「2023年度 分野別動向調査報告書」発行について (MMC「国内外技術動向調査委員会」)
マイクロマシンセンターでは、国内外の最新かつ詳細なマイクロマシン・MEMSそしてナノ関連の研究開発の情報を収集・分析し、その技術動向を把握することを目的に、各年度MEMSの分野で代表的な国際会議を定点観測して、分野別動向調査報告書にまとめています。
2023年度は“Transducers2023(The 22nd International Conference on Solid-State Sensors, Actuators and Microsystems)”と“MEMS2024(The 37th IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems)”を調査しました。
“Transducers”は、マイクロセンサ、マイクロアクチュエータに関する最先端の研究開発事例が発表される国際会議で、1981年の米ボストンでの第1回会合以来、隔年で開催されています。今回のTransducers2023は22回目で、2023年6月25日~29日の日程で、京都で開催されました。参加者数1037名、論文投稿数は863件で、前回の550件より57%増加しました。採択件数は483件(口頭196件、ポスター287件)で、採択率は56.0%でした。加えて、Late Newsへの投稿139件からも71件が、ポスターとして採択されました。国別では、日本が最多の49件で(前回29件)、続いて中国48件(前回40件)、台湾20件(前回12件)、米国17件(前回29件)という各国からの発表件数でした。発表内容の大分類別では、Fundamentals(基礎分野)が、前回34件から今回44件となり、発表件数が増加しました。Applied Devices/Systems(応用分野)では、Mechanical Sensor(20件)、Chemical Sensor(21件)、Bio Science(25件)、Bio Medical Applications(22件)などが、多くの件数を占めていました。前回から件数の増加が目立つものとして、Bio Scienceが前回10件から25件と2.5倍の発表件数でした。
次に、“MEMS2024”は、IEEEのMEMS技術に関する国際会議で、毎年開催されています。37回目にあたる今回は、2024年1月21日~25日の日程で、米 オースティンで開催されました。論文投稿数は659件(前回636件)で、昨年より約4%程度増加しました。採択件数は324件(前回314件)、採択率は約49%(前回49%)でした。プレナリーを含む地域別発表論文数は、米州81件(前回43件)、欧州29件(前回57件)、アジア太平洋214件(前回212件)となり、開催地である米州の発表論文数が前回から大幅に増加しました。地域別では、アジアが最も多く、国別では、昨年に続き中国が99件(前回83件)でトップ、米国81件(前回40件)、日本40件(前回54件)と続きました。発表内容の大分類別では、Fundamentals(基礎分野)が221件(全体の37.8%、前回は36.0%)、Applied Devices/Systems(応用分野)が360件(全体の61.5%、前回は63.5%)と、発表の比率は前回と同程度でした。小分類別に見ると、件数が多いのは、Fabrication Technologies (Non-Silicon)(66件)、Tissue/Organ & Medical Applications(58件)、Radiation/Material Substance Sensor(57件)、Others (Applied Devices/Systems)(54件)、Mechanical Sensor(51件)、Actuators(50件)でした。
報告内容の詳細は、2023年度分野別調査報告書冊子のほか、マイクロマシンセンターのホームページ内の賛助会員のページにてご覧になることができます。(※ログインには、ユーザーID及びパスワードの入力が必要です。)
(調査研究・標準部長 藤澤 大介)
| 固定リンク
「産業・技術動向」カテゴリの記事
- 「2023年度 分野別動向調査報告書」発行について (MMC「国内外技術動向調査委員会」)(2024.09.04)
- 「2023年度 海外調査報告会」を盛況に開催(2024.03.07)
- 新年のご挨拶(MMC/NMEMS 2023年10大ニュース)(2024.01.09)
- 「2022年度 分野別動向調査報告書」発行について (MMC「国内外技術動向調査委員会事業」)(2023.08.29)
- 「2021年度 分野別動向調査報告書」発行について(2022.09.29)
コメント