第27回先端技術交流会を開催(9月9日)
9月9日(火)マイクロマシンセンター新テクノサロンにて第27回マイクロナノ先端技術交流会を開催しました。
テーマは「ミニマルファブの取り組みと今後の展望」。初期投資を抑え、少量多品種の製造プラットフォームへの関心の高さからか、すぐに定員(40名)を超える60名以上の参加となり大盛況でした。
ご講演ですが、最初にミニマルファブ技術研究組合(以下、技術研究組合)研究開発部長の原様から、ミニマルファブ構造とその概要について解説をいただきました。
従来の大規模半導体製造ラインの投資コスト、製造中止品等の少量多品種製造の課題、生産リードタイム等の課題に対して、ミニマルファブを進めることでこれらの課題に対する優位性をわかりやすく解説いただきました。
そして、このコンセプトの実現に向けて、装置の搬送系、パターニング、エッチングやスパッタ、CVDなどのドライプロセスなどのミニマルファブならではの技術課題と取り組みをご紹介いただきました。
装置の搬送系では、技術研究組合の前川様からクリーンルームを不要とする代わりに、ミニマルシャトルというパーティクル管理された搬送容器、搬送システムを紹介されました。
真空仕様もあり、本当にクリーンルーム等の大規模な環境がなくとも管理されたプロセス環境が形成されており、ミニマルファブならではの工夫が盛り込まれていました。
次に、技術研究組合の小木曽様、清水様、池田様からはスパッタプロセス、エッチングプロセス、CVDプロセスのご紹介をいただきました。
スパッタプロセスではパルスのスパッタモード(HIPIMS)でミニマルに適した条件を抽出しており、またエッチングではウェハスキャンニング法を導入し面内均一性を高めた報告がありました。
MEMSならではの深掘りエッチングは本年度中の開発を予定されているようであり、用途やデバイス構造に応じて、最適な装置・条件を選択していくようになると感じました。
また、CVDについては集光加熱型を中心にご講演いただきました。2016年度にはSi単結晶のミニマルCVD装置の実現を目標に取り組まれているが、面内分布や結晶性の評価が進んでいました。
後半は、まずは、技術研究組合の井上様より後工程のご講演をいただきました。ミニマルファブ装置での後工程まで一環した工程を想定しており、ハーフインチでウェハレベルでのパッケージングを目指しています。従来の実装工程とは異なり、ウェハレベルでの一環したラインが構築できるために、リードタイムが短くなり従来の後工程とは違った形になっていくと思いました。
また、その後、技術研究組合のソマワン様、およびマイクロマシンセンターの大田より、ミニマルファブを活用したデバイスの試作、およびマイクロナノオープンイノベーション(MNOIC)との連携についてご講演をいただきました。
すでに、ミニマルファブ製造装置を用いてカンチレバーやMOSトランジスタが実現できてきており、今後他のデバイスが次々にミニマルファブ一環で製造されていくだろうと感じました。
また、講演会後の懇親会では、ご講演いただいた先生型を囲んでミニマルファブの現状や活用について活発な意見交換が行われ、遅くまで議論が続きました。
<産業交流部 今本>
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