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2024年8月

2024年8月 6日 (火)

マイクロマシンセンター各種委員会及びMEMS協議会の活動について

 連日、暑さが続く中ですが、マイクロマシンセンターでは、各種委員会及びMEMS協議会の活動を精力的に実施しております。

 まず、6月13日に、今年度第1回のMEMS事業者連携委員会(委員長:東京大学 年吉洋教授)を開催し、主に人材育成、ファウンドリ及び研究拠点について議論を行いました。(詳細は7月のブログをご覧ください。
 6月28日には、国際交流委員会(委員長:東京大学 伊藤寿浩教授)を対面で開催し、今年度の国際関連イベントの開催状況や、既に開催された第27回国際マイクロマシンサミット2024(オーストラリア5月26日-29日)の参加報告(詳細は7月のブログをご覧ください。)がありました。また、同日、上記MEMS事業者連携と国際交流以外のMEMS協議会活動をサポートする産業交流委員会を書面開催し、本協議会の昨年度活動結果と今年度活動計画について、報告いたしました。

 さらに、7月4日には、今年度MMCが受託した、NEDO委託調査事業「未来社会におけるMEMSセンシングデバイスの市場動向及び技術動向調査(Study of innovative MEMS for coming society (SiM)」の第2回委員会がオンライン開催されました。本調査の開始については6月のマンスリーに掲載していますが、2035年の社会像(主にモビリティ、ものづくり、スマートライフ分野)からのバックキャスト及びMEMSの市場及び技術動向からのフォアキャストを基にして日本のMEMS開発戦略を策定しようとするものです。SiM委員会(委員長:富山県立大学 下山勲学長)は5月22日に第1回を開催して、全体の調査方法等を議論し、7月4日は第2回目で、上述の各分野の社会像について、委員からの報告と議論が行われました。
 
 さて、MEMS協議会活動全般をとりまとめるMEMS協議会推進委員会は、7月10日、霞が関官庁街に隣接したAP虎ノ門会議室で開催されました。
 まず、西澤格理事長(MEMS協議会会長)による主催者挨拶として(写真1)、NEDOから受託したSiM調査事業について、MEMS事業者連携委員会とも連携しながら進めていることや、MNOIC事業が工程受託を中心に着実に拡大していることなどのお話がありました。
 次に、経済産業省情報産業課デバイス・半導体戦略室長の清水英路様から(写真2)、最新の「半導体政策」についての説明があり、令和5年度補正予算2兆円を活用した各種施策が順調に進んでいることや、AI/最先端半導体技術を起点にした経済成長の実現に向けたエコシステムが現政権のアジェンダとなっており、今まで米欧に比べて競争力が低いとされたアプリケーション産業を含めた競争力強化に政府としても注力されるとのことでした。なお、MEMSについても、電子部品が経済安全保障の特定重要物資に指定されたことなどもあり、現行の支援策などでMEMSを含めたシステムなどへの支援が可能になってくるというような見通しも示されました。

 その後MEMS協議会活動についての議論に移り、IoTという用語が過去の言葉になりつつあり、それは情報を得るためのMEMSが当たり前に使われ、MEMSがないとソリューションが提供できない時代となり、この当たり前の先には何があるのかなど、多くの意見をいただくことが出来ました。

 最後にアソシエートメンバーと個人会員も含め約50名を超える参加者で行われたメンバー交流会では、企業や大学の枠を超えた本音の議論が繰り広げられ、MEMS、センサについて日本の勝ち筋をどう導くか、日本のMEMS事業者が連携してどのように伸ばしていくべきかなどが話題となっていました。ネットを介してコミュニケーションを取る方法は拡大していますが、本メンバー交流会のような顔を合わせての議論に勝るものはないと改めて実感したところです。

(MEMS協議会事務局 渡辺秀明)

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写真1 西澤会長挨拶   写真2清水デバイス・半導体戦略室長

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写真3 2024MEMS協議会推進委員会

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2024年8月 2日 (金)

国際会議APCOT2024(シンガポール開催)参加報告

 APCOT2024(The 11th Asia-Pacific Conference of Transducers and Micro-Nano Technology)が、6月23 日~26日に、シンガポールのNational University Singaporeで開催されました。アジア、太平洋地域でのMEMS/ナノテク分野の研究開発事例が発表される本会議に参加し、最新の研究開発動向を調査しました。APCOTは、2002年に中国・アモイ市で第1回が開催されて以来、2004年は札幌、2006年シンガポール、2008年台湾・台南、2010年オーストラリア・パース、2012年中国・南京、2014年韓国・大邱、2016年金沢、2018年香港と、国際会議Transducersが開催されない年に隔年で開催されてきました。第10回が開催予定であった2020年は新型コロナウィルス感染拡大のため中止となり、2022年に開催地を上海としてハイブリッド形態で開催され、第11回である今年は、シンガポールで開催されました。

Apcot2024_b01APCOT2024開催 <https://www.apcot2024.org>

Apcot2024_b02
 APCOT2024が開催されたNUS(National University Singapore)会場

 GENERAL CO-CHAIRSは、National University of SingaporeのProf. Guangya ZhouとProf. Chengkuo Leeで、参加者は250名超でした。以下に示す日本、米国、シンガポールから各1件のプレナリートークがありました。

【プレナリートーク】
① Piezo Device 2.0 (Prof. Shuji TANAKA, Department of Robotics Tohoku University, JAPAN)
② Piezoelectric and Piezoelectret Sensors and Actuators (Prof. Liwei LIN, James Marshall Wells Professor, Mechanical Engineering Department Co-Director, Berkeley Sensor and Actuator Center (BSAC) University of California Berkeley, USA)
③ Lanthanide Transducers for Advanced Imaging and Assistive Technology (Prof. Xiaogang LIU, Department of Chemistry Faculty of Science National University of Singapore, SINGAPORE)

 このほかに、24件のキーノートトーク(日本:8件、米国:6件、中国:4件、韓国:3件、台湾:1件、シンガポール:1件、スウェーデン:1件)、58件の招待講演(日本:8件、米国:1件、中国:25件、韓国:7件、台湾:3件、シンガポール:11件、オーストラリア:3件)などの講演もありました。また、口頭発表は、5つのパラレルセッションで行われ、MEMS/ナノテク分野の最新の研究発表に関して活発な議論がなされました。
 詳細のプログラムは以下のURLに記載されており、プロセス技術など基礎分野から各種センサ技術など応用分野に関する幅広い研究の発表が行われました。ポスター発表の様子を以下に示します。

APCOT2024プログラム <https://www.apcot2024.org/programme>

 

Apcot2024_b03ポスター発表の様子

 

Apcot2024_b04
バンケットの様子

 

 MEMS分野は材料、デバイス構造、製造方法、実装方法から特性評価方法まで多岐にわたる技術領域を網羅しており、各セッションでは、Micro/Nanofluidics, 3D printing, bioprinting, Wearable devices & flexible electronics, MEMS & NEMS, Physical sensors, Micro-optics & nanophotonics, Biological sensors & biomedical devices, Piezoelectric transducers, RF & acoustics, Micro/Nanofabrication and materials & packagingの分野での最新の論文発表により活発な議論がなされ、研究開発動向について情報が得ることができ、大変有意義な会議となりました。また、本会議のStudent awardでは、ポスターと口頭の両方の表彰があり、このような受賞の機会は若手研究者の励みとなり、今後も活躍されることが期待されます。
 また、6月25日夜には、Shangri-La Rasa Sentosaにおいてバンケットが開催されました。バンケットでは、次回のAPCOT2026が、2026年6月21 日~24日に台湾の台中市において開催されることがアナウンスされました。

 

(調査研究・標準部長 藤澤 大介)

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