IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)の国際標準化全体会議が、11月13日~17日に、フランクフルトのH4 Hotel Frankfurt Messeで開催され、関連する会議に参加しました。
11月13日には 、SC47F Officer/Convenor 会議が開催されました。日本からは、IEC/SC47F国際幹事をつとめるマイクロマシンセンター 三原孝士主幹研究員、WGコンビナーをつとめる熊本大学 高島和希教授及び先端素材高速開発技術研究組合 古田一吉氏、次期WG3コンビナーの神戸大学 磯野吉正教授をはじめとした5名が参加しました。
会議では、現WG3コンビナー次世代センサ協議会 大和田邦樹氏の交代について、神戸大学 磯野吉正教授の他に立候補は無く、また各国から異論は無かったため、WG3コンビナー交代が進められることが説明されました。
この他、同SCでのNP(新業務項目提案、New Work Item Proposal)などについて議論しました。
加えて、韓国で開催予定の来年度春季WG会議の開催候補地である済州島 OCEAN SUITE JEJU HOTELについて紹介され、意見交換しました。
会議が開催されたH4 Hotel Frankfurt Messe
11月14日には、 TC47/SC47F/ WG1-3&MT会議(Micro-electromechanical systems)が開催されました。
本会議には17名(日本8名、韓国3名、中国4名、ドイツ1名、アメリカ1名)が出席し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論しました。本会議は、WG2ココンビナーである Uwe RUEDDENKLAU氏 が議事進行を務められました。
日本からは、IEC/SC47FのWGコンビナーをつとめる古田氏及び高島教授、次期WGコンビナー磯野教授、IEC SC47F国際幹事 三原氏、名古屋工業大学 神谷庄司教授、名古屋工業大学 泉隼人助教及び近畿大学宍戸信之講師をはじめとした8名が参加しました。会議では、現在審議中の規格案について議論しました。
会議では、最初に前回会議の議事録が確認され、続いて、国際幹事 三原氏が、IEC本部からの連絡事項、WG3のCall for Convenor等について説明しました。各WGの活動概要についてはWGコンビナーが説明し、現在審議中の規格案について議論しました。また、日本からは、泉助教がPLである提案「PNW 47F-447 ED1:Test method of electrical characteristics under two-directional cyclic bending deformation for flexible micro-electromechanical devices」について、NP投票の結果、コメント付きで承認され、各国コメントについて、PLが説明しました。
また、既に成立している国際規格ISのメンテナンスを管理するMT1では、事前に調査したIS見直し期限変更について高島教授が説明し、承認されました。
今後提案予定の規格案を紹介するFuture Worksでは、中国Yongzhi Zhao氏からRF MEMSに関する規格開発、Ruobing Liu氏からMEMS thermopile infrared sensorに関する規格開発など複数件説明がありました。
その他では、来年の5月23日に開催予定の本WG春季会議について、Sung Hoon Choa SC47F議長が説明しました。
TC47/SC47F/WG1-3&MT1会議の様子
11月15日には、IEC/TC47/WG7(Semiconductor devices for energy conversion and transfer)会議が開催されました。日本からは、兵庫県立大学 藤田孝之 教授、IEC SC47F国際幹事 三原氏をはじめとした4名が参加しました。会議では、現在審議中の規格案について議論しました。
WG7おける審議中のプロジェクトは、WGコンビナーの東京大学 鈴木雄二 教授が提案中のCD「IEC63150-2ED1:Measurement and evaluation methods of kinetic energy harvesting devices under practical vibration environment - Part 2: Human arm swing motion」、神戸大学 神野伊策 教授が提案中のCD「IEC63150-3ED1:Measurement and evaluation methods of kinetic energy harvesting devices under practical vibration environment - Part 3: Human foot impact motion」の2件であり、今後のスケジュールについて確認がなされました。
また、今後提案予定の規格を紹介するFuture workでは、藤田教授が開発に着手している「Vibration energy harvesting」に関する国際標準化の概要及び提案スケジュールを紹介し、2023年12月頃にIECへNPを提案する予定であることを説明しました。
会議の最後には、来年の本WG春季会議を中国 杭州で5月に開催されることについて、紹介されました。
TC47/WG7会議の様子
11月16、17日には、それぞれTC47/SC47F全体会議、TC47全体会議が開催され、WGおよびSCにおいて決議された内容について各主査及び議長が報告しました。
予定していた議題全てを円滑に議論でき、各国主査やPLと会議前後の時間に交流を図ることができ、充実した会議となりました。
(調査研究・標準部長 藤澤 大介)