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2023年11月

2023年11月30日 (木)

第1回MEMS事業者連携委員会開催報告 (2023年11月28日)

 MEMS事業者連携委員会は委員長に東京大学年吉洋教授、来賓として経済産業省小林健企画官を迎え2023年11月28日に第1回委員会を開催いたしました。委員、協力委員、オブザーバ等、事業者や大学・公的研究機関の方々に、対面で20名、オンラインで40名程にご参加いただきました。

 まず委員長の年吉先生から日本のMEMS企業が海外に遅れてきているのは大学の研究者の努力が足りなかったのではないかという自省もあって委員長を引き受けさせていただいたとのご挨拶をいただきました。
 来賓の小林企画官からは経済産業省の半導体・デジタル産業戦略※1に「MEMSの現状および今後の方向性」のページを追加したが、さらに政策を進めるためには、産業界、学界からの声を経産省に届けて欲しいとのお話がありました。

 委員会の中心は、産業動向調査委員会がまとめている「我が国MEMS事業者の動向に関する調査」アンケートの中間報告で、80以上の事業者、大学等からの回答から、日本のMEMS事業の強みや弱み、そしてそれらの課題に対して今後必要となる取り組み等について、非常に詳細な分析が示されました。それらを踏まえ、これからのMEMS事業者連携委員会の検討の方向性について、活発な議論が行われました。
 今年度の本委員会は産業動向調査委員会の報告書がまとまる3月頃に仕上げの議論を行い、来年度以降は、さらに具体的な政策提言等の検討をしていくこととしています。
 最後に小林企画官と年吉委員長からのご講評をいただき、2時間にわたる密度の濃い委員会は終了しました。

 以上の「開催報告」については、来年2月1日のMEMS協議会フォーラムにおいて、事務局より、一般の方々にも報告をさせていただきますので、是非そちらにもご参加をいただければと思います。
 なお、この「MEMS事業者連携委員会」ですが、MEMSに関する事業を少しでも行われている事業者の方々には、広く門戸を開放しておりますので、ご関心のある向きは、これからのご参加を歓迎いたしますので、どうぞ事務局の方にお問い合わせをいただければと思います。

※1 https://www.meti.go.jp/press/2023/06/20230606003/20230606003-1.pdf

(MEMS事業者連携委員会事務局 八嶋 昇)

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  年吉委員長(右)と小林企画官(左)        会議の様子

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2023年11月29日 (水)

IEC/TC47 国際標準化全体会議(フランクフルト開催)参加報告 (2023年11月13日~17日)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)の国際標準化全体会議が、11月13日~17日に、フランクフルトのH4 Hotel Frankfurt Messeで開催され、関連する会議に参加しました。

 11月13日には 、SC47F Officer/Convenor 会議が開催されました。日本からは、IEC/SC47F国際幹事をつとめるマイクロマシンセンター 三原孝士主幹研究員、WGコンビナーをつとめる熊本大学 高島和希教授及び先端素材高速開発技術研究組合 古田一吉氏、次期WG3コンビナーの神戸大学 磯野吉正教授をはじめとした5名が参加しました。
 会議では、現WG3コンビナー次世代センサ協議会 大和田邦樹氏の交代について、神戸大学 磯野吉正教授の他に立候補は無く、また各国から異論は無かったため、WG3コンビナー交代が進められることが説明されました。
 この他、同SCでのNP(新業務項目提案、New Work Item Proposal)などについて議論しました。
 加えて、韓国で開催予定の来年度春季WG会議の開催候補地である済州島 OCEAN SUITE JEJU HOTELについて紹介され、意見交換しました。


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会議が開催されたH4 Hotel Frankfurt Messe

 11月14日には、 TC47/SC47F/ WG1-3&MT会議(Micro-electromechanical systems)が開催されました。
 本会議には17名(日本8名、韓国3名、中国4名、ドイツ1名、アメリカ1名)が出席し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論しました。本会議は、WG2ココンビナーである Uwe RUEDDENKLAU氏 が議事進行を務められました。
 日本からは、IEC/SC47FのWGコンビナーをつとめる古田氏及び高島教授、次期WGコンビナー磯野教授、IEC SC47F国際幹事 三原氏、名古屋工業大学 神谷庄司教授、名古屋工業大学 泉隼人助教及び近畿大学宍戸信之講師をはじめとした8名が参加しました。会議では、現在審議中の規格案について議論しました。
 会議では、最初に前回会議の議事録が確認され、続いて、国際幹事 三原氏が、IEC本部からの連絡事項、WG3のCall for Convenor等について説明しました。各WGの活動概要についてはWGコンビナーが説明し、現在審議中の規格案について議論しました。また、日本からは、泉助教がPLである提案「PNW 47F-447 ED1:Test method of electrical characteristics under two-directional cyclic bending deformation for flexible micro-electromechanical devices」について、NP投票の結果、コメント付きで承認され、各国コメントについて、PLが説明しました。
 また、既に成立している国際規格ISのメンテナンスを管理するMT1では、事前に調査したIS見直し期限変更について高島教授が説明し、承認されました。
 今後提案予定の規格案を紹介するFuture Worksでは、中国Yongzhi Zhao氏からRF MEMSに関する規格開発、Ruobing Liu氏からMEMS thermopile infrared sensorに関する規格開発など複数件説明がありました。
 その他では、来年の5月23日に開催予定の本WG春季会議について、Sung Hoon Choa SC47F議長が説明しました。


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TC47/SC47F/WG1-3&MT1会議の様子

 11月15日には、IEC/TC47/WG7(Semiconductor devices for energy conversion and transfer)会議が開催されました。日本からは、兵庫県立大学 藤田孝之 教授、IEC SC47F国際幹事 三原氏をはじめとした4名が参加しました。会議では、現在審議中の規格案について議論しました。
 WG7おける審議中のプロジェクトは、WGコンビナーの東京大学 鈴木雄二 教授が提案中のCD「IEC63150-2ED1:Measurement and evaluation methods of kinetic energy harvesting devices under practical vibration environment - Part 2: Human arm swing motion」、神戸大学 神野伊策 教授が提案中のCD「IEC63150-3ED1:Measurement and evaluation methods of kinetic energy harvesting devices under practical vibration environment - Part 3: Human foot impact motion」の2件であり、今後のスケジュールについて確認がなされました。
 また、今後提案予定の規格を紹介するFuture workでは、藤田教授が開発に着手している「Vibration energy harvesting」に関する国際標準化の概要及び提案スケジュールを紹介し、2023年12月頃にIECへNPを提案する予定であることを説明しました。
 会議の最後には、来年の本WG春季会議を中国 杭州で5月に開催されることについて、紹介されました。


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TC47/WG7会議の様子

 11月16、17日には、それぞれTC47/SC47F全体会議、TC47全体会議が開催され、WGおよびSCにおいて決議された内容について各主査及び議長が報告しました。
 予定していた議題全てを円滑に議論でき、各国主査やPLと会議前後の時間に交流を図ることができ、充実した会議となりました。

(調査研究・標準部長 藤澤 大介)

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2023年11月 9日 (木)

第40回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム MNOIC 技術展示報告 (2023年11月6日~8日)

 「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム(協賛 マイクロマシンセンター他)は1981年に第1回目を開催して以来、産学を中心にした研究グループ間の情報交換、アイデア討議の場として我が国のセンサ分野では最大のシンポジウムであり、本年で節目の40回目を迎えました。

 本会議場である熊本城ホールでは 2020年の第37回開催を予定しておりましたが、COVID-19感染拡大の影響を受け、オンライン開催に変更されましたので、3年ぶりの悲願成就となりました。
 折しも熊本県は、TSMCの進出など半導体ブームに沸き、本会議も活発な議論がありました。会場の熊本城ホールは約2,300 の固定席がある4F メインホール、120席の4つの会議室、さらに熊本城を眺めることができるホワイエなどで構成され、大変立派な会場でした。またご来賓あいさつで、熊本市長の大西一史氏から、熊本地震の教訓で、11,000人の3日間分の食料、水が本ホールには備蓄されていることが紹介されました(写真1)。

 開会式では、豊橋技術科学大学教授の澤田和明実行委員長から、過去最多の1,150名(11月6日現在)の参加者と686件の発表があることが紹介されました。
 次に基調講演として、ソニーセミコンダクタソリューションズの岩元勇人氏から、「3D積層型CMOSイメージセンサを進化させるプロセス技術」と題して、CMOS イメージセンサのプロセス技術視点からみた講演がありました。岩元氏自らが量産現場でも陣頭指揮を行って垂直立ち上げた経緯や、世界的に高く評価されている積層型CMOSイメージセンサのキーポイントは,Siのウエハレベルで接合する技術であることを強調されていました。
 他の基調講演としては、東京工業大学学長益 一哉氏「集積回路:使ってナンボ,使われてナンボ」という講演題目でしたが、半導体産業に限定せず、こんな日本にしたいということを学長の視点で、大学の統合や女子枠設置による女性教員や女子学生増の必要性などをわかりやすく解説されました。
 佐賀大学理工学部教授の嘉数(かすう)誠氏からは「ダイヤモンド半導体の最近の進展:パワー半導体と大口径ウェハの開発」と題し、サファイア基板上に大面積ダイヤモンド結晶成長技術の向上とその結晶成長機構について講演されました。
 また、センサシンポジウム40周年記念企画として、電気学会センサ・マイクロマシン部門長の東京大学 年吉洋先生をモデレータに、「10年後のセンサMEMSの将来像」のパネルディスカッションが行われ、現在の若手研究者たちが描く将来像や夢を語りました。会場の聴衆者からは「その技術は50年後も残る技術か?」などの質問もありましたが、パネラーは「挑戦しないことが最大のリスク」として、失敗を恐れず研究を継続する意気込みを示しました。

 MNOICについては、会期中を通して技術展示を行いました(写真2)。
お問い合わせの内容としては、MNOICが提供するサービスの主要内容や、具体的な利用の仕方から、主要装置の詳細な仕様など、ファンドリーサービスに関係する詳細な問い合わせを受けました。

 脱コロナ社会、カーボンニュートラル、SDGs、Society5.0 等の実現に向け、あらゆる分野で、MEMS、センサはほぼすべてのシステムの必須デバイスであり、その活躍が大いに期待されております。この分野でMNOICのサービスの実力をさらに向上させ、試作設備の共用化や、組織間の壁を低くし集団で力を発揮できるオープンイノベーションを推進し、我が国の次世代デジタル技術をはじめとする産業の発展に引き続き貢献していきます。 

(MNOIC研究企画部 渡辺 秀明)

Photo1_20231108写真1 大西熊本市長来賓挨拶

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写真2 技術展示の様子

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2023年11月 1日 (水)

マイクロマシン/MEMS分野関連【経済報告 2023年11月号】

 マイクロマシンセンターでは、マイクロマシン/MEMS分野を取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信しています。

 今月号、マイクロマシン/MEMS分野関連 【経済報告 2023年11月号】 をお届けします。
 業務の参考として頂ければ幸いです。

 以下より【経済報告 2023年11月号】PDFをご参照下さい。

 【経済報告 2023年11月号】(「2023_11.pdf」)へアクセス
  (https://mmc.or.jp//info/monthly/economic_report/2023_11.pdf

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