国際会議Transducers2017参加報告
2017 年 6月 18日~22日の 5日間にわたり台湾・高雄(Kaohsiung)で開催された、隔年開催の Transducer 技術に関する国際会議で
ある、International Conference on Solid-State Sensors, Actuators and Microsystems(Transducers2017)に、センサ・MEMSデバイスの標準化のための技術調査の目的で参加しました。他業務との兼ね合いもあり、開催期間のうち、6月
20日~22日の3日間、学会を聴講してきました。4つのパラレルセッションにて構成された口頭発表に加え、ポスターセッションならびに関連技術の各社・各機関が出展する展示会も開催され、本技術分野に関する最先端の研究発表が世界各国から結集し、非常に活況を呈していたことが印象に残りました。6月21日の夜には、Grand
Hi-Laiホテルの大ホールで開催された学会主催のバンケットに参加することができ、チャイニーズ・シンフォニー・オーケストラの見事な演奏もあり、こちらも大盛況でありました。
開催会場である台湾・高雄エキジビションセンターのエントランス
マイクロマシンセンターでは、「国内外技術動向調査」という取り組みとして、技術進歩が著しい国内外のマイクロマシン/MEMS分野等の研究動向、技術動向を的確に把握するため、MEMS分野の著名な国際会議等をターゲットにした定点観測的な調査を例年行っております。Transducers2017もこの調査の対象学会であり、本分野の有識者から構成される国内外技術動向調査委員会の委員の方々により、学会の発表内容の調査が行われ、報告書に纏めております。従って、今回のTransducers2017で発表された技術の詳細・分析結果については、この「国内外技術動向調査」の報告書で改めて報告するため、本ブログ執筆者の今回の学会参加の感想をお伝えするに留めさせていただきます。
Grand Hi-Laiホテルで開催された学会主催バンケット
執筆者は、IoT(Internet of Things)向けセンサ技術やエネルギーハーベスト技術に関心があり、本学会に参加することで各種センサを実現するMEMS技術の動向が把握できたことは有意義でした。ここでは各論には踏み込みませんが、個人的に印象に残ったのは、“CMOS”セッションでした。本セッションでは、MEMS-CMOS集積化の取り組みについて幾つか報告がありましたが、台湾TSMC社からは「12 INCH MEMS PROCESS FOR SENSORS IMPLEMENTATION AND INTEGRATION」というタイトルで発表がなされました。MEMSセンサでは、MEMSプロセスでのセンサ形成に加えて、センサ出力を読み出すためには、シリコン半導体CMOSプロセスによる読み出し回路が必要です。本発表では、12インチでのMEMSプロセスウエハと、12インチでのシリコン半導体CMOSウエハを、積層してMEMS-CMOS集積化を行う試みが報告され、共振器、加速度センサ、ピラニ真空計の3種のデバイスを例として、前記方法で実際にMEMSデバイスの試作を行ったことが紹介されました。IoTセンサの普及が本格化する将来に、このような手法での大量・安価なMEMS-CMOS集積センサ製造がどこまで主流となっていくのかが興味深いところです。IoTセンサでは少量・多品種への対応がしばしば必要とされる可能性もあり、CMOSとMEMSのマルチチップでの集積化も残っていくのかという観点です。ファウンダリ各社の今後の動向にも注目したいところです。
エネルギーハーベスト技術については、“Energy Harvesters”というセッションが設けられ、様々なアプローチでのエネルギーハーベスト技術の発表6件が行われました。IoTセンサの自立発電動作化を実現し、センサ動作・センサ制御・そのセンサ出力の無線伝送をも、自立電源動作させるためには、各部分の低消費電力化の取り組みとともに、エネルギーハーベスト技術は非常に重要な技術分野です。引き続き、技術の進展を見守っていきたいと思います。
今回は、本ブログ執筆者が本学会に参加した感想のみ記させていただきました。前述のように、当センターでは、「国内外技術動向調査」の取り組みの中で、本分野の有識者から構成される委員の方々により、本学会Transducers2017での発表内容詳細の調査・分析を今後進めていきます。
開催会場である台湾・高雄エキジビションセンターのエントランス
マイクロマシンセンターでは、「国内外技術動向調査」という取り組みとして、技術進歩が著しい国内外のマイクロマシン/MEMS分野等の研究動向、技術動向を的確に把握するため、MEMS分野の著名な国際会議等をターゲットにした定点観測的な調査を例年行っております。Transducers2017もこの調査の対象学会であり、本分野の有識者から構成される国内外技術動向調査委員会の委員の方々により、学会の発表内容の調査が行われ、報告書に纏めております。従って、今回のTransducers2017で発表された技術の詳細・分析結果については、この「国内外技術動向調査」の報告書で改めて報告するため、本ブログ執筆者の今回の学会参加の感想をお伝えするに留めさせていただきます。
Grand Hi-Laiホテルで開催された学会主催バンケット
執筆者は、IoT(Internet of Things)向けセンサ技術やエネルギーハーベスト技術に関心があり、本学会に参加することで各種センサを実現するMEMS技術の動向が把握できたことは有意義でした。ここでは各論には踏み込みませんが、個人的に印象に残ったのは、“CMOS”セッションでした。本セッションでは、MEMS-CMOS集積化の取り組みについて幾つか報告がありましたが、台湾TSMC社からは「12 INCH MEMS PROCESS FOR SENSORS IMPLEMENTATION AND INTEGRATION」というタイトルで発表がなされました。MEMSセンサでは、MEMSプロセスでのセンサ形成に加えて、センサ出力を読み出すためには、シリコン半導体CMOSプロセスによる読み出し回路が必要です。本発表では、12インチでのMEMSプロセスウエハと、12インチでのシリコン半導体CMOSウエハを、積層してMEMS-CMOS集積化を行う試みが報告され、共振器、加速度センサ、ピラニ真空計の3種のデバイスを例として、前記方法で実際にMEMSデバイスの試作を行ったことが紹介されました。IoTセンサの普及が本格化する将来に、このような手法での大量・安価なMEMS-CMOS集積センサ製造がどこまで主流となっていくのかが興味深いところです。IoTセンサでは少量・多品種への対応がしばしば必要とされる可能性もあり、CMOSとMEMSのマルチチップでの集積化も残っていくのかという観点です。ファウンダリ各社の今後の動向にも注目したいところです。
エネルギーハーベスト技術については、“Energy Harvesters”というセッションが設けられ、様々なアプローチでのエネルギーハーベスト技術の発表6件が行われました。IoTセンサの自立発電動作化を実現し、センサ動作・センサ制御・そのセンサ出力の無線伝送をも、自立電源動作させるためには、各部分の低消費電力化の取り組みとともに、エネルギーハーベスト技術は非常に重要な技術分野です。引き続き、技術の進展を見守っていきたいと思います。
今回は、本ブログ執筆者が本学会に参加した感想のみ記させていただきました。前述のように、当センターでは、「国内外技術動向調査」の取り組みの中で、本分野の有識者から構成される委員の方々により、本学会Transducers2017での発表内容詳細の調査・分析を今後進めていきます。
(調査研究・標準部 大中道 崇浩)
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