「2022年度 分野別動向調査報告書」発行について (MMC「国内外技術動向調査委員会事業」)
マイクロマシンセンターでは、国内外の最新かつ詳細なマイクロマシン・MEMSそして近年活発化しているナノ関連の研究開発の情報を収集・分析し、その技術動向を把握することを目的に、各年度MEMSの分野で代表的な国際会議を定点観測して、分野別動向調査報告書にまとめています。
2022年度は“APCOT 2022(The 10th ASIA-Pacific Conference of Transducers and Micro-Nano Technology)”と“MEMS 2023(The 36th International Conference on Micro Electro Mechanical Systems)”を調査しました。
“APCOT2022”は、アジア、太平洋地域でのMEMS/ナノテク分野の研究開発事例が発表される国際会議で、2002年に中国・アモイ市で第1回が開催されて以来、2004年は札幌、2006年シンガポール、2008年台湾・台南、2010年オーストラリア・パース、2012年中国・南京、2014年韓国・大邱、2016年金沢、2018年香港と、国際会議Transducersの開催されない年に隔年で開催されています。
第10回が開催予定であった2020年は新型コロナウイルス感染拡大のため中止となり、2022年 5月29日(日)~6月1日(水)の日程で開催地を上海としてハイブリッド形態で開催されました。
投稿件数は129件で、前回の157件から僅かに減少しました。その中から118件(前回143件)の論文が採択され、採択率は91%(前回91%)でした。
国別では中国が72件(前回45件)でトップ、2位、日本33件(前回42件)と続きました。次いで、台湾とシンガポールが3件、タイとオーストラリアが2件、韓国が1件となりました。
発表内容の大分類別では、Fundamentalsが33件(28%), Applied Devices/Systemsが83件(71%)、どれにも該当しないものが1件(1%)で、応用分野に関する発表と基礎分野に関する発表の割合は、前回とほぼ同等でした。発表件数が多い分野は、Fundamentals Othersが16件と一番多く、Chemical Sensorが13件、Design and Modeling、OpticalおよびRF-MEMSで11件となりました。
次に、“MEMS2023”は、IEEEのMEMS技術に関する国際会議で、毎年開催されています。36回目にあたる今回は、2023年1月15日~19日の日程で、独 ミュンヘンで開催されました。
投稿件数は636件(前回600件)で、昨年より6%程度増加しました。採択された論文数は全体で314件(前回275件)、採択率は約49%(前回46%)でした。プレナリーを含む地域別発表論文数は米州43件(前回56件)、欧州57件(前回41件)、アジア太平洋212件(前回172件)となり、前回とほぼ同水準でした。
地域別ではアジアが多く、昨年に続き中国が83件(前回70件)でトップ、日本54件(前回57件)、米国40件(前回54件)と続きました。このほか、アジア諸国では、台湾33件、韓国23件で、欧州では、ドイツ13件(前回5件)、オーストリア11件(前回1件)、オランダ6件(前回10件)となりました。
発表件数が多い分野は、Mechanical Sensor(65件)、Radiation/Material Substance Sensor(66件)、Fabrication Technologies (non-Silicon)(47件)、Fluidic(42件)、Design and Modeling(38件)、Others (Applied Devices/Systems)(38件)、Actuators(35件)となりました。
報告内容の詳細は、2022年度分野別調査報告書冊子のほか、マイクロマシンセンターのホームページ内の賛助会員のページにてご覧になることができます。
(調査研究・標準部長 藤澤 大介)
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