国際交流

2025年12月26日 (金)

新年のご挨拶(MMC 2025年10大ニュース)

あけましておめでとうございます。

 OECDの最新見通しによれば、2026年の世界経済はトランプ関税や地政学的緊張の影響を受け、成長率は2.9%に鈍化すると予測されています。日本は2025年に成長率1.3%を記録しましたが、高市総理の下での積極的な財政政策や賃上げを背景に、2026年も0.9%のプラス成長を維持する見通しとされています。
 そのような中において、世界の半導体はWSTSの25年12月予測によれば、AI需要を見越したデータセンター投資に連動する形でメモリー製品やGPUなどのロジック製品が半導体市場の成長を牽引し、全半導体では26.3%増の9,754億ドルに、そのうちのSensor & Actuator(MEMSとほぼ同義)は8.7%増の227億ドルに拡大するであろうとされています。我が国政府も経済安全保障の強化、社会課題の解決と持続的な経済成長の実現に向けては、半導体・AI分野が必須であるとしています。

 経済産業省が2025年5月に公開した「半導体・デジタル産業戦略の現状と今後」においては、電子部品やMEMS等も含めて官民で政策のアプローチを検討していくとされております。2023年に当センター内に設置した「MEMS事業者連携委員会」においては、我が国のMEMS再興に向けて国からの支援を確保するべく政策提案に向けての活動を行っています。

 また昨年防衛イノベーション科学技術研究所から受託した「FuMEMTex(テキスタイルと小型デバイスの融合に関する検討役務)」では多機能センサのテキスタイルプラットフォームへの実装に向けた技術のフィージビリティスタディを実施して、有望な技術等を見出す先導研究を行っています。
 さらにMNOIC(マイクロナノ・オープンイノベーションセンター)は、企業からのMEMS製品の工程受託が堅調で、大学・研究機関からの研究受託や企業向け試作支援も増加し、2025年度の事業収入も過去最高となる見込みです。

 さて、当センターでは通算36回目にあたるマイクロナノ分野の展示会である「MEMSセンシング&ネットワークシステム展2026」を1月28日から1月30日にかけて東京ビッグサイトで開催いたします。
 今回も当センターやMNOICの事業紹介の展示に加え、各種セミナーを開催し、興味深い様々な技術報告を行います。セミナーの冒頭には経済産業省の情報産業課デバイス・半導体戦略室様より半導体・デジタル戦略関連のご講演を、また「マイクロナノが支えるフロンティア領域」のセミナーでは経済産業省のイノベーション政策課様を中心にテクノロジーインテリジェンス、量子センシング、ブレインテックについてのご講演をお願いしております。是非、多くの皆様にご来場いただき、さらなるMEMSの発展のために当センターに対するご指導・ご支援を賜れれば幸いです。

 皆様方には以下のマイクロマシンセンターの2025年の10大ニュースをご覧いただき、このような私どもの活動状況をご賢察いただければ幸いです。

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マイクロマシンセンター
2025年10大ニュース
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1.MEMS事業者連携委員会でMEMS技術の戦略的な重要性など活発な意見交換を実施
 2023年度に始動した「MEMS事業者連携委員会」では、我が国MEMS事業者の再興に向けて議論を行っています。2025年度第1回の委員会では、経済安全保障、人材、ファウンドリ・研究拠点、アプリケーション、研究開発について、前年度に引き続き議論を行いました。第2回では経済安全保障と研究開発に課題を絞り込み、AIロボティクスやフロンティア領域においてもMEMS/マイクロナノ技術は戦略的に重要であることなどの議論がなされました。2月19日開催の第3回において政策提言に向けてのとりまとめを行います。

2.防衛イノベーション科学技術研究所の革新型ブレークスルー研究で「テキスタイルと小型デバイスの融合に関する検討役務(FuMEMTex)」を受託
 受託した「FuMEMTex」について、多機能センサのテキスタイルプラットフォームへの実装に向けた先行技術の調査や国際ワークショップの開催などにより、フィージビリティスタディを実施して、11月に中間報告を終えました。今後、2026年度以降の本格研究に結び付けるべく、引き続き先導研究に力を入れてまいります。

3.未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査
 日本のMEMS開発戦略を策定するために、2024年度にNEDOのAI・ロボット部から受託した「未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査(SiM :Study of innovative MEMS for coming society)」として、2035年の社会像からのバックキャスト並びにMEMSの市場及び技術動向からのフォアキャストを基にして、モビリティ、製造・ロボット、ヘルスケアの3分野におけるMEMS研究開発戦略を策定しました。今後、この戦略を基に、研究開発プロジェクト化を目指していきます。

4.MNOIC事業が堅調に推移
 MNOIC(マイクロナノ・オープンイノベーションセンター)は、企業からのMEMS製品の工程受託が堅調で、大学・研究機関からの研究受託や企業向け試作支援も増加し、2025年度の事業収入も過去最高となる見込みです。その一方で持続可能な成長に向けたMEMS製造装置の更新などのインフラ整備にも努めていきます。

5.産業動向調査委員会「フロンティア領域とMEMS/マイクロナノ技術」の調査に着手
 経産省/NEDO事業であるフロンティア育成事業で提示されました、フロンティア領域・技術シーズからMEMS/マイクロナノ技術の貢献が期待されるものを抽出し、それらの開発動向と将来展望についての調査に着手しました。その一環としてMEMS展の中で1月29日に「マイクロナノが支えるフロンティア領域」と題するセミナーを開催します。

6.NEDO先導研究プログラムMESHの開発は順調に推移
 電気通信大学、産総研、当センターで実施中の「メタサーフェスSiハイパースペクトル赤外光センシングデバイス(MESH:Meta Surface Si Hyper spectral infrared light sensing device)」ではプロセス開発並びに試作が計画どおりに進捗しており、当センターではメタサーフェスの試作やマイクロ工学系との融合等を担当しています。チームとしては2026年度以降の研究継続に向けて、研究開発のとりまとめに注力しています。

7.MEMS展2025は盛況裡に終了
  (MEMS展2026は2026年1月28日~30日開催)

 「MEMSセンシング&ネットワークシステム展2025」を2025年1月29日~31日に、東京ビッグサイトで開催し盛況の内に閉幕しました。来場者は42,089名に上りました。MMCブースでは、各種事業の展示を行いましたが、特に上述のSiM調査の成果パネルへの反響は高いものとなりました。また会議棟で開催した各セミナーはいずれも満席となり、関心の高さがうかがえました。MEMS展2026も1月28日~30日、東京ビッグサイト西2ホールで開催を予定しておりますので、奮ってのご参加よろしくお願いいたします。

8.MEMS協議会・海外調査報告会の開催や第28回国際マイクロマシンサミット2025への参加等、国際交流事業を活発化
 海外調査報告会を3月26日にハイブリッドで開催し、200名以上の方にご参加いただき、PNT Technologiesの山下雅樹氏を特別講師とし「タイミングデバイスの世界動向」の特別講演をいただくとともに、MMC事務局からはIEEE MEMS2024、2025APCOT2024等の国際会議報告や標準化国際会議報告などを行いました。また、国際マイクロマシンサミット(2025年6月2日~5日、モントリオール)には東京大学伊藤寿浩教授をチーフデリゲイトとして参加しています。そのほかにも国内外の国際会議等に積極的に参加し、国際交流事業を活発に実施しました。

9. MEMSの国際標準化事業を積極的に推進

(1)フレキシブルMEMSデバイスの国際標準化に関し「IEC1906賞」受賞

IEC TC47/SC47F(MEMS)国内審議団体である当センターが組成したフレキシブルMEMSデバイスに関する国際規格起案検討委員会委員である近畿大学 宍戸 信之准教授がフレキシブルMEMSデバイスの信頼性試験法に関する国際規格制定への貢献が認められ、「IEC1906賞」を受賞されました。

(2)IEC TC47国際標準化全体会議が東京で開催

IEC TC47(半導体分野技術委員会)の国際標準化全体会議が、11月17日~21日に東京で開催され、SC47F(MEMS分野)に関する会議に当センターは国際幹事として参加しました。TC47/SC47F/ WG1-3&MT1会議には各国から33名(日本5名、韓国19名、中国7名、他2名)が参加し、国際規格制定に向け審議を前進させることができました。

10.マイクロマシンセンター/MEMS協議会で官民の積極的な交流を実施
 2025年度、日立製作所の 鮫嶋茂稔 執行役常務(CTO) がマイクロマシンセンター理事長に就任され、新体制が始動しました。6月にはMEMS協議会・推進委員会、12月にはMEMS懇話会を開催し、経済産業省、NEDO、産総研と会員企業の委員との間で、我が国MEMS産業の再興などを中心に、活発な意見交換を行いました。

 

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2025年8月 5日 (火)

JCK MEMS/NEMS 2025(7月6日~9日、沖縄)参加報告

 7月6日(日)から7月9日(水)に沖縄の青年会館及び沖縄科学技術大学院大学(OIST)で開催されましたJCK MEMS/NEMS 2025に参加しましたので、報告いたします。JCK MEMS/NEMSは日本-中国-韓国のMEMS/NEMS(Micro Electro Mechanical Systems / Nano Electro Mechanical Systems)に関するジョイントの会議で、今回が第16回目になります。 日本、韓国、中国の順に持ち回りで開催しており、新型コロナのため、一時オンラインやハイブリッド開催になりましたが、昨年から日本、中国、韓国から研究者が集まっての本格的な対面だけの会議に戻っております。今回は初めの2日間は沖縄青年会館で開催され、3日目はテクニカルツアーも含め、沖縄科学技術大学院大学に移動して開催されました。

 今回のジェネラルチェアは東京大学の伊藤寿浩教授で、参加者は74名でした。開催国の日本が48名で最も多く、中国は18名、韓国は6名でした。以下に示す中国、韓国、日本から各1件のプレナリートークと8件の招待講演(日本:2件、中国:4件、韓国:2件)、24件の口頭発表(日本:16件、中国:8件、韓国:0件)、14件のポスター発表(日本:9件、中国:2件、韓国:3件)の計49件の発表があり、MEMS/NEMS分野の最新の研究発表に関して活発な議論がなされました。日本のプレナリートークは沖縄科学技術大学院大学の久保先生でした。

【プレナリートーク】

① Progress and Status of Low Dimensional NEMS Resonators (Prof. Zenghui Wang, University of Electronics Science and Technology of China, CHINA
② A Study on Nanostructure Fabrication and Hybrid Specialty Film through the Nanoimprint Process (Honorary Researcher Eung-Sug Lee, Korea Institute of Machinery and Materials, KOREA)
③ A near-quantum-limited microwave amplifier using spins in diamond (Principal Researcher Scientist, Yuimaru Kubo, Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University, JAPAN)

 国別の発表では日本28件、中国15件、韓国6件で、開催国の日本からの発表者が多いのは当然のことながら、韓国からの発表者が少し少なかったです。詳細のプログラムは以下のURLからご覧いただけます。

https://www.jckmemsnems2025.com/_files/ugd/213369_3289b894d74c430388e705efdc40dbc4.pdf

ジェネラルチェアの東京大学伊藤教授の開会挨拶、会場の様子及び集合写真を写真1~写真3にそれぞれ示します。

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写真1 ジェネラルチェア(伊藤教授)の 挨拶

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写真2 会場の様子

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写真3 集合写真

 3日目はOISTのSYDNEY BRNNERECTURE THEATERで、OISTの久保先生のプレナリートークと西安交通大学のYao Chen教授の招待講演を受けた後、久保先生の実験室の見学を行いました。久保先生のプレナリートークの様子とOISTの建屋前の集合写真を写真4と写真5に示します。
 OISTは日本において真の国際的で学際的な高等教育を行うために設立された大学院大学で、整った施設で英語が大学の公用語となっており、5年一貫制の博士課程プログラムを提供しております。2012年に第一期生を受け入れて、今日に至っております。

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写真4 久保先生のプレナリートークの様子

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写真5 OISTの建屋前の集合写真

 次回のJCK MEMS/NEMS 2026は2026年7月~8月頃に韓国の釜山で開催されることがジェネラルチェアになる韓国KAISTのJungchul Lee先生からアナウンスされました。

(MEMSシステム開発センター長 武田 宗久)

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2025年7月 2日 (水)

2025 第28回「国際マイクロマシンサミット」(カナダ・モントリオール) 参加報告

 マイクロマシンサミットは、年に1回、世界各国・地域の代表団が集まり、マイクロマシン/ナノテクノロジーに関する課題や展望につき意見交換する場です。日本の提案により1995年3月に京都で開催されたのが始まりで、以後、各国持ち回りで開催されています。第28回マイクロマシンサミット(図1)が、カナダのモントリオールで、2025年6月2日(月)から5日(木)まで開催されましたのでご報告いたします。
 今回のトピックスは「MEMS and IoT」でした。日本からは東京大学 大学院精密工学専攻の伊藤寿浩教授がチーフデリゲイトとなり、マイクロマシンセンター(MMC)の国際交流担当の武田と2名で参加いたしました。今回のジェネラルチェアは、カナダのCMC Microsystems CEOのGordon Harling氏で、会場はLe Centre Sheraton Montreal Hotelでした。

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図1 第28回マイクロマシンサミット概要


 今回は参加国・地域が例年より少なく、欧州から3カ国1地域(イタリア、ルーマニア、UK、イベリア)、北アメリカから1カ国(カナダ)、アジアから1カ国(日本)、オセアニアから1カ国(オーストラリア)の7国・地域から19名のデリゲイトの参加がありました。また、新たな参加国はございませんでした。最も参加者の多かったのは開催国のカナダ、イベリア地域(スペイン)とオーストラリアが4名でした。会場の様子及び集合写真を写真1、写真2に示します。

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写真1 会場の様子

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写真2 集合写真


 第1日目はカナダのチーフデリゲイトのCMC Microsystems CEOのGordon Harling氏の開会の挨拶(写真3)の後、各国の現状を報告するチーフデリゲイトからのカントリーレビューとデリゲイトからの関連するプレゼンの計15件の発表がありました。日本からは伊藤チーフデリゲイトから日本のIoTへの取り組み状況及びIoT関連プロジェクトとして、SiPとムーンショットプロジェクト及びMMCのSiM(Study of Innovative MEMS for emerging society)の取り組み状況等の紹介がなされました(写真4:伊藤チーフデリゲイトのプレゼンの様子)。
 各国とも半導体、MEMS、フォトニックスと量子技術を一体として大きな予算がついて研究開発を実施していることが分かりました。

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写真3 Gordon Harling氏の開会の挨拶の様子

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写真4 伊藤チーフデリゲイトによる
日本のカントリーレビュー報告の様子


 また、2日目のCMC賛助会員の発表では、11件のプレゼンと2件のパネルディスカッションがありました。プレゼンではTeledyne MEMSやプロト試作から少量産までを担うC2MI等のファウンドリ及び指向性マイクのSoundskrit社や2周波MEMSタイミングデバイスのStathera社等、今話題になっているスタートアップからの発表がありました。
 パネルディスカッションは、「Global Collaboration and Future Trends in Smart Systems」と「Innovation in MEMS and IoT: Challenges and Opportunities」の2つのテーマで行われました。パネルディスカッションの様子を写真5に示します。

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写真5 パネルディスカッションの様子

 また、今回主催のCMC Microsystemsには新たにMMCの海外アフィリエイトになっていただき、バンケットの前に調印式をおこないました。その様子を写真6に示します。

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写真6 CMC MicrosystemsとMMCの調印式の様子


 テクニカルツアーとしては、6月5日(木)にモントリオールからバスで2時間の距離にあるシャーブルック大学の施設である量子技術の研究施設IQ(Institut QUANTIQUE)、概念実証の試作ラボである3iT(Institut interdisciplinarire d’innovation technologique)と少し離れた量子関連のレンタル施設EQ1(Espace Quantique 1)を見学するとともに、帰路にシャーブルックとモントリオールの途中に位置するブロモンで少量産ファウンドリのC2MI(Centre de Collaboration MiQro Innovation)を見学しました(写真7参照)。
 今回見学したIQ、3iT、C2MIは基礎研究から概念実証を経てプロトタイプ試作・少量産までの統合イノベーションチェーンを形成しており、さらにC2MIの施設は直ぐ近くに量産工場を有するIBM(パッケージング)とTeledyne MEMS(MEMS)と同じ装置が入っており、C2MIでの少量産の後、大量生産に直ぐに移行できるエコシステムが整えられており、カナダの取組みには学ぶべきものが多くありました。

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写真7 テクニカルツアーの様子


 次回のMMS2026は来年の6月に、開催地はUKのサウサンプトンで、オーガナイザーはサウサンプトン大学のNick Harris教授が務めることになりました。今回はサウサンプトン大学のNick Harris教授とともにサウサンプトン大学で准教授をしている日本人の土屋良重先生も出席されていました。テーマは未だ決まってはおりませんが、今後もマイクロマシンサミットにおいて、世界各国のMEMS関係機関との国際交流を深め、世界のMEMSの最新動向を入手して、情報発信してまいります。

(MEMS協議会 国際交流担当 武田宗久)

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2025年4月18日 (金)

2024年度海外調査報告会を盛況に開催

 2024年度MEMS協議会海外調査報告会を3月26日(水)にハイブリッドで開催し、オンライン175名を含む213名の方にご参加頂きました(写真1)。このイベントはマイクロマシンセンター/MEMS協議会(MIF)が行っているMEMS関連の海外調査及び国際標準化の最新状況について国際交流事業の一環として報告するもので、新型コロナの影響で4年間休止しておりましたが、昨年からハイブリッドで再開いたしました。
 今回は世界のタイミングデバイスの動向について造詣の深いPNT Technologiesの山下雅樹氏の特別講演「タイミングデバイスの世界動向」を含み、以下のプログラムで行いました。

15:00~15:05 主催者挨拶
(財)マイクロマシンセンター 専務理事 長谷川 英一

15:05~15:35「タイミングデバイスの世界動向」
PNT Technologies 代表取締役 山下雅樹氏

15:35~16:30「2024年度国際会議報告」
① 国内外技術動向調査委員会報告
(APCOT2024とMEMS2024+2025)
MMC 調査研究・標準部長 藤澤大介
② MSEC2024
MMC MEMSシステム開発センター長 武田宗久
③ MEF2024とJCK MEMS/NEMS 2024
MMC 武田宗久

16:30~16:45「マイクロマシンサミット2024
(オーストラリア、ゴールドコースト)報告」
MMC 武田宗久

16:45~17:05 「標準化国際会議報告」 (MMC 藤澤大介)
① IEC/TC47/SC47Fの国際標準化WG会議(韓国・済州島)
② IEC/TC47の国際標準化プレナリー会議(英国・ロンドン)

17:05~17:15 「その他:海外機関との交流活動」(MMC 武田宗久)
① 15th Fraunhofer Symposium in Sendai
② IOT SOLUTIONS WORLD CONGRESS 2025(IOTSWC25)
アンバサダー 就任

17:30~18:30 参加者交流会

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写真1 会場の様子

 はじめにMEMS協議会事務局長で専務理事の長谷川英一からの主催者挨拶を行い、そのあと、PNT Technologiesの山下雅樹氏から「タイミングデバイスの世界動向」と題して特別講演をいただきました(写真2)。MEMSタイミングデバイスとして世界を席巻しているSiTimeの構造や特性を含めた興味深い話を伺うことができました。

 次に、MMCの藤澤調査研究・標準部長から2024年1月21日~25日に米国のオースティンで開催されましたIEEE MEMS2024と2024年6月23日~26日にシンガポールで開催されましたAPCOT2024(The 11th Asia-Pacific Conference of Transducers and Micro-Nano Technology)の分析結果及び2025年1月19日~23日に台湾の高雄で開催されましたIEEE MEMS2025の速報についても紹介いたしました(写真3)。

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写真2 PNT Technologies 山下氏のプレゼンの様子

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写真3 MMC藤澤のプレゼンの様子

 続いて、MMCの国際交流担当部長の武田宗久から2024年10月7日~9日にカナダのケベック州ブロモンで開催されましたSEMI MSEC (MEMS & Sensors Executive Congress)2024、2024年4月17日~18日に両国で開催されましたMEF (MEMS Engineer Forum)2024、2024年9月18日~21日に中国の成都で開催されましたJCK(Japan-Chine-Korwea) MEMS/NEMS2024及び2024年5月26~29日にオーストラリアのゴールドコーストで開催されましたマイクロマシンサミット2024の報告を行いました(写真4)。

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写真4 武田からの報告の様子

 マイクロマシンサミット2024は日本からはチーフデリゲイトの東京大学の伊藤寿浩教授とマイクロマシンセンターの国際交流担当の武田の2名が出席しました。今回は直前のキャンセルが4カ国あり、ヨーロッパ4カ国+1地区(ドイツ、ポーランド、ルーマニア、UK、イベリア地区)、アジア3カ国(シンガポール、中国、日本)以外はカナダとオーストラリアの10地域に留まりました。今回のテーマは「Quantum semiconductor microtechnologies: novelty and re-emergence」でした。各国からのカントリレビューと18件の一般講演が行われました。2025年のサミットはカナダのモントリオールで2025年6月2日~5日に「The Intersection of Micromachines and IoT」というテーマで開催されます。

 続いて「標準化国際会議報告」としてMMCの藤澤からMEMSの標準化活動内容と以下の2つの標準化国際会議の報告が行われました。
① IEC/TC47/SC47Fの国際標準化WG会議
(韓国・済州島、2024年5月23日~24日)
② IEC/TC47の国際標準化プレナリー会議
(英国・ロンドン、2024年11月25日~29日)

 最後にMMCの武田から海外機関との交流活動として、以下の3件の報告が行われました。MMCは②に示すように、IOTSWV25のアンバサダーなっておりますので、MEMS協議会の会員様には参加費の割引特典がございます。
① 15th Fraunhofer Symposium in Sendai
(仙台、2024年12月9日~10日)
② IOT SOLUTIONS WORLD CONGRESS 2025(IOTSWC25)
アンバサダー就任(スペイン・バルセロナ、2025年5月13日~15日)
③ MEMSセンシング&ネットワークシステム展2025
(2025年1月29日~31日)

 報告会の終了後には会場参加者で意見交換会も実施し、活発な意見交換が行われました。

 今回はオンラインを含め213名という多数の参加を得て、盛況のうちに終了いたしました。
 来年以降も、海外報告会でMEMS分野における海外の最新動向をご報告いたしますので、ご期待ください。
 最後のこの場を借りまして、今後のMEMS協議会への積極的なご参加を引き続きお願いしたいと存じます。

(MEMS協議会 国際交流担当部長 武田 宗久)

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2025年2月 7日 (金)

国際会議MEMS2025(台湾 高雄開催)参加報告

 MEMS2025(The 38th IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems)が、1月19 日~23日に、台湾 高雄のKaohsiung Exhibition Centerで開催されました。今回、MEMS分野の研究開発事例が発表される代表的な国際会議であるMEMS2025に参加し、最新の研究開発動向を調査しました。

 MEMS2025への投稿件数は729件(前回659件)で、昨年より10%超増加しました。採択された論文数は、全体で328件(前回324件)、採択率は約45%(前回49%)でした。採択論文の地域別の割合では、アメリカ13%、ヨーロッパ&アフリカ9%、アジア&オセアニア78%となっており、この分野でアジア&オセアニアのプレゼンスが向上していることがわかります。

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MEMS2025 <https://mems25.org/>

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MEMS2025が開催されたKaohsiung Exhibition Center

 MEMS2025のCONFERENCE CHAIRSは、Korea Adv. Inst. of Science and Tech.のHyunjoo “Jenny” Lee氏とNational Tsing Hua UniversityのSheng-Shian Li氏で、以下に示す4件のプレナリートーク、4件の招待講演がありました。その中で韓国i3systemからは、3D MEMS技術を用いた赤外線アレイセンサについて講演され、従来の0.35 µm CMOS技術&2 µm 3D MEMS技術から0.18 µm CMOS技術&0.18 µm 3D MEMS技術への進展により、画素サイズの小型化(50 µm → 8 µm)、大フォーマット化(320画素×240画素 → 1280画素×1024画素)を実現し、高性能なセンサについてはミリタリー用途が紹介されました。CMOS技術との融合によるMEMSデバイスの高性能化は近年重要性を増しています。

【プレナリートーク】 

① NAVIGATING THE NEW NORMAL (Tien Wu氏, Advanced Semiconductor Engineering, Inc (ASE), TAIWAN)
② MY 50 YEARS IN MEMS (Kurt Petersen氏, Silicon Valley Band of Angels, USA)
③ HIGH-RESOLUTION UNCOOLED INFRARED SENSORS: INNOVATIONS IN 3D MEMS TECHNOLOGY FOR MILITARY USE (Hau Chung氏, Myungho Kwon氏, Sang-gu Kang氏, i3system, KOREA)
④ WILL ORGAN-ON-A-CHIP SURVIVE THE TEST OF TIME? (Sabeth Verpoorte氏, University of Groningen, NETHERLANDS)

【招待講演】 

① CARBON NANOTUBES AS CONTACT MATERIAL FOR MEMS: ENHANCING SENSITIVITY, DURABILITY, AND FLEXIBILITY (Jongbaeg Kim氏, Yonsei University, KOREA)
② 3D PRINTED MEMS (Frank Niklaus氏, KTH Royal Institute of Technology, SWEDEN)
③ MICROMACHINED SILICA RESONATORS FOR BIOSENSING APPLICATIONS (Srinivas Tadigadapa氏, Northeastern University, USA)
④ EMERGING TECHNOLOGY FOR THE BIOHYBRID ROBOTICS (Shoji Takeuchi氏, University of Tokyo, JAPAN)

 発表論文の分野別では、MEMS Physical & Chemical Sensor 83件とBio and Medical MEMS 75件が多く、MEMS/NEMS for Optical, RF and Electromagnetics 37件で続きました。詳細のプログラムは以下のURLに記載されており、MEMSに関して基礎分野から応用分野まで幅広い研究の発表が行われました。オーラルセッションはシングルセッションまたはパラレルセッションで行われ、オーラルセッションおよびポスターセッションの様子を以下に示します。

MEMS2025プログラム <https://mems25.org/program/program_overview.html>

 

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オーラルセッションの様子(メイン会場)

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ポスターセッションの様子(展示会場)

 本国際会議は、MEMSに関する材料、デバイス構造、製造方法、実装方法から特性評価方法まで多岐にわたる技術領域を網羅し、最新のMEMS研究開発動向を知る上で重要な会議となっています。内容としては、Materials, Fabrication, and Packaging for Generic MEMS and NEM、Micro-and Nanofluidics、Bio and Medical MEMS、MEMS Physical & Chemical Sensors、MEMS/NEMS for Optical, RF and Electromagnetics、MEMS Actuators and Power MEMS、Industry MEMS and Advancing MEMS for Products and Sustainability、Emerging Technologies & New Opportunities for MEMS/NEMSのカテゴリーでの最新の論文発表により活発な議論がなされ、研究開発動向について情報が得ることができ、大変有意義な会議となりました。

 

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次回MEMS2026説明の様子

 また、会議では次回のMEMS2026が、2026年1月25 日~29日にオーストリアのザルツブルグにおいて開催されることがアナウンスされました。

 

(調査研究・標準部長 藤澤 大介)

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2024年12月27日 (金)

新年のご挨拶(MMC 2024年10大ニュース)

 新年あけましておめでとうございます。

  OECDの世界経済見通しによれば、2024年は世界経済の成長率が3.2%であったところ、2025 年は貿易摩擦や保護主義の高まり、地政学的紛争激化などのリスクもあり、インフレは和らいだものの、3.3%に留まるとの予想をしています。日本については、24年はマイナス0.3%と、G7中最低であったところ、景気刺激策を追い風に25年は1.5%のプラス成長を回復するとされています。

 そのような中において、世界の半導体はWSTS2412月予測によれば、全半導体では11.2%増の6,871億ドルに、そのうちのSensor & ActuatorMEMSとほぼ同義)は7.0%増の200億ドルに拡大するであろうとされています。我が国政府も社会課題の解決と持続的な経済成長の実現に向けては、DXGXの推進を中心に据え、それを支える柱の一つがAI・半導体であるとしています。

 経済産業省においても、半導体・デジタル産業を「国家事業」と位置づけ、20216月に策定した「半導体・デジタル産業戦略」を「経済安全保障推進法」とも関連させて発展させ、その政策的支援を加速されているところですが、MEMSもその波に乗せていただくべく、2023年に当センター内に設置しました「MEMS事業者連携委員会」において、我が国MEMS再興についての検討を精力的に進めています。ただ、現時点ではMEMSは半導体の中で唯一、経済安保の枠外という状況にあることから、その点も含め、さらに議論を深めてまいります。

 また、昨年NEDOから受託しました「未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査(SiM)」事業において、2035年を視野とするMEMS研究開発戦略の議論を深めており、これもMEMS再興への一つの重要な活動と位置付けています。

 さらにMNOIC(マイクロナノ・オープンイノベーションセンター)では、老朽化設備の更新を引き続き産業技術総合研究所にお願いしつつも、自前での新規設備投資も行い、MEMSの研究支援や工程受託などのユーザーのご要望に的確にお応えできるよう、運営に努めてまいります。

 さて当センターでは通算35回目にあたるマイクロナノ分野の展示会である「MEMSセンシング&ネットワークシステム展2025」を129日から31日にかけて東京ビッグサイトで開催いたします。今回も会場でのセンターの活動紹介、MNOICの紹介、研究開発報告とともに、各種セミナーを開催し、興味深い様々な技術報告を行います。セミナーの冒頭には経済産業省の情報産業課デバイス・半導体戦略室長に半導体・デジタル戦略関連のご講演をお願いしております。是非、多くの皆様にご来場いただき、今後のMEMSの発展のために当センターに対するご指導・ご支援を賜れれば幸いです。
 皆様方には以下のマイクロマシンセンターの2024年の10大ニュースをご覧いただき、このような私どもの活動状況をご賢察いただければ幸いです。

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マイクロマシンセンター
2024年10大ニュース
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1.報告書「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」に基づき「MEMS事業者連携委員会」で活発な意見交換を実施
(1)「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」報告書を3月にリリース
 産業動向調査委員会は、我が国MEMS産業の再興のため改めてMEMS事業者の動向調査を行い、国内MEMS関連事業者73社、大学・公的研究機関40機関の協力を得て2024年3月に報告書「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」並びに調査に協力いただいた法人のディレクトリをまとめました。
(2)MEMS事業者連携委員会で活発な意見交換
2023年11月から始動したMEMS事業者連携委員会では、前述の報告書の中で「MEMS戦略に関する期待」として整理された事項から、我が国のMEMS事業者が抱えている課題の抽出を行い、2024年は委員会を3月、6月、11月に開催し我が国MEMS産業の再興に向けた方向性をめぐって活発な意見交換を行いました。引き続き次回委員会(3月12日開催)ではこれまでの意見を集約し政策提言に向けてのとりまとめを行います。

2.2つのプロジェクト(HS-ULPACとBaMBI)が所望の成果をもって終了
(1)量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究(HS-ULPAC)
防衛装備庁令和元年度安全保障技術研究推進制度の中で「量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究(HS-ULPAC)」のプロジェクトを2020年3月から2023年度まで実施して参りました。この度2024年3月31日をもって、ほぼ所期の目標を達成して終了いたしました。
(2)血中成分の非侵襲連続超高感度計測デバイスおよび行動変容促進システムの研究開発(BaMBI)
2019年度にNEDO委託事業「IoT社会実現のための革新的センシング技術開発」の中でスタートした本事業は2022年度からは株式会社タニタ様主導の2年間の助成事業として継続、この度2024年3月31日に終了いたしました。当センターはウェアラブル中・遠赤外ディテクタプロセス試作を行い、非侵襲で血中成分のトレンドを追うことが可能な試作機を構築することができました。

3.NEDO「未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査」を受託
 2024年度に受託した本調査事業では、富山県立大学の下山勲学長を委員長に、東京大学の伊藤寿浩教授と東北大学の田中秀治教授を副委員長とする有識者委員会での議論及び有識者へのヒアリング調査等を通じて、2035年の社会像からのバックキャスト及びMEMS市場/技術動向からのフォアキャストから、日本のMEMS研究開発として実施すべき項目を抽出するとともに、フィージビリティスタディでその研究開発内容を明らかにして、日本のMEMS研究開発戦略を策定しています。

4.MEMS展示会並びにセミナーは来場者増で盛況に終了
例年通り当センターが主催する「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」を2024年1月31日から2月2日までの3日間、東京ビッグサイトで盛況裡に開催しました。会場への来場者は前回より1万人以上多く、MMCブースでは、研究開発プロジェクトの紹介をはじめ、MNOIC事業、標準化事業、MEMS事業者連携委員会の概要などを展示しました。また当センター主催のセミナーは全て展示ホール内のセミナー会場で行われましたが、どのセミナーも満席となるほど盛況で、今回の講演テーマに対する関心の高さがうかがえました。2025年は1月29日~31日、東京ビッグサイト東ホールで開催を予定しております。奮ってのご参加をよろしくお願いいたします。

5.NEDO先導研究プログラム「MESH」の開発は順調に進捗
 電気通信大学、産業技術総合研究所と当センターの連名で実施中の「メタサーフェスSiハイパースペクトル赤外光センシングデバイス」ではプロセスの開発並びに試作が計画通りに進捗しており、当センターではメタサーフェスの試作やマイクロ工学系との融合等を担当しています。

6.MNOIC事業は堅調に推移
 MNOICユーザーの現行製品の継続的な製造および次期製品に向けた開発試作等を請け負う工程受託が堅調に推移している一方で、産総研との連携による研究受託や企業ユーザー向けの研究試作支援など、将来の高機能MEMSデバイスを目指した取り組み案件も着実に増加しています。また、工程の効率化を図るため、新たにリフトオフ装置、レーザマーカ、チップソータを導入し稼働を開始しています。

7.MEMS協議会・海外調査報告会の開催や第27回国際マイクロマシンサミット2024への参加等、国際交流事業を活発化
 新型コロナの影響で5年ぶりの開催となった海外調査報告会を3月4日にハイブリッドで開催し、オンライン109名を含む137名の方にご参加いただき、世界の最新MEMS動向等を広く紹介しました。また、当センターが1995年に開始した国際マイクロマシンサミットも第27回を数え、MEMS協議会副会長の東京大学伊藤寿浩教授をチーフデリゲイトとして、2024年5月、オーストラリアのゴールドコーストに派遣しました。そのほかにも国内外の国際会議等に積極的に参加し、国際交流事業を活発に実施しました。

8.2024年度MEMS協議会・推進委員会とメンバー交流会を開催
 7月10日、虎ノ門APの会場にて2024年度MEMS協議会・推進委員会を開催しました。経済産業省の清水情報産業課デバイス・半導体戦略室長から半導体政策の全体像についてご紹介いただいた後、2024年度の協議会活動、プロジェクトの状況等も含め、出席者の間で活発な意見交換が行われました。委員会終了後はMEMS協議会のメンバー交流会を開催し、ご参加いただいた50名以上の方々の間で、様々に情報交換や懇談が行われました。

9. MEMSの国際標準化事業を積極的に推進
 2021年度に国から受託した国際標準化事業では、薄膜圧電MEMSについての「Temperature and humidity test methods for piezoelectric MEMS cantilevers」と、フレキシブルMEMSデバイスについての「Test method of electrical characteristics under two-directional cyclic bending deformation for flexible micro-electromechanical devices」をIEC(国際電気標準会議)/TC47(Semiconductor devices)/SC47F(MEMS)に提案し承認を受けるという目標を達成し、2024年2月末に終了しました。当センターはSC47F国内審議団体として日本提案の規格案への理解獲得のためIEC会議等で積極的な活動を推進し、IEC/TC47/SC47Fでこれまでに発行されたMEMSに関する国際規格42件のうち、18件を日本提案規格とすることができています。

10.技術研究組合NMEMS技術研究機構の解散
 2011年7月に設立以降、多くの組合員が参加し、9つのプロジェクトを実施してまいりましたが、組合員の技術水準の向上を図るという所期の目的を達成することができましたので、2024年3月27日に開催されました臨時総会におきまして解散することが決議され、2024年3月31日をもって組合は解散いたしました。13年間に亘るご支援・ご協力、誠に有難うございました。

 

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2024年11月 5日 (火)

MSEC 2024 (MEMS & SENSORS EXECUTIVE CONGRESS) 参加報告

 SEMIのテクノロジーコミュニティーMSIG (MEMS & SENSORS INDUSTRY GROUP) が主催するMSEC 2024が10月7日から9日までカナダ・ケベック州ブロモンのChâteau-Bromont Hotelにて開催されました(写真1)。
NEDOからの受託調査の一環で、MEMS業界をリードする経営層や開発責任者ら一堂に会する本会議に参加し、北米を中心とした世界のMEMS関連産業の最新の投資状況や市場・技術動向を調査しました。


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写真1 MSEC 2024が開催された会場ホテル

 本会議は、2016年より毎年米国各地で開催されてきましたが、今回初めてカナダでの開催となりました。開催地のケベック州ブロモンは、古く(1972年)からIBMカナダの拠点であり、また、世界2位のMEMSファウンドリであるTeledyne MEMSが立地するなどマイクロエレクトロニクス関連の企業や研究機関の集積地域となっています。

 今回の会議では、会場近くに立地するカナダ最大のマイクロエレクトロニクス研究開発拠点であるC2MI (Centre de Collaboration MiQro Innovation) のテクニカルツアーから始まり、”SENSORIZATION: Enabling a New Intelligence”をテーマに、以下の7セッション計24件の講演が行われました(写真2)。

・Session 1 - MSEC 2024 Keynotes (4件)
・Session 2 - MSEC 2024 Product Showdown: AR/VR Technology (3件)
・Session 3 – Emerging MEMS & Sensors Market Trend & Ecosystem Challenge (4件)
・Session 4 – MEMS & Sensors Industry Trends & Sustainable Future (4件)
・Session 5 – Canadian Start-up Pitches (4件)
・Session 6 – Advancements in Positioning, Navigation and Timing (3件)
・Session 7 – MSEC 2024 Closing Keynotes (2件)

 参加者は80機関より集まり、北米中心に全体で約95名、内、欧州から十数名、日本から2名でした(写真3)。プログラムの詳細は以下のURLからご覧いただけます。
https://www.semi.org/en/connect/events/mems-sensors-executive-congress-msec

 セッションに先立って、SEMI America Presidentによる開会の挨拶の中で、世界各地域の先端半導体ファウンドリの動向について言及されました。2030年までに、AI、モビリティー、ファクトリー及び医療の各分野の進展により半導体市場は1兆ドルに達すると予測されており、その経済安全保障を確保するため、米国、ヨーロッパ、日本は、先端半導体製造産業の再興に向けて多額の投資を継続している。
 しかしながら2027年時点で期待される半導体ファウンドリ生産量の世界シェアは米国で10%、欧州で8%、日本で13%に留まり、依然として台湾、韓国が大半を占めること、また、今後10年の最大のリスクとして、PFAS規制の強化やオペレータ、エンジニア人材の不足などが指摘されました。

 北米では、これら半導体産業への投資は、MEMS分野へも波及しており、2024年7月には、MEMSファウンドリ企業のRogue Valley MicrodevicesがMEMS分野で初めて米国CHIPS and Science Actに基づく補助金を獲得しました。同社創業者CEOによる講演では、この補助金を活用し、フロリダ州パームベイにあるMEMS製造施設に300mmウエハ対応設備を導入する計画であり、その主な目的は、CMOS/MEMS統合デバイスやウエハレベルパッケージングなど半導体製造のエコシステム構築にあり、ウエハサイズ(300 mm)の共通化は重要な要件であると述べられました。

 MEMSの設計・開発サービスを提供しているAM Fitzgerald & Associatesの創業者CEOによる”The Past, Present and Future of MEMS” と題した基調講演では、1970年代から今日に至るまで主流であるSiウエハベースのMEMSデバイスについて触れ、今後、新しい薄膜材料(PZT, GaN, diamond, graphene, etc.)の活用やシリコンフォトニクスとの融合により、さらなる革新が期待できると述べられました。
 また、製造技術においては、多品種少量生産や多種材料使用を可能とする3Dプリンティングにより製造されるMEMSデバイス、LCDパネルのような大型基板やプラスチック、紙、布をベースとした超低コストで必要十分な性能を有するMEMSデバイスなど、新たな開発の方向性で進展するであろうと、開発事例を交えながら説明されました。

 続く研究開発関連の講演においても、AR/VR、医療・ヘルスケア、ナビゲーションなど今後拡大が期待されるアプリケーションに向けた新規デバイスの製造技術(新材料、積層構造)や信号処理(AI融合、エッジデバイス)、及びチップレット実装などMEMS技術のCMOS半導体パッケージングへの展開などの取り組みが紹介されました。
 これらの講演から、従来のSiウエハベースの微細化、集積多機能化に留まらない新たな開発の方向性が示され、MEMSデバイスのさらなる進展の可能性が感じられました。

 本会議では、スタートアップ企業にもフォーカスが当てられており、Session2では、カナダのスタートアップ企業3社がそれぞれ開発した製品について実機デモにより優位性がアピールされました。また、Session5では、カナダのスタートアップ企業4社から、各社の独自技術とその事業戦略に関するピッチが行われ、投資獲得をかけてベンチャーファンド3社の審査員との厳しい質疑応答が行われました。これらの様子から、カナダにおけるMEMSスタートアップの勢い、またそれを支援する投資家の熱意が感じられました。

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写真2 講演会場の様子

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写真3 参加者集合写真

 また、会議に先立って、前日夕刻より開催されたテクニカルツアーでは、カナダ最大のマイクロエレクトロニクス研究開発拠点であるC2MI (Centre de Collaboration MiQro Innovation) を訪問し、研究開発事例やクリーンルーム(外から)の見学を行いました(写真4)。
 C2MIは、2009年にカナダ政府や民間企業(IBM, Teledyne)からの資金提供で設立され、2012年より正式に活動が開始されたとのことです。その後も継続的に政府、民間から投資を受け、現在、90社以上の企業とのコラボレーションが進められ、250名以上の研究者・技術者を迎え入れているとのことです。
 保有する施設は、200 mmウエハ対応MEMSライン、先端パッケージング・光エレクトロニクス実装ライン、プリンテッドエレクトロニクス・表面実装ライン及び信頼性評価・故障解析・材料特性評価設備などであり、今年度もカナダ政府の補助金が投入され、2025年夏の完成を目指して、先端パッケージング関連の300mmウエハ対応ライン(約1,000 m2)の整備が進められていました。

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写真4 テクニカルツアーで訪れたC2MI
(Centre de Collaboration MiQro Innovation)

 本会議を通じて、北米におけるMEMS関連技術の研究開発に大きな活気が感じられました。その背景には、米国の半導体戦略とそれを補完するカナダ政府のMEMS製造インフラへの継続的な投資が大きく寄与しているものと考えられました。

(MNOIC 所長 福本 宏)

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2024年10月 4日 (金)

JCK MEMS/NEMS 2024 参加報告

 9月18日(木)から9月21日(土)に中国成都にあるJinjiang HotelのHongbin Hall とFour Seasons Hall で開催されましたJCK MEMS/NEMS 2024に参加しましたので、報告いたします。JCK MEMS/NEMSは日本-中国-韓国のMEMS/NEMS(Micro Electro Mechanical Systems / Nano Electro Mechanical Systems)に関するジョイントの会議で、今回が第15回目になります。 日本、韓国、中国の順に持ち回りで開催しており、新型コロナのため、一時オンラインやハイブリッド開催になりましたが、今回から日本、中国、韓国から研究者が集まっての本格的な対面だけの会議に戻っております。

 今回のジェネラルチェアは四川大学のZhuqing Wang教授で、参加者は過去最大の191名でした。開催国の中国が170名で最も多く、日本は15名、韓国は6名でした。以下に示す中国、韓国、日本から各1件のプレナリーレクチャーと55件の招待講演(日本:3件、中国:51件、韓国:1件)、40件の口頭発表(日本:8件、中国:32件、韓国:0件)、32件のポスター発表(公式詳細データなし)の計127件の発表があり、MEMS/NEMS分野の最新の研究発表に関して活発な議論がなされました。今回は発表件数が多かったため、口頭発表は以下の6セッションが3パラレルセッションで実施されました。日本のプレナリーレクチャーは慶應義塾大学の三木教授による「Design of Medical Devices from Multiple Perspectives」でした。

【プレナリートーク】

① The Sound of Music at the Nanoscale Exploring the Nanoscale World with NEMS Resonators Based on Low Dimensional (Prof. Zenghui Wang, University of Electronics Science and Technology of China, CHINA)
② New Artificial Cell Membrane platform for Electrophysiological Characteristics analysis of Ion Channel in Microfluidics Device (Prof. Tae Song Kim, Korea Institute of Science and Technology, KOREA)
③ Design of Medical Devices from Multiple Perspectives (Prof. Norihisa Miki, Keio University, JAPAN)

【セッション構成】

1) セッション1(10招待講演(中国:9,日本:1)、3口頭発表(中国:3))
Topic 1:Micro/Nano Electro-Mechanical Systems (M/NEMS)
Topic 2:Material & Device Characterization
2) セッション2(8招待講演(中国:7,日本:1)、6口頭発表(中国:5,日本:1))
Topic 1:Micro & Nano Fabrication Including 3D Printing
Topic 2:Modeling & Simulation of Manufacturing Process
3) セッション3(9招待講演(中国:9)、5口頭発表(中国:5))
Topic 1:Micro/Nano-Actuators & Robotics
Topic 2:Medical Engineering Technology
4) セッション4(9招待講演(中国:8,韓国:1)、9口頭発表(中国:7,日本:2))
Topic 1:Micro/Nano-Chemical & Physical Sensors
Topic 2:Micro/Nano-Bio Devices & Systems
5) セッション5(10招待講演(中国:10)、8口頭発表(中国:6,日本:2))
Topic 1:Micro & Nano Electronics Including Flexible Electronics
Topic 2:Micro/Nano-enabled Wearable Devices
6) セッション6(9招待講演(中国:8,日本:1)、9口頭発表(中国:6,日本:3))
Topic 1:Networked Microsystems & IoT Technologies
Topic 2:Integration & Packaging Technologies

 国別の発表では日本12件、中国84件、韓国2件で、開催国の中国からの発表者が多いのは当然のことながら、韓国からの発表者が少し少なかったです。詳細のプログラムは以下のURLからご覧いただけます。
http://jckmemsnems2024.com/public/upload/01/b9acd69709c3b3ea13af6b342a31dd.pdf

 ジェネラルチェアの四川大学Wang教授の開会挨拶、慶應義塾大学の三木教授のプレナリーレクチャーの様子、会場の様子及び集合写真を写真1~写真4にそれぞれ示します。

Jck2024_01写真1 ジェネラルチェア(Wang教授)の 挨拶

Jck2024_02写真2 三木先生のプレナリーレクチャーの様子

Jck2024_03写真3 会場の様子
Jck2024_04写真4 集合写真

 今回私は、「量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究(HS-ULPAC : High Stability Ultra Low Power Atomic Clock )」におけるMEMS技術を活用した耐振動性を有する新しい小型原子時計量子部の小型化の成果(The Development of Chip-scale Atomic Clock using Quantum Interference Effect)について招待講演として発表(写真5)し、HS-ULPACの技術力の高さをアピールして、研究成果の広報ができたと考えます。また、セッション6のセッションチェアを務めました。

Jck2024_05写真5 武田の招待講演の様子

 また、テクニカルツアーして、今回のジェネラルチェアの四川大学のWang先生が参画している成都郊外に建設中のNational Industrial Innovation Center of Precision Medicine (NIICPM、写真6)と成都市内にある四川大学のWang先生の研究室を見学しました。四川大学は医学が有名で、中国で5番目くらいにランキングされる大学で、7万人の学生がいるとのことです。
 NIICPMは総額200億円(1B 元)をかけて、精密医学のセンターを新たに建設中です。この中でWang先生のBio Fluidics関連で40億円の予算がついていて、MEMS関連のCRを新たに建設中で2025年に完成とのことでした。1FのショールームでCIICPMの概要説明を受けるとともに、225m2のイエロールーム(装置は未だ入っていない部屋)を見学しました。NIICPMには1200人くらいの研究者がいるとのことでした。成都市内のWang先生の研究室では、100m2のMEMS CR(一般的な日本の大学のCR程度)と実験室を見学しました。学生は50人いるとのことでした。

Jck2024_06写真6  NIICPMの建屋

 次回のJCK MEMS/NEMS 2025は2025年7月初めに日本の沖縄で開催されることが次回ジェネラルチェアを務める東京大学大学院工学系研究科精密工学専攻の伊藤教授からアナウンスされました。次回は日本開催ですので、多数の日本からの参加者に期待したいと思います。


(MEMSシステム開発センター長 武田 宗久)

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2024年8月 2日 (金)

国際会議APCOT2024(シンガポール開催)参加報告

 APCOT2024(The 11th Asia-Pacific Conference of Transducers and Micro-Nano Technology)が、6月23 日~26日に、シンガポールのNational University Singaporeで開催されました。アジア、太平洋地域でのMEMS/ナノテク分野の研究開発事例が発表される本会議に参加し、最新の研究開発動向を調査しました。APCOTは、2002年に中国・アモイ市で第1回が開催されて以来、2004年は札幌、2006年シンガポール、2008年台湾・台南、2010年オーストラリア・パース、2012年中国・南京、2014年韓国・大邱、2016年金沢、2018年香港と、国際会議Transducersが開催されない年に隔年で開催されてきました。第10回が開催予定であった2020年は新型コロナウィルス感染拡大のため中止となり、2022年に開催地を上海としてハイブリッド形態で開催され、第11回である今年は、シンガポールで開催されました。

Apcot2024_b01APCOT2024開催 <https://www.apcot2024.org>

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 APCOT2024が開催されたNUS(National University Singapore)会場

 GENERAL CO-CHAIRSは、National University of SingaporeのProf. Guangya ZhouとProf. Chengkuo Leeで、参加者は250名超でした。以下に示す日本、米国、シンガポールから各1件のプレナリートークがありました。

【プレナリートーク】
① Piezo Device 2.0 (Prof. Shuji TANAKA, Department of Robotics Tohoku University, JAPAN)
② Piezoelectric and Piezoelectret Sensors and Actuators (Prof. Liwei LIN, James Marshall Wells Professor, Mechanical Engineering Department Co-Director, Berkeley Sensor and Actuator Center (BSAC) University of California Berkeley, USA)
③ Lanthanide Transducers for Advanced Imaging and Assistive Technology (Prof. Xiaogang LIU, Department of Chemistry Faculty of Science National University of Singapore, SINGAPORE)

 このほかに、24件のキーノートトーク(日本:8件、米国:6件、中国:4件、韓国:3件、台湾:1件、シンガポール:1件、スウェーデン:1件)、58件の招待講演(日本:8件、米国:1件、中国:25件、韓国:7件、台湾:3件、シンガポール:11件、オーストラリア:3件)などの講演もありました。また、口頭発表は、5つのパラレルセッションで行われ、MEMS/ナノテク分野の最新の研究発表に関して活発な議論がなされました。
 詳細のプログラムは以下のURLに記載されており、プロセス技術など基礎分野から各種センサ技術など応用分野に関する幅広い研究の発表が行われました。ポスター発表の様子を以下に示します。

APCOT2024プログラム <https://www.apcot2024.org/programme>

 

Apcot2024_b03ポスター発表の様子

 

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バンケットの様子

 

 MEMS分野は材料、デバイス構造、製造方法、実装方法から特性評価方法まで多岐にわたる技術領域を網羅しており、各セッションでは、Micro/Nanofluidics, 3D printing, bioprinting, Wearable devices & flexible electronics, MEMS & NEMS, Physical sensors, Micro-optics & nanophotonics, Biological sensors & biomedical devices, Piezoelectric transducers, RF & acoustics, Micro/Nanofabrication and materials & packagingの分野での最新の論文発表により活発な議論がなされ、研究開発動向について情報が得ることができ、大変有意義な会議となりました。また、本会議のStudent awardでは、ポスターと口頭の両方の表彰があり、このような受賞の機会は若手研究者の励みとなり、今後も活躍されることが期待されます。
 また、6月25日夜には、Shangri-La Rasa Sentosaにおいてバンケットが開催されました。バンケットでは、次回のAPCOT2026が、2026年6月21 日~24日に台湾の台中市において開催されることがアナウンスされました。

 

(調査研究・標準部長 藤澤 大介)

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2024年7月 1日 (月)

2024 第27回「国際マイクロマシンサミット」(オーストラリア・ゴールドコースト) 参加報告

 マイクロマシンサミットは、年に1回、世界各国・地域の代表団が集まり、マイクロマシン/ナノテクノロジーに関する課題や展望につき意見交換する場です。日本の提案により1995年3月に京都で開催されたのが始まりで、以後、各国持ち回りで開催されています。第27回マイクロマシンサミット(写真1)が、オーストラリアのゴールドコーストで、2024年5月26日(日)から29日(水)まで開催されましたのでご報告いたします。
 今回のトピックスは「Quantum semiconductor microtechnologies: novelty and re-emergence」でした。日本からは東京大学大学院精密工学専攻の伊藤寿浩教授がチーフデリゲイトとなり、マイクロマシンセンターの国際交流担当の武田と2名で参加いたしました。今回のジェネラルチェアは、オーストラリアのGriffth大学のDzung Dao教授で、会場はMantra on View Surfers Paradiseでした。

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写真1 第27回マイクロマシンサミット概要

 今回は参加国・地域が例年より少なく、欧州から4カ国1地域(ドイツ、ポーランド、ルーマニア、UK、イベリア)、北アメリカから1カ国(カナダ)、アジアから3カ国(シンガポール、中国、日本)、オセアニアから1カ国(オーストラリア)の10国・地域から30名のデリゲイトの参加がありました。事前登録はあったのですが、ビザ等の関係でイタリア、オーストリア、ブラジル、ベトナムの4カ国が欠席となりました。また、新たな参加国はございませんでした。最も参加者の多かったのは開催国のオーストラリアで12名、次いでイベリア地域(スペイン)の3名、カナダの3名でした。会場の様子及び集合写真を写真2、写真3に示します。

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写真2 会場の様子

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写真3 集合写真

 第1日目はオーストラリアのチーフデリゲイトのThe University of Western AustraliaのDr. Mariusz Martyniukの開会の挨拶(写真4)の後、各国の現状を報告するカントリーレビューとオーストラリアクイーンズランド州の取り組みの11件の発表がありました。2日目は一般講演18件がありました。日本からは伊藤チーフデリゲイトから日本の内閣府の量子技術戦略と量子技術関連プロジェクトとしてムーンショットプロジェクト及びMEMS関連プロジェクトの紹介がなされました(写真5:伊藤チーフデリゲイトのプレゼンの様子)。また、武田から防衛装備庁の安全保障技術研究推進制度で受託している小型原子時計の研究成果について「The development of chip-scale atomic clocks using quantum interference」と題する発表を行いました(写真6:武田のプレゼンの様子)。

 今回のトピックスは量子技術でしたが、量子技術の中のPhotonicsやOpto-mechanicsにMEMS技術を活用しているものが多いような印象を受けました。また、中国、ポーランドからも原子時計の発表があり、小型原子時計も量子技術とMEMS技術が必須なデバイスとして取り上げられていました。オーストラリアでは、Griffith大学を中心にシリコン基板上に薄膜のSiCをつけて、SiCの特性を活かした高性能で安価なデバイスの開発も積極的に行われていたのも印象的でした。

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写真4  Dr. Mariusz Martyniukの開会の挨拶の様子

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写真5 伊藤チーフデリゲイトによる
日本のカントリーレビュー報告の様子

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写真6 武田のプレゼンの様子

 テクニカルツアーとしては、5月29日にゴールドコーストから1時間半の距離のブリスベン郊外にある企業Silanna Semiconductorを見学しました(写真7~8参照)。Silannaはエピタキシー装置を使って、UV光エミッタと検出器、電源スイッチ、RF集積回路を製造する会社でした。新型コロナの拡大により、細菌やウイルスを殺菌する高出力のUV光の要求は高まっており、SilannaのUV光エミッタはこのような用途に使われているとのことでした。

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写真7 Silanna前での集合写真

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写真8 製造工場前での説明

 次回のMMS2025の開催月は例年通り5月に、開催地はカナダのモントリオールで、オーガナイザーはCMC MicrosystemsのGordon Harling President & CEOが務めることになりました。また、2026年はUK、2027年はシンガポールで開催されることがチーフデリゲイト会議で決まりました。今後もマイクロマシンサミットにおいて、世界各国のMEMS関係機関との国際交流を深め、世界のMEMSの最新動向を入手して、情報発信してまいります。

(MEMS協議会 国際交流担当 武田宗久)

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