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2022年5月31日 (火)

IEC国際標準化TC47/SC47F WGs-MT、TC47/WG7会議報告(2022年5月19日~20日)(オンライン開催)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会) /SC47F(MEMS分野)、TC47/WG7(エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)の国際標準化WG会議が、5月19 日、20日にオンラインで開催されました。

 5月19日には、TC47/SC47F/ WG1-3&MT 会議が開催され、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。
 TC47/SC47F/WG1-3&MT会議には27名(日本11名、韓国8名、中国8名)が出席し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。SC47F/WG1のコンビナーである先端素材高速開発技術研究組合古田一吉氏が議事進行を務められました。日本の主な出席者は古田氏の他、WG3コンビナーである次世代センサ協議会大和田邦樹副会長、MT1コンビナーである熊本大学高島和希教授、PLである神戸大学神野伊策教授と名古屋工業大学神谷庄司教授、近畿大学宍戸信之講師、SC47F国際幹事マイクロマシンセンター三原孝士でした。
 WG1では、古田氏が新たにコンビナーに就任されたことが紹介されました。
 WG2では、神野教授が2022年3月に承認されたCDV「IEC 62047-42:圧電MEMSデバイスのマイクロカンチレバー特性信頼性試験方法」について各国コメント内容と対応を説明、FDISへ進めることが了承されました。次いで、宍戸講師が2022年2月に提案したCD 「IEC 62047-43:フレキシブルMEMSデバイスの繰返し曲げ耐久性試験方法」について各国コメント内容と対応を紹介、CDV提出に対して各国の理解を得ることができました。 また、中国のDacheng Zhang氏から2021年12月に提案したシリコンMEMSに関するNP3件について各国コメントと対応の説明があり、各国のエキスパートと質疑応答がなされました。加えて、韓国のJoon-Shik Park氏から2022年4月に提案したバイオMEMSに関するNPの概要説明がありました。
 MT1(Maintenance team1)では、コンビナーの高島教授からISのstability date見直しについて説明され、各国と議論しました。
 WG3では、中国のPeng Chunrong氏から2021年12月に提案したMEMS共鳴電界デバイスに関するNPについて各国コメントと対応が紹介されました。
 今後提案予定の規格案を紹介するFuture Worksでは、日本からは神野教授が薄膜圧電MEMSの寿命に関する試験方法、神谷教授がフレキシブルMEMSデバイス耐久性の両方向折り曲げに関わる試験方法の新規提案概要をそれぞれ説明されました。また、中国のWei Zhang氏からMEMS電熱移動デバイスの試験方法、MEMSシリコンマイクロフォンの試験方法に関する新規提案の紹介がありました。
 その他では、来年の本国際標準化WG会議を日本・熊本で5月下旬から6月中旬に開催することをMMCが提案し、了承されました。加えて、具体的な日程等を11月のIEC全体会議(TC47/SC47F/WG1-3&MTは11月1日、TC47/SC47F Plenaryは11月3日に開催)で提案することが決まりました。

 5月20日には、TC47/WG7会議が開催され、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。
 TC47/WG7会議には日本から、神戸大学神野伊策教授、兵庫県立大学藤田孝之教授他、計4名が参加して、各国と活発に議論されました。最初に、各国エキスパートの更新を確認しました。次いで、提案している規格案の進捗報告では、神野教授が2022年3月に提出したCD「IEC 62150-3:衝撃力による振動(Foot motionによる振動)発電の特性試験方法の標準化」について各国コメントを紹介され、エキスパートの理解を得ることが出来ました。
 Future worksにおいては、産業技術総合研究所山本淳氏が「熱電発電エネルギーハーベスタの試験方法」について、2022年6月頃にIECへNPを提案する予定であることを説明されました。
 最後に次回のTC47/WG7会議は10月31日にサンフランシスコで開催される予定であることを確認しました。

  Fig1_20220519
TC47/SC47F/WG1-3&MTオンライン会議の様子
(撮影 名古屋工業大学 神谷庄司教授)

 コロナ感染拡大の影響で、昨年度同様オンライン開催となりましたが、提案中の規格案について各国エキスパートの活発な意見交換があり、審議を順調に進めることができました。更に、Future Worksで多数の新規提案が紹介され、今後の充実した標準化活動が期待できる会議となりました。

 次回の会議は、上述の通り、IEC全体会議が11月にサンフランシスコで開催されます。また、来年のTC47/SC47F/WG1-3&MT 会議は、マイクロマシンセンター主催で2023年の5月下旬から6月上旬に熊本で開催する予定です。

(調査研究・標準部長 時岡 秀忠)

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