国際標準化

2024年5月30日 (木)

IEC国際標準化 SC47E WG1&2, SC47F WG1-3&MT1会議(韓国 済州島開催)参加報告

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会) / SC47E(個別半導体デバイス分野)、SC47F(MEMS分野)の国際標準化WG会議が、韓国のホストで、5月22 日~24日に、韓国 済州島のLotte City Hotel Jejuで開催されました。

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写真1 韓国 済州島
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写真2 会議が開催されたLotte City Hotel Jeju

 5月22日には、半導体関連技術に関する会議SC47E(DISCRETE SEMICONDUCTORDEVICES)WG1(SEMICONDUCTOR SENSORS)、WG2(MICROWAVE DEVICES)が開催されました。IEC TC47/SC47E/WG1&2会議へのSC47F関係者の参加により、両SCに関連するセンサ技術などに関し、WG各国エキスパートとの活発な意見交換がありました。

 5月23日には、IEC TC47/SC47F/ WG1-3&MT1会議が開催され、現地参加で20名(日本8名、韓国8名、中国4名)が出席し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。

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写真3 TC47/SC47F/WG1-3&MT会議の様子

 会議では、SC47F/MT1のコンビナーである韓国 Joon-Shink Park氏が、議事進行を務めました。日本からの出席者は、WG1コンビナーであるマイクロマシンセンター 標準化事業委員会 委員長 古田一吉氏、WG3コンビナーである神戸大学 磯野吉正教授、MT1コンビナーである熊本大学 高島和希教授、現在のアクティブプロジェクトのプロジェクトリーダーである名古屋工業大学 名古屋工業大学 泉隼人助教、神谷庄司教授、近畿大学 宍戸信之准教授、SC47F国際幹事マイクロマシンセンター 三原孝士、マイクロマシンセンター 藤澤大介でした。

 WG1では、コンビナーである古田氏からWG活動概要、ココンビナーの韓国 Sung Hoon Choa 氏から用語集である「IEC 60747-4:2008 ED1」のレビジョンアップ版ED2の今後の予定等について説明されました。
 WG2では、コンビナーである韓国 Hak Joo Lee氏からWG活動概要について説明されました。日本提案案件のステータスとして、まず近畿大学 宍戸准教授提案の「IEC 62047-43:Test method of electrical characteristics after cyclic bending deformation for flexible electro-mechanical devices」の国際規格ISの2024年発行について、説明されました。このほか神戸大学 神野教授提案の「IEC 62047-49:Reliability test methods of electro-mechanical conversion characteristics of piezoelectric MEMS cantilever」のCD投票完了、各国からのコメントへの対応について、神戸大学 神野教授の代理でマイクロマシンセンター 藤澤が説明しました。また、名古屋工業大学 泉助教提案の「IEC 62047-51:Test method of electrical characteristics under two-directional cyclic bending deformation for flexible micro-electromechanical devices」のNP投票完了、各国からのコメントへの対応について、泉助教が説明しました。
 WG3では、今回から次世代センサ協議会 大和田邦樹副会長に代わってWG3コンビナーに就任された神戸大学 磯野教授が、WG活動概要を説明されました。
 既に成立している国際規格ISのメンテナンスを管理するMT1では、コンビナーの高島教授からISのstability date見直しについて説明され、各国と議論されました。
 今後提案予定の規格案を紹介するFuture Worksでは、中国からMEMS thermopile devices、MEMS differential pressure flowmeter、韓国からMEMS MOS type gas sensorなどのMEMSに関する規格開発について紹介されました。

 5月24日には、MEMS Standardization Workshopが開催されました。
Workshopは、SC47F議長である韓国 Sung Hoon Choa氏が進行を務められ、神戸大学 磯野教授から「Traditional or New Technique for 3D microstructuring of Si films? -Punch creep forming for 3-axis force sensors and evaluation of creep properties-」について、中国 Wei Zhang氏から「MEMS gas sensor」について、韓国 Yeong-Eun Yoo氏から「Bio-MEMS technology」、韓国 Sung Hoon Choa氏から「Recent trend of semiconductor packaging technology」など、最新のMEMSに関する研究に関して紹介され、各国エキスパートの活発な意見交換がありました。

 会議の最後には、来年の本国際標準化WG会議を中国で開催することが中国NCから説明があり、了承されました。

 次回の会議は、IEC全体会議が11月にロンドンで開催されます。また、来年のTC47/SC47F/WG1-3&MT 会議は、中国で開催される予定です。

(調査研究・標準部長 藤澤 大介)

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2024年3月 7日 (木)

「2023年度 海外調査報告会」を盛況に開催

 2023年度MEMS協議会海外調査報告会を3月4日(月)にハイブリッドで開催し、オンライン109名を含む137名の方にご参加頂きました(写真1)。
 このイベントはマイクロマシンセンター/MEMS協議会(MIF)が行っているMEMS関連の海外調査及び国際標準化の最新状況について国際交流事業の一環として報告するもので、2018年まで毎年開催をしておりましたが、新型コロナの影響で5年ぶりの開催となりました。

 今回は以下のプログラムで行いました。

15:00~15:05  主催者挨拶
   (財)マイクロマシンセンター専務理事 長谷川 英一
15:05~16:05 「2023年度国際会議報告」
  ① 国内外技術動向調査委員会報告(Transducers2023等)
      立命館大学 小西聡教授(オンライン)
  ② MEF2023  MMC 武田 宗久(報告)、
           東北大学 田中 秀治教授(補足:オンライン)
  ③ JCK MEMS/NEMS 2023   MMC 武田 宗久
16:05~16:35 
  「マイクロマシンサミット2023(ルーマニア、ブカレスト)報告」
      東京大学 伊藤 寿浩教授(チーフデリゲイト)
16:35~17:05 「標準化国際会議報告」  MMC 藤澤 大介
  ① IEC/TC47/WG7 国際標準化WG会議(ベトナム・ハノイ)
  ② IEC/TC47/SC47F、SC47Eの国際標準化WG会議(日本・熊本)
  ③ IEC/TC47の国際標準化全体会議(ドイツ・フランクフルト)
17:05~17:15 「その他:海外機関との交流活動」  MMC 武田 宗久
  ① Fraunhofer ENAS-AIST-MMCジョイントセミナー
  ② IOT SOLUTIONS WORLD CONGRESS 2024
    (IOTSWC24)アンバサダー就任
  ③ OKMETIC Oy意見交換会        
17:30~18:30 参加者交流会(簡単な立食交流会)

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写真1 会場の様子

 はじめにMEMS協議会事務局長で専務理事の長谷川英一からの主催者挨拶(写真2)を行い、そのあと、最初の報告は2023年度国際会議報告として、MMCの国際外動向調査委員長をお願いしております立命館大学の小西聡教授から2023年1月15日~19日にドイツのベルリンで開催されましたIEEE MEMS2023と2023年6月25日~29日に京都で開催されましたTransducers2023の分析結果及び2024年1月21日~25日にアメリカのオースティンで開催されましたIEEE MEMS2024の速報についてもオンラインでご紹介いただきました(写真3)。

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写真2 長谷川専務理事の挨拶
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写真3 立命館大学小西教授のオンラインプレゼンの様子

 続いて、MMCの国際交流担当部長の武田宗久から2023年4月19日~20日に東京・両国で開催されましたMEF(MEMS Engineer Forum)2023と2023年9月17日~20日に韓国の済州島で開催されましたJCK(Japan-Chine-Korwea) MEMS/NEMS2023の報告を行いました(写真4)。なお、MEFのチェアをされている東北大学の田中教授にもオンラインでご参加いただき、MEF2023の補足説明と4月に開催されるMEF2024のご紹介もいただきました。

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写真4 武田からの報告の様子

 次は「マイクロマシンサミット2023(ルーマニア、ブカレスト)報告」」と題して日本のチーフデリゲイトである東京大学の伊藤寿浩教授から報告いただきました(写真5)。
 マイクロマシンサミットも新型コロナの影響で3年中止となり、4年ぶりに2023年5月22日~24日にルーマニアのブカレストで開催されました。日本からはチーフデリゲイトの伊藤寿浩教授とマイクロマシンセンターの国際交流担当の武田の2名が出席しました。久しぶりの対面開催ではありましたが、ヨーロッパ以外は南北アメリカ、アジア、オセアニアからはそれぞれ1カ国しか参加しておらず全体でも36名の参加と少し寂しい状況でした。
 今回のテーマは「Chip Act Initiatives: Sensor, MEMS, system integration, Green, sustainable ECS technologies, AI for data analysis and prediction」でした。各国からのカントリレビューと15件の一般講演が行われました。
 2024年のサミットはオーストラリアのゴールドコーストで2024年5月26日~29日に「Quantum semiconductor microtechnologies: novelty and re-emergence」というテーマで開催されます。

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写真5 伊藤教授からの報告の様子

 続いて「標準化国際会議報告」としてMMCの調査研究・標準部長の藤澤大介氏からMEMSの標準化活動内容と以下の3つの標準化国際会議の報告が行われました。
① IEC/TC47/WG7 国際標準化WG会議
   (ベトナム・ハノイ、2023年6月8日~9日)
② IEC/TC47/SC47F、SC47Eの国際標準化WG会議
   (日本・熊本、2023年6月22日~23日)
③ IEC/TC47の国際標準化全体会議
   (ドイツ・フランクフルト、2023年11月14日~17日)

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写真6 藤澤からの報告の様子

 最後にMMCの国際交流担当部長の武田宗久から海外機関との交流活動として、以下の3件の報告が行われました。
MMCは➁に示すように、IOTSWV24のアンバサダーなっておりますので、MEMS協議会の会員様には参加費の半額特典がございます。
① Fraunhofer ENAS-AIST-MMCジョイントセミナー
   (つくば、2023年11月22日)
② IOT SOLUTIONS WORLD CONGRESS 2024 (IOTSWC24)
   アンバサダー就任(スペイン・バルセロナ、2024年5月21日~23日)
③ OKMETIC Oy意見交換会(秋葉原、2023年4月18日)
 
 報告会の終了後には会場参加者で意見交換会も実施し、活発な意見交換が行われました(写真7)。

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写真7 意見交換会の様子

 今回5年ぶりの開催ということで、立命館大学の小西教授、東京大学の伊藤教授、東北大学の田中教授にご発表及びコメントをいただいたこともあり、オンラインを含め137名という多数の参加を得て、盛況のうちに終了いたしました。
 来年以降も、海外報告会でMEMS分野における海外の最新動向をご報告いたしますので、ご期待ください。
 最後のこの場を借りまして、今後のMEMS協議会への積極的なご参加を引き続きお願いしたいと存じます。

(MEMS協議会 国際交流担当部長 武田 宗久)

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2024年1月 9日 (火)

新年のご挨拶(MMC/NMEMS 2023年10大ニュース)

 新年あけましておめでとうございます。

 OECDの世界経済見通しによれば、昨年は世界経済の成長率が2.9%であったところ、本年はなお地政学的リスクやインフレの影響で、2.7%と若干の低下となるものの、後半からは緩やかに回復するとされています。ただ、昨年の日本の国民一人当たりのGDPは為替レートの影響でG7の最下位になるなど、あまり気持ちが浮き立つようなところではありませんでした。

 そのような中においても日本の経済の浮揚を図るべく、経済産業省は半導体・デジタル産業を「国家事業」と位置づけ、2021年6月に策定した「半導体・デジタル産業戦略」を2023年6月に改定を行い、その戦略の中に「MEMS」を加えていくという方向を示されています。これを受けてマイクロマシンセンターとしましても、我が国MEMS産業界の実態を、IDMのみならず、ファウンドリや装置・材料なども含めて、もう一度把握し直した上で、その課題や政策要望などの検討を行なう場とする「MEMS事業者連携委員会」を昨年11月に発足いたしました。今年からは、MEMS事業者の抱える課題等の分析や競争力を高めていくための方策の検討を本格化してまいります。委員会では多くのMEMS関連事業者や大学・研究機関の皆様のご意見・ご要望を集約致したく、広く皆様の参加を募集しております。
 また当センターは今年もDX、GXの推進に不可欠な各種MEMSセンサの開発の一環として、非侵襲で血中成分を計測するBaMBIプロジェクトや、小型原子時計の基礎研究であるHS-ULPACプロジェクト、昨年7月に開始したSi半導体プロセスと親和性が高く高機能なSi製ハイパースペクトル赤外光センシングデバイスを実現するためのMESHプロジェクトを推進するとともに、MEMS戦略にも通じるような新たなプロジェクトの獲得を目指してまいります。

 さて、当センターでは通算34回目にあたるマイクロナノ分野の展示会である「MEMSセンシング&ネットワークシステム展2024」を1月31日から2月2日にかけて東京ビッグサイトで開催いたします。今回もセンターの活動紹介、MNOICの紹介、研究開発報告とともに、各種セミナーを開催し、興味深い様々な技術報告を行います。セミナーの冒頭には経済産業省の情報産業課デバイス・半導体戦略室長に半導体・デジタル戦略関連のご講演をお願いしております。是非、多くの皆様にご来場いただき、今後のMEMSの発展のために当センターに対するご指導・ご支援を賜れれば幸いです。
 皆様方には以下のマイクロマシンセンターの2023年の10大ニュースをご覧いただき、このような私どもの活動状況をご賢察いただければ幸いです。

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マイクロマシンセンター/NMEMS技術研究機構
2023年10大ニュース
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1.「MEMS事業者連携委員会」発⾜、活動開始
 経済産業省では、半導体・デジタル産業戦略の中にMEMS戦略も加えていく方向性を打ち出されました。当センターとしてもこれに呼応して我が国MEMS産業界の実態を、IDMのみならず、ファウンドリや装置・材料なども含めて、今⼀度把握し直した上で、MEMS事業者の抱える課題等を分析し、競争力を高めていくための方策や政策提⾔等を検討する「MEMS事業者連携委員会」を発⾜しました。
 第1回委員会を11月28日に開催し、60名以上の方々にご参加いただき、有意義な議論や情報交換が行われ、経産省からもご評価いただきました。
 また、「産業動向調査委員会」と連携してアンケートを実施、現在分析結果を基に活動の基盤作りを行っています。
 委員会では多くのMEMS関連事業者の皆様のご意見・ご要望を集約致したく、広くMEMS関連事業者の皆様の参加を募集しております。

2.「GXを支えるMEMS」報告書の発行、MEMS事業者動向調査など、
   産業動向調査委員会 活発に活動
 3月末には、産業動向調査報告書「グリーントランスフォーメーション(GX)を支えるMEMS」を発行し、GXに貢献するMEMSとは何かという観点から結果を取り纏めて、好評を得ました。
 また、2023年度からは「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」に着手し、MEMS事業者連携委員会と連携して、MEMS事業者動向調査を実施しています。
 現在は調査結果を分析し、MEMS産業・政策に関する報告書を取り纏めると伴に、国内MEMS事業者を分野別に網羅したディレクトリ作成に向けて活動しています。

3.日本機械学会マイクロ・ナノ工学部門「技術功績賞」受賞
 マイクロマシン技術研究開発プロジェクトをはじめ、マイクロ・ナノ工学分野の研究開発プロジェクトを数多く推進してきたこと、MEMS展や併催シンポジウム、マイクロマシン国際シンポジウムの開催、マイクロマシンサミット、MEMS関連調査、国際標準化等の事業を通して、当分野の概念を内外に広く普及してきたこと、さらにMEMS協議会やMNOICによりMEMS産業化を支援してきたことなど、マイクロマシンセンターの長年の活動がマイクロ・ナノ工学分野に多大に貢献したとして評価され、日本機械学会マイクロ・ナノ工学部門から『技術功績賞』を11月8日に受賞しました。

4.NEDO先導研究プログラム「MESH」受託
 「NEDO先導研究プログラム/未踏チャレンジ」に電気通信大学、産業技術総合研究所と連名で提案した「メタサーフェスSiハイパースペクトル赤外光センシングデバイス」(MESH)が採択され、7月1日から事業を開始しました。
 電気通信大学の菅哲朗教授をプロジェクトリーダーとして、10年後の実用化を目指しSi半導体プロセスと親和性の高いSi製ハイパースペクトル赤外光センシングデバイスの実現に取組んでまいります。

5.HS-ULPAC、BaMBI、最終年度迎え、目標に向けて邁進中
(5-1)BaMBI最終年度として研究開発継続中
「血中成分の非侵襲連続超高感度計測デバイス及び行動変容促進システムの研究開発」(BaMBI)は、助成事業の最終年度として、最終目標達成に向けラストスパートに入っています。
(5-2)HS-ULPAC最終目標達成を目指し研究を推進
 防衛装備庁安全保障技術研究推進制度で受託した「量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究(HS-ULPAC)では、移動体に搭載可能な高精度原子時計を実現するため、周波数変動要因を根本から解明するとともにプロトタイプを試作して実証・評価しています。MMCでは2023年度は最終年度になるため、最終目標達成を目指し、MEMSガスセル、実験室モデル量子部、プロトタイプ真空断熱型量子部の3次試作を行っています。

6.4年ぶりに「国際マイクロマシンサミット」参加等、
  国際交流活動を本格再開
 新型コロナウイルス感染症の影響により延期されていましたが、4年ぶりにマイクロマシンサミットが5月22日~24日、ルーマニアのブカレストで対面開催され、参加しました。
 また、4月18日に賛助会員のオクメティック株式会社の親会社のフィンランドOKMETIC OYから、11月22日には海外アフィリエートのドイツのFraunhofer ENASからの研究者の受入れ等を行い、国際交流を本格開始しました。

7.MNOIC事業堅調
 現行製品の継続した製造や次期製品に向けた開発試作などを請負う工程受託コースを中心に依頼が増加し、直近3年間で20%の平均成長率を達成しています。
 産総研と連携した研究受託や企業ユーザの試作支援など、将来のMEMS産業活性化に向けた取組み案件も着実に増加しています。

8.国際標準化WG会議のホスト国となるなど、国際標準化事業を推進
 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会) /SC47F(MEMS分野)の国際標準化WG会議を日本のホスト(マイクロマシンセンター主催)で、6月21 日~23日に、熊本県 熊本市国際交流会館にて開催しました。各国主査等と技術交流を図ることができ、各国でのデバイス開発状況やデバイス標準化検討項目など情報の共有ができ、充実した会議となりました。
 また、11月13日~17日には、フランクフルトでIEC/TC47の国際標準化全体会議が開催され、SC47FとTC47/WG7(半導体デバイス エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)に関連する会議に参加しました。各国からの参加者と活発な議論を交わし、規格案審議を着実に前進させることができました。

9.MEMS展示会、セミナーが盛況
 例年通り当センターが主催する「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」を2023年2月1日から3日の3日間、東京ビッグサイトで開催し盛況の内に閉幕しました。会場への来場者はコロナ禍が落ち着き、前回の3倍以上の方にご来場いただきました。MMCブースでは、研究開発プロジェクトの紹介を始め、MNOIC事業、標準化事業、SSN研究会の概要などを展示しました。
 また同時開催の次の5つのセミナー「MEMS・半導体次世代テクノロジーフォーラム」「TIA MEMS ウインターセミナー MEMS講習会」「研究開発プロジェクト成果報告会」「SSN研究会公開シンポジウム」「MEMS協議会フォーラム」では、何れのセミナーでも多くの聴衆が熱心に聞き入られていました。
 主な講演として「MEMS・半導体次世代テクノロジーフォーラム」では経済産業省情報産業課長の金指壽様に「半導体・デジタル産業戦略の現状と今後」と題して、半導体産業の現状と我が国半導体産業復活の基本戦略についてご説明いただき、「TIA MEMS ウインターセミナー MEMS講習会」では、筑波大学、東京大学、東北大学の先生から、MEMSに関係する研究の取組みや最新の研究成果についてご報告いただきました。
 今年は1月31日(水)~2月2日(金)に昨年と同様、東京ビッグサイトにおいて、nano tech展等と同時開催を予定しております。また今年もご来場頂けますよう関係者一同お待ちしております。

10.MMC、MEMS協議会の新体制が始動
 3月末に株式会社日立製作所の鈴木教洋様が当センターの理事長をご退任され、4月1日に株式会社日立製作所執行役常務の西澤格様が理事長にご就任されました。
 7月には、MEMS協議会推進委員会を東京虎ノ門グローバルスクエアにおいて4年ぶりに対面により開催しました。協議会副会長に就任された三菱電機株式会社上席執行役員の岡徹様が新委員長として委員会を進行され、西澤理事長にもMEMS協議会会長としてご出席いただきました。また、経済産業省商務情報政策局情報産業課の金指課長様に経済産業省の政策をご紹介いただいたほか、経済産業省、NEDO、産総研の方々と委員との間で意見交換が行われました。

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2023年11月29日 (水)

IEC/TC47 国際標準化全体会議(フランクフルト開催)参加報告 (2023年11月13日~17日)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)の国際標準化全体会議が、11月13日~17日に、フランクフルトのH4 Hotel Frankfurt Messeで開催され、関連する会議に参加しました。

 11月13日には 、SC47F Officer/Convenor 会議が開催されました。日本からは、IEC/SC47F国際幹事をつとめるマイクロマシンセンター 三原孝士主幹研究員、WGコンビナーをつとめる熊本大学 高島和希教授及び先端素材高速開発技術研究組合 古田一吉氏、次期WG3コンビナーの神戸大学 磯野吉正教授をはじめとした5名が参加しました。
 会議では、現WG3コンビナー次世代センサ協議会 大和田邦樹氏の交代について、神戸大学 磯野吉正教授の他に立候補は無く、また各国から異論は無かったため、WG3コンビナー交代が進められることが説明されました。
 この他、同SCでのNP(新業務項目提案、New Work Item Proposal)などについて議論しました。
 加えて、韓国で開催予定の来年度春季WG会議の開催候補地である済州島 OCEAN SUITE JEJU HOTELについて紹介され、意見交換しました。


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会議が開催されたH4 Hotel Frankfurt Messe

 11月14日には、 TC47/SC47F/ WG1-3&MT会議(Micro-electromechanical systems)が開催されました。
 本会議には17名(日本8名、韓国3名、中国4名、ドイツ1名、アメリカ1名)が出席し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論しました。本会議は、WG2ココンビナーである Uwe RUEDDENKLAU氏 が議事進行を務められました。
 日本からは、IEC/SC47FのWGコンビナーをつとめる古田氏及び高島教授、次期WGコンビナー磯野教授、IEC SC47F国際幹事 三原氏、名古屋工業大学 神谷庄司教授、名古屋工業大学 泉隼人助教及び近畿大学宍戸信之講師をはじめとした8名が参加しました。会議では、現在審議中の規格案について議論しました。
 会議では、最初に前回会議の議事録が確認され、続いて、国際幹事 三原氏が、IEC本部からの連絡事項、WG3のCall for Convenor等について説明しました。各WGの活動概要についてはWGコンビナーが説明し、現在審議中の規格案について議論しました。また、日本からは、泉助教がPLである提案「PNW 47F-447 ED1:Test method of electrical characteristics under two-directional cyclic bending deformation for flexible micro-electromechanical devices」について、NP投票の結果、コメント付きで承認され、各国コメントについて、PLが説明しました。
 また、既に成立している国際規格ISのメンテナンスを管理するMT1では、事前に調査したIS見直し期限変更について高島教授が説明し、承認されました。
 今後提案予定の規格案を紹介するFuture Worksでは、中国Yongzhi Zhao氏からRF MEMSに関する規格開発、Ruobing Liu氏からMEMS thermopile infrared sensorに関する規格開発など複数件説明がありました。
 その他では、来年の5月23日に開催予定の本WG春季会議について、Sung Hoon Choa SC47F議長が説明しました。


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TC47/SC47F/WG1-3&MT1会議の様子

 11月15日には、IEC/TC47/WG7(Semiconductor devices for energy conversion and transfer)会議が開催されました。日本からは、兵庫県立大学 藤田孝之 教授、IEC SC47F国際幹事 三原氏をはじめとした4名が参加しました。会議では、現在審議中の規格案について議論しました。
 WG7おける審議中のプロジェクトは、WGコンビナーの東京大学 鈴木雄二 教授が提案中のCD「IEC63150-2ED1:Measurement and evaluation methods of kinetic energy harvesting devices under practical vibration environment - Part 2: Human arm swing motion」、神戸大学 神野伊策 教授が提案中のCD「IEC63150-3ED1:Measurement and evaluation methods of kinetic energy harvesting devices under practical vibration environment - Part 3: Human foot impact motion」の2件であり、今後のスケジュールについて確認がなされました。
 また、今後提案予定の規格を紹介するFuture workでは、藤田教授が開発に着手している「Vibration energy harvesting」に関する国際標準化の概要及び提案スケジュールを紹介し、2023年12月頃にIECへNPを提案する予定であることを説明しました。
 会議の最後には、来年の本WG春季会議を中国 杭州で5月に開催されることについて、紹介されました。


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TC47/WG7会議の様子

 11月16、17日には、それぞれTC47/SC47F全体会議、TC47全体会議が開催され、WGおよびSCにおいて決議された内容について各主査及び議長が報告しました。
 予定していた議題全てを円滑に議論でき、各国主査やPLと会議前後の時間に交流を図ることができ、充実した会議となりました。

(調査研究・標準部長 藤澤 大介)

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2023年8月 1日 (火)

IEC国際標準化 SC47E WG1&2, SC47F WG1-3&MT会議報告(2023年6月21~23日)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会) /SC47F(MEMS分野)、SC47E(個別半導体デバイス分野)の国際標準化WG会議が、日本のホスト(一般財団法人 マイクロマシンセンター主催)で、6月21 日~23日に、熊本県 熊本市国際交流会館にて開催されました。

 6月21日には、IEC TC47/SC47E/WG1&2会議が開催されました。
半導体関連技術に関する会議SC47E(DISCRETE SEMICONDUCTOR DEVICES)WG1(SEMICONDUCTOR SENSORS)、WG2(MICROWAVE DEVICES)へのSC47F関係者の参加により、WG各国エキスパートとの活発な意見交換がありました。

 6月22日には、IEC TC47/SC47F/ WG1-3&MT 会議が開催され、現地およびオンライン参加で29名(日本10名、韓国11名、中国8名)が出席し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。
 会議では、SC47F/MT1のコンビナーである熊本大学 高島和希教授が議事進行を務められました。日本の主な出席者は、高島教授の他、WG1コンビナーである先端素材高速開発技術研究組合 古田一吉氏、WG3コンビナーである次世代センサ協議会 大和田邦樹副会長、PLである神戸大学 神野伊策教と名古屋工業大学 神谷庄司教授、名古屋工業大学 泉隼人助教、近畿大学宍戸信之講師、SC47F国際幹事マイクロマシンセンター 三原孝士氏でした。
 WG1では、コンビナーである古田氏からWG活動概要、ココンビナーのSH Choa氏から「IEC 60747-4:2008 ED1」のレビジョンアップ、プロジェクトリーダーの変更等について説明されました。
 WG2では、コンビナーである韓国のHak Joo Lee氏からWG活動概要について説明されました。日本案件のステータスとして、神戸大学 神野教授提案の「IEC 62047-49:Reliability test methods of electro-mechanical conversion characteristics of piezoelectric MEMS cantilever」のNP提出状況、近畿大学 宍戸信之講師提案の「IEC 62047-43:Test method of electrical characteristics after cyclic bending deformation for flexible electro-mechanical devices」のCDV投票完了、について説明されました。
 MT1(Maintenance team1)では、コンビナーの高島教授からISのstability date見直しについて説明され、各国と議論されました。
 WG3では、コンビナーである次世代センサ協議会 大和田邦樹副会長からWG活動概要が説明されました。また、WG3のコンビナーの神戸大学 磯野吉正教授への交代について説明され、磯野教授からは「Introduction of MEMS Research at Kobe Univ. - Nano Mechanical Systems Lab. -」と題して、研究内容について紹介されました。
 今後提案予定の規格案を紹介するFuture Worksでは、日本から名古屋工業大学 神谷庄司教授がPLである新規提案「フレキシブルMEMSデバイス耐久性の両方向折り曲げに関わる試験方法」の開発状況を同大学 泉隼人助教が説明されました。このほか各国からもMEMSに関する規格開発について紹介されました。

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TC47/SC47F/WG1-3&MT会議の様子

 6月23日には、マイクロマシンセンター主催、熊本大学 国際先端科学技術研究機構(IROAST : International Research Organization for Advanced Science and Technology)共催で、「MEMS Standardization Workshop, – The 96th IROAST Seminar - 」が開催されました。
 Workshopは、熊本大学 高島和希教授が進行を務められ、共催のIROSTから、熊本大学 小林牧子教授から「Patchable piezoelectric/ultrasonic sensor development for automatic abnormal condition detection during homecare stage」について、熊本大学 中島雄太准教授から「Development of microfluidic devices for bio-medical applications」について講演されました。
 このほか、韓国Jungchul Lee氏から「Heater-integrated fluidic resonators」、中国Wei Zhang氏から「MEMS differential pressure flowmeter」、中国Dacheng Zhang氏「Discussion on material mechanical test system of micro-nano-fabricating structure」などMEMS技術に関して、講演され、各国エキスパートの活発な意見交換がありました。
 その他では、来年の本国際標準化WG会議を韓国で5月に開催することがKRNCから提案があり、了承されました。

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MEMS標準化ワークショップ

 次回の会議は、IEC全体会議が11月にフランクフルトで開催されます。
また、来年のTC47/SC47F/WG1-3&MT 会議は、2024年の5月に韓国で開催される予定です。

(調査研究・標準部長 藤澤 大介)

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2023年6月27日 (火)

IEC国際標準化 TC47/WG7 ハノイ会議 参加報告(2023年6月7~8日)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)/WG7(エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)の国際標準化WG会議が、6月7日、8日に、ベトナム ハノイで開催されました。

 TC47/WG7会議には日本から、東京大学鈴木雄二教授、神戸大学神野伊策教授、兵庫県立大学藤田孝之教授他、計6名が参加し、現在審議中の規格案、新規提案等について各国と活発に議論されました。

 会議では、提案している規格案の進捗報告において、東京大学・鈴木教授からIECへ提出した「Measurement and evaluation methods of kinetic energy harvesting devices under practical vibration environment - Part 2: Human arm swing motion」について、神戸大学・神野教授から「Measurement and evaluation methods of kinetic energy harvesting devices under practical vibration environment - Part 3: Human foot impact motion」について報告され、各国エキスパートの理解を得ることが出来ました。

 また、Future worksにおいては、兵庫県立大学・藤田教授が「Standard Test Method for Mechanical Reliability of Vibration Energy Harvesters」について、2023年12月頃にIECへNPを提案する予定であることを説明されました。

 最後に次回のTC47/WG7会議は11月15日にドイツ フランクフルトで開催される予定であることを確認しました。

 今年は、対面での開催となり、提案中の規格案について各国エキスパートの活発な意見交換があり、審議を順調に進めることができました。更に、Future Worksで新たな提案が紹介され、今後の充実した標準化活動が期待できる会議となりました。

(調査研究・標準部長 藤澤 大介)

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会議が開催されたハノイ工科大学

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会議中の様子

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2022年11月28日 (月)

IEC/TC47 国際標準化全体会議(サンフランシス開催)参加報告(2022年10月31日~11月4日)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)の国際標準化全体会議が、10月31日から11 月4日まで、サンフランシスコの Hilton San Francisco Union Square Hotelで開催され、関連する会議に参加しました。

 10月31日には、TC47WG7会議(半導体デバイス エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)とSC47F Officer/Convenor会議(MEMS分野)が開催されました。

 TC47WG7会議では、現在審議中の規格案、新規提案等について議論しました。日本からは、本WGの主査を務めておられる東京大学鈴木教授、兵庫県立大学藤田孝之教授、名古屋工業大学泉隼人准教授、近畿大学宍戸信之講師、産総研山本淳先生他、計7名が参加しました。
 鈴木教授が現在提案中のCD(委員会原案、Committee Draft)「低周波・大振幅かつ回転運動を含む振動発電の特性試験方法」について、コメント対応とCDV( 投票用委員会原案、Committee Draft for Vote)提出スケジュールについて説明されました。神戸大学神野伊策教授が現在提案中のCD「衝撃力による振動発電の特性試験方法」について、CD投票終了後のCCファイルが未回付であることを鈴木教授が言及されました。その結果、TC47 Assistant SecretaryからCCファイルを至急回付して頂くことになりました。
 また、今後提案予定の規格を紹介するFuture workでは、鈴木教授と藤田教授が今年度から開発に着手している「振動発電エネルギーハーベスタの信頼性評価に関する国際標準化」の概要及び提案スケジュールを、山本先生が開発している規格案「熱電発電エネルギーハーベスタ」のNP(新業務項目提案、New Work Item Proposal)開発状況を説明されました。
 最後に、来年の本WG春季会議を日本・熊本で5月下旬から6月中旬にSC47Fと同時開催することを鈴木教授が紹介し、了承されました。

 SC47F Officer/Convenor会議では、本SCのアクティビティについて議論しました。 日本からMT1主査をつとめる熊本大学高島和希教授及びWG1主査の先端素材高速開発技術研究組合古田一吉部長、SC47Fの国際幹事をつとめるマイクロマシンセンター三原孝士をはじめとした4名が参加しました。
 会議では、同SCでのNP提案活性化、新規メンバー獲得の取り組み等について議論しました。加えて、熊本で開催予定の来年度春季WG会議でのワークショップの内容について意見を交換しました。

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TC47/WG7会議の様子

 11月1日には、TC47/SC47F/WG1-3&MT1会議(MEMS分野)が開催され、26名(日本6、韓国5、中国10、ドイツ1、米国1、Young Professional 3)が出席し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論しました。
 日本の主な参加者は、MT1の主査をつとめる熊本大学高島和希教授及びWG1主査の先端素材高速開発技術研究組合古田一吉部長、プロジェクトリーダー(PL)である近畿大学宍戸信之講師、名古屋工業大学泉隼人准教授、国際幹事をつとめるマイクロマシンセンター三原孝士でした。サンフランシスコに渡航できなかった中国の主査、エキスパートはオンラインで参加しました。
 最初に前回会議の議事録を確認し、承認されました。次いで、三原孝士国際幹事がIEC本部からの連絡事項を説明しました。
 各WGの活動概要をWG主査が紹介した後、現在審議中の規格案についての意見を交換しました。
 日本からは宍戸講師がPLである提案「IEC 62047-43:フレキシブルMEMSデバイスの繰返し曲げ耐久性試験方法」について、CD投票結果の各国コメント対応状況をPLが説明し、次段階であるCDVへ進めることが了承されました。
 他国からは、中国のDacheng Zhang氏がシリコンMEMSに関するCDV3件、韓国のJoon-Shik Park氏がバイオMEMSに関するCD1件、中国のPeng Chunrong氏がMEMS共鳴電界デバイスに関するCDV1件それぞれついて、進捗を報告しました。
 既に成立しているIS(国際規格、International Standard)のメンテナンスを管理するMT1で、事前に調査したIS見直し期限変更について主査の高島教授が説明し、承認されました。
 今後提案予定の規格案を紹介するFuture Worksでは、日本からは、神戸大学神野教授がPLである新規提案「薄膜圧電MEMSの寿命に関する試験方法」について、今年中にNPをIECへ提出する予定であることをマイクロマシンセンター時岡が報告しました。また、名古屋工業大学神谷庄司教授がPLである新規提案「フレキシブルMEMSデバイス耐久性の両方向折り曲げに関わる試験方法」の開発状況を泉准教授が代理で説明しました。
 他国からは、中国のYongzhi Zhao氏がRF-MEMSに関する規格開発、韓国のHak-joo Lee氏がフレキシブル/ストレッチャブルMEMSに関する規格開発それぞれについて、概要を紹介しました。
 その他では、10月31日に開催されたSC47F Officer/Convenor会議の議事内容を、Sung Hoon Choa SC47F議長が説明しました。加えて、来年の本WG春季会議を日本・熊本で5月下旬から6月中旬に開催することをマイクロマシンセンターが提案し、了承されました。

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TC47/SC47F/WG1-3&MT1会議の様子

 11月3、4日には、それぞれTC47/SC47F全体会議、TC47全体会議が開催され、WGおよびSCにおいて決議された内容について各主査及び議長が報告しました。

 今回は3年ぶりに対面で開催したこともあり、予定していた議題全てを円滑に議論できました。加えて、各国主査やPLと会議前後の時間に交流を図ることができ、充実した会議となりました。
 次回の本TC47会議の開催地は未定で、今後ホスト国を募ることになりました。また、日韓中が持ち回りで開催しているTC47/WG7(エネルギーハーベスタ分野)、SC47F(MEMS分野)等の春季合同会議は、来年5月中旬から6月中旬に熊本で開催する予定です。

調査研究・標準部長 時岡 秀忠

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2022年5月31日 (火)

IEC国際標準化TC47/SC47F WGs-MT、TC47/WG7会議報告(2022年5月19日~20日)(オンライン開催)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会) /SC47F(MEMS分野)、TC47/WG7(エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)の国際標準化WG会議が、5月19 日、20日にオンラインで開催されました。

 5月19日には、TC47/SC47F/ WG1-3&MT 会議が開催され、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。
 TC47/SC47F/WG1-3&MT会議には27名(日本11名、韓国8名、中国8名)が出席し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。SC47F/WG1のコンビナーである先端素材高速開発技術研究組合古田一吉氏が議事進行を務められました。日本の主な出席者は古田氏の他、WG3コンビナーである次世代センサ協議会大和田邦樹副会長、MT1コンビナーである熊本大学高島和希教授、PLである神戸大学神野伊策教授と名古屋工業大学神谷庄司教授、近畿大学宍戸信之講師、SC47F国際幹事マイクロマシンセンター三原孝士でした。
 WG1では、古田氏が新たにコンビナーに就任されたことが紹介されました。
 WG2では、神野教授が2022年3月に承認されたCDV「IEC 62047-42:圧電MEMSデバイスのマイクロカンチレバー特性信頼性試験方法」について各国コメント内容と対応を説明、FDISへ進めることが了承されました。次いで、宍戸講師が2022年2月に提案したCD 「IEC 62047-43:フレキシブルMEMSデバイスの繰返し曲げ耐久性試験方法」について各国コメント内容と対応を紹介、CDV提出に対して各国の理解を得ることができました。 また、中国のDacheng Zhang氏から2021年12月に提案したシリコンMEMSに関するNP3件について各国コメントと対応の説明があり、各国のエキスパートと質疑応答がなされました。加えて、韓国のJoon-Shik Park氏から2022年4月に提案したバイオMEMSに関するNPの概要説明がありました。
 MT1(Maintenance team1)では、コンビナーの高島教授からISのstability date見直しについて説明され、各国と議論しました。
 WG3では、中国のPeng Chunrong氏から2021年12月に提案したMEMS共鳴電界デバイスに関するNPについて各国コメントと対応が紹介されました。
 今後提案予定の規格案を紹介するFuture Worksでは、日本からは神野教授が薄膜圧電MEMSの寿命に関する試験方法、神谷教授がフレキシブルMEMSデバイス耐久性の両方向折り曲げに関わる試験方法の新規提案概要をそれぞれ説明されました。また、中国のWei Zhang氏からMEMS電熱移動デバイスの試験方法、MEMSシリコンマイクロフォンの試験方法に関する新規提案の紹介がありました。
 その他では、来年の本国際標準化WG会議を日本・熊本で5月下旬から6月中旬に開催することをMMCが提案し、了承されました。加えて、具体的な日程等を11月のIEC全体会議(TC47/SC47F/WG1-3&MTは11月1日、TC47/SC47F Plenaryは11月3日に開催)で提案することが決まりました。

 5月20日には、TC47/WG7会議が開催され、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。
 TC47/WG7会議には日本から、神戸大学神野伊策教授、兵庫県立大学藤田孝之教授他、計4名が参加して、各国と活発に議論されました。最初に、各国エキスパートの更新を確認しました。次いで、提案している規格案の進捗報告では、神野教授が2022年3月に提出したCD「IEC 62150-3:衝撃力による振動(Foot motionによる振動)発電の特性試験方法の標準化」について各国コメントを紹介され、エキスパートの理解を得ることが出来ました。
 Future worksにおいては、産業技術総合研究所山本淳氏が「熱電発電エネルギーハーベスタの試験方法」について、2022年6月頃にIECへNPを提案する予定であることを説明されました。
 最後に次回のTC47/WG7会議は10月31日にサンフランシスコで開催される予定であることを確認しました。

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TC47/SC47F/WG1-3&MTオンライン会議の様子
(撮影 名古屋工業大学 神谷庄司教授)

 コロナ感染拡大の影響で、昨年度同様オンライン開催となりましたが、提案中の規格案について各国エキスパートの活発な意見交換があり、審議を順調に進めることができました。更に、Future Worksで多数の新規提案が紹介され、今後の充実した標準化活動が期待できる会議となりました。

 次回の会議は、上述の通り、IEC全体会議が11月にサンフランシスコで開催されます。また、来年のTC47/SC47F/WG1-3&MT 会議は、マイクロマシンセンター主催で2023年の5月下旬から6月上旬に熊本で開催する予定です。

(調査研究・標準部長 時岡 秀忠)

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2021年10月28日 (木)

IEC/TC47 国際標準化全体会議(オンライン開催)参加報告(2021年10月4~8日)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)の国際標準化全体会議が、10月4~8日にオンラインで開催され、関連する10月5~8日の会議に参加しました。

 10月5日には、TC47WG7会議(半導体デバイス エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)が開催され、現在審議中の規格案、新規提案等について議論しました。
 日本からは、本WGの主査を務めておられる東京大学鈴木教授、神戸大学神野伊策教授、兵庫県立大学藤田孝之教授、名古屋工業大学神谷庄司教授、産総研山本淳先生他、計8名が参加しました。
 鈴木雄二教授が現在提案中のCD「低周波・大振幅かつ回転運動を含む振動発電の特性試験方法」、神野教授が現在提案中のNP「衝撃力による振動発電の特性試験方法」について審議結果とコメント対応について説明されました。その結果、それぞれコメントを反映した規格案を会議後IECのCollaboration Platformで回付し、各国エキスパートが内容を確認することになりました。
 Maintenanceでは、鈴木教授提案のIS「IEC 62047-28:MEMSエレクトレット振動発電デバイスの性能試験方法」の安定期日(Stability date)の2021年から2025年への延長が了承されました。
 また、今後提案予定の規格を紹介するFuture workでは、山本先生が開発している規格案「熱電発電エネルギーハーベスタ」の進捗状況を説明されました。

 10月6日にはTC47/SC47F/WG1-3&MT会議(MEMS分野)が開催され、31名(日本13、韓国8、中国8、ドイツ1、米国1)が出席し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論しました。
 日本の主な出席者は、SC47F主査である東京都立大学諸貫信行教授と熊本大学高島和希教授、同じく主査である次世代センサ協議会大和田邦樹副会長、PLである神戸大学神野伊策教と近畿大学宍戸講師、名古屋工業大学神谷庄司教授、名古屋工業大学泉隼人助教授、SC47F国際幹事マイクロマシンセンター三原孝士でした。
 WG1では、諸貫教授が長年務められたコンビナーを退任されることが述べられました。次いで、大和田副会長が先端素材高速開発技術研究組合の古田一吉部長を諸貫教授の後任として推薦され、吉田部長から自己紹介がなされました。これから各国への承認を貰うQuestionnaireが回付され、最終的な決定がなされます。
 WG2では、神野教授が2021年7月にCDを回付し9月にコメント投票が完了した「IEC 62047-42:圧電MEMSデバイスのマイクロカンチレバー特性信頼性試験方法」についてコメント対応を紹介され、各国エキスパートと議論しました。その結果、次のステップであるCDへの移行が承認されました。次いで、宍戸講師が2021年1月に提案し4月にNPが承認された「IEC 62047-43:フレキシブルMEMSデバイスの繰返し曲げ耐久性試験方法」についてコメント対応を紹介され、各国エキスパートと議論しました。
 MT1(Maintenance team1)では、コンビナーの高島教授からISに関するStability date見直しについて説明がありました。
 Future Workでは、中国から4件、韓国から1件の新プロジェクト概要が紹介されました。これらプロジェクトは2021年10月から2022年3月にかけてIECへ提案される見通しとのことでした。
 また、次回のWG1-3&MT1合同会議を来年5月19日に日本の熊本で開催することを提案し、了承されました。

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TC47/SC47F/WG1-3&MTオンライン会議の様子
(撮影 名古屋工業大学 神谷庄司教授)

 10月7、8日には、それぞれTC47/SC47F全体会議、TC47全体会議が開催され、WGおよびSCにおいて決議された内容について各主査及び議長が報告しました。

 今回も昨年同様オンライン開催となりましたが、予定していた議題全てを議論することができ、充実した会議となりました。
 次回の本会議は来年11月に米国・サンフランシスコで開催されます。また、日韓中が持ち回りで開催しているSC47E(個別半導体デバイス)WG1(半導体センサ分野)、WG2(マイクロ波デバイス分野)、SC47F(MEMS分野)の合同会議は、来年5月18~20日に開催する予定です。同じく、日韓中が持ち回りで開催しているTC47/WG7(エネルギーハーベスタ分野)のWG会議も、前記合同会議と同時に熊本で開催します。

調査研究・標準部長 時岡 秀忠

 

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2021年6月28日 (月)

IEC国際標準化 SC47E/WG1&SC47F&TC47/WG7 WG会議報告(5月19日~20日)(オンライン開催)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)/SC47E(個別半導体デバイス)WG1(半導体センサ分野)、TC47/SC47F(MEMS分野)、TC47/WG7(エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)の国際標準化WG会議が、5月19 日、20日にオンラインで開催されました。

 5月19日には、TC47/SC47E/WG1会議が開催され、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。
 ドラフトの議論では、2015~18年度に経産省の国際標準獲得・普及促進事業としてマイクロマシンセンターがとりまとめて取組みました「スマートセンシング・インタフェースに関する標準化」に関して、提案済み・審議中のIEC60747-19-2 TS(Technical Specification)「スマートセンサおよびスマートセンサを駆動する電源の特性表示方法」の状況が紹介されました。現在審議が終了し、技術仕様書TS(Technical Specification)発行に向けて準備中であることが報告されました。
 また、これまでに発行されている国際規格IS(International Standard)の安定期日(Stability date)見直しについて議論されました。最後に今後の会議予定を確認しました。その際、中国、韓国、日本が持ち回りで開催している本国際標準化WG会議を2022年度5月にSC47F合同会議と同時に日本の熊本で開催することが了承されました。

 5月20日には、TC47/WG7会議とTC47/SC47F/WG1-3&MT会議が開催され、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。
 TC47/WG7会議には日本から、TC47/WG7コンビナーである東京大学鈴木雄二教授、兵庫県立大学藤田孝之教授他、計4名が参加して、各国と活発に議論されました。鈴木教授が議事進行を務められました。
 最初に、各国エキスパートの更新を確認しました。次いで、現在審議中の規格案の状況が報告されました。鈴木教授が2021年1月に提案し4月に承認された新業務項目提案NP(New work item Proposal)「IEC 62150-2:低周波・大振幅かつ回転運動を含む振動(Arm swingによる振動)発電の特性試験方法の標準化」については、CD(Committee Draft)を作成し、7月にIECへ提出することを報告されました。
 メンテナンスでは各ISについてStability Dateを確認しました。2021年がStability dateであった鈴木教授提案のIS「MEMS エレクトレット振動発電デバイスの性能試験方法」のStability dateが2024年に変更されました。
 今後提案予定の規格案を紹介するFuture worksにおいては、神戸大学神野伊策教授が開発している「衝撃力による振動(Foot motionによる振動)発電の特性試験方法の標準化」は2021年7月にIECへNPを提案する予定であること、産総研山本様が開発している「熱電発電エネルギーハーベスタ」は2021年12月にIECへNPを提案する予定であることを、鈴木教授が代理で報告されました。
 その他では、アクションアイテムとして、活動していないエキスパートをリストから削除することをIECに要求すること、Pメンバー国からの新しいエキスパートリストを作成することが決まりました。
 最後に今後の会議予定を確認しました。その際、中国、韓国、日本が持ち回りで開催している本国際標準化WG会議を2022年度5月にSC47E、SC47F合同会議と同時に日本の熊本で開催することが了承されました。

 TC47/SC47F/WG1-3&MT会議には33名(日本14、韓国8名、中国9、ドイツ2)が出席し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。SC47F/MT1のコンビナーである熊本大学高島和希教授が議事進行を務められました。日本の主な出席者は高島教授の他、WG3コンビナーである次世代センサ協議会大和田邦樹副会長、WG1コンビナーである東京都市大学諸貫信行教授、PLである神戸大学神野伊策教と名古屋工業大学神谷庄司教授、近畿大学宍戸信之講師、SC47F国際幹事マイクロマシンセンター三原孝士でした。
 WG2では、神野教授が2020年9月に提案し12月に承認されたNP「IEC 62047-42:圧電MEMSデバイスのマイクロカンチレバー特性信頼性試験方法」について各国コメント内容とそれに対する対応を説明し、各国の理解を得ることができました。
 次いで、宍戸講師が2021年1月に提案し4月に承認されたNP 「IEC 62047-43:フレキシブルMEMSデバイスの繰返し曲げ耐久性試験方法」について各国コメントを紹介されました。
 MT1(Maintenance team1)では、コンビナーの高島教授からISのstability date見直しについて説明があり、各国と議論しました。
 Future Worksでは、中国から4件、韓国から1件の新規提案が紹介されました。その他では、来年の本国際標準化WG会議を日本・熊本で5月に開催することをMMCが提案し、了承されました。また、具体的な日程等は10月のIEC全体会議で提案することが決まりました。

      
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TC47/SC47F/WG1-3&MTオンライン会議の様子
(撮影 名古屋工業大学 神谷庄司教授)

 コロナ感染拡大の影響で、2020年11月の全体会議同様オンライン開催となりましたが、各国から多数のエキスパートに参加していただき、有意義な議論を進めることができました。

 次回会議としては、IEC全体会議が10月にオンラインで開催される予定です。来年の本国際標準化WG会議は、上述の通り、マイクロマシンセンター主催で2021年5月に熊本で開催する予定です。

(調査研究・標準部長 時岡 秀忠)

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