活動全般

2024年8月 6日 (火)

マイクロマシンセンター各種委員会及びMEMS協議会の活動について

 連日、暑さが続く中ですが、マイクロマシンセンターでは、各種委員会及びMEMS協議会の活動を精力的に実施しております。

 まず、6月13日に、今年度第1回のMEMS事業者連携委員会(委員長:東京大学 年吉洋教授)を開催し、主に人材育成、ファウンドリ及び研究拠点について議論を行いました。(詳細は7月のブログをご覧ください。
 6月28日には、国際交流委員会(委員長:東京大学 伊藤寿浩教授)を対面で開催し、今年度の国際関連イベントの開催状況や、既に開催された第27回国際マイクロマシンサミット2024(オーストラリア5月26日-29日)の参加報告(詳細は7月のブログをご覧ください。)がありました。また、同日、上記MEMS事業者連携と国際交流以外のMEMS協議会活動をサポートする産業交流委員会を書面開催し、本協議会の昨年度活動結果と今年度活動計画について、報告いたしました。

 さらに、7月4日には、今年度MMCが受託した、NEDO委託調査事業「未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査(Study of innovative MEMS for coming society (SiM)」の第2回委員会がオンライン開催されました。本調査の開始については6月のマンスリーに掲載していますが、2035年の社会像(主にモビリティ、ものづくり、スマートライフ分野)からのバックキャスト及びMEMSの市場及び技術動向からのフォアキャストを基にして日本のMEMS開発戦略を策定しようとするものです。SiM委員会(委員長:富山県立大学 下山勲学長)は5月22日に第1回を開催して、全体の調査方法等を議論し、7月4日は第2回目で、上述の各分野の社会像について、委員からの報告と議論が行われました。
 
 さて、MEMS協議会活動全般をとりまとめるMEMS協議会推進委員会は、7月10日、霞が関官庁街に隣接したAP虎ノ門会議室で開催されました。
 まず、西澤格理事長(MEMS協議会会長)による主催者挨拶として(写真1)、NEDOから受託したSiM調査事業について、MEMS事業者連携委員会とも連携しながら進めていることや、MNOIC事業が工程受託を中心に着実に拡大していることなどのお話がありました。
 次に、経済産業省情報産業課デバイス・半導体戦略室長の清水英路様から(写真2)、最新の「半導体政策」についての説明があり、令和5年度補正予算2兆円を活用した各種施策が順調に進んでいることや、AI/最先端半導体技術を起点にした経済成長の実現に向けたエコシステムが現政権のアジェンダとなっており、今まで米欧に比べて競争力が低いとされたアプリケーション産業を含めた競争力強化に政府としても注力されるとのことでした。なお、MEMSについても、電子部品が経済安全保障の特定重要物資に指定されたことなどもあり、現行の支援策などでMEMSを含めたシステムなどへの支援が可能になってくるというような見通しも示されました。

 その後MEMS協議会活動についての議論に移り、IoTという用語が過去の言葉になりつつあり、それは情報を得るためのMEMSが当たり前に使われ、MEMSがないとソリューションが提供できない時代となり、この当たり前の先には何があるのかなど、多くの意見をいただくことが出来ました。

 最後にアソシエートメンバーと個人会員も含め約50名を超える参加者で行われたメンバー交流会では、企業や大学の枠を超えた本音の議論が繰り広げられ、MEMS、センサについて日本の勝ち筋をどう導くか、日本のMEMS事業者が連携してどのように伸ばしていくべきかなどが話題となっていました。ネットを介してコミュニケーションを取る方法は拡大していますが、本メンバー交流会のような顔を合わせての議論に勝るものはないと改めて実感したところです。

(MEMS協議会事務局 渡辺秀明)

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写真1 西澤会長挨拶   写真2清水デバイス・半導体戦略室長

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写真3 2024MEMS協議会推進委員会

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2024年7月 8日 (月)

第1回MEMS事業者連携委員会開催報告 (2024年6月13日)

 今年度第1回MEMS事業者連携委員会(委員長:東京大学年吉洋教授)を、オンラインで50名程の事業者や大学の先生方のご参加を得て、2024年6月13日に開催いたしました。

 まず年吉委員長から、本日の議論は、昨年度末に取りまとめた「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」の中に提起された課題の中から、人材育成と、ファウンドリ及び研究拠点について取り上げたいとのお話があり、事務局からの状況の説明に続いて、議論が行われました。
 人材育成については、まずは半導体とMEMSは共通の部分が多いことから、MEMSも半導体の中で捉えて人材育成に当たるべきとの意見がありました。また、東北大で進められているARIM研修なども含めた先進的な人材育成について、大変参考になるものであり、それらのオンラインコンテンツの一層の活用なども提案されました。また、企業側が人材を大学に送り込んで育成することに加え、例えば寄付講座などで最初から企業がMEMS人材を登用するような環境作りも重要との意見もありました。
 ファウンドリ及び研究拠点については、設計まで含めたファウンドリサービスが求められているものの、対応できる人材が不足していることが課題として提起され、標準化されたプロセス、設計支援、人材育成、リソース投入の必要性等について議論されました。そのための、ファウンドリと研究拠点のネットワーク化などの重要性についても指摘されました。
 最後に、経産省の方から、MEMSの予算要求などに当たっては、エッジAIなどのMEMSとの相性が良いところなどを捉えて、半導体の文脈でMEMSを語るなどもあるのではないかとのご助言がありました。

 次回開催は本年9月以降を予定しています。


 なお、この「MEMS事業者連携委員会」は、MEMSに関する事業や研究を行われている事業者や、大学・公的研究機関の方々には、広く門戸を開放しておりますので、ご関心のある向きは、これからのご参加を歓迎いたします。
 委員会への参加には委員やオブザーバ等への登録が必要ですので、下記事務局の方にお問合せをいただければと思います。また当センターホームページからも登録可能です。


★MEMS事業者連携委員会ホームページ
   https://www.mmc.or.jp/mbcc/index.html

★MEMS事業者連携員会事務局
  メールアドレス

(MEMS事業者連携委員会事務局 八嶋 昇)

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2024年4月 1日 (月)

マイクロマシンセンター 令和6年度事業計画について

 令和6年度事業において一般財団法人マイクロマシンセンターは、Society5.0の実現やDX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)の推進に不可欠なマイクロマシン/MEMS分野及びスマートセンシング分野(以下、「マイクロマシン/MEMS分野等」という。)の一層の発展を支援するため、非営利セクターとしての利点を活かしながら、以下のとおり、基盤技術の研究開発、事業環境整備及び普及促進のための取組みを一層強化していきます。

1. MEMS協議会事業では、まず、昨年度に設置したMEMS事業者連携委員会において、MEMS事業者の抱える課題等を分析し、競争力を高めていくための方策の検討を行い、政策提言活動を行います。
 また、MEMS分野におけるオープンイノベーション実践の我が国最大の拠点となったMNOIC(マイクロナノオープンイノベーションセンター)について、広範なユーザーからの多様な要望に応えていくことを目指して、更なる体制整備や活動強化に努めます。
 その他に、スマートセンシング&ネットワーク(SSN)研究会においては、これまで実施してきたWG活動から、複数のナショナルプロジェクトが生まれるなど、一定の成果を上げてきましたが、本年度も産業技術力強化のためのプロジェクト提案を目指して研究会活動を推進します。

2. 我が国マイクロマシン/MEMS分野等のイノベーション創出に寄与し、Society5.0の実現やDX、GXの推進にも貢献すべく、本年度も、国/NEDO等が主導する以下の先端技術に係る研究開発プロジェクトや国際標準化の推進への取組みに参加します。

(1)  メタサーフェスSiハイパースペクトル赤外光センシングデバイス
       (MESH)
      令和5年度~令和9年度
(2)  振動発電エネルギーハーベスタの信頼性評価に関する国際標準化
      令和4年度~令和6年度

3. その他、マイクロマシン/MEMS分野等の国内外の技術動向や産業動向の調査をはじめとする調査研究、MEMSセンシング&ネットワークシステム展の開催なども含めた内外関係機関との交流・協力、標準化の推進など、これまで当センターが推進してきた諸活動も引き続き拡充強化しつつ実施していきます。
 また、これらの活動の広報や成果発信のために、インターネット上でのホームページ、ブログ及び月例ニュース(MICRONANO Monthly)など多様な媒体を活用した情報発信・情報公開に努めます。

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2024年3月29日 (金)

第2回MEMS事業者連携委員会開催報告 (2024年3月26日)

 第2回MEMS事業者連携委員会(委員長:東京大学年吉洋教授)を、ハイブリッドで60名程の事業者や大学の先生方のご参加を得て、2024年3月26日に開催いたしました。

 まず年吉委員長から、最近のアメリカにおいてはMEMSをアンビエントIoT(環境IoT)という言葉や、電源をなるべく使わないゼロエナジーデバイス(ZED)という新しい用語などで表現されつつあるというようなトピックスが示され、MEMSを異なる観点から見直していくと新しい知見が得られるかもしれないとのご挨拶をいただきました。

 委員会では、第1回で中間報告を行った産業動向調査委員会がまとめた「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」(最終案)について、100以上の事業者、大学等からのアンケート回答を集計分析し日本のMEMS事業の強みや弱み、そしてそれらの課題に対し今後必要となる取組みや、それらから得られた「MEMS戦略策定への期待」という報告書のまとめの部分についての報告が行われました。委員会では、その報告をもとに非常にに活発な議論が行われ、さらに来年度以降もそのような議論を継続していくことが確認されました。
 オンラインでご出席の経産省の小林健企画官からは、今回の議論などをもとに、MEMS戦略にもつながる技術開発プロジェクトの組成について検討されている状況や、それらに対して、是非、意見や提案を経産省に直接届けて欲しいとのお話がありました。

 次回開催は来年度5月以降を予定しています。

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委員会の様子

 なお、この「MEMS事業者連携委員会」は、MEMSに関する事業や研究を行われている事業者や、大学・公的研究機関の方々には、広く門戸を開放しておりますので、ご関心のある向きは、これからのご参加を歓迎いたします。
 委員会への参加はには委員やオブザーバー等への登録が必要ですので、下記事務局の方にお問合せをいただければと思います。また当センターホームページからも登録可能です。

★MEMS事業者連携委員会ホームページ
   https://www.mmc.or.jp/mbcc/index.html

★MEMS事業者連携員会事務局
  メールアドレス

(MEMS事業者連携委員会事務局 八嶋 昇)

 

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2024年1月 9日 (火)

新年のご挨拶(MMC/NMEMS 2023年10大ニュース)

 新年あけましておめでとうございます。

 OECDの世界経済見通しによれば、昨年は世界経済の成長率が2.9%であったところ、本年はなお地政学的リスクやインフレの影響で、2.7%と若干の低下となるものの、後半からは緩やかに回復するとされています。ただ、昨年の日本の国民一人当たりのGDPは為替レートの影響でG7の最下位になるなど、あまり気持ちが浮き立つようなところではありませんでした。

 そのような中においても日本の経済の浮揚を図るべく、経済産業省は半導体・デジタル産業を「国家事業」と位置づけ、2021年6月に策定した「半導体・デジタル産業戦略」を2023年6月に改定を行い、その戦略の中に「MEMS」を加えていくという方向を示されています。これを受けてマイクロマシンセンターとしましても、我が国MEMS産業界の実態を、IDMのみならず、ファウンドリや装置・材料なども含めて、もう一度把握し直した上で、その課題や政策要望などの検討を行なう場とする「MEMS事業者連携委員会」を昨年11月に発足いたしました。今年からは、MEMS事業者の抱える課題等の分析や競争力を高めていくための方策の検討を本格化してまいります。委員会では多くのMEMS関連事業者や大学・研究機関の皆様のご意見・ご要望を集約致したく、広く皆様の参加を募集しております。
 また当センターは今年もDX、GXの推進に不可欠な各種MEMSセンサの開発の一環として、非侵襲で血中成分を計測するBaMBIプロジェクトや、小型原子時計の基礎研究であるHS-ULPACプロジェクト、昨年7月に開始したSi半導体プロセスと親和性が高く高機能なSi製ハイパースペクトル赤外光センシングデバイスを実現するためのMESHプロジェクトを推進するとともに、MEMS戦略にも通じるような新たなプロジェクトの獲得を目指してまいります。

 さて、当センターでは通算34回目にあたるマイクロナノ分野の展示会である「MEMSセンシング&ネットワークシステム展2024」を1月31日から2月2日にかけて東京ビッグサイトで開催いたします。今回もセンターの活動紹介、MNOICの紹介、研究開発報告とともに、各種セミナーを開催し、興味深い様々な技術報告を行います。セミナーの冒頭には経済産業省の情報産業課デバイス・半導体戦略室長に半導体・デジタル戦略関連のご講演をお願いしております。是非、多くの皆様にご来場いただき、今後のMEMSの発展のために当センターに対するご指導・ご支援を賜れれば幸いです。
 皆様方には以下のマイクロマシンセンターの2023年の10大ニュースをご覧いただき、このような私どもの活動状況をご賢察いただければ幸いです。

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マイクロマシンセンター/NMEMS技術研究機構
2023年10大ニュース
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1.「MEMS事業者連携委員会」発⾜、活動開始
 経済産業省では、半導体・デジタル産業戦略の中にMEMS戦略も加えていく方向性を打ち出されました。当センターとしてもこれに呼応して我が国MEMS産業界の実態を、IDMのみならず、ファウンドリや装置・材料なども含めて、今⼀度把握し直した上で、MEMS事業者の抱える課題等を分析し、競争力を高めていくための方策や政策提⾔等を検討する「MEMS事業者連携委員会」を発⾜しました。
 第1回委員会を11月28日に開催し、60名以上の方々にご参加いただき、有意義な議論や情報交換が行われ、経産省からもご評価いただきました。
 また、「産業動向調査委員会」と連携してアンケートを実施、現在分析結果を基に活動の基盤作りを行っています。
 委員会では多くのMEMS関連事業者の皆様のご意見・ご要望を集約致したく、広くMEMS関連事業者の皆様の参加を募集しております。

2.「GXを支えるMEMS」報告書の発行、MEMS事業者動向調査など、
   産業動向調査委員会 活発に活動
 3月末には、産業動向調査報告書「グリーントランスフォーメーション(GX)を支えるMEMS」を発行し、GXに貢献するMEMSとは何かという観点から結果を取り纏めて、好評を得ました。
 また、2023年度からは「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」に着手し、MEMS事業者連携委員会と連携して、MEMS事業者動向調査を実施しています。
 現在は調査結果を分析し、MEMS産業・政策に関する報告書を取り纏めると伴に、国内MEMS事業者を分野別に網羅したディレクトリ作成に向けて活動しています。

3.日本機械学会マイクロ・ナノ工学部門「技術功績賞」受賞
 マイクロマシン技術研究開発プロジェクトをはじめ、マイクロ・ナノ工学分野の研究開発プロジェクトを数多く推進してきたこと、MEMS展や併催シンポジウム、マイクロマシン国際シンポジウムの開催、マイクロマシンサミット、MEMS関連調査、国際標準化等の事業を通して、当分野の概念を内外に広く普及してきたこと、さらにMEMS協議会やMNOICによりMEMS産業化を支援してきたことなど、マイクロマシンセンターの長年の活動がマイクロ・ナノ工学分野に多大に貢献したとして評価され、日本機械学会マイクロ・ナノ工学部門から『技術功績賞』を11月8日に受賞しました。

4.NEDO先導研究プログラム「MESH」受託
 「NEDO先導研究プログラム/未踏チャレンジ」に電気通信大学、産業技術総合研究所と連名で提案した「メタサーフェスSiハイパースペクトル赤外光センシングデバイス」(MESH)が採択され、7月1日から事業を開始しました。
 電気通信大学の菅哲朗教授をプロジェクトリーダーとして、10年後の実用化を目指しSi半導体プロセスと親和性の高いSi製ハイパースペクトル赤外光センシングデバイスの実現に取組んでまいります。

5.HS-ULPAC、BaMBI、最終年度迎え、目標に向けて邁進中
(5-1)BaMBI最終年度として研究開発継続中
「血中成分の非侵襲連続超高感度計測デバイス及び行動変容促進システムの研究開発」(BaMBI)は、助成事業の最終年度として、最終目標達成に向けラストスパートに入っています。
(5-2)HS-ULPAC最終目標達成を目指し研究を推進
 防衛装備庁安全保障技術研究推進制度で受託した「量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究(HS-ULPAC)では、移動体に搭載可能な高精度原子時計を実現するため、周波数変動要因を根本から解明するとともにプロトタイプを試作して実証・評価しています。MMCでは2023年度は最終年度になるため、最終目標達成を目指し、MEMSガスセル、実験室モデル量子部、プロトタイプ真空断熱型量子部の3次試作を行っています。

6.4年ぶりに「国際マイクロマシンサミット」参加等、
  国際交流活動を本格再開
 新型コロナウイルス感染症の影響により延期されていましたが、4年ぶりにマイクロマシンサミットが5月22日~24日、ルーマニアのブカレストで対面開催され、参加しました。
 また、4月18日に賛助会員のオクメティック株式会社の親会社のフィンランドOKMETIC OYから、11月22日には海外アフィリエートのドイツのFraunhofer ENASからの研究者の受入れ等を行い、国際交流を本格開始しました。

7.MNOIC事業堅調
 現行製品の継続した製造や次期製品に向けた開発試作などを請負う工程受託コースを中心に依頼が増加し、直近3年間で20%の平均成長率を達成しています。
 産総研と連携した研究受託や企業ユーザの試作支援など、将来のMEMS産業活性化に向けた取組み案件も着実に増加しています。

8.国際標準化WG会議のホスト国となるなど、国際標準化事業を推進
 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会) /SC47F(MEMS分野)の国際標準化WG会議を日本のホスト(マイクロマシンセンター主催)で、6月21 日~23日に、熊本県 熊本市国際交流会館にて開催しました。各国主査等と技術交流を図ることができ、各国でのデバイス開発状況やデバイス標準化検討項目など情報の共有ができ、充実した会議となりました。
 また、11月13日~17日には、フランクフルトでIEC/TC47の国際標準化全体会議が開催され、SC47FとTC47/WG7(半導体デバイス エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)に関連する会議に参加しました。各国からの参加者と活発な議論を交わし、規格案審議を着実に前進させることができました。

9.MEMS展示会、セミナーが盛況
 例年通り当センターが主催する「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」を2023年2月1日から3日の3日間、東京ビッグサイトで開催し盛況の内に閉幕しました。会場への来場者はコロナ禍が落ち着き、前回の3倍以上の方にご来場いただきました。MMCブースでは、研究開発プロジェクトの紹介を始め、MNOIC事業、標準化事業、SSN研究会の概要などを展示しました。
 また同時開催の次の5つのセミナー「MEMS・半導体次世代テクノロジーフォーラム」「TIA MEMS ウインターセミナー MEMS講習会」「研究開発プロジェクト成果報告会」「SSN研究会公開シンポジウム」「MEMS協議会フォーラム」では、何れのセミナーでも多くの聴衆が熱心に聞き入られていました。
 主な講演として「MEMS・半導体次世代テクノロジーフォーラム」では経済産業省情報産業課長の金指壽様に「半導体・デジタル産業戦略の現状と今後」と題して、半導体産業の現状と我が国半導体産業復活の基本戦略についてご説明いただき、「TIA MEMS ウインターセミナー MEMS講習会」では、筑波大学、東京大学、東北大学の先生から、MEMSに関係する研究の取組みや最新の研究成果についてご報告いただきました。
 今年は1月31日(水)~2月2日(金)に昨年と同様、東京ビッグサイトにおいて、nano tech展等と同時開催を予定しております。また今年もご来場頂けますよう関係者一同お待ちしております。

10.MMC、MEMS協議会の新体制が始動
 3月末に株式会社日立製作所の鈴木教洋様が当センターの理事長をご退任され、4月1日に株式会社日立製作所執行役常務の西澤格様が理事長にご就任されました。
 7月には、MEMS協議会推進委員会を東京虎ノ門グローバルスクエアにおいて4年ぶりに対面により開催しました。協議会副会長に就任された三菱電機株式会社上席執行役員の岡徹様が新委員長として委員会を進行され、西澤理事長にもMEMS協議会会長としてご出席いただきました。また、経済産業省商務情報政策局情報産業課の金指課長様に経済産業省の政策をご紹介いただいたほか、経済産業省、NEDO、産総研の方々と委員との間で意見交換が行われました。

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2023年12月27日 (水)

MEMS協議会 2023年度MEMS懇話会開催(2023年12月25日)

 MEMS懇話会はMEMS協議会正メンバーの委員と経済産業省など行政側との意見交換を行う年に一度の貴重な行事となっております。本年のMEMS懇話会は、年の瀬の12月25日にマイクロマシン・MEMS分野に係る今後の課題について、オンラインで意見交換を行いました(写真1)。

 最初に西澤格MEMS協議会会長(マイクロマシンセンター理事長)による主催者挨拶があり(写真2)、本年我が国MEMS事業者の実態調査を行うMEMS事業者連携委員会を立ち上げMEMS産業の競争力を高めていくための方策の検討を行っていることなどが紹介されました。

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 写真1 オンライン会議の様子  写真2 西澤MEMS協議会会長 挨拶

 続いて、経済産業省 情報産業課 デバイス・半導体戦略室長 清水英路氏から最近の政策動向として、「半導体・デジタル戦略」について紹介され(写真3)、この戦略に「MEMSの現状および今後の方向性」の項目が追加され、国内MEMS競争力強化に向け研究開発PJ組成の可能性を検討することなどを述べられました。

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写真3 「半導体・デジタル戦略」最新の政策紹介

 次に、長谷川英一MEMS協議会事務局長(マイクロマシンセンター副理事長・専務理事)から、MEMS事業者連携委員会の活動報告と、我が国MEMS事業者の動向に関する調査回答から、日本のMEMS事業の強みや弱み、そしてそれらの課題に対して今後必要となる取り組み等について報告しました。

 これらの2つの話題提供の後、経済産業省、NEDO,産総研との意見交換が始まりました。今年度のテーマは「MEMS戦略に向けて、自社でのMEMS関連事業の展開や研究開発への取組みと、行政・国研等への要望」についてです。
 この中で、最先端のロジック半導体のみならず、MEMSなどのセンシングデバイスも近年入手困難な状況であり、特にMEMSは、海外のデバイスメーカおよびファウンダリに強く依存しているのが現状で、ラピダスをはじめとする最先端ロジック半導体への投資に加えて、MEMSの供給安定に関しても今後注力して欲しいことや、自動運転技術の進化に向けて、ジャイロなどの慣性センサの高精度化は不可欠であり、ドライバーの状態を知るためのセンシング技術などチャレンジブルなセンサ技術の開発を行うことに対し、引き続き国の厚い支援をお願いしたいとの意見が出されました、それを受けて、経済省、NEDO、産総研から、DX(デジタルトランスフォーメーション)や、カーボンニュートラル実現に向けて、センサ、MEMSの活躍の場が益々広がるだろうなどのコメントが出されました。

 今後MEMS協議会としては、本懇話会で出された意見を参考にして、日本のMEMS競争力強化のために必要な研究開発を順次提案できるよう、SSN(スマートセンシング&ネットワーク)研究会やMEMS事業者連携委員会などにおいて多くのプレーヤーとともに検討を進めて参ります。

MEMS協議会 事務局 渡辺秀明

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2023年11月30日 (木)

第1回MEMS事業者連携委員会開催報告 (2023年11月28日)

 MEMS事業者連携委員会は委員長に東京大学年吉洋教授、来賓として経済産業省小林健企画官を迎え2023年11月28日に第1回委員会を開催いたしました。委員、協力委員、オブザーバ等、事業者や大学・公的研究機関の方々に、対面で20名、オンラインで40名程にご参加いただきました。

 まず委員長の年吉先生から日本のMEMS企業が海外に遅れてきているのは大学の研究者の努力が足りなかったのではないかという自省もあって委員長を引き受けさせていただいたとのご挨拶をいただきました。
 来賓の小林企画官からは経済産業省の半導体・デジタル産業戦略※1に「MEMSの現状および今後の方向性」のページを追加したが、さらに政策を進めるためには、産業界、学界からの声を経産省に届けて欲しいとのお話がありました。

 委員会の中心は、産業動向調査委員会がまとめている「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」アンケートの中間報告で、80以上の事業者、大学等からの回答から、日本のMEMS事業の強みや弱み、そしてそれらの課題に対して今後必要となる取り組み等について、非常に詳細な分析が示されました。それらを踏まえ、これからのMEMS事業者連携委員会の検討の方向性について、活発な議論が行われました。
 今年度の本委員会は産業動向調査委員会の報告書がまとまる3月頃に仕上げの議論を行い、来年度以降は、さらに具体的な政策提言等の検討をしていくこととしています。
 最後に小林企画官と年吉委員長からのご講評をいただき、2時間にわたる密度の濃い委員会は終了しました。

 以上の「開催報告」については、来年2月1日のMEMS協議会フォーラムにおいて、事務局より、一般の方々にも報告をさせていただきますので、是非そちらにもご参加をいただければと思います。
 なお、この「MEMS事業者連携委員会」ですが、MEMSに関する事業を少しでも行われている事業者の方々には、広く門戸を開放しておりますので、ご関心のある向きは、これからのご参加を歓迎いたしますので、どうぞ事務局の方にお問い合わせをいただければと思います。

※1 https://www.meti.go.jp/press/2023/06/20230606003/20230606003-1.pdf

(MEMS事業者連携委員会事務局 八嶋 昇)

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  年吉委員長(右)と小林企画官(左)        会議の様子

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2023年7月12日 (水)

マイクロマシンセンター委員会、MEMS協議会活動報告について

 新型コロナウイルス感染症の沈静化により「5類」に引き下げられたことに伴い、MEMS協議会をはじめとするマイクロマシンセンター(MMC)の各種委員会活動(図1)も、対面形式での開催が徐々に復活して参りました。

 まず、6月13日に、産業動向調査委員会(委員長:東京大学 竹内昌治教授)を3年ぶりに対面開催(一部オンライン参加)し、議論の結果、我が国のMEMS業界の企業が事業撤退や買収などで、その顔触れも大きく変化してきていることなどから、今年度の調査テーマは「日本のMEMS関連事業者の動向に関する調査」と決まり、MEMS産業界の実態と今後の展望についてまとめることになりました。また、本委員会後、オンライン講演会「我が国MEMS関連産業/技術の今後の展望について」を開催し、「MEMS事業者連携委員会」発足のガイダンスを行いました。

 6月15日には、MMCの調査研究事業委員会(委員長:東京都市大学 藤田博之教授)をオンライン開催し、傘下の産業動向調査委員会、国内外技術動向調査委員会の前年度の活動報告と本年度の計画などが報告されました。また、これらのMEMS協議会委員会活動全般を統括する産業交流委員会を6月26日に書面開催し、MEMS協議会の2022年度活動結果と2023年度活動計画について、報告いたしました。

 さらに7月3日には、新型コロナウイルスにより国際交流が難しかったことから、流会となった年もあった国際交流委員会(委員長:東京大学 伊藤寿浩教授)を4年ぶりに対面で開催し、スマートセンシング&ネットワーク研究会(SSN研究会)や国際標準化活動に貢献する国際交流を行うなどの活動計画が議論されました。 

 さて、本年度新理事長に就任された西澤格理事長(MEMS協議会会長も兼ねる。株式会社日立製作所 執行役常務 CTO)と西澤新MEMS協議会会長からMEMS協議会副会長に指名された岡徹副会長(三菱電機株式会社上席執行役 開発本部長)、そして留任の伊藤寿浩副会長(東大教授)、長谷川英一事務局長(MMC専務理事)からなるMEMS協議会執行部の新体制(写真1)が発足しました。

 この新体制でのMEMS協議会推進委員会が、7月6日、4年ぶりの対面形式で、霞が関官庁街からもほど近い東京虎ノ門グローバルスクエアコンファレンスで開催されました(写真2)。
 まず、西澤会長による主催者挨拶があり、SSN研究会のWGで新プロジェクト立上げに努めていることや、MNOIC事業が工程受託を中心に着実に拡大していることなどを述べました。
 次に、経済産業省情報産業課長の金指壽様から、今、最も旬な政策の一つの「半導体・デジタル産業戦略検討会議」での議論結果を中心とした、我が国の半導体産業復活の戦略について触れ、その中でMEMSがその他重要分野の一つに加えられたことなどを紹介されました。
 その後、本年度のMEMS協議会活動についての議論に移り、センシング技術をIoT、AIなどと高度に融合させることにより、製造現場など多様な場面でセンサの活躍する場所が増えるだろうなど、多くの意見をいただくことが出来ました。

 この後、アソシエートメンバーと個人会員も含め約50名を超える参加者で行われたメンバー交流会では、産官連携研究の進め方やIoT社会の実現に必要不可欠なセンサについての基盤技術についての議論も活発に行われました。7月4日に着任されたばかりの清水英路デバイス・半導体戦略室長も、このメンバー交流会に急遽ご参加され、ご挨拶いただきました。
 やはり、対面での開催は、参加者の当事者意識を高め、参加者が互いの顔を対面で見ることで、話し合いに積極的に参加するようになるため、MEMS協議会推進委員会、MEMS懇話会など、より重要な委員会は、対面形式での開催を目指したいと思います。

MEMS協議会事務局 渡辺秀明

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図1 2023年度 委員会構成
(図をクリックで拡大)

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写真1 2023MEMS協議会執行部

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写真2 2023MEMS協議会推進委員会

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2023年4月 3日 (月)

マイクロマシンセンター 令和5年度事業計画について

 令和5年度事業において一般財団法人マイクロマシンセンターは、Society5.0の実現やDX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)の推進に不可欠なマイクロマシン/MEMS分野及びスマートセンシング分野(以下、「マイクロマシン/MEMS分野等」という。)の一層の発展を支援するため、非営利セクターとしての利点を活かしながら、以下のとおり、基盤技術の研究開発、事業環境整備及び普及促進のための取組みを一層強化していきます。

1. MEMS協議会事業では、まず、MEMS分野におけるオープンイノベーション実践の我が国最大の拠点となったMNOIC(マイクロナノオープンイノベーションセンター)について、広範なユーザーからの多様な要望に応えていくことを目指して、更なる体制整備や活動強化に努めます。
 また、スマートセンシング&ネットワーク(SSN)研究会においては、これまで実施してきたWG活動から、複数のナショナルプロジェクトが生まれるなど、一定の成果を上げてきましたが、本年度も産業技術力強化のためのプロジェクト提案を目指して研究会活動を推進します。

2. 我が国マイクロマシン/MEMS分野等のイノベーション創出に寄与し、Society5.0の実現やDX、GXの推進にも貢献すべく、本年度も、国/NEDO等が主導する以下の先端技術に係る研究開発プロジェクトや国際標準化の推進への取組みに参加します。

(1) 血中成分の非侵襲連続超高感度計測デバイス及び行動変容促進システムの研究開発(BaMBI)
   令和元年度~令和5年度

(2) 量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究(HS-ULPAC)
   令和元年度~令和5年度

(3) 薄膜圧電MEMSデバイスの寿命試験及び多方向折り曲げ信頼性試験方法に関する国際標準化
   令和3年度~令和5年度

(4) 振動発電エネルギーハーベスタの信頼性評価に関する国際標準化
   令和4年度~令和6年度

(5) 持続的・包括的標準化活動強化事業
   令和5年度~令和7年度

3. その他、マイクロマシン/MEMS分野等の国内外の技術動向や産業動向の調査をはじめとする調査研究、MEMSセンシング&ネットワークシステム展の開催なども含めた内外関係機関との交流・協力、標準化の推進など、これまで当センターが推進してきた諸活動も引き続き拡充強化しつつ実施していきます。
 また、これらの活動の広報や成果発信のために、インターネット上でのホームページ、ブログ及び月例ニュース(MICRONANO Monthly)など多様な媒体を活用した情報発信・情報公開に努めます。

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2023年1月 6日 (金)

新年のご挨拶(MMC/NMEMS 2022年10大ニュース)

 新年あけましておめでとうございます。
 本年もMEMS・スマートセンシング技術の開発や普及に真摯に取り組み、国の目指す Society5.0 の実現に向けて微力ながらも貢献してまいりますので、引き続きご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。

 昨年は1月にマイクロマシンセンターの創立30周年を迎え、MEMSの過去30年を振り返るとともに、今後20年の展望をいたしました。それに従い、DX、GXの流れも踏まえつつ、新たなプロジェクトの模索などを行ってきましたが、コロナ禍もなかなか終息を見ず、ロシアによるウクライナ侵攻や急速な為替変動など、我々を取り巻く環境は引き続き厳しいものがあり、その道筋は容易なものではありませんでした。
 それでも、JEITAが12月に発表した「電子情報産業の世界生産見通し」によれば、2023年の世界生産は3.5兆ドルを超え、過去最高を更新する見通しとなっています。この明るい兆しのもと、当センターは今年もDX、GXの推進に不可欠な各種MEMSセンサの開発の一環として、非侵襲で血中成分を計測するBaMBIプロジェクトや、小型原子時計の基礎研究であるHS-ULPACプロジェクトなどを推進するとともに、「環境調和型MEMS(EfriM)」のインフラ・防災分野等への適用や、ウェルビーイング社会の実現に資する「感情・共感センシングシステム」などの新プロジェクト化を目指してまいります。
 一方、昨年秋から当センターはこれまでの経済産業省産業機械課様に代わって情報産業課様の所管法人となりましたので、半導体の一部としてのMEMS(半導体全体の3~4%と規模は小さいものの)という新たな認識にも立って、その振興を図ってまいりたいと思います。当センターの有するMEMSミニファンドリーとしてのMNOIC(マイクロナノ・オープンイノベーションセンター)においても、MEMSの研究支援や工程受託などを継続して行いつつも、我が国半導体業界再興の末端を担うべく、最先端の設計・製造技術を磨いていく所存です。

 さて、当センターでは通算33回目にあたるマイクロナノ分野の展示会である「MEMSセンシング&ネットワークシステム展2023」を2月1日から3日にかけて東京ビッグサイトで開催いたします。今回もセンターの活動紹介、MNOICの紹介、研究開発報告とともに、各種セミナーを開催し、興味深い様々な技術報告を行います。セミナーの冒頭には新たに所管いただく経済産業省情報産業課長様に半導体戦略関連のご講演をお願いしております。是非、多くの皆様にご来場いただき、今後のMEMSの発展のために当センターに対するご指導・ご支援を賜れれば幸いです。

 皆様方には以下のマイクロマシンセンターの2022年の10大ニュースをご覧いただき、このような私どもの活動状況をご賢察いただければ幸いです。

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マイクロマシンセンター/NMEMS技術研究機構
2022年10大ニュース
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1.2022年1月にMMC創立30周年を迎え、記念誌を発行
(「MEMSの過去30年と今後20年の技術展望」を収載)
 2022年1月23日に当センターは創立30周年を迎えました。毎年MEMS産業を取り巻く各種環境などを取り上げて、産業動向調査報告を行っていますが、昨年は当センター30周年ということもあり、これから益々のMEMS技術・産業の発展に資するため、過去30年を振り返り、この先20年を展望するという形の調査報告書を作成し「30周年記念誌」として3月に刊行し、会員法人の皆様と関係各所に配布いたしました。

2.MEMSセンシング&ネットワークシステム展2022
の中で「MMC創立30周年記念講演会」を開催
(パネルディスカッションに神永氏、江刺氏、下山氏、金丸氏がご登壇)
 2022年1月28日にMEMSセンシング&ネットワークシステム展2022の中でMEMSの過去30年の歴史と今後20年の技術展望をテーマとした創立30周年の記念講演会を開催しました。午前中の第一部では主に学生や若手技術者向けに「TIA-MEMSウィンターセミナー MEMS講習会」を開催するとともに、午後の第二部では、MMC30周年特別企画として、30年の歴史をMEMSなどの微細加工、製造技術の進歩とともに振り返り、未来へ続いていくために必要なことを、産業界、大学、国立研究所を代表する方々による基調講演とパネルディスカッションで展望しました。

3.MNOICの活動
 現行製品の継続した製造や実用化に向けたサンプルの試作などを請負う工程受託の急増に加えて、産総研と連携した研究受託や企業ユーザの研究支援など、将来のMEMS産業活性化に向けた取組み案件も着実に増加しています。2022年MEMS研究開発支援事業は約120件を獲得し堅調に推移しました。
 本年の顧客のご利用傾向としましては人の流れの回復基調を反映してかクリーンルーム立入り利用を含む研究支援コースの新規契約10件を獲得し、利用増加しました。

4.コロナ禍の中もMEMS展を継続して開催
 1月28日から30日の3日間に亘り「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」を開催しました。今回で通算32回目の展示会となりました。今回の展示会はセンターが設立30周年を迎えるにあたり、例年通りのセンター、MEMS協議会、MNOIC、技術研究PJのブース展示のほかに、特別展示として今後20年のMEMS技術の展望として、MEMSの応用が期待される12分野と、予測されるMEMSデバイス・技術の展示紹介も行いました。

5.HS-ULPAC、BaMBIを順調に継続
HS-ULPAC
 移動体に搭載可能な高精度原子時計を実現するため、周波数変動要因を根本から解明するとともにプロトタイプを試作して実証・評価しています。MMCでは2022年度は最終評価に向け、
MEMSガスセル、実験室モデル量子部、プロトタイプ真空断熱型量子部の2次試作を行っています。
BaMBI
 2019年に始動した3年間のNEDO委託事業の結果、ステージゲートを通過し、2022年度からは事業化を目的とした株式会社タニタ主導の2年間の助成事業に進んでいます。非侵襲の血糖・脂質のディテクタ開発も順調に推移しています。

6.SNIFを終了
 2019年に始動したNEDO委託事業を2021年10月からオムロン主導の研究開発に切り替え、2022年6月に計画通り小型ウェアラブル計測端末の動作モデルの構築を終え、研究開発を終了しました。今後も医科歯科大学が中心となって、この成果の実用化に向けて、連携先などを募ってまいります。

7.活発なSSN研究会活動により次期プロジェクトの立案が進む
 新規国プロ獲得を目指して、SSN研究会のWG9において「環境調和型MEMS(EfriM : Environment friendly MEMS)」、WG10において「感情センシングPF」活動を推進し、NEDO先導研究や内閣府次期SIPのRFIへの提案を行うとともに、関連技術のブラッシュアップを行って、新規国プロの公募に応募すべく準備を進めています。
 WG9(EfriM-WG)では、2022年度は農業、インフラ、防災に関する3回の応用分野のWGを開催し、2022年度中にNEDO先導研究等への提案を予定しています。
 WG10(感情センシングWG)では、センサーフュージョンによる特徴量抽出アルゴリズム、生体信号による感情推定、脳波・脳活動センサ、共感状態の推定等に取組んでいる研究者をメンバーに迎え、感情センシングプラットフォームの価値、社会実装の実現に向けた枠組み等について議論を進めていきます。

8.国際標準化全体会議開催 及び 新規標準化委託事業の開始
 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)の国際標準化全体会議が、10月31日から11 月4日まで、サンフランシスコのHilton San Francisco Union Square Hotelで開催され、SC47F(MEMS分野)と、TC47/WG7(半導体デバイス エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)に関する会議に参加しました。久しぶりの対面会議であったこともあり、各国主査等と会議前後の時間に交流を図ることができ、充実した会議となりました。
 また、経済産業省「令和 4年度省エネルギー 等に関する国際標準の獲得・普及促進事業委託費」に、マイクロマシンセンター、兵庫県立大学、神戸大学と東京大学が共同で提案しました「振動発電エネルギーハーベスタの信頼性評価に関する国際標準化」が採択され、国際規格の開発を開始しました。

9.国際交流活動を徐々に再開
 新型コロナの影響で制限されていた国際交流活動に関しては、マイクロマシンサミットが3年連続で延期になる等、未だ影響は残っていますが、各国の入国制限が緩和され、国際会議もオンライン開催からハイブリッド開催に移行されだして徐々に再開の兆しが見えてきました。
 4月のMEMSエンジニアフォーラムにもMMCとして出展いたしましたし、MMCでも海外アフィリエートであるスペインカタルーニャ州政府貿易投資事務所と連携して、IOT Solution World Congressのアンバサダーになる等国際交流活動を徐々に再開しました。

10.役員改選による新体制始動と経済産業省の所管課が変更
 2022年度は当センター役員の改選期にあたり、理事長を2期4年にわたりお務めいただいたデンソー株式会社元取締役副社長の山中康司様がご退任され、7月に開催しました理事会において、株式会社日立製作所執行役常務の鈴木教洋様が理事長にご就任されました。
 また、当センターは、設立以来経済産業省製造産業局産業機械課の所管団体でありましたが、同省の組織規定類の改正に伴い、商務情報政策局情報産業課の所管団体に変更となり、半導体・デジタル産業戦略の末端を担っていくこととなります。

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