と、実測値の比較(*2)および考察
 (*1)装置の状況等によって小形金型になる可能性があります。
 (*2)条件や材料が異なるので傾向の比較となります。
【費用】研究支援料および資料代(ホテル代、昼食代は含みません)
●一般(企業等) 30,000円(消費税込)
●アカデミア(大学、公的研究機関) 15,000円(消費税込)
●学生  無料

【MNOIC実習セミナー費用の支払方法】
 お申込みの確認後、受付メールをお送りします。お申し込みのご住所に請求書と受講票をご郵送しますので、当日は、受講票をご持参ください。お振込みは9月30日(月)までにお願いいたします。また、お振込み期限を過ぎる場合には、お振込み予定日をメールまたはFAXにてお知らせください。尚、MNOICの年間利用コースの利用法人は1法人につき1名が無料となります。
【申込方法、および申込み先】以下を記入の上、メールにてお申し込みください。
****************************
 郵便番号:
 ご住所:
 法人名:
 ご所属:
 ご氏名:
 連絡先(電話):
 メールアドレス:
 請求書の宛先・宛名(上記と異なる場合):
 参加費区分(ご選択ください): 一般 ・ 学生 ・ MNOICの年間 利用コース法人
 その他、ご連絡内容:
***************************
申込先:
〒101-0026 東京都千代田区神田佐久間河岸67 MBR99ビル 6F
TEL:03-5835-1870 FAX:03-5835-1876
email:t_mihara@mmc.or.jp
一般財団法人 マイクロマシンセンター
MEMS協議会事務局 MNOIC研究企画部
三原 孝士 宛
<その他>恐れ入りますが、宿泊場所等は各自でご予約ください。
【最小実施人数】
・3名
恐れ入りますが、申込者が2名以下の場合は実施を延期、或いは中止する場合がありますのでご容赦ください。また実習形式のため、先着順に10名に達した時点で締切とさせて頂きます。

【実習プログラム案】
2013年8月29日(木曜)  1日目
 13時20分集合(NMEMSイノベーション棟1F受付ロビー或いは、2F会議室):入所方法、集合場所等は参加者に別途ご案内致します。
1)13:20-13:25 開催の挨拶(人材育成委員会・前田龍太郎委員長          ご挨拶)
2)13:25-13:40  オリエンテーリングとMNOICの概要説明(担当 三原)
3)13:40-14:30  MemsONE(統合化MEMS設計・シミュレーションツール)の紹介 
       「どんなシステム、何が出来るの?どこが凄いの?」
           (みずほ情報総研 浅海氏)
4)14:40-17:30 MemsONEによるナノインプリント形状予測シミュレーション実習
       「温度、圧力を変えた場合の変形ダイナミックスの計算」
           (浅海氏、水津、三原)
7)17:30-18:30  簡単な懇親会(参加者+関係者)
      MemsONE* 正式名称:MEMS用設計・解析支援システム
 2013年8月30日(金曜)  2日目
1)9:00 集合(NMEMSイノベーション棟2F会議室)
2)9:00-10:00  Obducat社製ナノインプリント装置の原理・装置の特徴や有効性    (アペックス社 松本健様)
3)10:00-10:45  ナノインプリント技術の最前線と、具体的な応用事例
      (産総研・集積マイクロシステム研究センター 廣島副センター長)
4)10:45-12:00  Obducat社製ナノインプリント装置の操作方法の実習           (上野)
5)13:00-14:30  ナノインプリント装置を用いた、8インチ金型による転写実習        (上野)
6)14:30-15:20  光学式干渉計を用いた表面形状の計測(上野
7)15:30-16:00  MemsONEによるシミュレーション結果と、実測値の比較および考察            (上野、三原)
8)16:00-16:30  纏めと反省会(三原、上野、原田)
9)16:30  終了予定

 参考情報
1. MemsONE(統合化MEMS設計・シミュレーションツール)の紹介
 MemsONE( MEMS Open Network Engineering System of Design Tools ) は、効率的なMEMSの設計・開発をサポートするためのソフトウェアです。MemsONEは経済産業省/NEDO技術開発機構の委託を受けた「MEMS用設計・解析支援システム開発プロジェクト」により産学連携の研究コンソーシアム(9企業、13大学、1研究機関、1団体)により、3年間を費やして開発され、その成果として2007年から販売され、その後、年1回のペースで機能の改善強化版がリリースされてきています。皆様には本年7月にリリースされる予定の最新バージョン、6.0を使って頂きます。
 MemsONEは、最先端の習熟したMEMS研究者・技術者に利用されるのみならず、初心者や経験の乏しい多分野の研究者・技術者であってもMEMSに関する高度な知見やデータをストレスなく利用することが可能なソフトウェアを目指して開発されました。
 MemsONEの詳細は
 http://www.mmc.or.jp/mems-one/
 を参照してください。

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写真 MemsONEによるナノインプリント解析結果

2.Obducat社製ナノインプリント装置
・装置名:Eitre-8
・製造元:スウェーデン Obducat社
・販売元:アペックス株式会社 営業部 営業技術課 URL :
 www.appex.co.jp
     Eitre-8の主な仕様
・最大型サイズ :200mm□
・最大サンプルサイズ : 200mm□
・インプリント方法 :熱、および紫外線、併用可能
・最高加工精度 :30nmのパターン
・最高サンプル温度 :200℃
URL:www.obducat.com

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写真 Obducat社製ナノインプリント装置

 3.実習に使用するサンプル
(1)インプリント型
 ・大きさ: 8インチを予定
 ・ピッチ:  5μmから20μm
 ・段差:  数百nmから約1μm
 ・型材料: IPS(型転写用フィルム)を介してシリコン型から転写
 (2)インプリント材料  専用レジスト材料
 (3)インプリント方法  熱アシストUVナノインプリント
 (4)評価方法  干渉型表面形状評価装置"Contor-GX3"
 或いはZYGO(光学干渉式表面形状観察装置) (但し表面に金属薄膜をコーティング後、観察予定)
以上

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