SPIE Photonic West
SPIE Photonic West は光学に関するデバイス研究の領域で世界最大の学会である。この学会 は大きく分けて、セッションがBIOS,LASE,OPTOの3つに別れている。その中でも、プロジェクトに関与する技術(赤外線センサとプラズモニクス)に関して多く発表されているセッションであるOPTOに参加し、聴講を行った。
■内容報告:以下、私が注目した発表について報告する。
9755-35:Mid-infrared interband cascade photodetectors with high quantum efficiency (The Univ. of New Mexico (USA))
量子井戸型光センサに関する研究発表である。励起した電子がinterbandをトンネリングするものである。イメージャを作製し、NETD=23[mK] @80[K]を実現している。室温でも動作を確認しており、Detectivity (D*)は>10^9台@波長λ=3~5μmであった。
9755-37:A low effective mass material system for quantum cascade detectors(Technische Univ. Wien (Austria))
これも、量子井戸型光センサに関する研究発表である。effective mass を小さくすることに関する発表。プラズモンで吸収を上げる。吸収に関する計算をしたところ、ドーピングを増すと、吸収が増大することが分かった。計算では、プラズモニックなcavity構造を用いて、8μmの波長で、9乗台のD*という計算結果を得た。effective massが軽いと、吸収が増加する、再結合によるノイズ(1/fノイズ)が減るからよい。実際にデバイスを作製し、5μm付近で1.9A/W,300KでD*が9乗台(2.7 ×10^9)であった。
9755-40:Surface plasmonic resonance enhanced type II strain-layer superlattice photodetector(Guiru Gu,Stonehill College(USA) )
量子井戸型光センサに関する報告だが、題目変更があった。(「表面プラズモン共鳴の量子井戸型光センサへの応用])。ホールのプラズモニック構造を応用すると、数倍光電流が増えている(@T=77K)。表面(プラズモニック層からの照射)だと、共鳴波長が変わらない。裏面照射では1桁光電流が増えた。ナノホールを備えた、プラズモニック光トラッピング層の穴の径を変えることにより、センサの分光応答を確認している。
■所感
現在のトレンドとして量子井戸型光センサの研究が盛んであることが分かった。これらのセンサは、冷却(77K)すると、MCT検出器(HgCdTe型、赤外線センサのトップランナー)程度の性能を出している。更に、常温(T=300K)でも動作し、D*>10^9乗台@λ=3~5.0[μm]であることが分かった。室温動作である点から考えると、非常に高い性能である。
最後に、Welcome reception は,スタートレックをテーマにしたものであり、非常に盛大であった(写真参照)。

(IRiS研究員 安食嘉晴)
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