MEMS協議会 2023年度MEMS懇話会開催(2023年12月25日)
MEMS懇話会はMEMS協議会正メンバーの委員と経済産業省など行政側との意見交換を行う年に一度の貴重な行事となっております。本年のMEMS懇話会は、年の瀬の12月25日にマイクロマシン・MEMS分野に係る今後の課題について、オンラインで意見交換を行いました(写真1)。
最初に西澤格MEMS協議会会長(マイクロマシンセンター理事長)による主催者挨拶があり(写真2)、本年我が国MEMS事業者の実態調査を行うMEMS事業者連携委員会を立ち上げMEMS産業の競争力を高めていくための方策の検討を行っていることなどが紹介されました。
続いて、経済産業省 情報産業課 デバイス・半導体戦略室長 清水英路氏から最近の政策動向として、「半導体・デジタル戦略」について紹介され(写真3)、この戦略に「MEMSの現状および今後の方向性」の項目が追加され、国内MEMS競争力強化に向け研究開発PJ組成の可能性を検討することなどを述べられました。
写真3 「半導体・デジタル戦略」最新の政策紹介
次に、長谷川英一MEMS協議会事務局長(マイクロマシンセンター副理事長・専務理事)から、MEMS事業者連携委員会の活動報告と、我が国MEMS事業者の動向に関する調査回答から、日本のMEMS事業の強みや弱み、そしてそれらの課題に対して今後必要となる取り組み等について報告しました。
これらの2つの話題提供の後、経済産業省、NEDO,産総研との意見交換が始まりました。今年度のテーマは「MEMS戦略に向けて、自社でのMEMS関連事業の展開や研究開発への取組みと、行政・国研等への要望」についてです。
この中で、最先端のロジック半導体のみならず、MEMSなどのセンシングデバイスも近年入手困難な状況であり、特にMEMSは、海外のデバイスメーカおよびファウンダリに強く依存しているのが現状で、ラピダスをはじめとする最先端ロジック半導体への投資に加えて、MEMSの供給安定に関しても今後注力して欲しいことや、自動運転技術の進化に向けて、ジャイロなどの慣性センサの高精度化は不可欠であり、ドライバーの状態を知るためのセンシング技術などチャレンジブルなセンサ技術の開発を行うことに対し、引き続き国の厚い支援をお願いしたいとの意見が出されました、それを受けて、経済省、NEDO、産総研から、DX(デジタルトランスフォーメーション)や、カーボンニュートラル実現に向けて、センサ、MEMSの活躍の場が益々広がるだろうなどのコメントが出されました。
今後MEMS協議会としては、本懇話会で出された意見を参考にして、日本のMEMS競争力強化のために必要な研究開発を順次提案できるよう、SSN(スマートセンシング&ネットワーク)研究会やMEMS事業者連携委員会などにおいて多くのプレーヤーとともに検討を進めて参ります。