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2014年6月13日 (金)

「ナノマイクロビジネス展2014」 TIA N-MEMSシンポジウムMEMS協議会フォーラム開催(2014年4月25日 開催)」

 マイクロマシン/MEMSの総合イベントである「ナノマイクロビジネス展2014」(パシフィコ横浜)の中で、MEMS協議会が主催する同時開催プログラムとして国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウムとMEMS協議会フォーラム(アネックスホールF203にて開催)があります。2010年からMEMS協議会がTIA(つくばイノベーションアリーナ)のTIA N-MEMS WGの事務局となってから、MEMS協議会フォーラムをTIA N-MEMSシンポジウム(TIAつくばイノベーションアリーナナノテクノロジー拠点運営最高会議の後援)として開催しています。本シンポジウムは、MEMS産業の発展を目的にMEMS協議会が主催する関連諸活動をご紹介し、会場参加者へのPR、意見交換の場を提供するものです。今回はMEMS協議会としてナノマイクロビジネス展2014の企画展示である「MEMSビジネスの新機軸から」の企画と運営に熱心に取り組んできました。このため最初のセッション1では、この企画展示と関連させ、「MEMS産業の新機軸としてのオープンイノベーション、新生産革命」を取り上げることに致しました。またセッション2では昨年に引き続き、「MEMS産業動向・技術動向」といたしました。
 最初にTIA N-MEMS WGの委員長で、MEMS協議会・推進委員会副委員長の唐木幸一から開会の挨拶をさせて頂いたあと、本セッションに入りました。

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写真1 フォーラム会場の様子

 セッション1の最初の講演は「MEMS ビジネス新機軸:オープンイノベーションと新製造方法」と題してMEMS協議会の三原(筆者)がMEMS協議会の活動と、今回のシンポジウムの趣旨について、簡単ですが今回のテーマの説明と一般財団法人マイクロマシンセンター・MEMS協議会が実施しているMNOICに関する報告を行いました。

 続いて「TIAにおけるオープンイノベーションの拡がり」と題して(独)産総研・理事 TIA推進本部 本部長の金山敏彦氏から「多岐にわたる研究施設を用いたオープンイノベーションが可能に!」に関する講演でした。ご存知のようにナノテク関係の研究機関が集中しているつくば地区には、産総研、物質・材料研究機構、筑波大学、高エネルギー研究所と言った世界的規模の研究所が集まっています。これまでは組織的な連携がなかったこれらの研究施設が相互に連携を取り、かつ魅力的な研究施設を産業界に活用して貰う取り組みに関して総括的、かつ詳細な説明がありました。


 次に「世界を変える生産革命:ここまで来たミニマルファブ」と題してミニマルファブ技術研究組合 専務理事の久保内講一氏から「今どこまでできて、これらか何処へ行くのか?新生産機軸ミニマルファブ」の講演でした。皆様ご存知のように、ミニマルファブは拡大を続ける半導体製造拠点の投資額を3桁下げようとする試みです。私も昨年10月、セミコンユーロにて「大半導体製造拠点の投資を、広く半導体の恩恵を受けている国際企業から調達すべき」との講演を聞いて、もうそんな時代になったのかと驚きましたが、このミニマルファブはそのような議論における双璧をなすものであると感じました。既に幕張で開催された今年のセミコン日本にて展示会場に持ち込まれたミニマルファボ装置群にてMOSトランジスタを作成して、MOS特性の評価まで現場で行ったとのことです。またMEMSカンチレバーも産総研・集積マイクロシステム研究センターの4インチMEMSラインとのハイブリッドにて圧電素子を組み込んだシリコンカンチレバーを試作できたという事で、MEMSにおいても高い期待を抱いています。MEMS協議会が推進するMNOICも、このミニマルファボの研究会に参加し、今後の連携を進めています。

 このセッションの最後は「3Dゲルプリンターが開拓する「化学」×「機械」のオープンイノベーション」と題して、山形大学 ライフ・3Dプリンタ創成センター長 古川英光教授から「3Dプリンターの最前線研究者が10年後を予想する」の講演でした。3Dプリンターでは、その機構の完成度に加えて、どのような材料を、どのようなプロセスで構造体を作成するかが重要な技術課題です。3Dプリンター自体は、発明(日本から発明)されてから結構時間が経っていますが、この使える材料の選択が大幅に広がったことも、今のブームの要因と考えています。吉川先生のご発表は、この材料として高強度ダブルネットワークゲルという水分を90%以上包含しているゲルにも関わらず、強度が従来のゲルに比較して40倍から100倍強い破断応力を持っているものを使っています。これを世界初のゲルプリンターで作成し、研究開発をされています。様々な応用が考えられるようですが、特に生体適合性が高いので、医療やライフサイエンスに応用されそうです。

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写真2 産総研・理事 金山敏彦氏のご講演

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写真3 ミニマルファブ技術研究組合 専務理事の久保内講一氏のご講演

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写真4 山形大学 古川英光教授のご講演

 後半のセッション2は、「MEMS産業動向・技術動向」と題したMEMS協議会の活動内容をご紹介するセッションです。この報告は毎年、内容を1年毎に更新しながらご紹介しており、短時間ですが1年間のトピックスが判ることを特長としています。

 最初の講演は「IEC東京大会に向けて、活発化する国際標準化活動についての報告」と題して帝京大学・理工学部、情報科学科・教授の大和田邦樹氏(標準化関連委員会・委員長)から、MEMSの国際標準化に関する最新の状況と、IEC総会が今年度は東京で開催されることから、そのご案内を行いました。講演ではIECの紹介を行ったあと、MEMSの国際規格であり、日本が主導的に進めてきたSC47F規定、更にその標準化において日本が進めてきた戦略の説明、更に現在標準化された項目と現在進めているものに関する説明があったあと、IEC総会および今年東京で開催されるIEC東京総会の概要説明がありました。IEC東京総会は11月初旬に約2週間かけて東京国際フォーラムで開催され、1500名が参加する大きなイベントで、MEMS標準の審議もそこでされる予定です。

 2番目の講演は「MEMS技術動向:世界のMEMS関連学会の発表からビジネス注目分野を推測」と題して、早稲田大学・理工学術院、基幹理工学部・教授 庄子習一氏(国内外技術動向調査委員会・委員長)から、国際的に最も認知されているMEMS2014(2014年1月26日から30日まで、米国サンフランシスコで開催)の学術発表を元に整理した、講演トピックスや統計データから今後の有望ビジネスを展望した報告をして頂きました。 このMEMS2014は、約700名の参加者、900件程度の投稿、その内1/3に当たる約300件が発表されました。 また国際協業の実態を見るために共著者の国際連携数を数値化されていましたが、結果はオランダ-中国-米国-台湾の順に国際協力が熱心なことが大きな刺激になりました。中国は欧米から帰国された研究者が多いのが原因と思われますが、国際協力とMEMS産業の活性化がダブっているような気がします。

 この最後のセッションは「センサは作るから活用へ!社会に浸透するあらゆるセンサー群」と題してマイクロマシンセンター・MEMS協議会の今本浩史から現在の(世界の)技術動向と産業動向から、センサーとネットワークが切り開く新規産業群を紐解き、20年後を予測することを行いました。マイクロマシンセンターの産業動向、産業技術調査は委員会メンバーによる調査および報告書の作成と、マイクロマシンサミット、米国や欧州の国際的な産業フォーラム参加や研究所の訪問による調査、に基づいています。この中で米国を中心に話題になっている1兆個のセンサーを無線で繋いで様々なモニタリングに使う取組も話題にのぼりました。その場合にキーワードは、センサーと無線、そして低消費電力に加えて自立電源(すなわちエネルギーハーベスティング)です。

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写真5 帝京大学・理工学部・教授 大和田邦樹氏のご講演

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写真6 早稲田大学・基幹理工学部・教授 庄子習一氏のご講演

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写真7 MEMS協議会 今本浩史氏の講演
 

 このTIA N-MEMS MEMS協議会フォーラムは終始大勢の聴講者にご参加頂きました。参加者数は約120名でした。唐木WG委員長を始め、スタッフ一同、このMEMSの産業推進に関し皆様の関心の高さを改めて実感したとともに、多くの方々にご参加頂いたことに感謝致します。また来年に向けて更に充実した企画をして行きたいと思いますので、ご気軽にご意見を頂ければと思います。

 (MEMS協議会事務局 三原 孝士)

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