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2026年6月 5日 (金)

国際標準化 IEC/TC47/SC47F 春季会議・MEMS標準化ワークショップ(神戸開催)(2026年5月14日~15日)参加報告

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)/SC47E(個別半導体デバイス分野)、SC47F(MEMS分野)の国際標準化WG春季会議が、当センターをホストとして、5月13日~15日に、神戸 三ノ宮の神戸国際会館で開催されました。

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会議が開催された神戸国際会館

 5月13日は、半導体関連技術に関する会議SC47E(DISCRETE SEMICONDUCTOR DEVICES)WG1(SEMICONDUCTOR SENSORS)、WG2(MICROWAVE DEVICES)が開催され、SC47F関係者も参加しました。SC47EとSC47Fは独立したSC(Sub Committee)ではありますが、デバイス、技術それぞれに関連するところも多く、IEC TC47/SC47E/WG1&2会議へのSC47F関係者の参加により、両SCに関連するセンサ技術などについて、WG各国エキスパートとの活発な意見交換がありました。SC47E WG1では、コンビナーのJungchul.Lee氏(韓国)より、昨年11月に開催された東京会議の議事録の報告の後、コンビナーレポートによる最近の状況報告がありました。その後、現在規格開発中の3つのプロジェクト(中国提案2件、米国提案1件)について各プロジェクトリーダーから報告があり、質疑応答を行いました。次にStability datesの確認を行い、2026年が期限の2件のドキュメントについて対応を協議しました。内1件は日本提案の「IEC 60747-14-1:2010 Ed.2.0 Generic specification for sensors」ですが、今秋のハンブルグ会議で判断することされました。他国提案の他の1件も同様です。Future Worksとしては、韓国から2件、中国から2件の提案がありました。
SC47E WG2では、コンビナーの大芝克之 氏より、前回の議事録、コンビナーレポートの報告があり、その後、2件の案件について投票結果の報告がありました。さらに、Stability datesの確認が行われました。期限が2026年のものはないので、基本的に変更は不要ですが、今秋のハンブルグ会議にて再度確認することとしました。Future Worksとしては、中国より「IEC 60747-16-7 ED1 “Attenuators”」と「IEC 60747-16-8 ED1 “Limiters”」の改訂作業を開始する旨の報告があり、承認されました。
 5月14日には、IEC TC47/SC47F/ WG1-3&MT1会議が開催され、37名(日本8名、韓国20名、中国8名、ドイツ1名)が出席し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。

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TC47/SC47F/WG1-3&MT1会議の様子

 会議では、SC47F WG3のコンビナーである磯野吉正 氏が議事進行を務められました。日本からの出席者は、神戸大学 磯野吉正 教授のほか、SC47F WG1コンビナーであるマイクロマシンセンター 標準化事業委員会 委員長 古田一吉、SC47F MT1コンビナーである熊本県立技術短期大学校 高島和希 校長、現在のアクティブプロジェクトのプロジェクトリーダーである神戸大学 神野伊策 教授、近畿大学 宍戸信之 准教授、SC47F国際幹事 マイクロマシンセンター 三原孝士、オブザーバー参加の経済産業省 芝﨑聡一郎 氏でした。会議では、まず前回会議の議事録が確認され、続いてIEC SC47F三原孝士 国際幹事から、IEC本部からの連絡事項、及び、セクレタリレポートについて説明されました。
 SC47F WG1では、コンビナーであるS.H.Choa氏(韓国)からWG活動概要と古田一吉がプロジェクトリーダーである「IEC 62047-1:Terms and definitions」の改訂予定について説明されました。また、S.H.Choa氏による改訂作業が無事終了し、「IEC 62047-4 :2026 ED2Semiconductor devices - Micro-electromechanical devices - Part 4: Generic specification for MEMS」として出版されたことが報告されました。
 SC47F WG2では、コンビナーである韓国 Hak Joo Lee氏からWG活動概要について説明されました。日本提案案件のステータスとして、近畿大学の宍戸信之 准教授から「IEC 62047-51:Test method of electrical characteristics under two-directional cyclic bending deformation for flexible micro-electromechanical devices」のCDV(Committee Draft Vote)投票結果、各国からのコメントへの対応について説明し、次の最終ステージFDISに進むことが承認されました。
 SC47F WG3では、コンビナーである神戸大学 磯野吉正 教授が、WG活動概要を説明されました。既に成立している国際規格(IS)のメンテナンスを管理するSC47F MT1では、コンビナーの熊本県立技術短期大学校 高島和希 校長からISのstability dates見直しについて説明され、各国と議論されました。今回は期限のアナウンスであり、今秋のハンブルグ会議で、審議のうえ、当該案件のStability datesの延長が決定されます。
 今後提案予定の規格案を紹介するFuture Worksのセッションにおいては、前々回、前回の会議で紹介された案件を含めて提案予定時期の確認が行われました。中国から3件、韓国から6件の提案がありました。日本は、現在Future Worksに挙げているものはありませんが、次回以降少なくとも2件の提案を挙げていく予定です。

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TC47/SC47F/WG1-3&MT1会議集合写真

 5月15日午前には、MEMS Standardization Workshopが開催されました。WorkshopはSC47F WG3コンビナーである神戸大学 磯野吉正 教授が進行を務められ、日本からは神戸大学 菅野公二 教授、近畿大学 宍戸信之 准教授、ローム㈱ 内貴崇 氏よりご講演をいただきました。いずれも聴講者の関心が高く、活発な質疑応答がなされました。内貴氏の講演では、近い将来、ガスセンサ関連の規格開発に取り組みたい旨表明したところ、早速、韓国から協力の申し出がありました。また、中国、韓国からも講演があり、最新のMEMSに関する研究に関して各国エキスパートの活発な意見交換がありました。
各講演のタイトルと講演者を以下に記載します。
①Dynamic surface-enhanced Raman spectroscopy of DNA enabled by engineered gold nanoparticle dimers
     菅野 公二 教授(神戸大学)
②Electrochemical Sensor for Biomedical Engineering
     Prof. Min Park (Hallym University:韓国)
③MEMS force sensor
     Prof. Wei Zhang (Peking University:中国)
④Reliability monitoring of wire bond interconnects in electronic packaging
     宍戸信之 准教授(近畿大学)
⑤Fabrication and Measurements of BioMEMS based biosensors
     Prof. Oh Seok Kwon (Sung Kyun Kwan University:韓国) 
⑥MEMS Technologies for Intelligent Power Sensing in Smart Grid Applications
     Mr. Guanying Wang (China Electric Power Research Institute, CEPRI:中国)
⑦Technical Requirements for MEMS Gas Sensors for Expanding Hydrogen Gas Sensing Applications
     内貴 崇 氏 (ローム㈱.)


(調査研究・標準部長 古田 一吉  記)

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第45回マイクロナノ先端技術交流会 開催報告(2026年5月13日)

 2026年5月13日(水)15:00 – 17:00に、第45回マイクロナノ先端技術交流会をオンラインにて開催しました。(同交流会は2003年よりほぼ年2回のペースで開催。)

 冒頭に、当センターの長谷川英一専務理事から、MEMSを巡る最近の動きとして、①(MEMS事業者連携委員会などが政策要望をしてきたところ、)「センサー類やMEMS等も含めて、我が国の経済安全保障上、需要な電子部品について、我が国の自律性・不可欠性を高める取組を検討する。」とされたこと。②日本成長戦略の中でも、フィジカル・インテリジェント・システムの中核を担う半導体として「センサーやマイコン等のアナログ・レガシー半導体の重要性も重大。」とされたことなどを報告。また、2025年度産業動向調査報告書「フロンティア領域とMEMS/マイクロナノ技術」の概要として、本報告で選定したフロンティア領域12テーマにおける2040年以降のMEMS/マイクロナノ技術の研究開発の具体例と意義について紹介しました。(本報告書はMMC賛助会員の方はHPから閲覧できます。)

 その後、「最新の半導体実装技術とMEMSの融合」をテーマに、産業技術総合研究所 ハイブリッド機能集積研究部門3D集積技術研究グループ 菊地克弥研究グループ長、及び東京大学 生産技術研究所 野村政宏教授にオンラインにてご講演を頂きました。産業界や大学から計175名の参加申込があり大盛況でした。
 最初の産総研の菊地様からは、「先端半導体集積化の鍵を握る2.5D/3D実装によるチップレット実装技術」についてご講演頂きました。内容は、実装技術の変遷とチップレットの重要性から、主要な技術と研究開発として、シリコン貫通電極(TSV):デバイス形成後にTSVを作る「ビアラスト(Via Last)」プロセス、次に裏面埋設配線(BBM: Backside Buried Metal): 積層に伴い発生するIRドロップ(電圧低下)や同時スイッチングノイズの低減を目的として、チップ裏面の自由なスペースに埋設配線(トレンチ構造)を形成し、電源ライン(VDD)とGNDラインに、TSVを用いて並列接続するプロセス、また、微細接続技術:低温・低荷重のストレスフリー接続、接続バンプの微細化・高密度化を目的として、先端部の強度が低くテーパー構造を持った錐型バンプの形成技術、さらにハイブリッド接合技術:Cu電極とSiO₂絶縁層の界面を有するウェアをW2W(Wafer-to-Wafer)で接合する技術、多層ウェア接合技術、C2W(Chip to Wafer)で接合する技術をご紹介頂きました。

 続いて、東大の野村先生からは、「三次元マイクロ流路を用いた半導体チップ二相冷却技術」についてご講演頂きました。内容は、データセンターの消費電力急増を背景に、半導体チップの高性能化・高密度化に伴う発熱の抑制に対し、従来の空冷や固体冷却では限界に達しつつあるため、それに代わる技術として、単相水冷や液体が気体に変わる際の相変化(潜熱)を利用した二相冷却について紹介頂きました。革新的な単相水冷技術として、チップ背面にMEMS技術で3層構造を形成し、マイクロ流路の狭窄部分でジェット水流を起こすことで、従来の水冷による冷却密度(100W/cm2)より1桁以上高い結果が得られるシステム、野村先生のご研究である二相冷却技術として、潜熱冷却の課題である気泡がマイクロ流路の壁面を覆い、液体が触れなくなるドライアウト現象により冷却効率が低下することを防ぐために、流路の壁面にマイクロピラーを形成し、毛細管現象によって液体を強制的に加熱面に引き込むことでドライアウトを抑制し、最大830W/cm2の熱流束が得られるシステム等についてご紹介頂きました。
今回もご多忙の中、ご講演を頂きましたお二人の先生をはじめ、ご参加を頂きました多くの方々に厚く感謝を申し上げます。

 (産業交流部 逆水登志夫)

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