活動全般

2026年2月 6日 (金)

MEMSセンシング&ネットワークシステム展2026 開催報告 (2026年1月28日~1月30日)

 マイクロマシンセンター(MMC)は、2026年1月28日(水)から1月30日(金)までの3日間、東京ビッグサイトで開催された「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」を主催しました。
 MMCブースでは、研究開発プロジェクトとして「メタサーフェスSiハイパースペクトル赤外光センシングデバイス (MESH: Metasurface Si Hyperspectral Infrared Sensing Device)」、「MEMS事業者連携委員会」の紹介を始め、MNOIC事業、標準化事業、調査研究事業のパネルなどを展示しました。

 

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写真1 MMC展示ブース

 ブース展示とともに例年どおり各種講演会も開催いたしました。1月28日は特別シンポジウム「MEMS・半導体次世代テクノロジーフォーラム」、1月29日は午前にTIA-MEMSウインターセミナー/MEMS講習会、午後にSSN研究会公開シンポジウム、MEMS協議会フォーラムを開催しました。

 


●1月28日10:30~12:30
 特別シンポジウム「MEMS・半導体次世代テクノロジーフォーラム」
 @西1ホール シーズ&ニーズセミナーB

 本シンポジウムでは、MEMS、センサの実用化・応用先として期待される次世代テクノロジー(半導体、5G、IoT、DX、ロボット、AIなど)にフォーカス。経産省、大学、国研、企業のそれぞれのお立場から、MEMS・半導体に関する政策動向、研究開発動向などについてご紹介いただきました。

 まず「我が国の半導体政策について」と題して、経済産業省情報産業課デバイス・半導体戦略室 室長補佐 西嶋健人様から、我が国はAIやDXを支える半導体を戦略上の重要物資と位置付け、経済安全保障の観点から国内供給能力の確保を重視しており、具体的には、既存の生産基盤強化、ラピダス等による次世代技術確立、将来技術開発の3ステップを推進中で、2030年度までに10兆円超を支援し、設計や人材育成、装置・素材を含む自律的なデジタルエコシステムの構築と官民投資の拡大を目指しているとのお話がありました。特にMEMSに関連しては、「センサー類やMEMS等も含めて、我が国の経済安全保障上、重要な電子部品について、我が国の自律性・不可欠性を高める取組を検討する」との立場をお話しいただきました。

 次に東京科学大学 総合研究院 生体材料工学研究所 センサ医工学分野 教授の三林浩二様から「血液中VOCマーカーのウェアラブル・バイオセンシング」として、三林教授が提唱されている血液情報を非侵襲で取得する次世代ウェアラブル技術についてのお話がありました。物理情報の計測に留まる現状に対し、呼気や皮膚から放出される生体ガスに着目し、肝臓の酵素による高い選択性と光計測を組み合わせ、代謝状態を示すアセトン等を測る「バイオスニファ」を開発し、特に汗の影響が少なく血流豊富な耳道での計測により、日常的な健康管理や疾患診断への活用が期待されている技術であるとの報告がありました。

 3番目の講演は、「MEMSパイロットラインを起点にした先端PKG、3D集積への取組展開」というタイトルで、産業技術総合研究所 ハイブリッド機能集積研究部門 研究部門長 薬師寺啓様から、2025年に発足したこの部門において300mmウエハによるハイブリッド接合等の次世代技術の推進と既存のMEMSパイロットラインを拡張し試作から評価まで一貫して支援する新世代ハイブリッドパッケージ拠点の整備を行ったとのお話がありました。さらに産業競争力の強化を目指して設計・製造の横連携を促すために設立した新コンソーシアム「新世代半導体集積システム技術コンソーシアム」のご紹介もございました。

 本フォーラム最後は「自動車用センサの現在と将来展望」と題して、株式会社ミライズテクノロジーズ センサ研究開発部 部長 和戸弘幸様から、自動運転用半導体の現状と展望のお話をいただきました。同社はトヨタグループのR&D中核として、パワー・センサ・SoCの開発を推進し、自動運転がAI主導へ進化する中、夜間安全のための低コストサーマルカメラや、GPS補完のための高精度IMU、運転者の状態を検知する生体センサを開発されており、それらセンサ群の重要性を解説いただきました。また、次世代車載SoC開発に注力する自動車用先端SoC技術研究組合についてもご紹介がありました。

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写真2 特別シンポジウム


●1月29日10:30~12:00
 TIA MEMS ウインターセミナー/MEMS講習会
 @会議棟102会議室

 例年どおり、主に学生や若手技術者向けにTIAの次世代人材育成事業に協力して実施するTIA-MEMSウインターセミナー/MEMS講習会を開催しました。

 まず「マイクロ工学技術で拓く生体模倣システム」と題して、早稲田大学理工学術院基幹理工学部 教授 森本雄矢様から、近年進められているマイクロ加工技術やマイクロ流体デバイス技術を基盤として、バイオや医療などとの異分野融合のうち、特にハイドロゲルのマイクロ加工技術に焦点を当て、細胞とデバイスを融合したバイオハイブリッドシステムの最新の研究事例をご紹介いただきました。

 次に「MEMS技術を用いた複合触覚デバイス」と題して、新潟大学工学部 准教授 寒川雅之様からMEMS技術を用いた接触、すべり、振動、温冷を複合的に計測する触覚センサ・提示デバイスの開発についてのご紹介並びに質感計測や触診データ化など感性・ヒューマンインタフェース分野への応用と両技術の統合のビジョンについてご説明がありました。

 3番目の講演は、「MEMSマイクロフォンのモノづくりとコトづくり」題して、日清紡マイクロデバイス株式会社 モジュール開発本部 フェロー 口地博行様から、AI の進歩とIoT の普及により音響センサとして使用される機会が増えてきているMEMSマイクロフォンの、工業用途や医療機器など新たな応用領域に適した技術開発とアプリケーション事例についてご紹介いただきました。

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写真3 TIAウインターセミナー


●1月29日13:30~15:30
 SSN研究会公開シンポジウム「マイクロナノが支えるフロンティア領域」
 @会議棟102会議室

 フロンティア領域とは、日本の「次の飯のタネ」となるような先端技術領域であり、2040年以降の新産業の創出を目指し、新たな取組みが進んでいます。本シンポジウムでは経産省担当官から直接その取組みを展望いただくとともに、産学よりブレインテック、量子センサという2つのフロンティア技術の最新動向についてご講演をいただきました。

 1番目の講演として「フロンティア領域の探索・育成による新産業創出に向けて」というタイトルで経済産業省イノベーション・環境局イノベーション政策課課長補佐 菅 真央様から、日本の将来を担うフロンティア領域の探索と育成に関する施策についてご講演いただきました。2025年度はブレイン・ニューロテックや量子センシングなど6領域を重点領域と選定し、民間だけでは投資が難しい中長期的な先端技術に対して、国が「次なる飯の種」として予算を投じ、従来の委託研究型だけでなく、成果に応じた懸賞金型事業も導入し、産学官やスタートアップと連携しながら、トライ・アンド・エラーを許容する柔軟な体制で社会実装を加速させていくとのお話がありました。

 次に「健康・環境にたずさわる微生物利用・制御のためのイメージングおよびデバイス開発」というタイトルで筑波大学生命環境系教授  野村暢彦様から、微生物・動物細胞を極めて低侵襲に観察・診断するため世界最高水準の単一光子検出技術(超伝導転移端センサ(TES))を取り入れた光量子顕微鏡など最先端イメージング技術とそれに付随するデバイス技術のご紹介がありました。

 3番目の講演では「AIとニューロテックの融合によるブレイン・マシーン・インタフェースとデジタルツイン神経科学」というタイトルで株式会社アラヤ NeuroAI事業部 ペルソナチームリーダー 濱田 太陽様から、生成AIの発展により人と機械、脳とネットワークが融合する新たな情報基盤が生まれつつあり、そこで注目されているブレイン・マシン・インタフェース(BMI)とデジタルツイン神経科学のインパクトとその課題についてご紹介いただきました。

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写真4  SSN研究開発公開シンポジウム
「マイクロナノが支えるフロンティア領域」


●1月29日15:45~16:30
 MEMS協議会フォーラム
 @会議棟102会議室

本フォーラムでは、我が国MEMS産業の再興を目指して議論を続けているMEMS事業者連携委員会の取組みを中心に、MEMS協議会活動の全容の紹介が行われました。 

「我が国MEMS産業の再興に向けて~MMCの研究開発/委員会活動より~」というタイトルで、弊センター専務理事 長谷川 英一から、日本のMEMS産業の再興に向けた戦略と展望について紹介がありました。かつて世界シェアの2割を誇った日本が現在は1割以下まで落ち込んでいる現状を受け、MEMSを経済安全保障に関わる重要技術として政府の半導体戦略に位置づけていただくことの重要性について説明がありました。具体的には、官民一体となった研究開発プロジェクトの獲得を目指す方針を示し、また、国内のファウンドリ拠点の拡充や人材育成、スタートアップ支援を通じて、国際的な競争力を回復させようというMEMS事業者連携委員会の取り組みなどが紹介されました。

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写真5 MEMS協議会フォーラム


 各講演会の会場は満席となり、今回の講演テーマに対する関心の高さがうかがえました。
2026年度は2026年12月16日~18日、東京ビッグサイト西・南ホールで開催を予定しております。

(MEMS協議会 八嶋 昇)

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2026年1月 9日 (金)

MEMS協議会 2025年度MEMS懇話会開催(2025年12月26日)

 MEMS懇話会は、MEMS協議会正メンバーの委員と経済産業省など行政側との意見交換を行う、年に一度の貴重な行事となっております。
 今年度のMEMS懇話会は、年の瀬の12月26日に、協議会委員に「マイクロマシン・MEMS分野に係る現状及び2035年以降のモビリティ、FA/ロボティクス、スマートヘルスなどの応用分野やその先のフロンティア領域へのMEMSの挑戦に係る各企業の取組みと行政・国研への要望」と言うテーマでまず意見発表をしてもらい、それらも踏まえつつ、行政側からの政策紹介などもしていただき、オンラインで意見交換を行いました。

 最初に鮫嶋茂稔MEMS協議会会長(マイクロマシンセンター理事長)による主催者挨拶があり、MEMS事業者連携委員会などにおける精力的な活動や、MESH事業・FuMEMTex事業などの研究開発の状況、さらにMNOIC事業の順調な進捗などが紹介されました。

 続いて、経済産業省 情報産業課 デバイス・半導体戦略室 室長補佐の西嶋健人氏から、最新の半導体政策の状況について紹介があり、10月に発足した高市政権が示しているAI・半導体技術など先端技術への投資を軸に成長戦略を進めていく方針や、レガシー半導体のみならず、電子部品、MEMS等も含めて官民で政策のアプローチを検討していくことなどを説明いただきました。

 ここから、岡徹MEMS協議会副会長/推進委員長による進行に変わり、最初に長谷川英一MEMS協議会事務局長から、協議会の活動状況、特にマイクロナノ・オープンイノベーションセンター(MNOIC)事業の順調な進捗、産業動向調査委員会やMEMS事業者連携委員会での活動、MEMSセンシング展(2026年1月)でのセミナーなどについて報告がありました。

 その後、上述のようにまずは協議会委員側から意見発表、それらを踏まえての経産省、NEDO、産総研からの政策紹介などの後、意見交換を行いました。
 この中では、協議会委員側からは、

  • 半導体・デジタル戦略の枠組みにMEMSをしっかり位置づけ、最先端MEMSプロセス・製造技術への投資、標準化プラットフォームの整備、技術者育成、量産・社会実装に向けた総合的な支援をお願いしたい。
  • MEMSセンシングとAIを統合したようなプラットフォームの実現に向けた長期継続型の国プロの立ち上げや、研究開発・設計人材育成の強化に関する具体的な施策の検討をお願いしたい。
  • 先端的で注目度の高い技術だけでなく、産業を底辺から支える基盤的な技術や人材育成、モノづくりを支える製造プロセス、材料の研究などにも支援をお願いしたい。
  • MEMSは国内に製造できる場所が少なく、最先端の技術を持つファブがない状況が、競争力を生むセンサづくりや安定供給の観点から懸念。国内に強い最先端のファブを持つことへの支援をお願いしたい。
  • MEMS専用プロセスラインの整備や次世代材料研究開発等への支援の継続・拡充、国際標準化活動への参画支援、MEMS設計・プロセス・評価に精通した人材育成プログラムの創設等をお願いしたい。
  • 先進的なMEMS製造ラインや開発拠点への支援は、国際競争力の強化と経済安全保障の両立に資するもの。さらにMEMSは次世代フィジカルAIセンサや光電融合デバイスの競争力の核となることから、継続的な支援をお願いしたい。
  • ヘルスケアや医療の観点からウェアラブルが必要不可欠になってきている。またMEMSデバイスの集積など、大面積デバイス化が課題となっており、その強化ないし技術開発プロジェクトの実施をお願いしたい。

といった意見が出されました。
 それらを受けて、経済省、NEDO、産総研からは以下のようなコメントが寄せられました。

  • 国の選定した先端領域・重点領域においてもMEMSの貢献を期待。
  • 国際標準化会議での日本の強いポジションを維持できるよう引き続き各企業及びMMCの協力が必要。
  • MESHやFuMEMTexはスマートロボティクスや次世代AIロボティクスの進化にも重要なヒントを与えるものと感じた。
  • AI×MEMSやセンシング系で企業や研究機関との連携を模索してほしい。
  • MEMSデバイスそのものだけに留まらず、MEMSを取り巻く周辺技術にうまくMEMSの活路を見出してほしい。
  • NEDOの「フロンティア育成事業」が1月中に公募されるので、応募を期待。
  • MEMSをバックグラウンドに持つ研究者からの半導体へのアプローチや、6Gのエッジデバイス技術の流れからのMEMS研究開発が重要。
  • マイクロナノ加工技術は、センシングのみならず半導体にも活用可能であり、MMCの産業動向調査等の結果の提供に期待。
  • FuMEMTexについて、研究者が研究開発に集中できる環境をMMCが作り上げてくれていることに感謝。
  • 現在のロボットにはAI基盤モデルが不可欠であり、そのベースとなるデータ収集をセンシングでどのように行うかに関心を有する。

 今後MEMS協議会としては、本懇話会で出された意見を参考にして、日本のMEMS産業の国際競争力を高めるために必要なフロンティア領域等の研究開発に順次提案できるよう、MEMS事業者連携委員会や産業動向調査委員会などにおいて多くのプレーヤーとともに検討を進めて参ります。

(MEMS協議会 事務局 濱田直春) 

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2025年12月26日 (金)

新年のご挨拶(MMC 2025年10大ニュース)

あけましておめでとうございます。

 OECDの最新見通しによれば、2026年の世界経済はトランプ関税や地政学的緊張の影響を受け、成長率は2.9%に鈍化すると予測されています。日本は2025年に成長率1.3%を記録しましたが、高市総理の下での積極的な財政政策や賃上げを背景に、2026年も0.9%のプラス成長を維持する見通しとされています。
 そのような中において、世界の半導体はWSTSの25年12月予測によれば、AI需要を見越したデータセンター投資に連動する形でメモリー製品やGPUなどのロジック製品が半導体市場の成長を牽引し、全半導体では26.3%増の9,754億ドルに、そのうちのSensor & Actuator(MEMSとほぼ同義)は8.7%増の227億ドルに拡大するであろうとされています。我が国政府も経済安全保障の強化、社会課題の解決と持続的な経済成長の実現に向けては、半導体・AI分野が必須であるとしています。

 経済産業省が2025年5月に公開した「半導体・デジタル産業戦略の現状と今後」においては、電子部品やMEMS等も含めて官民で政策のアプローチを検討していくとされております。2023年に当センター内に設置した「MEMS事業者連携委員会」においては、我が国のMEMS再興に向けて国からの支援を確保するべく政策提案に向けての活動を行っています。

 また昨年防衛イノベーション科学技術研究所から受託した「FuMEMTex(テキスタイルと小型デバイスの融合に関する検討役務)」では多機能センサのテキスタイルプラットフォームへの実装に向けた技術のフィージビリティスタディを実施して、有望な技術等を見出す先導研究を行っています。
 さらにMNOIC(マイクロナノ・オープンイノベーションセンター)は、企業からのMEMS製品の工程受託が堅調で、大学・研究機関からの研究受託や企業向け試作支援も増加し、2025年度の事業収入も過去最高となる見込みです。

 さて、当センターでは通算36回目にあたるマイクロナノ分野の展示会である「MEMSセンシング&ネットワークシステム展2026」を1月28日から1月30日にかけて東京ビッグサイトで開催いたします。
 今回も当センターやMNOICの事業紹介の展示に加え、各種セミナーを開催し、興味深い様々な技術報告を行います。セミナーの冒頭には経済産業省の情報産業課デバイス・半導体戦略室様より半導体・デジタル戦略関連のご講演を、また「マイクロナノが支えるフロンティア領域」のセミナーでは経済産業省のイノベーション政策課様を中心にテクノロジーインテリジェンス、量子センシング、ブレインテックについてのご講演をお願いしております。是非、多くの皆様にご来場いただき、さらなるMEMSの発展のために当センターに対するご指導・ご支援を賜れれば幸いです。

 皆様方には以下のマイクロマシンセンターの2025年の10大ニュースをご覧いただき、このような私どもの活動状況をご賢察いただければ幸いです。

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マイクロマシンセンター
2025年10大ニュース
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1.MEMS事業者連携委員会でMEMS技術の戦略的な重要性など活発な意見交換を実施
 2023年度に始動した「MEMS事業者連携委員会」では、我が国MEMS事業者の再興に向けて議論を行っています。2025年度第1回の委員会では、経済安全保障、人材、ファウンドリ・研究拠点、アプリケーション、研究開発について、前年度に引き続き議論を行いました。第2回では経済安全保障と研究開発に課題を絞り込み、AIロボティクスやフロンティア領域においてもMEMS/マイクロナノ技術は戦略的に重要であることなどの議論がなされました。2月19日開催の第3回において政策提言に向けてのとりまとめを行います。

2.防衛イノベーション科学技術研究所の革新型ブレークスルー研究で「テキスタイルと小型デバイスの融合に関する検討役務(FuMEMTex)」を受託
 受託した「FuMEMTex」について、多機能センサのテキスタイルプラットフォームへの実装に向けた先行技術の調査や国際ワークショップの開催などにより、フィージビリティスタディを実施して、11月に中間報告を終えました。今後、2026年度以降の本格研究に結び付けるべく、引き続き先導研究に力を入れてまいります。

3.未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査
 日本のMEMS開発戦略を策定するために、2024年度にNEDOのAI・ロボット部から受託した「未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査(SiM :Study of innovative MEMS for coming society)」として、2035年の社会像からのバックキャスト並びにMEMSの市場及び技術動向からのフォアキャストを基にして、モビリティ、製造・ロボット、ヘルスケアの3分野におけるMEMS研究開発戦略を策定しました。今後、この戦略を基に、研究開発プロジェクト化を目指していきます。

4.MNOIC事業が堅調に推移
 MNOIC(マイクロナノ・オープンイノベーションセンター)は、企業からのMEMS製品の工程受託が堅調で、大学・研究機関からの研究受託や企業向け試作支援も増加し、2025年度の事業収入も過去最高となる見込みです。その一方で持続可能な成長に向けたMEMS製造装置の更新などのインフラ整備にも努めていきます。

5.産業動向調査委員会「フロンティア領域とMEMS/マイクロナノ技術」の調査に着手
 経産省/NEDO事業であるフロンティア育成事業で提示されました、フロンティア領域・技術シーズからMEMS/マイクロナノ技術の貢献が期待されるものを抽出し、それらの開発動向と将来展望についての調査に着手しました。その一環としてMEMS展の中で1月29日に「マイクロナノが支えるフロンティア領域」と題するセミナーを開催します。

6.NEDO先導研究プログラムMESHの開発は順調に推移
 電気通信大学、産総研、当センターで実施中の「メタサーフェスSiハイパースペクトル赤外光センシングデバイス(MESH:Meta Surface Si Hyper spectral infrared light sensing device)」ではプロセス開発並びに試作が計画どおりに進捗しており、当センターではメタサーフェスの試作やマイクロ工学系との融合等を担当しています。チームとしては2026年度以降の研究継続に向けて、研究開発のとりまとめに注力しています。

7.MEMS展2025は盛況裡に終了
  (MEMS展2026は2026年1月28日~30日開催)

 「MEMSセンシング&ネットワークシステム展2025」を2025年1月29日~31日に、東京ビッグサイトで開催し盛況の内に閉幕しました。来場者は42,089名に上りました。MMCブースでは、各種事業の展示を行いましたが、特に上述のSiM調査の成果パネルへの反響は高いものとなりました。また会議棟で開催した各セミナーはいずれも満席となり、関心の高さがうかがえました。MEMS展2026も1月28日~30日、東京ビッグサイト西2ホールで開催を予定しておりますので、奮ってのご参加よろしくお願いいたします。

8.MEMS協議会・海外調査報告会の開催や第28回国際マイクロマシンサミット2025への参加等、国際交流事業を活発化
 海外調査報告会を3月26日にハイブリッドで開催し、200名以上の方にご参加いただき、PNT Technologiesの山下雅樹氏を特別講師とし「タイミングデバイスの世界動向」の特別講演をいただくとともに、MMC事務局からはIEEE MEMS2024、2025APCOT2024等の国際会議報告や標準化国際会議報告などを行いました。また、国際マイクロマシンサミット(2025年6月2日~5日、モントリオール)には東京大学伊藤寿浩教授をチーフデリゲイトとして参加しています。そのほかにも国内外の国際会議等に積極的に参加し、国際交流事業を活発に実施しました。

9. MEMSの国際標準化事業を積極的に推進

(1)フレキシブルMEMSデバイスの国際標準化に関し「IEC1906賞」受賞

IEC TC47/SC47F(MEMS)国内審議団体である当センターが組成したフレキシブルMEMSデバイスに関する国際規格起案検討委員会委員である近畿大学 宍戸 信之准教授がフレキシブルMEMSデバイスの信頼性試験法に関する国際規格制定への貢献が認められ、「IEC1906賞」を受賞されました。

(2)IEC TC47国際標準化全体会議が東京で開催

IEC TC47(半導体分野技術委員会)の国際標準化全体会議が、11月17日~21日に東京で開催され、SC47F(MEMS分野)に関する会議に当センターは国際幹事として参加しました。TC47/SC47F/ WG1-3&MT1会議には各国から33名(日本5名、韓国19名、中国7名、他2名)が参加し、国際規格制定に向け審議を前進させることができました。

10.マイクロマシンセンター/MEMS協議会で官民の積極的な交流を実施
 2025年度、日立製作所の 鮫嶋茂稔 執行役常務(CTO) がマイクロマシンセンター理事長に就任され、新体制が始動しました。6月にはMEMS協議会・推進委員会、12月にはMEMS懇話会を開催し、経済産業省、NEDO、産総研と会員企業の委員との間で、我が国MEMS産業の再興などを中心に、活発な意見交換を行いました。

 

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2025年7月 9日 (水)

マイクロマシンセンター各種委員会およびMEMS協議会活動について

 今年は梅雨明けを待つことなく、既に暑い日が続いておりますが、マイクロマシンセンターでは、各種委員会及びMEMS協議会の活動を精力的に実施しております。

 まず、6月5日に、今年度第1回のMEMS事業者連携委員会(委員長:東京大学 年吉洋教授)を開催し、経済安全保障を中心に今年度のテーマにする事案について検討を行いました。(詳細はこちらのブログ記事をご覧ください。
 6月16日には、国際交流委員会(委員長:東京大学 伊藤寿浩教授)をオンラインで開催し、今年度の国際関連イベントの開催状況や、既に開催された第28回国際マイクロマシンサミット2025(カナダ・モントリオール6月2日-5日)の参加報告がありました。(詳細は、こちらのブログ記事をご覧ください。
 また、6月23日には、MEMS協議会活動をサポートする産業交流委員会を書面開催し、本協議会の昨年度活動結果と今年度活動計画について報告いたしました。

 さらに、7月2日には、Monthlyトピックス2に示したように、第1回産業動向調査委員会を開催しています。
 
 さて、MEMS協議会活動全般をとりまとめるMEMS協議会推進委員会は、6月30日、霞が関官庁街に隣接したAP虎ノ門会議室で開催されました。(写真1)
 まず、鮫嶋茂稔理事長(MEMS協議会会長)(写真2)による主催者挨拶として、MEMS事業者連携委員会において引き続きMEMSの競争力回復に向けた政策提言等に努めることや、MNOIC事業が工程受託を中心に事業量を増やし、着実に活動を進めていることなどのお話がありました。
 次に、経済産業省 情報産業課デバイス・半導体戦略室長の清水英路様(写真3)から、最新の「半導体・デジタル産業戦略の現状と今後」についての説明があり、三つのステップによるAI・半導体産業支援を積極的に進めていること、生成AIの本格社会実装時代を見据え、ロジック領域の技術・産業基盤の充実・強化のみならず、先端メモリへの投資拡大や次世代メモリの開発促進、アナログ・レガシー領域を含めた国内供給の多様性確保など、半導体を取り巻く「総合力」を高めるために政府として取り組んでいくことなどが紹介されました。また、MEMSについても、1年ぶりに記述が復活となり官民で政策のアプローチを検討していくことが示されました。

 経産省のイノベーション政策課やIEC課等からの政策紹介やNEDO、産総研関連部門からの活動紹介などののち、MEMS協議会メンバーからは生成AIの出現により社会実装できなかった過去のプロジェクトの成果を再価値化できるのではないかとの声や、MNOIC事業のユーザーとして装置の高度化や老朽化対策を是非お願いしたいなど、多くの意見をいただくことが出来ました。

 最後に評議員などのご来賓や、アソシエートメンバー等も含め約50名を超える参加者で行われたメンバー交流会では、企業や大学の枠を超えた本音の議論が繰り広げられ、半導体に大きな予算がついている中、MEMSにもどのように予算を付けていただけるようにするか、MEMS人材をどう確保・育成していくか、などが話題となっていました。本メンバー交流会のようなリアルに顔を合わせて議論を行う機会の重要性・貴重性をますます実感したところです。

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(写真1)2025MEMS協議会推進委員会

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  (写真2)鮫嶋茂稔理事長  (写真3)清水デバイス・半導体戦略室長

 

(MEMS協議会事務局 濱田直春)

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2025年5月 9日 (金)

「MEMS Engineer Forum 2025(MEF2025)」出展報告

 4月16日(水)~17日(木)に、ここ数年連続して会場となっている東京両国のKFCホール(写真1)にて、MMCは、MNOIC(MicroNano Open Innovation Center)事業を紹介するパネル展示を行いましたので、簡単に報告いたします(写真2,3)。
 MEFは国内外企業からの出資によりエンジニアを中心に運営され、シンポジウムと併設技術展示会の両輪で、MEMSに関する基礎技術ならびに隣接分野の技術において、エンジニアならではの視点と技量で、新しいカタチを形成し、そして融合させるユニークは国際会議です。今年の参加人数は930名で、別途ライブオンラインで337名視聴があり、筆者の記憶では過去最大級の参加者数です。また、今回も世界のトップクラスの講演者を揃え、参加者も最前線で活躍するエンジニアが多く、広報活動やマーケティングに効果的な会議で、MMCからも至近距離の会場であることも魅力の一つです。

 オープニング後のセッション” Latest trend of MEMS-1 “では“Unveiling the Future: Exploring the Transformative Power of Hearables and Wearables”と題して、Bosch SensortecのDr. Stefan Finkbeiner CEOから、ヒアラブルデバイスとウェアラブルデバイスは、MEMSセンサの主要技術と販売量の牽引役であり、特にヒアラブルデバイスは、コネクテッドセンシングを新たなレベルに引き上げるとの発表がありました。

 これ以外の注目講演としては、米国Science Dr. Kara Zappitelli氏から”The Role of MEMS in the Burgeoning Brain Computer Interface Industry”と題して、BCI(Brain Computer Interface)に関するファブレス企業を支援する「Science Foundry」の展開、標準CMOSでは対応困難な生体適合材料や電極材料などの提供について紹介されました。またスウェーデンIn2great Materials Dr. Arne Quellmalz氏から”Wafer-level integration of 2D materials for back-end of line applications”と題して、グラフェンやTMD(Transition metal dichalcogenide)などの2次元材料を半導体後工程(Back-End of Line)に統合するための接合技術、高品質な2D材料を用いたFETデバイスやメンブレンなどの実証について紹介されました。

 展示はKFC Hall (3F)・KFC Hall 2nd (2F) ・KFC Hall Annex の3か所に分かれて開催され、国内外55社・機関からの出展があり、またスポンサー企業数は24社と、こちらも過去最大級と盛況でした。基調講演の前には、ゴールドスポンサー企業のショートプロモーションビデオが放映され、スポンサー企業への配慮も感じられました。

 Web上で情報収集をすることが主流の現代で、この学会の参加者との議論は、ユーザーニーズなどに関し直接会話ができるは貴重な場所です。本会議は毎年開催されており、次回は(第17回MEF)は2026年4月21日(火)~22日(水)KFCホールでの開催を予定されています。

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写真1 会場のKFCホール

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写真2 MEF2025

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写真3 MNOICパネル展示

(MEMS協議会 渡辺 秀明)

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2025年4月 4日 (金)

マイクロマシンセンター 令和7年度事業計画について

 令和7年度事業において一般財団法人マイクロマシンセンターは、Society5.0の実現やDX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)の推進に不可欠なマイクロマシン/MEMS分野及びスマートセンシング分野(以下、「マイクロマシン/MEMS分野等」という。)の一層の発展を支援するため、非営利セクターとしての利点を活かしながら、以下のとおり、基盤技術の研究開発、事業環境整備及び普及促進のための取組みを一層強化していきます。

1. MEMS協議会事業では、まず、一昨年度に設置したMEMS事業者連携委員会において、引き続きMEMS事業者の抱える課題等を分析し、競争力を高めていくための方策の検討を行い、政策提言活動を行います。
 また、MEMS分野におけるオープンイノベーション実践の我が国最大の拠点となったMNOIC(マイクロナノオープンイノベーションセンター)について、広範なユーザーからの多様な要望に応えていくことを目指して、更なる体制整備や活動強化に努めます。
 その他に、スマートセンシング&ネットワーク(SSN)研究会においては、これまで実施してきたWG活動から、複数のナショナルプロジェクトが生まれるなど、一定の成果を上げてきましたが、本年度も産業技術力強化のためのプロジェクト提案を目指して研究会活動を推進します。

2. 我が国マイクロマシン/MEMS分野等のイノベーション創出に寄与し、Society5.0の実現やDX、GXの推進にも貢献すべく、本年度も、国/NEDO等が主導する以下の先端技術に係る研究開発プロジェクトや国際標準化の推進への取組みに参加します。
(1) メタサーフェスSiハイパースペクトル赤外光センシングデバイス
(MESH)
令和5年度~令和8年度

3. その他、マイクロマシン/MEMS分野等の国内外の技術動向や産業動向の調査をはじめとする調査研究、MEMSセンシング&ネットワークシステム展の開催なども含めた内外関係機関との交流・協力、標準化の推進など、これまで当センターが推進してきた諸活動も引き続き拡充強化しつつ実施していきます。
 また、これらの活動の広報や成果発信のために、インターネット上でのホームページ、ブログ及び月例ニュース(MICRONANO Monthly)など多様な媒体を活用した情報発信・情報公開に努めます。

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2025年2月 7日 (金)

MEMSセンシング&ネットワークシステム展2025 開催報告 (2025年1月29日~1月31日)

 マイクロマシンセンター(MMC)は、2025年1月29日(水)から1月31日(金)までの3日間、東京ビッグサイトで開催された「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」を主催しました。
 MMCブースでは、研究開発プロジェクトとして「未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査(中間報告)(SiM: Study of innovative MEMS for coming society)」、「メタサーフェスSiハイパースペクトル赤外光センシングデバイス (MESH: Metasurface Si Hyperspectral Infrared Sensing Device)」、「MEMS事業者連携委員会」の紹介を始め、MNOIC事業、標準化事業、調査研究事業などを展示しました。

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写真1 MMC展示ブース

 ブース展示とともに例年通り各種講演会も開催いたしました。1月29日は特別シンポジウム「MEMS・半導体次世代テクノロジーフォーラム」、1月30日は午前にTIA-MEMSウインターセミナー/MEMS講習会、午後に研究開発プロジェクト/SSN研究会公開シンポジウム、MEMS協議会フォーラムを開催しました。

 

●1月29日10:15~12:15
 特別シンポジウム「MEMS・半導体次世代テクノロジーフォーラム」
 @東5ホール シーズ&ニーズセミナーA

 本シンポジウムでは、MEMS、センサの実用化・応用先として期待される次世代テクノロジー(半導体、5G、IoT、DX、ロボット、AIなど)にフォーカス。次世代MEMS・半導体市場、最先端のMEMS・半導体技術が社会および産業に貢献するビジョンや方向性について、政策動向や最新情報を報告しました。

 まず「半導体・デジタル産業戦略の現状と今後」と題して、経済産業省情報産業課デバイス・半導体戦略室 室長 清水英路様から、我が国半導体産業復活の基本戦略として、我が国の半導体の安定的な供給に向けた先端半導体の製造基盤確保についてと経済安保推進法に基づく先端電子部品サプライチェーンの強靭化について説明がありました。またパッケージ技術、AI半導体設計技術など技術開発の重要性と人材育成の必要性についても説明がありました。さらに国としては経済安全保障の観点から半導体、電子部品に広げてきた支援策をさらにMEMSにも広げていきたい旨のお話もありました。

 次に富山大学下山勲学長の代理で、富山大学准教授 野田堅太郎様から「MEMS × エッジ処理チップ一体化で広がるアプリケーション」として、MEMSで収集した大量のデータをエッジ処理して特徴データだけを抽出する機能を一体化チップとして構築できると、様々なアプリケーションに適用することが可能であると、インフラモニタリング、モーションキャプチャ、血流測定等の例を挙げて紹介いただきました。

 3番目の講演は、「センシングシステムの研究開発動向」というタイトルで、産業技術総合研究所センシングシステム研究センター副研究センター長 吉田学様から、産総研で開発してきたセンシング技術、センサ製造技術とその適用事例の紹介と、今後それらの技術を活かした半導体産業への貢献、展望について紹介いただきました。

 本フォーラム最後は「0-100vol.%で高精度・高信頼性を実現したMEMS水素センサが切り拓く水素社会」と題して、ローム株式会社基幹技術研究開発部技術主幹 赤坂俊輔様から、カーボンニュートラルの実現に大きく貢献する水素エネルギーの利用において、社会実装のために必要な高精度なセンシングと高い信頼性を備えた、ロームが取り組む高精度熱伝導式水素センサの技術と開発の方向性、期待されるアプリケーションについて紹介いただきました。

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写真2 特別シンポジウム

●1月30日10:30~12:15
 TIA MEMS ウインターセミナー/MEMS講習会
 @会議棟606会議室

 例年通り、主に学生や若手技術者向けにTIAの次世代育成事業に協力して実施するTIA-MEMSウインターセミナー MEMS講習会を開催しました。

 まず「見えない分子を可視化するMEMS分子認識センサ」と題して、豊橋技術科学大学次世代半導体・センサ科学研究所教授 高橋一浩様から、全国の大学で唯一、半導体LSI-MEMSの一貫製造が可能な施設を有している豊橋技術科学大学の開発環境と人材育成の環境の紹介と、この施設で開発したMEMSセンサとして、家庭において体温計や体重計の感覚で病気を測るセンサシステムや感染症対策のための環境計測型センサを紹介いただき、またこれらのセンサを適用した在宅検査・遠隔医療のアプリケーションについても紹介いただきました。

 次に「マルテンサイトエピタキシー」と題して、株式会社Gaianixx CSO 木島健様から同社のコアテクノロジーである「マルテンサイトエピタキシー」の紹介がありました。「マルテンサイトエピタキシー」では従来困難とされてきた多層での高品質単結晶化を「多能性®中間膜」と「動的格子マッチング」で可能とし、分野を問わず既存デバイスの飛躍的な革新に貢献できるデバイスの提供が可能であるとの説明がありました。

※株式会社Gaianixx: 半導体の高付加価値化、軽薄短小化、低価格化実現に必要不可欠な単結晶膜を、独自に多能性®中間膜を駆使して開発製造する東京大学発のスタートアップ企業。

 3番目の講演は、「低消費電力MEMSセンサ・回路の協調最適設計技術」題して、産業技術総合研究所先端半導体研究センター主任研究員・ラボチーム長 秋田一平様から、IoT時代におけるセンサ・アクチュエータにおいて、その機能や性能を効率よく引き出すために重要な役割を担っているアナログフロントエンド回路の低消費電力設計の手法であるMEMSセンサ・回路の協調最適設計技術について紹介いただきました。

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写真3 TIAウインターセミナー

●1月30日13:30~15:00
 研究開発プロジェクト成果報告会/SSN研究会公開シンポジウム
 @会議棟606会議室

 本報告会では、持続可能な社会の実現を目指してマイクロマシンセンターが現在取り組んでいる新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の調査委託で2024年度に受託した「未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査」の中間報告並びにアプリケーション技術についての報告がなされました。

 冒頭、本プロジェクトのご担当であるNEDO AIロボット部量子チーム主任 永井弥夕様からご挨拶として、本プロジェクトは2035年の未来社会において求められるMEMSセンシングデバイスの仕様や開発すべきMEMS技術を明確にして日本のMEMS研究開発戦略の策定を担うために行う調査である旨の紹介がございました。

 1番目の講演として「MEMSセンシングデバイスの市場・技術動向と2035年の将来像」というタイトルで三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社デジタルトランスフォーメーション推進部 岩﨑拓也様から、本プロジェクトは現在のフォアキャストと2035年からのバックキャストから2035年の将来像の想定を行うため、フォアキャスト情報としての現在の市場動向と技術動向、バックキャスト情報として現在検討を行なっているMEMSセンシングデバイスが実現する2035年の未来社会像の紹介をするとともに、2035年に期待されるMEMSデバイスについての紹介がありました。

 次に「医療におけるビッグデータ、AI・DX活用について」というタイトルで国立循環器病研究センター予防医学・疫学情報部部長 西村邦宏様から、AI革命の開始から20年間で様々な医療分野においてビッグデータ、ディープラーニング、DX化が急速に普及しつつある中、国立循環器病研究センターが行っているビッグデータ、ディープラーニング等の活用事例並びに将来展望について紹介がありました。

 3番目の講演では「労働者不足課題に対するCPSを基盤としたIoT、AI、ロボット活用」というタイトルで産業技術総合研究所 情報・人間工学領域インダストリアルCPS研究センター 研究センター長 谷川民生様から、少子高齢化が進むことにより生産年齢人口の減少から生じる人手不足が現在の社会的課題であり、この課題を解決するための、労働集約型産業においては生産性維持のためにサイバーフィジカルシステム(CPS)を基盤としたIoT、AI、ロボット技術を活用した人と機械の協調システムの必要性、並びに現在産総研が検証を行っているシステム事例を紹介いただきました。

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写真4 研究開発プロジェクト成果報告会/SSN研究開発公開シンポジウム

●1月30日15:15~16:35
 MEMS協議会フォーラム
 @会議棟606会議室

 本フォーラムでは、MEMS協議会として長年続けている「国内外技術調査」とMMCが現在進めているMEMS再興に関する議論について最新の報告がありました。

 まず、「最新の国際会議を通してみるMEMS関連研究の動向」というタイトルで、長年MEMSの国際会議運営に携わってきた立命館大学理工学部 小西聡先生から、最近のMEMS関連国際会議からIEEE MEMS2024、APCOT2024を取り上げ、これまでとの比較も含めた国際学会発表の分析結果についてわかりやすく紹介いただきました。

 次に、「我が国MEMS産業の再興に向けて~MEMS事業者連携委員会の活動より~」というタイトルで、弊センター専務理事 長谷川から、MEMS産業の動向とMEMS事業者連携委員会で行っている我が国MEMS産業再興にむけての議論についての紹介がありました。また現時点での議論として、経済安全保障の対象にMEMSを含めてもらうべく経済産業省に働きかけているとの説明がありました。

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写真5 MEMS協議会フォーラム

 各講演会の会場は満席となり、今回の講演テーマに対する関心の高さがうかがえました。
2026年度は2026年1月28日~30日、東京ビッグサイト南・西ホールで開催を予定しております。

 (MEMS協議会 八嶋 昇)

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2025年1月10日 (金)

MEMS協議会 2024年度MEMS懇話会開催(2024年12月26日)

 MEMS懇話会は、MEMS協議会正メンバーの委員と経済産業省など行政側との意見交換を行う、年に一度の貴重な行事となっております。今年度のMEMS懇話会は、年の瀬の12月26日に、マイクロマシン・MEMS分野に係る現状及び各企業の取組みとMEMS産業復興に向けた行政側への要望等について、オンラインで意見交換を行いました(写真1)。


 最初に西澤格MEMS協議会会長(マイクロマシンセンター理事長)による主催者挨拶があり(写真2)、2023年度に立ち上げたMEMS事業者連携委員会及びNEDOから受託した「未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査(SiM)」事業において、今後のMEMS研究開発戦略の議論を深めていることなどが紹介されました。

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写真1 オンライン会議の様子  写真2 西澤MEMS協議会会長 挨拶

 続いて、経済産業省 情報産業課 企画官の小林健氏から、最近の政策動向として、「半導体戦略の現状と今後」について紹介され(写真3)、12月23日に情報がアップデートされたばかりの国の半導体・デジタル戦略に基づき、半導体デバイスに関する部分を中心に、先端半導体製造基盤の確保、サプライチェーンの強靭化、後工程の技術開発、人材育成、「AI・半導体産業基盤強化フレーム」の策定方針、経済安全保障の観点からの支援の在り方などを説明いただきました。

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写真3 「半導体戦略の現状と今後」最新の政策紹介

 次に、長谷川英一MEMS協議会事務局長(マイクロマシンセンター副理事長・専務理事)から、MEMS事業者連携委員会の活動報告とMEMS産業の動向、昨年度に取りまとめた我が国MEMS事業者の動向に関する調査報告に基づく今年度のMEMS事業者連携委員会での議論の状況、特に経済安全保障推進法上の特定重要物資へのMEMSの指定を強く要望していることなどについて報告しました。

 これらの2つの話題提供の後、経済産業省、NEDO、産総研との意見交換が始まりました。今年度のテーマは「MEMSに関する自社の取組みと、MEMS産業再興のための行政への要望について」についてです。
 この中では、

  • 産官学各機関の技術力底上げと海外に対する競争力強化のため、技術開発と製品量産における投資、MEMSプロセス標準化の推進、技術者の人材育成への政府からの支援が必要。
  • 海外のデバイスメーカーやファウンドリへの過剰な依存を回避するため、産学一体となって取り組む開発拠点や体制構築について、最先端ロジック/メモリやアナログ等従来型半導体に加え、MEMS分野においても支援が必要。
  • 様々なMEMSデバイスに対応可能なプラットフォーム的なMEMS工場の立ち上げ、効率的なMEMS設計手法の確立等、国プロを通した形の親和性のあるテーマではないか。
  • 企業の競争力強化と国内MEMS産業拡大のため、先進的なMEMS製造ライン構築に向けた設備の導入・更新、プロセス技術開発への支援が必要。
  • MEMSに対する政策的投資の後押し、人材育成の観点からの産学連携推進、MEMSのインテリジェント化について、「学」の立場からも積極的に関与していきたい。

といった意見が出されました。
 それらを受けて、経済省、NEDO、産総研から、MEMSの高精度化へ向けた産業界から国への直接の要望をもっと届けてほしい、革新的・先進的センサ技術の開発に期待している、支援プログラムを活用して社会変革を視野に入れた技術を提案してほしい、整備中のつくばの装置・設備についてぜひ活用を検討いただきたい、といったコメントが出されました。

 今後MEMS協議会としては、本懇話会で出された意見を参考にして、日本のMEMS産業再興のために必要な研究開発を順次提案できるよう、SSN(スマートセンシング&ネットワーク)研究会やMEMS事業者連携委員会などにおいて多くのプレーヤーとともに検討を進めて参ります。

(MEMS協議会 事務局 濱田直春)

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2024年12月27日 (金)

新年のご挨拶(MMC 2024年10大ニュース)

 新年あけましておめでとうございます。

  OECDの世界経済見通しによれば、2024年は世界経済の成長率が3.2%であったところ、2025 年は貿易摩擦や保護主義の高まり、地政学的紛争激化などのリスクもあり、インフレは和らいだものの、3.3%に留まるとの予想をしています。日本については、24年はマイナス0.3%と、G7中最低であったところ、景気刺激策を追い風に25年は1.5%のプラス成長を回復するとされています。

 そのような中において、世界の半導体はWSTS2412月予測によれば、全半導体では11.2%増の6,871億ドルに、そのうちのSensor & ActuatorMEMSとほぼ同義)は7.0%増の200億ドルに拡大するであろうとされています。我が国政府も社会課題の解決と持続的な経済成長の実現に向けては、DXGXの推進を中心に据え、それを支える柱の一つがAI・半導体であるとしています。

 経済産業省においても、半導体・デジタル産業を「国家事業」と位置づけ、20216月に策定した「半導体・デジタル産業戦略」を「経済安全保障推進法」とも関連させて発展させ、その政策的支援を加速されているところですが、MEMSもその波に乗せていただくべく、2023年に当センター内に設置しました「MEMS事業者連携委員会」において、我が国MEMS再興についての検討を精力的に進めています。ただ、現時点ではMEMSは半導体の中で唯一、経済安保の枠外という状況にあることから、その点も含め、さらに議論を深めてまいります。

 また、昨年NEDOから受託しました「未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査(SiM)」事業において、2035年を視野とするMEMS研究開発戦略の議論を深めており、これもMEMS再興への一つの重要な活動と位置付けています。

 さらにMNOIC(マイクロナノ・オープンイノベーションセンター)では、老朽化設備の更新を引き続き産業技術総合研究所にお願いしつつも、自前での新規設備投資も行い、MEMSの研究支援や工程受託などのユーザーのご要望に的確にお応えできるよう、運営に努めてまいります。

 さて当センターでは通算35回目にあたるマイクロナノ分野の展示会である「MEMSセンシング&ネットワークシステム展2025」を129日から31日にかけて東京ビッグサイトで開催いたします。今回も会場でのセンターの活動紹介、MNOICの紹介、研究開発報告とともに、各種セミナーを開催し、興味深い様々な技術報告を行います。セミナーの冒頭には経済産業省の情報産業課デバイス・半導体戦略室長に半導体・デジタル戦略関連のご講演をお願いしております。是非、多くの皆様にご来場いただき、今後のMEMSの発展のために当センターに対するご指導・ご支援を賜れれば幸いです。
 皆様方には以下のマイクロマシンセンターの2024年の10大ニュースをご覧いただき、このような私どもの活動状況をご賢察いただければ幸いです。

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マイクロマシンセンター
2024年10大ニュース
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1.報告書「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」に基づき「MEMS事業者連携委員会」で活発な意見交換を実施
(1)「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」報告書を3月にリリース
 産業動向調査委員会は、我が国MEMS産業の再興のため改めてMEMS事業者の動向調査を行い、国内MEMS関連事業者73社、大学・公的研究機関40機関の協力を得て2024年3月に報告書「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」並びに調査に協力いただいた法人のディレクトリをまとめました。
(2)MEMS事業者連携委員会で活発な意見交換
2023年11月から始動したMEMS事業者連携委員会では、前述の報告書の中で「MEMS戦略に関する期待」として整理された事項から、我が国のMEMS事業者が抱えている課題の抽出を行い、2024年は委員会を3月、6月、11月に開催し我が国MEMS産業の再興に向けた方向性をめぐって活発な意見交換を行いました。引き続き次回委員会(3月12日開催)ではこれまでの意見を集約し政策提言に向けてのとりまとめを行います。

2.2つのプロジェクト(HS-ULPACとBaMBI)が所望の成果をもって終了
(1)量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究(HS-ULPAC)
防衛装備庁令和元年度安全保障技術研究推進制度の中で「量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究(HS-ULPAC)」のプロジェクトを2020年3月から2023年度まで実施して参りました。この度2024年3月31日をもって、ほぼ所期の目標を達成して終了いたしました。
(2)血中成分の非侵襲連続超高感度計測デバイスおよび行動変容促進システムの研究開発(BaMBI)
2019年度にNEDO委託事業「IoT社会実現のための革新的センシング技術開発」の中でスタートした本事業は2022年度からは株式会社タニタ様主導の2年間の助成事業として継続、この度2024年3月31日に終了いたしました。当センターはウェアラブル中・遠赤外ディテクタプロセス試作を行い、非侵襲で血中成分のトレンドを追うことが可能な試作機を構築することができました。

3.NEDO「未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査」を受託
 2024年度に受託した本調査事業では、富山県立大学の下山勲学長を委員長に、東京大学の伊藤寿浩教授と東北大学の田中秀治教授を副委員長とする有識者委員会での議論及び有識者へのヒアリング調査等を通じて、2035年の社会像からのバックキャスト及びMEMS市場/技術動向からのフォアキャストから、日本のMEMS研究開発として実施すべき項目を抽出するとともに、フィージビリティスタディでその研究開発内容を明らかにして、日本のMEMS研究開発戦略を策定しています。

4.MEMS展示会並びにセミナーは来場者増で盛況に終了
例年通り当センターが主催する「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」を2024年1月31日から2月2日までの3日間、東京ビッグサイトで盛況裡に開催しました。会場への来場者は前回より1万人以上多く、MMCブースでは、研究開発プロジェクトの紹介をはじめ、MNOIC事業、標準化事業、MEMS事業者連携委員会の概要などを展示しました。また当センター主催のセミナーは全て展示ホール内のセミナー会場で行われましたが、どのセミナーも満席となるほど盛況で、今回の講演テーマに対する関心の高さがうかがえました。2025年は1月29日~31日、東京ビッグサイト東ホールで開催を予定しております。奮ってのご参加をよろしくお願いいたします。

5.NEDO先導研究プログラム「MESH」の開発は順調に進捗
 電気通信大学、産業技術総合研究所と当センターの連名で実施中の「メタサーフェスSiハイパースペクトル赤外光センシングデバイス」ではプロセスの開発並びに試作が計画通りに進捗しており、当センターではメタサーフェスの試作やマイクロ工学系との融合等を担当しています。

6.MNOIC事業は堅調に推移
 MNOICユーザーの現行製品の継続的な製造および次期製品に向けた開発試作等を請け負う工程受託が堅調に推移している一方で、産総研との連携による研究受託や企業ユーザー向けの研究試作支援など、将来の高機能MEMSデバイスを目指した取り組み案件も着実に増加しています。また、工程の効率化を図るため、新たにリフトオフ装置、レーザマーカ、チップソータを導入し稼働を開始しています。

7.MEMS協議会・海外調査報告会の開催や第27回国際マイクロマシンサミット2024への参加等、国際交流事業を活発化
 新型コロナの影響で5年ぶりの開催となった海外調査報告会を3月4日にハイブリッドで開催し、オンライン109名を含む137名の方にご参加いただき、世界の最新MEMS動向等を広く紹介しました。また、当センターが1995年に開始した国際マイクロマシンサミットも第27回を数え、MEMS協議会副会長の東京大学伊藤寿浩教授をチーフデリゲイトとして、2024年5月、オーストラリアのゴールドコーストに派遣しました。そのほかにも国内外の国際会議等に積極的に参加し、国際交流事業を活発に実施しました。

8.2024年度MEMS協議会・推進委員会とメンバー交流会を開催
 7月10日、虎ノ門APの会場にて2024年度MEMS協議会・推進委員会を開催しました。経済産業省の清水情報産業課デバイス・半導体戦略室長から半導体政策の全体像についてご紹介いただいた後、2024年度の協議会活動、プロジェクトの状況等も含め、出席者の間で活発な意見交換が行われました。委員会終了後はMEMS協議会のメンバー交流会を開催し、ご参加いただいた50名以上の方々の間で、様々に情報交換や懇談が行われました。

9. MEMSの国際標準化事業を積極的に推進
 2021年度に国から受託した国際標準化事業では、薄膜圧電MEMSについての「Temperature and humidity test methods for piezoelectric MEMS cantilevers」と、フレキシブルMEMSデバイスについての「Test method of electrical characteristics under two-directional cyclic bending deformation for flexible micro-electromechanical devices」をIEC(国際電気標準会議)/TC47(Semiconductor devices)/SC47F(MEMS)に提案し承認を受けるという目標を達成し、2024年2月末に終了しました。当センターはSC47F国内審議団体として日本提案の規格案への理解獲得のためIEC会議等で積極的な活動を推進し、IEC/TC47/SC47Fでこれまでに発行されたMEMSに関する国際規格42件のうち、18件を日本提案規格とすることができています。

10.技術研究組合NMEMS技術研究機構の解散
 2011年7月に設立以降、多くの組合員が参加し、9つのプロジェクトを実施してまいりましたが、組合員の技術水準の向上を図るという所期の目的を達成することができましたので、2024年3月27日に開催されました臨時総会におきまして解散することが決議され、2024年3月31日をもって組合は解散いたしました。13年間に亘るご支援・ご協力、誠に有難うございました。

 

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2024年8月 6日 (火)

マイクロマシンセンター各種委員会及びMEMS協議会の活動について

 連日、暑さが続く中ですが、マイクロマシンセンターでは、各種委員会及びMEMS協議会の活動を精力的に実施しております。

 まず、6月13日に、今年度第1回のMEMS事業者連携委員会(委員長:東京大学 年吉洋教授)を開催し、主に人材育成、ファウンドリ及び研究拠点について議論を行いました。(詳細は7月のブログをご覧ください。
 6月28日には、国際交流委員会(委員長:東京大学 伊藤寿浩教授)を対面で開催し、今年度の国際関連イベントの開催状況や、既に開催された第27回国際マイクロマシンサミット2024(オーストラリア5月26日-29日)の参加報告(詳細は7月のブログをご覧ください。)がありました。また、同日、上記MEMS事業者連携と国際交流以外のMEMS協議会活動をサポートする産業交流委員会を書面開催し、本協議会の昨年度活動結果と今年度活動計画について、報告いたしました。

 さらに、7月4日には、今年度MMCが受託した、NEDO委託調査事業「未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査(Study of innovative MEMS for coming society (SiM)」の第2回委員会がオンライン開催されました。本調査の開始については6月のマンスリーに掲載していますが、2035年の社会像(主にモビリティ、ものづくり、スマートライフ分野)からのバックキャスト及びMEMSの市場及び技術動向からのフォアキャストを基にして日本のMEMS開発戦略を策定しようとするものです。SiM委員会(委員長:富山県立大学 下山勲学長)は5月22日に第1回を開催して、全体の調査方法等を議論し、7月4日は第2回目で、上述の各分野の社会像について、委員からの報告と議論が行われました。
 
 さて、MEMS協議会活動全般をとりまとめるMEMS協議会推進委員会は、7月10日、霞が関官庁街に隣接したAP虎ノ門会議室で開催されました。
 まず、西澤格理事長(MEMS協議会会長)による主催者挨拶として(写真1)、NEDOから受託したSiM調査事業について、MEMS事業者連携委員会とも連携しながら進めていることや、MNOIC事業が工程受託を中心に着実に拡大していることなどのお話がありました。
 次に、経済産業省情報産業課デバイス・半導体戦略室長の清水英路様から(写真2)、最新の「半導体政策」についての説明があり、令和5年度補正予算2兆円を活用した各種施策が順調に進んでいることや、AI/最先端半導体技術を起点にした経済成長の実現に向けたエコシステムが現政権のアジェンダとなっており、今まで米欧に比べて競争力が低いとされたアプリケーション産業を含めた競争力強化に政府としても注力されるとのことでした。なお、MEMSについても、電子部品が経済安全保障の特定重要物資に指定されたことなどもあり、現行の支援策などでMEMSを含めたシステムなどへの支援が可能になってくるというような見通しも示されました。

 その後MEMS協議会活動についての議論に移り、IoTという用語が過去の言葉になりつつあり、それは情報を得るためのMEMSが当たり前に使われ、MEMSがないとソリューションが提供できない時代となり、この当たり前の先には何があるのかなど、多くの意見をいただくことが出来ました。

 最後にアソシエートメンバーと個人会員も含め約50名を超える参加者で行われたメンバー交流会では、企業や大学の枠を超えた本音の議論が繰り広げられ、MEMS、センサについて日本の勝ち筋をどう導くか、日本のMEMS事業者が連携してどのように伸ばしていくべきかなどが話題となっていました。ネットを介してコミュニケーションを取る方法は拡大していますが、本メンバー交流会のような顔を合わせての議論に勝るものはないと改めて実感したところです。

(MEMS協議会事務局 渡辺秀明)

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写真1 西澤会長挨拶   写真2清水デバイス・半導体戦略室長

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写真3 2024MEMS協議会推進委員会

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