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2026年8月 5日 (水)

2026年度 第1回「MEMS事業者連携委員会」開催報告(7月24日)

 今年度第1回MEMS事業者連携委員会(委員長:東京大学 年吉洋教授)を経済産業省からも来賓として出席していただき、50名程の事業者や大学の先生方のご参加を得て、2027年7月24日にオンラインで開催いたしました。 委員会においては主に1.国の政策とMEMSの位置付けの変化、2.今後目指すべき研究開発等について、3.我が国MEMS産業の勝ち筋などについて議論しました。


 1.については、事務局から25年5月の半デジ戦略の中で初めて「電子部品やMEMS等、・・・、官民での政策のアプローチを検討」とMEMSに言及されたのち、25年12月には、「電子部品については、・・・、センサ類やMEMS等も含めて、我が国の経済安全保障上、重要な電子部品について、我が国の自律性・不可欠性を高める取組を検討する。」と「経済安全保障上、重要な電子部品」と位置付けられ、さらに26年6月には、「マイコン、パワー、アナログIC、センサ、高周波、光、MEMS等の重要基盤領域について、経済安全保障上も重要な基盤として国内基盤の拡張、再編・高度化、必要に応じた国内回帰を進める。特に我が国が競争力を有する(MEMSも当然含まれる)センサデバイスについては、フィジカルAIを支える中核として、RAWデータを活用した“エッジ・センシング・プラットフォーム”を構築。」と単なる検討段階から政策の具体的内容が示されたとの説明がなされました。
 2.については、事務局から研究開発テーマとしてフィジカルAIに今後注目していきたいこと、NEDO及び防衛装備庁の研究開発制度について紹介いたしました。最後に、7月1日からNEDOから先導研究プログラムにおいてRFI(Request for Information)の募集がなされたので、それを受けてMEMSに関連しそうなテーマについて事務局から紹介するとともに、MMCでお役に立てることがあれば何なりとご相談してほしい旨説明いたしました。
 3.については、事務局よりYole GroupによるStatus of the MEMS Industry 2026(2026年6月末公表)をもとに世界全体ではMEMS産業は好調であり、2025年の世界売上は171億ドル(前年比+7.6%)、出荷数は330億個を超え、2025〜2031年の年平均成長率(CAGR)は6.1%(売上)である一方で、我が国MEMS産業は、長期低落傾向にあり、2016年には世界のTop30企業のうち日本企業は11社を占めてシェアも世界の約4分の1(23%超)を占めていたものの、25年ではわずか4社(TDK、Canon、村田製作所、エプソン)となりシェアも11%程度にまで低下していることから、MMCとして我が国MEMS産業の今後の勝ち筋について、今年度の産業動向調査で検討する旨説明しましました。
 これを受けて委員会では海外の事例に倣い民間企業と大学が共同して人材育成に取り組む有用性、半導体のように生産基盤整備から研究開発投資への流れをMEMSにも当てはめられる可能性、小規模生産を請負えるMEMSファウンドリーへのニーズがあること、など様々な有益な意見が出され、今後の我が国MEMS産業の勝ち筋の議論に反映させていくこととしました。また、併せてこれらの委員会での議論を踏まえ、次回委員会までに継続検討する項目についても各委員に示されました。
 
 次回開催は2027年2月頃を予定しています。

 なお、この「MEMS事業者連携委員会」は、MEMSに関する事業や研究を行われている事業者や、大学・公的研究機関の方々には、広く門戸を開放しておりますので、ご関心のある向きは、これからのご参加を歓迎いたします。
 委員会への参加には委員やオブザーバ等への登録が必要ですので、下記事務局の方にお問合せをいただければと思います。また当センターホームページからも登録可能です。

★MEMS事業者連携委員会ホームページ
   https://www.mmc.or.jp/mbcc/index.html

★MEMS事業者連携員会事務局
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JCK MEMS/NEMS 2026参加報告

 7月8日(水)から7月10日(金)に韓国・釜山の国際コンベンションセンターBEXCO(Busan Exhibition Convention center)にて開催されましたJCK MEMS/NEMS 2026に参加しましたので、報告いたします。JCK MEMS/NEMSは日本-中国-韓国のMEMS/NEMS(Micro Electro Mechanical Systems / Nano Electro Mechanical Systems)に関するジョイントの国際会議で、今回が第17回目になります。
 今回のジェネラルチェアはKAISTのJungchul Lee先生でしたが、交通事故で入院中とのことで韓国のコチェアであるDGIST(Daegu Gyeongbuk Institute of Science and Technology)のHoe Joon Kim先生が代わりに取り仕切って開催されました。韓国、日本、中国から各1件のプレナリートークと18件の招待講演(日本:3件、中国:4件、韓国:10件、シンガポール:1件)、34件の口頭発表(日本:9件、中国:1件、韓国:24件)、59件のポスター発表(日本:3件、中国:0件、韓国:56件)の計114件の発表があり、MEMS/NEMS分野の最新の研究発表に関して活発な議論がなされました。会場のBEXCO入口、コチェアのHoe Joon Kim先生の開会挨拶、口頭発表会場の様子、ポスター発表の様子及び集合写真を写真1~写真5にそれぞれ示します。

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写真1 会場のBEXCO入口

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写真2 コチェア(Hoe Joon Kim先生)の 挨拶

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写真3 口頭発表会場の様子

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写真4 ポスター発表の様子

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写真5 集合写真

 

 国別の発表では日本16件、中国6件、韓国91件、シンガポール1件で、開催国の韓国からの発表者がもっとも多かったです。韓国は、最近は海外出張が制限されているため、中国、日本で開催のJCKでは参加者が少なくなっていましたが、今回は91件と前回韓国・済州島で開催されたJCK2023の22件と比較しても非常に多くの韓国からの発表があったのが今回の特徴の一つでした。また、今回JCK以外としてシンガポールから1件の招待講演があったのももう一つの特徴でした。詳細のプログラムは以下のURLからご覧いただけます。

 

https://drive.google.com/file/d/1Jw2iKYbrKOgFMhSsNrKUjJL3pg8x0fhU/view

 

 初日午前はインバイトセッションとして、以下の韓国、日本、中国から各1件の招待講演の後にプレナリーセッションがありました。インバイトセッションの韓国からの発表のDr. Sanghyun Leeは札幌で開催されたJCK2016の時に学生で参加していたとのことでしたが、今回インバイトセッションで発表するにまで成長されたということで、JCKの目的の一つであるMEMS/NEMS分野の若手の成長を支援するということが実践された良い例であり、非常にうれしいとオープニングセレモニーで日本のコチェアである東大伊藤先生からの発言もありました。プレナリートークは毎年、韓国、日本、中国から各1件の発表がありますが、今回は韓国からはPNUJong Soo Ko先生からマイクロメッシュに関する発表がありましたが、元々水中ガス検知器として開発していたマイクロメッシュに学生が誤って油をこぼしたことから水油分離機能があることが分かり海上のオイル漏れのオイル回収の用途が発掘されたことを例にSerendipity(偶然)とその後のPerseverance(忍耐)が研究には重要であるとの発表が印象的でした。日本のプレナリートークは京都大学の土屋先生のMEMSリザーバーコンピューティングの話でした。中国からはSUSTechのWang Fei先生からナノマテリアルとMEMSと機械学習を組合わせた高感度ガスセンサの話がありました。

【インバイトセッション】

  • Vacuum-assisted Void Removal in Flip-Chip Underfill Encapsulation ( Sanghyun Lee, Korea Maritime and Ocean University, Korea)
  • 2x-nm-wide Gate Patterning by Tone Reversal EBL Combined with Semiconductor Fabrication Process (Dr. Sung-Won Youn, AIST, Japan)
  • Intelligent Point Diffraction Interferometry for Micro/Nano-Scale Precision Measurement of Aspherical Optics ( Zhuo Zhao, Xi’an Jiaotong University, China)

【プレナリートーク】

  • Serendipity and Perseverance in Micromesh Research ( Jong Soo Ko, Pusan National University, Korea)
  • MEMS Physical Reservoir Computing for Edge Processing (Dr. Toshiyuki Tsuchiya, Kyoto University, Japan)
  • MEMS Gas Sensors - From Nanomaterials, Microelectrodes to Machine Learning ( Wang Fei, Southern University of Science and Technology, China)

 午後にはポスターセッションの後に2つのパラレルセッションとして以下のセッションが行われました。今回発表件数が多かったので、パラレルセッションとして開催されました。セッションBは流体・バイオ関連で、セッションAはそれ以外に分かれていました。今回日本からは3件の招待講演と9件の口頭発表がありましたが、内8件がバイオ・流体関連の発表となっていました。

【セッション構成】
A1: Energy Harvesting & Self-Powered Devices
(2招待講演(韓国:1, 中国:1)、4口頭発表(韓国:4))
B1: Microfluidics & Bioassays
(2招待講演(韓国:2)、4口頭発表(韓国:3, 日本:1,))
A2: Wearable & Flexible Sensors
(2招待講演(韓国:2)、4口頭発表(韓国:4))
B2: Cell & Tissue Microsystems
(2招待講演(日本:1, シンガポール:1)、4口頭発表(韓国:2, 日本:2))

 2日目は以下の2つのパラレルセッションとクロージングセレモニーの後、Nextronへの見学会が行われました。

【セッション構成】
A3: Nanomaterials & Device Fabrication
(1招待講演(中国:1)、6口頭発表(韓国:6))
B3: Biomedical Sensing & AI
(2招待講演(韓国:1, 日本:1)、4口頭発表(韓国:1, 日本:3,))
A4: Manufacturing & Devices
(2招待講演(韓国:1, 中国:1)、4口頭発表(韓国:1, 日本:3))
B4: Nanofluidics & Materials
(2招待講演(韓国:2)、4口頭発表(韓国:3, 中国:1))

Nextronは釜山国立大学のDr. Hakbeom Moonが2007年に設立した大学発のベンチャーで、「サージアブソーバ」、現代重工業との共同開発を通じて開発した「古い変圧器を診断するための水素ガスセンサの開発」を経て、現在は「マイクロプローブシステム」を製造販売する会社です。パリとシカゴに支店を持ち、日本にも販売代理店を擁してグローバルな展開を行っています。見学会では新社屋にて、会社概要説明及び「マイクロプローブシステム」等の見学を行いました。見学会の様子を写真6に示します。

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写真6 NEXTRON見学会の様子

 

 次回のJCK MEMS/NEMS 2027は2027年11月6日(土)~8日(月)に中国の上海で開催されることがジェネラルチェアになる中国の上海交通大学Zhuoqing YANG教授からアナウンスされました。

 

(MEMSシステム開発センター長 武田 宗久)

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