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2022年2月 2日 (水)

MEMSセンシング&ネットワークシステム展2022 開催報告 (2022年1月26-28日)

 マイクロマシンセンター(MMC)は、2022年1月26日から28日までの3日間、東京ビッグサイトで開催された「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」に出展しました。

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写真1 MMC展示ブース

 MMCブースでは、技術研究プロジェクトとして、2019年度から開始した「量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究(HS-ULPAC:High Stability Ultra Low Powe Atomic Clock)」と2020度から開始した「環境調和型MEMS技術の研究開発に関する戦略策定(EfriM: Environment friendly MEMS)」、今年度から自主検討を始めた「感情センシング・フィードバックシステムの戦略策定」の紹介を初め、今年度で研究を終了した「超高効率データ抽出機能を有する学習型スマートセンシングシステム(LbSS:Learning based Smart Sensing System)の研究開発」、今年度で研究を終了する「薄膜ナノ増強蛍光による経皮ガス成分の超高感度バイオ計測端末の開発」を展示し、自社事業として、MNOIC事業、標準化事業、SSN研究会の概要などを展示しました。
 また、ブース入口には「マイクロマシンセンター 活動の歩み」として、前述の5つのプロジェクトを含む、1991年のマイクロマシン技術研究開発プロジェクトからほぼ30年間に渡る研究開発PJの歴史を展示紹介しました。あわせて2022年1月でマイクロマシンセンターは設立30年を迎えるにあたり、今後20年のMEMS技術の展望として、MEMSの応用が期待される12分野と、予測されるMEMSデバイス・技術の展示紹介いたしました。

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写真2 活動の歩みと今後20年のMEMS技術の展望

 展示会では、各種講演会も開催いたしました。1月26日は特別シンポジウム「MEMS次世代テクノロジーフォーラム」、1月27日は午前中に研究開発プロジェクト、午後にSSN研究会公開シンポジウム、1月28日はMEMS協議会「MMC創立30周年記念講演会」を開催しました。

●1月26日10:30-12:30:
 特別シンポジウム「MEMS次世代テクノロジーフォーラム」@東3ホール

 本シンポジウムでは、MEMSの実用化・応用先として期待される次世代テクノロジー(5G、IoT、ロボット、AI、バイオ、自動運転など)にフォーカスし、次世代MEMS市場、最先端のMEMS技術が社会および産業に貢献するビジョンや方向性について、最新情報を報告しました。
 まず「現実・仮想空間を融合させる次世代無線通信技術の動向と課題」と題して、東工大 岡田先生から、VIDEO録画にて、第5世代移動体通信システム(5G)をはじめとする次世代無線通信技術の最新動向を解説されました。
 次に村田製作所 吉田部長から、「MEMS技術とデバイスで進歩する社会」として、主に村田製作所で開発したMEMSの事例をあげ、同社での取り組みを紹介しました。
 3番目の講演は、「活かせるデータを取得するためのセンサと高性能化におけるMEMS技術の活躍」というタイトルで、産業技術総合研究所のセンシングシステム研究センター副研究センター長の山下 健一氏からセンシングシステムとして活用し続けるため必要なMEMS技術について、報告されました。
 本シンポジウム最後は「住友精密グループが提供する ”MEMSソリューション”」と題して、住友精密の宮島室長から、住友精密グループの力を結集した“MEMSソリューション”提供推進の構想について紹介しました。

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写真3 特別シンポジウム

●1月27日10:30~12:00:
 研究開発プロジェクト成果報告会@102会議室

 防衛装備庁の委託で2019年度から開始した「量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究」の研究センター長であるMMC池上氏から「小型高安定で超低消費電力な原子時計の基礎研究」と題して目標を実現するために克服又は解明すべき要素課題の明示と、解決のための技術確立について報告頂き、次にNEDOプロジェクトで実施中の「血中成分の非侵襲連続超高感度計測デバイス及び行動変容促進システムの研究開発」の概要について電気通信大学の菅准教授とタニタの蔦谷氏から報告頂き、最後に今年度研究を終了した「超高効率データ抽出機能を有する学習型スマートセンシングシステムの研究開発と実証実験成果」と題して東京都市大学藤田教授から最新の研究成果が報告されました。

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写真4 研究開発プロジェクト成果報告会

●1月27日13:30-15:30:SSN研究会公開シンポジウム@102会議室

 感情センシングと環境調和型MEMSの研究開発シンポジウム(SSN研究会公開シンポジウム)では、セッション1-1ではMMCブースで紹介している環境調和型MEMS(EfriM)に関して、「環境調和型MEMS (EfriM: Environment Friendly MEMS) が切り拓く未来」と題して、その概要、ユースケース、開発戦略案等について、プロジェクトリーダーである藤田博之キャノンメディカルシステムズ(株)先端研究所名誉所長/東京都市大学教授からご講演頂き、次のセッション1-2では「次世代MEMS技術を基盤としたデジタルトランスフォーメーション」と題して、柔軟素材・液体金属を用いたウエアラブルセンサの開発とその応用について、太田裕貴横浜国立大学大学院工学研究院准教授からご講演頂きました。
 さらに、セッション2-1では、「感情推定技術とその応用」と題して、接客スタッフの生産性向上のためのウエアラブルセンサやカメラを使ったQoE (Quality of Experience)評価システム、トレーニングシステム、現場支援システムの開発について、佐藤洋産総研人間情報インタラクション研究部門研究部門長からご講演頂き、最後のセッション2-2では、MMCブースで紹介している感情センシングに関して、「生体センシングによる人の感情推定と今後の展望」と題して、心拍・脳波等からラッセルの円環指標をつかって感情を推定する手法やその応用として人とロボットの心地よい距離等について、菅谷みどり芝浦工業大学工学部教授よりご講演頂きました。

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写真5 SSN研究会公開シンポジウム

 2022年度は、2023年2月1日(水)~3日(金)、東京ビッグサイト、東ホールで「MEMSセンシング&ネットワークシステム展2023」の開催を予定しております。

(MEMS協議会 八嶋 昇)

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