国際標準化

2025年12月26日 (金)

新年のご挨拶(MMC 2025年10大ニュース)

あけましておめでとうございます。

 OECDの最新見通しによれば、2026年の世界経済はトランプ関税や地政学的緊張の影響を受け、成長率は2.9%に鈍化すると予測されています。日本は2025年に成長率1.3%を記録しましたが、高市総理の下での積極的な財政政策や賃上げを背景に、2026年も0.9%のプラス成長を維持する見通しとされています。
 そのような中において、世界の半導体はWSTSの25年12月予測によれば、AI需要を見越したデータセンター投資に連動する形でメモリー製品やGPUなどのロジック製品が半導体市場の成長を牽引し、全半導体では26.3%増の9,754億ドルに、そのうちのSensor & Actuator(MEMSとほぼ同義)は8.7%増の227億ドルに拡大するであろうとされています。我が国政府も経済安全保障の強化、社会課題の解決と持続的な経済成長の実現に向けては、半導体・AI分野が必須であるとしています。

 経済産業省が2025年5月に公開した「半導体・デジタル産業戦略の現状と今後」においては、電子部品やMEMS等も含めて官民で政策のアプローチを検討していくとされております。2023年に当センター内に設置した「MEMS事業者連携委員会」においては、我が国のMEMS再興に向けて国からの支援を確保するべく政策提案に向けての活動を行っています。

 また昨年防衛イノベーション科学技術研究所から受託した「FuMEMTex(テキスタイルと小型デバイスの融合に関する検討役務)」では多機能センサのテキスタイルプラットフォームへの実装に向けた技術のフィージビリティスタディを実施して、有望な技術等を見出す先導研究を行っています。
 さらにMNOIC(マイクロナノ・オープンイノベーションセンター)は、企業からのMEMS製品の工程受託が堅調で、大学・研究機関からの研究受託や企業向け試作支援も増加し、2025年度の事業収入も過去最高となる見込みです。

 さて、当センターでは通算36回目にあたるマイクロナノ分野の展示会である「MEMSセンシング&ネットワークシステム展2026」を1月28日から1月30日にかけて東京ビッグサイトで開催いたします。
 今回も当センターやMNOICの事業紹介の展示に加え、各種セミナーを開催し、興味深い様々な技術報告を行います。セミナーの冒頭には経済産業省の情報産業課デバイス・半導体戦略室様より半導体・デジタル戦略関連のご講演を、また「マイクロナノが支えるフロンティア領域」のセミナーでは経済産業省のイノベーション政策課様を中心にテクノロジーインテリジェンス、量子センシング、ブレインテックについてのご講演をお願いしております。是非、多くの皆様にご来場いただき、さらなるMEMSの発展のために当センターに対するご指導・ご支援を賜れれば幸いです。

 皆様方には以下のマイクロマシンセンターの2025年の10大ニュースをご覧いただき、このような私どもの活動状況をご賢察いただければ幸いです。

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マイクロマシンセンター
2025年10大ニュース
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1.MEMS事業者連携委員会でMEMS技術の戦略的な重要性など活発な意見交換を実施
 2023年度に始動した「MEMS事業者連携委員会」では、我が国MEMS事業者の再興に向けて議論を行っています。2025年度第1回の委員会では、経済安全保障、人材、ファウンドリ・研究拠点、アプリケーション、研究開発について、前年度に引き続き議論を行いました。第2回では経済安全保障と研究開発に課題を絞り込み、AIロボティクスやフロンティア領域においてもMEMS/マイクロナノ技術は戦略的に重要であることなどの議論がなされました。2月19日開催の第3回において政策提言に向けてのとりまとめを行います。

2.防衛イノベーション科学技術研究所の革新型ブレークスルー研究で「テキスタイルと小型デバイスの融合に関する検討役務(FuMEMTex)」を受託
 受託した「FuMEMTex」について、多機能センサのテキスタイルプラットフォームへの実装に向けた先行技術の調査や国際ワークショップの開催などにより、フィージビリティスタディを実施して、11月に中間報告を終えました。今後、2026年度以降の本格研究に結び付けるべく、引き続き先導研究に力を入れてまいります。

3.未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査
 日本のMEMS開発戦略を策定するために、2024年度にNEDOのAI・ロボット部から受託した「未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査(SiM :Study of innovative MEMS for coming society)」として、2035年の社会像からのバックキャスト並びにMEMSの市場及び技術動向からのフォアキャストを基にして、モビリティ、製造・ロボット、ヘルスケアの3分野におけるMEMS研究開発戦略を策定しました。今後、この戦略を基に、研究開発プロジェクト化を目指していきます。

4.MNOIC事業が堅調に推移
 MNOIC(マイクロナノ・オープンイノベーションセンター)は、企業からのMEMS製品の工程受託が堅調で、大学・研究機関からの研究受託や企業向け試作支援も増加し、2025年度の事業収入も過去最高となる見込みです。その一方で持続可能な成長に向けたMEMS製造装置の更新などのインフラ整備にも努めていきます。

5.産業動向調査委員会「フロンティア領域とMEMS/マイクロナノ技術」の調査に着手
 経産省/NEDO事業であるフロンティア育成事業で提示されました、フロンティア領域・技術シーズからMEMS/マイクロナノ技術の貢献が期待されるものを抽出し、それらの開発動向と将来展望についての調査に着手しました。その一環としてMEMS展の中で1月29日に「マイクロナノが支えるフロンティア領域」と題するセミナーを開催します。

6.NEDO先導研究プログラムMESHの開発は順調に推移
 電気通信大学、産総研、当センターで実施中の「メタサーフェスSiハイパースペクトル赤外光センシングデバイス(MESH:Meta Surface Si Hyper spectral infrared light sensing device)」ではプロセス開発並びに試作が計画どおりに進捗しており、当センターではメタサーフェスの試作やマイクロ工学系との融合等を担当しています。チームとしては2026年度以降の研究継続に向けて、研究開発のとりまとめに注力しています。

7.MEMS展2025は盛況裡に終了
  (MEMS展2026は2026年1月28日~30日開催)

 「MEMSセンシング&ネットワークシステム展2025」を2025年1月29日~31日に、東京ビッグサイトで開催し盛況の内に閉幕しました。来場者は42,089名に上りました。MMCブースでは、各種事業の展示を行いましたが、特に上述のSiM調査の成果パネルへの反響は高いものとなりました。また会議棟で開催した各セミナーはいずれも満席となり、関心の高さがうかがえました。MEMS展2026も1月28日~30日、東京ビッグサイト西2ホールで開催を予定しておりますので、奮ってのご参加よろしくお願いいたします。

8.MEMS協議会・海外調査報告会の開催や第28回国際マイクロマシンサミット2025への参加等、国際交流事業を活発化
 海外調査報告会を3月26日にハイブリッドで開催し、200名以上の方にご参加いただき、PNT Technologiesの山下雅樹氏を特別講師とし「タイミングデバイスの世界動向」の特別講演をいただくとともに、MMC事務局からはIEEE MEMS2024、2025APCOT2024等の国際会議報告や標準化国際会議報告などを行いました。また、国際マイクロマシンサミット(2025年6月2日~5日、モントリオール)には東京大学伊藤寿浩教授をチーフデリゲイトとして参加しています。そのほかにも国内外の国際会議等に積極的に参加し、国際交流事業を活発に実施しました。

9. MEMSの国際標準化事業を積極的に推進

(1)フレキシブルMEMSデバイスの国際標準化に関し「IEC1906賞」受賞

IEC TC47/SC47F(MEMS)国内審議団体である当センターが組成したフレキシブルMEMSデバイスに関する国際規格起案検討委員会委員である近畿大学 宍戸 信之准教授がフレキシブルMEMSデバイスの信頼性試験法に関する国際規格制定への貢献が認められ、「IEC1906賞」を受賞されました。

(2)IEC TC47国際標準化全体会議が東京で開催

IEC TC47(半導体分野技術委員会)の国際標準化全体会議が、11月17日~21日に東京で開催され、SC47F(MEMS分野)に関する会議に当センターは国際幹事として参加しました。TC47/SC47F/ WG1-3&MT1会議には各国から33名(日本5名、韓国19名、中国7名、他2名)が参加し、国際規格制定に向け審議を前進させることができました。

10.マイクロマシンセンター/MEMS協議会で官民の積極的な交流を実施
 2025年度、日立製作所の 鮫嶋茂稔 執行役常務(CTO) がマイクロマシンセンター理事長に就任され、新体制が始動しました。6月にはMEMS協議会・推進委員会、12月にはMEMS懇話会を開催し、経済産業省、NEDO、産総研と会員企業の委員との間で、我が国MEMS産業の再興などを中心に、活発な意見交換を行いました。

 

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2025年12月 5日 (金)

IEC/TC47 国際標準化全体会議(東京開催)参加報告(11月17日~21日)

 IEC(国際電気標準会議) TC47(半導体分野技術委員会)の国際標準化全体会議が、11月17日~21日に、日本・東京のAP東京八重洲で開催され、関連する会議に参加しました。

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会議が開催されたAP東京八重洲

 初日の11月17日には、TC47/WG7(Semiconductor devices for energy conversion and transfer)会議が開催されました。日本からは、TC47/WG7コンビナーの東京大学 鈴木雄二 教授、兵庫県立大学 藤田孝之 教授、神戸大学 神野伊策 教授、TC47/SC47F国際幹事をつとめるマイクロマシンセンター 三原孝士 主幹研究員を含む6名が参加しました。会議では、現在TC47/WG7で審議中の規格案について議論されました。

 TC47/WG7おける審議中のプロジェクトは、兵庫県立大学 藤田教授が提案中の「IEC 63608-1 ED1:Reliability evaluation methods for vibration energy harvesters - Part 1: Mechanical reliability under shock」、神戸大学 神野教授が提案中の「IEC 63608-2 ED1:Reliability evaluation methods for vibration energy harvesters - Part 2: Temperature and humidity」の2件であり、文書回付状況、各国NC(National Committees)からのコメントへの対応に関する議論、今後の予定の確認がなされました。

 まず、兵庫県立大学 藤田教授からIEC 63608-1について、CD(Committee Draft)投票時の各国NCからのコメントを反映したCDV(Committee Draft for Vote)内容が説明され、本会議での議論の結果を反映した後にCDV回付することが決定されました。次に、神戸大学 神野教授からIEC 63608-2について、NP(New Work Item Proposal)投票時の各国NCからのコメントを反映したCD内容が説明され、本会議での議論の結果を反映した後にCD回付することが決定されました。

 11月18日にはTC47/SC47F Officer/Convenor会議が開催されました。日本からはSC47Fの各WG、MTコンビナーをつとめるSC47F国内委員会 委員長 古田一吉 氏、熊本大学 高島和希 教授、SC47F三原国際幹事を含む4名が参加しました。

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TC47/SC47F Officer/Convenor会議の様子

 今回の会議は、SC47F議長の任期満了(2025/8/14)でSC47F の新しい議長として韓国 Joon-Shik Park 氏が就任して最初の会議となりました。
 会議では、SC47FのSBP(Strategic Business Plan)の改訂に関し、各WG、MTのタスクを明確にするためSBP内容について議論しました。このほか、これまでWG会議で議論を続けてきたSC47Fで今後提案されるIS(International Standard)番号の適用デバイスなどに応じた採番方法について、新たな番号体系に関し、SC47F議長から提案があり議論しました。

 11月19日にはTC47/SC47F/ WG1-3&MT1会議(Micro-electromechanical systems)が開催されました。本会議には、各国から33名(日本5名、韓国19名、中国7名、ドイツ1名、ロシア1名※by correspondence)が参加し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論しました。
 本会議には、日本からは、SC47FのWGコンビナーをつとめる古田氏、熊本大学 高島教授、SC47F三原国際幹事、近畿大学 宍戸 信之 准教授を含む5名が参加し、全体の議事進行を古田氏がつとめられました。

 会議では、まず前回会議の議事録が確認され、続いてSC47F三原国際幹事から、IEC本部からの連絡事項、新たに発行されたIS、近畿大学 宍戸准教授のIEC1906賞の受賞について説明されました。各WG、MTの活動概要については、各コンビナーが報告し、現在審議中の規格案について議論しました。

 WG1では、活動概要、MEMS用語集である「IEC 60747-4 ED1」のレビジョンアップ版のFDIS(Final Draft International Standard)回付及び今後の予定について確認されました。審議中プロジェクトの日本案件としては、名古屋工業大学 泉隼人 助教が提案している「IEC 62047-51 ED1:Test method of electrical characteristics under two-directional cyclic bending deformation for flexible micro-electromechanical devices」について、共同プロジェクトリーダーの近畿大学 宍戸准教授が文書回付状況について確認しました。

 本プロジェクトは、CD投票時の各国NCからのコメントへの対応について、前回の会議で議論され、指摘事項を反映したCDVが提出されています。既に成立している国際規格ISのメンテナンスを管理するMT1では、事前に調査したIS見直し期限の変更について、熊本大学 高島教授が説明し、各国と議論されました。

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TC47/SC47F/WG1-3&MT1会議の様子

 今後提案予定の規格案を紹介するFuture Worksのセッションにおいては、中国、韓国から下記9件の発表がありました。(1)~(4)は、これまでのWG会議で提案されてきた規格案で、今後NP提案が進められます。新たな規格案としては、Bio-MEMS、テラヘルツセンサに関する提案がありました。

 

Future Works
(1) Test method for magnetostriction coefficient of MEMS magnetic film(中国)
(2) Tensile test of shape-memory MEMS materials under elevated temperature(韓国)
(3) Double Cantilever Beam Test with Compliance Measurement for MEMS Hybrid Bonding Interface Characterization(韓国)
(4) MEMS residual stress measurement and its degradation testing method based on on-chip stress amplification structure(中国)
(5) Test Method for Processing Electrophysiological Data from 3D cell-tissue in High Throughput Screening (HTS) systems with Bio-MEMS chips(韓国)
(6) Microfluidic device for droplet-based 3D cell culture(韓国)
(7) Measurement methods for electrical environment stimulation and electrophysiological measurement using 3D cell tissues models with MEMS chips(韓国)
(8) Test method of antenna-coupled MEMS bolometer for Terahertz sensing(韓国)
(9) Instrumented Nanoindentation Test Method for Measuring Mechanical Properties of Metal Thin Film(中国)

 

 本会議の最後には、次回会議の予定として2026年5月14日に神戸で開催予定の本WG春季会議について、マイクロマシンセンター 藤澤が説明しました。

 11月20、21日には、それぞれTC47/SC47F Plenary会議、TC47 Plenary会議が開催され、WG及びSCにおいて決議された内容について各WGコンビナー、議長が報告しました。予定していた議題全てを円滑に議論でき、各国エキスパートやプロジェクトリーダーと交流を図ることができ、充実した会議となりました。

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TC47/SC47F Plenary会議集合写真

 

(調査研究・標準部長 藤澤 大介)

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2025年6月 6日 (金)

IEC国際標準化 TC47/SC47E WG1&2, SC47F WG1-3&MT1会議(中国 石家荘開催)参加報告(2025年5月19日~23日)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会) / WG5(ウエハレベルの信頼性)、SC47E(個別半導体デバイス分野)、SC47F(MEMS)の国際標準化WG会議が、中国のホストで、5月20日~22日に、中国 石家荘のHebei GuoShan Hotelで開催されました。


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会議が開催されたHebei GuoShan Hotel
https://www.guoshanhotel.cn/

  5月20日は、半導体関連技術に関する会議SC47E(DISCRETE SEMICONDUCTORDEVICES)WG1(SEMICONDUCTOR SENSORS)、WG2(MICROWAVE DEVICES)が開催され、SC47F関係者も参加しました。IEC TC47/SC47E/WG1&2会議へのSC47F関係者の参加により、両SCに関連するセンサ技術などに関し、WG各国エキスパートとの活発な意見交換がありました。WG1では、日本提案で成立している国際規格IS(International Standard)「IEC 60747-19:Smart sensors - Control scheme of smart sensors」のstability dateが2025年から2027年へ更新されたことを確認しました。

  5月21日には、IEC TC47/SC47F/ WG1-3&MT1会議が開催され、36名(日本7名、韓国11名、中国17名、ドイツ1名)が出席し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。


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TC47/SC47F/WG1-3&MT1会議の様子

 会議では、SC47F/WG3のコンビナーである中国 Wei Zhang氏が、議事進行を務められました。日本からの出席者は、WG1コンビナーであるマイクロマシンセンター 標準化事業委員会 委員長 古田一吉氏、WG3コンビナーである神戸大学 磯野吉正教授、MT1コンビナーである熊本大学 高島和希教授、現在のアクティブプロジェクトのプロジェクトリーダーである神戸大学 神野伊策教授、名古屋工業大学 名古屋工業大学 泉隼人助教、SC47F国際幹事 マイクロマシンセンター 三原孝士、マイクロマシンセンター 藤澤大介でした。
 会議では、まず前回ロンドン会議の議事録が確認され、続いてIEC SC47F三原国際幹事から、IEC本部からの連絡事項、SC47F議長の任期満了(2025/8/14)に伴うSC47F new chair nomination等について説明されました。SC47F後任議長については、日本が推薦した韓国 Joon-Shik Park氏にIECのTechnical OfficerからCongratulation Letterが送付されたことも報告され、就任が決定しました。

 WG1では、コンビナーである古田氏からWG活動概要と古田氏がプロジェクトリーダーである「IEC 62047-1:Terms and definitions」の改訂予定について説明されました。また、ココンビナーの韓国 Sung Hoon Choa 氏から用語集である「IEC 60747-4:Generic specification for MEMS」のCDV(Committee Draft for Vote)投票結果に対する対応について説明されました。

  WG2では、コンビナーである韓国 Hak Joo Lee氏からWG活動概要について説明されました。日本提案案件のステータスとして、神戸大学 神野教授提案の「IEC 62047-49:Reliability test methods of electro-mechanical conversion characteristics of piezoelectric MEMS cantilever」のCDV投票結果、各国からのコメントへの対応について承認されました。
 また、名古屋工業大学 泉助教提案の「IEC 62047-51:Test method of electrical characteristics under two-directional cyclic bending deformation for flexible micro-electromechanical devices」のCD(Committee Draft)投票結果、各国からのコメントへの対応について承認されました。

  WG3では、コンビナーである神戸大学 磯野教授が、WG活動概要を説明されました。既に成立している国際規格ISのメンテナンスを管理するMT1では、コンビナーの熊本大学 高島教授からISのstability date見直しについて説明され、各国と議論されました。

  今後提案予定の規格案を紹介するFuture Worksのセッションにおいては、中国から6件、韓国から5件の下記発表がありました。

  • Test methods for sensing performances of MEMS resonant electric-field-sensitive devices(中国)
  • Test method of MEMS thermopile devices(中国)
  • MEMS differential pressure flowmeter(中国)
  • Test method for magnetostriction coefficient of MEMS magnetic film(中国)
  • Reliability test method for  TSV(through silicon via)  electroplated  layers(中国)
  • Test and evaluation method for residual stress of microelectromechanical system(中国)
  • Twisting and tensile hybrid test methods for conductive thin film materials(韓国)
  • Evaluation methods of strain for stretchable hybrid MEMS materials(韓国)
  • Tensile test of shape-memory MEMS materials under elevated temperature(韓国)
  • Measurement Method for Interfacial Strength of Hybrid Bonding in Semiconductor Packaging(韓国)
  • Performance evaluation methods of antenna-coupled MEMS bolometer (ACMB) for Terahertz sensing(韓国)

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TC47/SC47F/WG1-3&MT1会議集合写真

 5月22日午前には、MEMS Standardization Workshopが開催されました。Workshopは、下記プログラムでSC47Fエキスパートである北京大学 Dacheng Zhang教授が進行を務められ、日本からは神戸大学 神野伊策教授から「Recent progress in piezoelectric thin films」と題して、圧電材料として現在主流であるPZTに代わる圧電薄膜の研究について講演されました。
 また、中国、韓国からも講演があり、最新のMEMSに関する研究に関して各国エキスパートの活発な意見交換がありました。

  • Recent progress in piezoelectric thin films(日本)
  • Unconventional micro-/nanofabrication for commercially viable applications(韓国)
  • Nanopores in graphene: fabrication, mass transport and applications(中国)
  • Advanced MEMS Ultrasonic Transducers for Sensing Applications(中国)
  • Monolithic Integration of Piezoelectric MEMS chip by Foundry CMOS process(中国)

 5月22日午後には、TECHNICAL VISITとして、MEMS関連企業であるMT Microsystems Co., LtdとHebei Sinopack Electronics Technology Co., Ltd.を訪問しました。


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MEMS Standardization Workshopの様子

 本会議では予定していた議題全てを円滑に議論でき、各国エキスパートやプロジェクトリーダーと会議前後の時間に交流を図ることができ、充実した会議となりました。

 次回の会議は、TC47全体会議が、11月に東京で開催されます。また、来年のTC47/SC47F/WG1-3&MT1会議は、神戸で開催される予定です。

(調査研究・標準部長 藤澤 大介)

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2025年4月18日 (金)

2024年度海外調査報告会を盛況に開催

 2024年度MEMS協議会海外調査報告会を3月26日(水)にハイブリッドで開催し、オンライン175名を含む213名の方にご参加頂きました(写真1)。このイベントはマイクロマシンセンター/MEMS協議会(MIF)が行っているMEMS関連の海外調査及び国際標準化の最新状況について国際交流事業の一環として報告するもので、新型コロナの影響で4年間休止しておりましたが、昨年からハイブリッドで再開いたしました。
 今回は世界のタイミングデバイスの動向について造詣の深いPNT Technologiesの山下雅樹氏の特別講演「タイミングデバイスの世界動向」を含み、以下のプログラムで行いました。

15:00~15:05 主催者挨拶
(財)マイクロマシンセンター 専務理事 長谷川 英一

15:05~15:35「タイミングデバイスの世界動向」
PNT Technologies 代表取締役 山下雅樹氏

15:35~16:30「2024年度国際会議報告」
① 国内外技術動向調査委員会報告
(APCOT2024とMEMS2024+2025)
MMC 調査研究・標準部長 藤澤大介
② MSEC2024
MMC MEMSシステム開発センター長 武田宗久
③ MEF2024とJCK MEMS/NEMS 2024
MMC 武田宗久

16:30~16:45「マイクロマシンサミット2024
(オーストラリア、ゴールドコースト)報告」
MMC 武田宗久

16:45~17:05 「標準化国際会議報告」 (MMC 藤澤大介)
① IEC/TC47/SC47Fの国際標準化WG会議(韓国・済州島)
② IEC/TC47の国際標準化プレナリー会議(英国・ロンドン)

17:05~17:15 「その他:海外機関との交流活動」(MMC 武田宗久)
① 15th Fraunhofer Symposium in Sendai
② IOT SOLUTIONS WORLD CONGRESS 2025(IOTSWC25)
アンバサダー 就任

17:30~18:30 参加者交流会

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写真1 会場の様子

 はじめにMEMS協議会事務局長で専務理事の長谷川英一からの主催者挨拶を行い、そのあと、PNT Technologiesの山下雅樹氏から「タイミングデバイスの世界動向」と題して特別講演をいただきました(写真2)。MEMSタイミングデバイスとして世界を席巻しているSiTimeの構造や特性を含めた興味深い話を伺うことができました。

 次に、MMCの藤澤調査研究・標準部長から2024年1月21日~25日に米国のオースティンで開催されましたIEEE MEMS2024と2024年6月23日~26日にシンガポールで開催されましたAPCOT2024(The 11th Asia-Pacific Conference of Transducers and Micro-Nano Technology)の分析結果及び2025年1月19日~23日に台湾の高雄で開催されましたIEEE MEMS2025の速報についても紹介いたしました(写真3)。

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写真2 PNT Technologies 山下氏のプレゼンの様子

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写真3 MMC藤澤のプレゼンの様子

 続いて、MMCの国際交流担当部長の武田宗久から2024年10月7日~9日にカナダのケベック州ブロモンで開催されましたSEMI MSEC (MEMS & Sensors Executive Congress)2024、2024年4月17日~18日に両国で開催されましたMEF (MEMS Engineer Forum)2024、2024年9月18日~21日に中国の成都で開催されましたJCK(Japan-Chine-Korwea) MEMS/NEMS2024及び2024年5月26~29日にオーストラリアのゴールドコーストで開催されましたマイクロマシンサミット2024の報告を行いました(写真4)。

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写真4 武田からの報告の様子

 マイクロマシンサミット2024は日本からはチーフデリゲイトの東京大学の伊藤寿浩教授とマイクロマシンセンターの国際交流担当の武田の2名が出席しました。今回は直前のキャンセルが4カ国あり、ヨーロッパ4カ国+1地区(ドイツ、ポーランド、ルーマニア、UK、イベリア地区)、アジア3カ国(シンガポール、中国、日本)以外はカナダとオーストラリアの10地域に留まりました。今回のテーマは「Quantum semiconductor microtechnologies: novelty and re-emergence」でした。各国からのカントリレビューと18件の一般講演が行われました。2025年のサミットはカナダのモントリオールで2025年6月2日~5日に「The Intersection of Micromachines and IoT」というテーマで開催されます。

 続いて「標準化国際会議報告」としてMMCの藤澤からMEMSの標準化活動内容と以下の2つの標準化国際会議の報告が行われました。
① IEC/TC47/SC47Fの国際標準化WG会議
(韓国・済州島、2024年5月23日~24日)
② IEC/TC47の国際標準化プレナリー会議
(英国・ロンドン、2024年11月25日~29日)

 最後にMMCの武田から海外機関との交流活動として、以下の3件の報告が行われました。MMCは②に示すように、IOTSWV25のアンバサダーなっておりますので、MEMS協議会の会員様には参加費の割引特典がございます。
① 15th Fraunhofer Symposium in Sendai
(仙台、2024年12月9日~10日)
② IOT SOLUTIONS WORLD CONGRESS 2025(IOTSWC25)
アンバサダー就任(スペイン・バルセロナ、2025年5月13日~15日)
③ MEMSセンシング&ネットワークシステム展2025
(2025年1月29日~31日)

 報告会の終了後には会場参加者で意見交換会も実施し、活発な意見交換が行われました。

 今回はオンラインを含め213名という多数の参加を得て、盛況のうちに終了いたしました。
 来年以降も、海外報告会でMEMS分野における海外の最新動向をご報告いたしますので、ご期待ください。
 最後のこの場を借りまして、今後のMEMS協議会への積極的なご参加を引き続きお願いしたいと存じます。

(MEMS協議会 国際交流担当部長 武田 宗久)

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2025年1月10日 (金)

IEC/TC47 国際標準化全体会議(ロンドン開催)参加報告(2024年11月25日~29日)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)の国際標準化全体会議が、11月25日~29日に、英国・ロンドンのBSI(British Standards Institution) officeで開催され、関連する会議に参加しました。


 初日の11月25日には、IEC/TC47/WG7(Semiconductor devices for energy conversion and transfer)会議が開催されました。日本からは、兵庫県立大学 藤田孝之 教授、IEC SC47F国際幹事をつとめるマイクロマシンセンター 三原孝士 主幹研究員など3名が参加しました。会議では、現在WG7で審議中の規格案について議論されました。
 WG7における審議中のプロジェクトは、WGコンビナーの東京大学 鈴木雄二 教授が提案中の「IEC63150-2ED1:Measurement and evaluation methods of kinetic energy harvesting devices under practical vibration environment - Part 2: Human arm swing motion」、神戸大学 神野伊策 教授が提案中の「IEC63150-3ED1:Measurement and evaluation methods of kinetic energy harvesting devices under practical vibration environment - Part 3: Human foot impact motion」及び振動発電デバイスに関する新しい提案である「PNW47-2880 ED1:Reliability evaluation methods for vibration energy harvesters - Part 2: Temperature and humidity」、兵庫県立大学 藤田孝之 教授が提案中の「IEC63608-1ED1:Reliability evaluation methods for vibration energy harvesters - Part 1: Mechanical reliability under shock」の4件であり、文書回付状況、今後の予定について確認及び議論がなされました。
 会議では、兵庫県立大学 藤田教授から規格開発中の「IEC63608-1ED1:Reliability evaluation methods for vibration energy harvesters - Part 1: Mechanical reliability under shock」について、NP(New Work Item Proposal)投票時の各国NCからのコメントを反映したCD(Committee Draft)内容が説明され、CD回付することが承認されました。

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会議が開催されたBSI(British Standards Institution)

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会議室からの風景

 11月26日にはSC47F Officer/Convenor会議が開催されました。日本からはIEC/SC47FのWGコンビナーをつとめる古田氏、高島教授及び磯野教授、IEC SC47F三原国際幹事、宍戸准教授など6名が参加しました。
 会議では、SC47F議長の任期満了(2025/8/14)に伴うSC47F new chair nominationの手続き状況などについて意見交換されました。本件に関しては、IEC Technical Officerから幹事国である日本に後任議長推薦の意向確認があり、SC47F国内委員会において検討後、現議長のChoa氏(韓国)は最長任期であり再任は無いことから、韓国からの後任候補としてSC47F MT1コンビナーであるJoon-Shik Park氏を推薦しています。現在は、各国からのノミネーションの受付期間になります。
 また、来年に中国で開催予定の春季WG会議の開催候補地である石家荘市 HeBei Cuipingshan Guesthouseについて中国から紹介され、会議スケジュール、MEMS standardization Workshop構成内容などについて意見交換しました。このほか、SC47Fで発行されているIS(International Standard)について、適用デバイスなどに応じて分類し、ISの番号を採番し直すことについて、中国から提案があり、今後のWG会議で引き続き議論することで合意しました。

 11月27日にはTC47/SC47F/ WG1-3&MT会議(Micro-electromechanical systems)が開催されました。本会議には、各国から21名(日本6名、韓国9名、中国4名、ドイツ1名、アメリカ1名)が出席し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論しました。
 本会議は、WG2コンビナーである韓国 Joon-Shik Park氏が議事進行をつとめられました。日本からは、IEC/SC47FのWGコンビナーをつとめる古田氏、高島教授及び磯野教授、IEC SC47F三原国際幹事、宍戸准教授など6名が参加しました。

 会議では、まず前回会議の議事録が確認され、続いて、IEC SC47F三原国際幹事から、IEC本部からの連絡事項、SC47F new chair nomination等について説明されました。各WGの活動概要については、各WGコンビナーが報告し、現在審議中の規格案について意見交換しました。
 WG1関連では、WG1活動概要、MEMS用語集である「IEC 60747-4:2008 ED1」のレビジョンアップ版の今後の予定等について説明されました。審議中プロジェクトの日本の案件として、名古屋工業大学 泉隼人 助教が提案している「IEC 62047-51:Test method of electrical characteristics under two-directional cyclic bending deformation for flexible micro-electromechanical devices」について、共同プロジェクトリーダーの宍戸准教授により文書回付状況、今後の予定について説明されました。本プロジェクトはNP投票の結果、コメント付きで承認されており、各国コメントへの対応について、プロジェクトリーダーが検討し、CD回付中になります。
 また、既に成立している国際規格ISのメンテナンスを管理するMT1では、事前に調査したIS見直し期限の変更について、高島教授が説明し、承認されました。今後提案予定の規格案を紹介するFuture Worksのセッションにおいては、中国、韓国から下記発表がありました。
 現在SC47Fでは、11件の審議中のプロジェクトがあり、内訳は日本2件、韓国3件、中国6件となっています。更に中国4件、韓国2件の計6件の新規提案が予定されています。

Future Works

  • RF MEMS Couplers(中国)
  • Test methods for sensing performances of MEMS resonant electric-field-sensitive devices(中国)
  • Test method of MEMS thermopile devices(中国)
  • MEMS differential pressure flowmeter(中国)
  • Twisting and tensile hybrid test methods for conductive thin film materials(韓国)
  • Evaluation methods of strain for stretchable hybrid MEMS materials(韓国)

 最後に、来年の5月に中国で開催される予定の本WG春季会議について、Sung Hoon Choa SC47F議長が説明しました。

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TC47/SC47F/WG1-3&MT1会議の様子

 11月28、29日には、それぞれTC47/SC47F Plenary会議、TC47 Plenary会議が開催され、WG及びSCにおいて決議された内容について各主査及び議長が報告しました。予定していた議題全てを円滑に議論でき、各国主査やPLと会議前後の時間に交流を図ることができ、充実した会議となりました。

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TC47/SC47F Plenary会議集合写真

(調査研究・標準部長 藤澤 大介)

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2024年12月27日 (金)

新年のご挨拶(MMC 2024年10大ニュース)

 新年あけましておめでとうございます。

  OECDの世界経済見通しによれば、2024年は世界経済の成長率が3.2%であったところ、2025 年は貿易摩擦や保護主義の高まり、地政学的紛争激化などのリスクもあり、インフレは和らいだものの、3.3%に留まるとの予想をしています。日本については、24年はマイナス0.3%と、G7中最低であったところ、景気刺激策を追い風に25年は1.5%のプラス成長を回復するとされています。

 そのような中において、世界の半導体はWSTS2412月予測によれば、全半導体では11.2%増の6,871億ドルに、そのうちのSensor & ActuatorMEMSとほぼ同義)は7.0%増の200億ドルに拡大するであろうとされています。我が国政府も社会課題の解決と持続的な経済成長の実現に向けては、DXGXの推進を中心に据え、それを支える柱の一つがAI・半導体であるとしています。

 経済産業省においても、半導体・デジタル産業を「国家事業」と位置づけ、20216月に策定した「半導体・デジタル産業戦略」を「経済安全保障推進法」とも関連させて発展させ、その政策的支援を加速されているところですが、MEMSもその波に乗せていただくべく、2023年に当センター内に設置しました「MEMS事業者連携委員会」において、我が国MEMS再興についての検討を精力的に進めています。ただ、現時点ではMEMSは半導体の中で唯一、経済安保の枠外という状況にあることから、その点も含め、さらに議論を深めてまいります。

 また、昨年NEDOから受託しました「未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査(SiM)」事業において、2035年を視野とするMEMS研究開発戦略の議論を深めており、これもMEMS再興への一つの重要な活動と位置付けています。

 さらにMNOIC(マイクロナノ・オープンイノベーションセンター)では、老朽化設備の更新を引き続き産業技術総合研究所にお願いしつつも、自前での新規設備投資も行い、MEMSの研究支援や工程受託などのユーザーのご要望に的確にお応えできるよう、運営に努めてまいります。

 さて当センターでは通算35回目にあたるマイクロナノ分野の展示会である「MEMSセンシング&ネットワークシステム展2025」を129日から31日にかけて東京ビッグサイトで開催いたします。今回も会場でのセンターの活動紹介、MNOICの紹介、研究開発報告とともに、各種セミナーを開催し、興味深い様々な技術報告を行います。セミナーの冒頭には経済産業省の情報産業課デバイス・半導体戦略室長に半導体・デジタル戦略関連のご講演をお願いしております。是非、多くの皆様にご来場いただき、今後のMEMSの発展のために当センターに対するご指導・ご支援を賜れれば幸いです。
 皆様方には以下のマイクロマシンセンターの2024年の10大ニュースをご覧いただき、このような私どもの活動状況をご賢察いただければ幸いです。

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マイクロマシンセンター
2024年10大ニュース
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1.報告書「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」に基づき「MEMS事業者連携委員会」で活発な意見交換を実施
(1)「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」報告書を3月にリリース
 産業動向調査委員会は、我が国MEMS産業の再興のため改めてMEMS事業者の動向調査を行い、国内MEMS関連事業者73社、大学・公的研究機関40機関の協力を得て2024年3月に報告書「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」並びに調査に協力いただいた法人のディレクトリをまとめました。
(2)MEMS事業者連携委員会で活発な意見交換
2023年11月から始動したMEMS事業者連携委員会では、前述の報告書の中で「MEMS戦略に関する期待」として整理された事項から、我が国のMEMS事業者が抱えている課題の抽出を行い、2024年は委員会を3月、6月、11月に開催し我が国MEMS産業の再興に向けた方向性をめぐって活発な意見交換を行いました。引き続き次回委員会(3月12日開催)ではこれまでの意見を集約し政策提言に向けてのとりまとめを行います。

2.2つのプロジェクト(HS-ULPACとBaMBI)が所望の成果をもって終了
(1)量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究(HS-ULPAC)
防衛装備庁令和元年度安全保障技術研究推進制度の中で「量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究(HS-ULPAC)」のプロジェクトを2020年3月から2023年度まで実施して参りました。この度2024年3月31日をもって、ほぼ所期の目標を達成して終了いたしました。
(2)血中成分の非侵襲連続超高感度計測デバイスおよび行動変容促進システムの研究開発(BaMBI)
2019年度にNEDO委託事業「IoT社会実現のための革新的センシング技術開発」の中でスタートした本事業は2022年度からは株式会社タニタ様主導の2年間の助成事業として継続、この度2024年3月31日に終了いたしました。当センターはウェアラブル中・遠赤外ディテクタプロセス試作を行い、非侵襲で血中成分のトレンドを追うことが可能な試作機を構築することができました。

3.NEDO「未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査」を受託
 2024年度に受託した本調査事業では、富山県立大学の下山勲学長を委員長に、東京大学の伊藤寿浩教授と東北大学の田中秀治教授を副委員長とする有識者委員会での議論及び有識者へのヒアリング調査等を通じて、2035年の社会像からのバックキャスト及びMEMS市場/技術動向からのフォアキャストから、日本のMEMS研究開発として実施すべき項目を抽出するとともに、フィージビリティスタディでその研究開発内容を明らかにして、日本のMEMS研究開発戦略を策定しています。

4.MEMS展示会並びにセミナーは来場者増で盛況に終了
例年通り当センターが主催する「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」を2024年1月31日から2月2日までの3日間、東京ビッグサイトで盛況裡に開催しました。会場への来場者は前回より1万人以上多く、MMCブースでは、研究開発プロジェクトの紹介をはじめ、MNOIC事業、標準化事業、MEMS事業者連携委員会の概要などを展示しました。また当センター主催のセミナーは全て展示ホール内のセミナー会場で行われましたが、どのセミナーも満席となるほど盛況で、今回の講演テーマに対する関心の高さがうかがえました。2025年は1月29日~31日、東京ビッグサイト東ホールで開催を予定しております。奮ってのご参加をよろしくお願いいたします。

5.NEDO先導研究プログラム「MESH」の開発は順調に進捗
 電気通信大学、産業技術総合研究所と当センターの連名で実施中の「メタサーフェスSiハイパースペクトル赤外光センシングデバイス」ではプロセスの開発並びに試作が計画通りに進捗しており、当センターではメタサーフェスの試作やマイクロ工学系との融合等を担当しています。

6.MNOIC事業は堅調に推移
 MNOICユーザーの現行製品の継続的な製造および次期製品に向けた開発試作等を請け負う工程受託が堅調に推移している一方で、産総研との連携による研究受託や企業ユーザー向けの研究試作支援など、将来の高機能MEMSデバイスを目指した取り組み案件も着実に増加しています。また、工程の効率化を図るため、新たにリフトオフ装置、レーザマーカ、チップソータを導入し稼働を開始しています。

7.MEMS協議会・海外調査報告会の開催や第27回国際マイクロマシンサミット2024への参加等、国際交流事業を活発化
 新型コロナの影響で5年ぶりの開催となった海外調査報告会を3月4日にハイブリッドで開催し、オンライン109名を含む137名の方にご参加いただき、世界の最新MEMS動向等を広く紹介しました。また、当センターが1995年に開始した国際マイクロマシンサミットも第27回を数え、MEMS協議会副会長の東京大学伊藤寿浩教授をチーフデリゲイトとして、2024年5月、オーストラリアのゴールドコーストに派遣しました。そのほかにも国内外の国際会議等に積極的に参加し、国際交流事業を活発に実施しました。

8.2024年度MEMS協議会・推進委員会とメンバー交流会を開催
 7月10日、虎ノ門APの会場にて2024年度MEMS協議会・推進委員会を開催しました。経済産業省の清水情報産業課デバイス・半導体戦略室長から半導体政策の全体像についてご紹介いただいた後、2024年度の協議会活動、プロジェクトの状況等も含め、出席者の間で活発な意見交換が行われました。委員会終了後はMEMS協議会のメンバー交流会を開催し、ご参加いただいた50名以上の方々の間で、様々に情報交換や懇談が行われました。

9. MEMSの国際標準化事業を積極的に推進
 2021年度に国から受託した国際標準化事業では、薄膜圧電MEMSについての「Temperature and humidity test methods for piezoelectric MEMS cantilevers」と、フレキシブルMEMSデバイスについての「Test method of electrical characteristics under two-directional cyclic bending deformation for flexible micro-electromechanical devices」をIEC(国際電気標準会議)/TC47(Semiconductor devices)/SC47F(MEMS)に提案し承認を受けるという目標を達成し、2024年2月末に終了しました。当センターはSC47F国内審議団体として日本提案の規格案への理解獲得のためIEC会議等で積極的な活動を推進し、IEC/TC47/SC47Fでこれまでに発行されたMEMSに関する国際規格42件のうち、18件を日本提案規格とすることができています。

10.技術研究組合NMEMS技術研究機構の解散
 2011年7月に設立以降、多くの組合員が参加し、9つのプロジェクトを実施してまいりましたが、組合員の技術水準の向上を図るという所期の目的を達成することができましたので、2024年3月27日に開催されました臨時総会におきまして解散することが決議され、2024年3月31日をもって組合は解散いたしました。13年間に亘るご支援・ご協力、誠に有難うございました。

 

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2024年5月30日 (木)

IEC国際標準化 SC47E WG1&2, SC47F WG1-3&MT1会議(韓国 済州島開催)参加報告

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会) / SC47E(個別半導体デバイス分野)、SC47F(MEMS分野)の国際標準化WG会議が、韓国のホストで、5月22 日~24日に、韓国 済州島のLotte City Hotel Jejuで開催されました。

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写真1 韓国 済州島
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写真2 会議が開催されたLotte City Hotel Jeju

 5月22日には、半導体関連技術に関する会議SC47E(DISCRETE SEMICONDUCTORDEVICES)WG1(SEMICONDUCTOR SENSORS)、WG2(MICROWAVE DEVICES)が開催されました。IEC TC47/SC47E/WG1&2会議へのSC47F関係者の参加により、両SCに関連するセンサ技術などに関し、WG各国エキスパートとの活発な意見交換がありました。

 5月23日には、IEC TC47/SC47F/ WG1-3&MT1会議が開催され、現地参加で20名(日本8名、韓国8名、中国4名)が出席し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。

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写真3 TC47/SC47F/WG1-3&MT会議の様子

 会議では、SC47F/MT1のコンビナーである韓国 Joon-Shink Park氏が、議事進行を務めました。日本からの出席者は、WG1コンビナーであるマイクロマシンセンター 標準化事業委員会 委員長 古田一吉氏、WG3コンビナーである神戸大学 磯野吉正教授、MT1コンビナーである熊本大学 高島和希教授、現在のアクティブプロジェクトのプロジェクトリーダーである名古屋工業大学 名古屋工業大学 泉隼人助教、神谷庄司教授、近畿大学 宍戸信之准教授、SC47F国際幹事マイクロマシンセンター 三原孝士、マイクロマシンセンター 藤澤大介でした。

 WG1では、コンビナーである古田氏からWG活動概要、ココンビナーの韓国 Sung Hoon Choa 氏から用語集である「IEC 60747-4:2008 ED1」のレビジョンアップ版ED2の今後の予定等について説明されました。
 WG2では、コンビナーである韓国 Hak Joo Lee氏からWG活動概要について説明されました。日本提案案件のステータスとして、まず近畿大学 宍戸准教授提案の「IEC 62047-43:Test method of electrical characteristics after cyclic bending deformation for flexible electro-mechanical devices」の国際規格ISの2024年発行について、説明されました。このほか神戸大学 神野教授提案の「IEC 62047-49:Reliability test methods of electro-mechanical conversion characteristics of piezoelectric MEMS cantilever」のCD投票完了、各国からのコメントへの対応について、神戸大学 神野教授の代理でマイクロマシンセンター 藤澤が説明しました。また、名古屋工業大学 泉助教提案の「IEC 62047-51:Test method of electrical characteristics under two-directional cyclic bending deformation for flexible micro-electromechanical devices」のNP投票完了、各国からのコメントへの対応について、泉助教が説明しました。
 WG3では、今回から次世代センサ協議会 大和田邦樹副会長に代わってWG3コンビナーに就任された神戸大学 磯野教授が、WG活動概要を説明されました。
 既に成立している国際規格ISのメンテナンスを管理するMT1では、コンビナーの高島教授からISのstability date見直しについて説明され、各国と議論されました。
 今後提案予定の規格案を紹介するFuture Worksでは、中国からMEMS thermopile devices、MEMS differential pressure flowmeter、韓国からMEMS MOS type gas sensorなどのMEMSに関する規格開発について紹介されました。

 5月24日には、MEMS Standardization Workshopが開催されました。
Workshopは、SC47F議長である韓国 Sung Hoon Choa氏が進行を務められ、神戸大学 磯野教授から「Traditional or New Technique for 3D microstructuring of Si films? -Punch creep forming for 3-axis force sensors and evaluation of creep properties-」について、中国 Wei Zhang氏から「MEMS gas sensor」について、韓国 Yeong-Eun Yoo氏から「Bio-MEMS technology」、韓国 Sung Hoon Choa氏から「Recent trend of semiconductor packaging technology」など、最新のMEMSに関する研究に関して紹介され、各国エキスパートの活発な意見交換がありました。

 会議の最後には、来年の本国際標準化WG会議を中国で開催することが中国NCから説明があり、了承されました。

 次回の会議は、IEC全体会議が11月にロンドンで開催されます。また、来年のTC47/SC47F/WG1-3&MT 会議は、中国で開催される予定です。

(調査研究・標準部長 藤澤 大介)

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2024年3月 7日 (木)

「2023年度 海外調査報告会」を盛況に開催

 2023年度MEMS協議会海外調査報告会を3月4日(月)にハイブリッドで開催し、オンライン109名を含む137名の方にご参加頂きました(写真1)。
 このイベントはマイクロマシンセンター/MEMS協議会(MIF)が行っているMEMS関連の海外調査及び国際標準化の最新状況について国際交流事業の一環として報告するもので、2018年まで毎年開催をしておりましたが、新型コロナの影響で5年ぶりの開催となりました。

 今回は以下のプログラムで行いました。

15:00~15:05  主催者挨拶
   (財)マイクロマシンセンター専務理事 長谷川 英一
15:05~16:05 「2023年度国際会議報告」
  ① 国内外技術動向調査委員会報告(Transducers2023等)
      立命館大学 小西聡教授(オンライン)
  ② MEF2023  MMC 武田 宗久(報告)、
           東北大学 田中 秀治教授(補足:オンライン)
  ③ JCK MEMS/NEMS 2023   MMC 武田 宗久
16:05~16:35 
  「マイクロマシンサミット2023(ルーマニア、ブカレスト)報告」
      東京大学 伊藤 寿浩教授(チーフデリゲイト)
16:35~17:05 「標準化国際会議報告」  MMC 藤澤 大介
  ① IEC/TC47/WG7 国際標準化WG会議(ベトナム・ハノイ)
  ② IEC/TC47/SC47F、SC47Eの国際標準化WG会議(日本・熊本)
  ③ IEC/TC47の国際標準化全体会議(ドイツ・フランクフルト)
17:05~17:15 「その他:海外機関との交流活動」  MMC 武田 宗久
  ① Fraunhofer ENAS-AIST-MMCジョイントセミナー
  ② IOT SOLUTIONS WORLD CONGRESS 2024
    (IOTSWC24)アンバサダー就任
  ③ OKMETIC Oy意見交換会        
17:30~18:30 参加者交流会(簡単な立食交流会)

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写真1 会場の様子

 はじめにMEMS協議会事務局長で専務理事の長谷川英一からの主催者挨拶(写真2)を行い、そのあと、最初の報告は2023年度国際会議報告として、MMCの国際外動向調査委員長をお願いしております立命館大学の小西聡教授から2023年1月15日~19日にドイツのベルリンで開催されましたIEEE MEMS2023と2023年6月25日~29日に京都で開催されましたTransducers2023の分析結果及び2024年1月21日~25日にアメリカのオースティンで開催されましたIEEE MEMS2024の速報についてもオンラインでご紹介いただきました(写真3)。

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写真2 長谷川専務理事の挨拶
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写真3 立命館大学小西教授のオンラインプレゼンの様子

 続いて、MMCの国際交流担当部長の武田宗久から2023年4月19日~20日に東京・両国で開催されましたMEF(MEMS Engineer Forum)2023と2023年9月17日~20日に韓国の済州島で開催されましたJCK(Japan-Chine-Korwea) MEMS/NEMS2023の報告を行いました(写真4)。なお、MEFのチェアをされている東北大学の田中教授にもオンラインでご参加いただき、MEF2023の補足説明と4月に開催されるMEF2024のご紹介もいただきました。

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写真4 武田からの報告の様子

 次は「マイクロマシンサミット2023(ルーマニア、ブカレスト)報告」」と題して日本のチーフデリゲイトである東京大学の伊藤寿浩教授から報告いただきました(写真5)。
 マイクロマシンサミットも新型コロナの影響で3年中止となり、4年ぶりに2023年5月22日~24日にルーマニアのブカレストで開催されました。日本からはチーフデリゲイトの伊藤寿浩教授とマイクロマシンセンターの国際交流担当の武田の2名が出席しました。久しぶりの対面開催ではありましたが、ヨーロッパ以外は南北アメリカ、アジア、オセアニアからはそれぞれ1カ国しか参加しておらず全体でも36名の参加と少し寂しい状況でした。
 今回のテーマは「Chip Act Initiatives: Sensor, MEMS, system integration, Green, sustainable ECS technologies, AI for data analysis and prediction」でした。各国からのカントリレビューと15件の一般講演が行われました。
 2024年のサミットはオーストラリアのゴールドコーストで2024年5月26日~29日に「Quantum semiconductor microtechnologies: novelty and re-emergence」というテーマで開催されます。

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写真5 伊藤教授からの報告の様子

 続いて「標準化国際会議報告」としてMMCの調査研究・標準部長の藤澤大介氏からMEMSの標準化活動内容と以下の3つの標準化国際会議の報告が行われました。
① IEC/TC47/WG7 国際標準化WG会議
   (ベトナム・ハノイ、2023年6月8日~9日)
② IEC/TC47/SC47F、SC47Eの国際標準化WG会議
   (日本・熊本、2023年6月22日~23日)
③ IEC/TC47の国際標準化全体会議
   (ドイツ・フランクフルト、2023年11月14日~17日)

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写真6 藤澤からの報告の様子

 最後にMMCの国際交流担当部長の武田宗久から海外機関との交流活動として、以下の3件の報告が行われました。
MMCは➁に示すように、IOTSWV24のアンバサダーなっておりますので、MEMS協議会の会員様には参加費の半額特典がございます。
① Fraunhofer ENAS-AIST-MMCジョイントセミナー
   (つくば、2023年11月22日)
② IOT SOLUTIONS WORLD CONGRESS 2024 (IOTSWC24)
   アンバサダー就任(スペイン・バルセロナ、2024年5月21日~23日)
③ OKMETIC Oy意見交換会(秋葉原、2023年4月18日)
 
 報告会の終了後には会場参加者で意見交換会も実施し、活発な意見交換が行われました(写真7)。

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写真7 意見交換会の様子

 今回5年ぶりの開催ということで、立命館大学の小西教授、東京大学の伊藤教授、東北大学の田中教授にご発表及びコメントをいただいたこともあり、オンラインを含め137名という多数の参加を得て、盛況のうちに終了いたしました。
 来年以降も、海外報告会でMEMS分野における海外の最新動向をご報告いたしますので、ご期待ください。
 最後のこの場を借りまして、今後のMEMS協議会への積極的なご参加を引き続きお願いしたいと存じます。

(MEMS協議会 国際交流担当部長 武田 宗久)

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2024年1月 9日 (火)

新年のご挨拶(MMC/NMEMS 2023年10大ニュース)

 新年あけましておめでとうございます。

 OECDの世界経済見通しによれば、昨年は世界経済の成長率が2.9%であったところ、本年はなお地政学的リスクやインフレの影響で、2.7%と若干の低下となるものの、後半からは緩やかに回復するとされています。ただ、昨年の日本の国民一人当たりのGDPは為替レートの影響でG7の最下位になるなど、あまり気持ちが浮き立つようなところではありませんでした。

 そのような中においても日本の経済の浮揚を図るべく、経済産業省は半導体・デジタル産業を「国家事業」と位置づけ、2021年6月に策定した「半導体・デジタル産業戦略」を2023年6月に改定を行い、その戦略の中に「MEMS」を加えていくという方向を示されています。これを受けてマイクロマシンセンターとしましても、我が国MEMS産業界の実態を、IDMのみならず、ファウンドリや装置・材料なども含めて、もう一度把握し直した上で、その課題や政策要望などの検討を行なう場とする「MEMS事業者連携委員会」を昨年11月に発足いたしました。今年からは、MEMS事業者の抱える課題等の分析や競争力を高めていくための方策の検討を本格化してまいります。委員会では多くのMEMS関連事業者や大学・研究機関の皆様のご意見・ご要望を集約致したく、広く皆様の参加を募集しております。
 また当センターは今年もDX、GXの推進に不可欠な各種MEMSセンサの開発の一環として、非侵襲で血中成分を計測するBaMBIプロジェクトや、小型原子時計の基礎研究であるHS-ULPACプロジェクト、昨年7月に開始したSi半導体プロセスと親和性が高く高機能なSi製ハイパースペクトル赤外光センシングデバイスを実現するためのMESHプロジェクトを推進するとともに、MEMS戦略にも通じるような新たなプロジェクトの獲得を目指してまいります。

 さて、当センターでは通算34回目にあたるマイクロナノ分野の展示会である「MEMSセンシング&ネットワークシステム展2024」を1月31日から2月2日にかけて東京ビッグサイトで開催いたします。今回もセンターの活動紹介、MNOICの紹介、研究開発報告とともに、各種セミナーを開催し、興味深い様々な技術報告を行います。セミナーの冒頭には経済産業省の情報産業課デバイス・半導体戦略室長に半導体・デジタル戦略関連のご講演をお願いしております。是非、多くの皆様にご来場いただき、今後のMEMSの発展のために当センターに対するご指導・ご支援を賜れれば幸いです。
 皆様方には以下のマイクロマシンセンターの2023年の10大ニュースをご覧いただき、このような私どもの活動状況をご賢察いただければ幸いです。

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マイクロマシンセンター/NMEMS技術研究機構
2023年10大ニュース
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1.「MEMS事業者連携委員会」発⾜、活動開始
 経済産業省では、半導体・デジタル産業戦略の中にMEMS戦略も加えていく方向性を打ち出されました。当センターとしてもこれに呼応して我が国MEMS産業界の実態を、IDMのみならず、ファウンドリや装置・材料なども含めて、今⼀度把握し直した上で、MEMS事業者の抱える課題等を分析し、競争力を高めていくための方策や政策提⾔等を検討する「MEMS事業者連携委員会」を発⾜しました。
 第1回委員会を11月28日に開催し、60名以上の方々にご参加いただき、有意義な議論や情報交換が行われ、経産省からもご評価いただきました。
 また、「産業動向調査委員会」と連携してアンケートを実施、現在分析結果を基に活動の基盤作りを行っています。
 委員会では多くのMEMS関連事業者の皆様のご意見・ご要望を集約致したく、広くMEMS関連事業者の皆様の参加を募集しております。

2.「GXを支えるMEMS」報告書の発行、MEMS事業者動向調査など、
   産業動向調査委員会 活発に活動
 3月末には、産業動向調査報告書「グリーントランスフォーメーション(GX)を支えるMEMS」を発行し、GXに貢献するMEMSとは何かという観点から結果を取り纏めて、好評を得ました。
 また、2023年度からは「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」に着手し、MEMS事業者連携委員会と連携して、MEMS事業者動向調査を実施しています。
 現在は調査結果を分析し、MEMS産業・政策に関する報告書を取り纏めると伴に、国内MEMS事業者を分野別に網羅したディレクトリ作成に向けて活動しています。

3.日本機械学会マイクロ・ナノ工学部門「技術功績賞」受賞
 マイクロマシン技術研究開発プロジェクトをはじめ、マイクロ・ナノ工学分野の研究開発プロジェクトを数多く推進してきたこと、MEMS展や併催シンポジウム、マイクロマシン国際シンポジウムの開催、マイクロマシンサミット、MEMS関連調査、国際標準化等の事業を通して、当分野の概念を内外に広く普及してきたこと、さらにMEMS協議会やMNOICによりMEMS産業化を支援してきたことなど、マイクロマシンセンターの長年の活動がマイクロ・ナノ工学分野に多大に貢献したとして評価され、日本機械学会マイクロ・ナノ工学部門から『技術功績賞』を11月8日に受賞しました。

4.NEDO先導研究プログラム「MESH」受託
 「NEDO先導研究プログラム/未踏チャレンジ」に電気通信大学、産業技術総合研究所と連名で提案した「メタサーフェスSiハイパースペクトル赤外光センシングデバイス」(MESH)が採択され、7月1日から事業を開始しました。
 電気通信大学の菅哲朗教授をプロジェクトリーダーとして、10年後の実用化を目指しSi半導体プロセスと親和性の高いSi製ハイパースペクトル赤外光センシングデバイスの実現に取組んでまいります。

5.HS-ULPAC、BaMBI、最終年度迎え、目標に向けて邁進中
(5-1)BaMBI最終年度として研究開発継続中
「血中成分の非侵襲連続超高感度計測デバイス及び行動変容促進システムの研究開発」(BaMBI)は、助成事業の最終年度として、最終目標達成に向けラストスパートに入っています。
(5-2)HS-ULPAC最終目標達成を目指し研究を推進
 防衛装備庁安全保障技術研究推進制度で受託した「量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究(HS-ULPAC)では、移動体に搭載可能な高精度原子時計を実現するため、周波数変動要因を根本から解明するとともにプロトタイプを試作して実証・評価しています。MMCでは2023年度は最終年度になるため、最終目標達成を目指し、MEMSガスセル、実験室モデル量子部、プロトタイプ真空断熱型量子部の3次試作を行っています。

6.4年ぶりに「国際マイクロマシンサミット」参加等、
  国際交流活動を本格再開
 新型コロナウイルス感染症の影響により延期されていましたが、4年ぶりにマイクロマシンサミットが5月22日~24日、ルーマニアのブカレストで対面開催され、参加しました。
 また、4月18日に賛助会員のオクメティック株式会社の親会社のフィンランドOKMETIC OYから、11月22日には海外アフィリエートのドイツのFraunhofer ENASからの研究者の受入れ等を行い、国際交流を本格開始しました。

7.MNOIC事業堅調
 現行製品の継続した製造や次期製品に向けた開発試作などを請負う工程受託コースを中心に依頼が増加し、直近3年間で20%の平均成長率を達成しています。
 産総研と連携した研究受託や企業ユーザの試作支援など、将来のMEMS産業活性化に向けた取組み案件も着実に増加しています。

8.国際標準化WG会議のホスト国となるなど、国際標準化事業を推進
 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会) /SC47F(MEMS分野)の国際標準化WG会議を日本のホスト(マイクロマシンセンター主催)で、6月21 日~23日に、熊本県 熊本市国際交流会館にて開催しました。各国主査等と技術交流を図ることができ、各国でのデバイス開発状況やデバイス標準化検討項目など情報の共有ができ、充実した会議となりました。
 また、11月13日~17日には、フランクフルトでIEC/TC47の国際標準化全体会議が開催され、SC47FとTC47/WG7(半導体デバイス エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)に関連する会議に参加しました。各国からの参加者と活発な議論を交わし、規格案審議を着実に前進させることができました。

9.MEMS展示会、セミナーが盛況
 例年通り当センターが主催する「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」を2023年2月1日から3日の3日間、東京ビッグサイトで開催し盛況の内に閉幕しました。会場への来場者はコロナ禍が落ち着き、前回の3倍以上の方にご来場いただきました。MMCブースでは、研究開発プロジェクトの紹介を始め、MNOIC事業、標準化事業、SSN研究会の概要などを展示しました。
 また同時開催の次の5つのセミナー「MEMS・半導体次世代テクノロジーフォーラム」「TIA MEMS ウインターセミナー MEMS講習会」「研究開発プロジェクト成果報告会」「SSN研究会公開シンポジウム」「MEMS協議会フォーラム」では、何れのセミナーでも多くの聴衆が熱心に聞き入られていました。
 主な講演として「MEMS・半導体次世代テクノロジーフォーラム」では経済産業省情報産業課長の金指壽様に「半導体・デジタル産業戦略の現状と今後」と題して、半導体産業の現状と我が国半導体産業復活の基本戦略についてご説明いただき、「TIA MEMS ウインターセミナー MEMS講習会」では、筑波大学、東京大学、東北大学の先生から、MEMSに関係する研究の取組みや最新の研究成果についてご報告いただきました。
 今年は1月31日(水)~2月2日(金)に昨年と同様、東京ビッグサイトにおいて、nano tech展等と同時開催を予定しております。また今年もご来場頂けますよう関係者一同お待ちしております。

10.MMC、MEMS協議会の新体制が始動
 3月末に株式会社日立製作所の鈴木教洋様が当センターの理事長をご退任され、4月1日に株式会社日立製作所執行役常務の西澤格様が理事長にご就任されました。
 7月には、MEMS協議会推進委員会を東京虎ノ門グローバルスクエアにおいて4年ぶりに対面により開催しました。協議会副会長に就任された三菱電機株式会社上席執行役員の岡徹様が新委員長として委員会を進行され、西澤理事長にもMEMS協議会会長としてご出席いただきました。また、経済産業省商務情報政策局情報産業課の金指課長様に経済産業省の政策をご紹介いただいたほか、経済産業省、NEDO、産総研の方々と委員との間で意見交換が行われました。

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2023年11月29日 (水)

IEC/TC47 国際標準化全体会議(フランクフルト開催)参加報告 (2023年11月13日~17日)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)の国際標準化全体会議が、11月13日~17日に、フランクフルトのH4 Hotel Frankfurt Messeで開催され、関連する会議に参加しました。

 11月13日には 、SC47F Officer/Convenor 会議が開催されました。日本からは、IEC/SC47F国際幹事をつとめるマイクロマシンセンター 三原孝士主幹研究員、WGコンビナーをつとめる熊本大学 高島和希教授及び先端素材高速開発技術研究組合 古田一吉氏、次期WG3コンビナーの神戸大学 磯野吉正教授をはじめとした5名が参加しました。
 会議では、現WG3コンビナー次世代センサ協議会 大和田邦樹氏の交代について、神戸大学 磯野吉正教授の他に立候補は無く、また各国から異論は無かったため、WG3コンビナー交代が進められることが説明されました。
 この他、同SCでのNP(新業務項目提案、New Work Item Proposal)などについて議論しました。
 加えて、韓国で開催予定の来年度春季WG会議の開催候補地である済州島 OCEAN SUITE JEJU HOTELについて紹介され、意見交換しました。


Fig1_202311iec

会議が開催されたH4 Hotel Frankfurt Messe

 11月14日には、 TC47/SC47F/ WG1-3&MT会議(Micro-electromechanical systems)が開催されました。
 本会議には17名(日本8名、韓国3名、中国4名、ドイツ1名、アメリカ1名)が出席し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論しました。本会議は、WG2ココンビナーである Uwe RUEDDENKLAU氏 が議事進行を務められました。
 日本からは、IEC/SC47FのWGコンビナーをつとめる古田氏及び高島教授、次期WGコンビナー磯野教授、IEC SC47F国際幹事 三原氏、名古屋工業大学 神谷庄司教授、名古屋工業大学 泉隼人助教及び近畿大学宍戸信之講師をはじめとした8名が参加しました。会議では、現在審議中の規格案について議論しました。
 会議では、最初に前回会議の議事録が確認され、続いて、国際幹事 三原氏が、IEC本部からの連絡事項、WG3のCall for Convenor等について説明しました。各WGの活動概要についてはWGコンビナーが説明し、現在審議中の規格案について議論しました。また、日本からは、泉助教がPLである提案「PNW 47F-447 ED1:Test method of electrical characteristics under two-directional cyclic bending deformation for flexible micro-electromechanical devices」について、NP投票の結果、コメント付きで承認され、各国コメントについて、PLが説明しました。
 また、既に成立している国際規格ISのメンテナンスを管理するMT1では、事前に調査したIS見直し期限変更について高島教授が説明し、承認されました。
 今後提案予定の規格案を紹介するFuture Worksでは、中国Yongzhi Zhao氏からRF MEMSに関する規格開発、Ruobing Liu氏からMEMS thermopile infrared sensorに関する規格開発など複数件説明がありました。
 その他では、来年の5月23日に開催予定の本WG春季会議について、Sung Hoon Choa SC47F議長が説明しました。


Fig2_202311iec
TC47/SC47F/WG1-3&MT1会議の様子

 11月15日には、IEC/TC47/WG7(Semiconductor devices for energy conversion and transfer)会議が開催されました。日本からは、兵庫県立大学 藤田孝之 教授、IEC SC47F国際幹事 三原氏をはじめとした4名が参加しました。会議では、現在審議中の規格案について議論しました。
 WG7おける審議中のプロジェクトは、WGコンビナーの東京大学 鈴木雄二 教授が提案中のCD「IEC63150-2ED1:Measurement and evaluation methods of kinetic energy harvesting devices under practical vibration environment - Part 2: Human arm swing motion」、神戸大学 神野伊策 教授が提案中のCD「IEC63150-3ED1:Measurement and evaluation methods of kinetic energy harvesting devices under practical vibration environment - Part 3: Human foot impact motion」の2件であり、今後のスケジュールについて確認がなされました。
 また、今後提案予定の規格を紹介するFuture workでは、藤田教授が開発に着手している「Vibration energy harvesting」に関する国際標準化の概要及び提案スケジュールを紹介し、2023年12月頃にIECへNPを提案する予定であることを説明しました。
 会議の最後には、来年の本WG春季会議を中国 杭州で5月に開催されることについて、紹介されました。


Fig3_202311iec

TC47/WG7会議の様子

 11月16、17日には、それぞれTC47/SC47F全体会議、TC47全体会議が開催され、WGおよびSCにおいて決議された内容について各主査及び議長が報告しました。
 予定していた議題全てを円滑に議論でき、各国主査やPLと会議前後の時間に交流を図ることができ、充実した会議となりました。

(調査研究・標準部長 藤澤 大介)

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