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2013年12月 9日 (月)

SPIE Remote Sensing/ Security + Defence 2013@ドイツ、ドレスデン参加報告

SPIE Remote Sensing/ Security + Defenceはリモートセンシング技術に関する世界最大規模の学会である。Remote Sensingは衛星リモートセンシング、Security + Defenceは検出器や光学系に関する内容が主であるが、重なる分野も多いため共催されるようになった。

一般的な学術会議と比較して、実際の運用または製品そのものに近い内容の発表が大多数である点が大きな特徴となっている。

本年はドイツの古都ドレスデンで9/23-36の四日間開催された。会場はエルベ川沿いの美しい街並みが望まれ、ツヴィンガー宮殿などの有名な観光地の只中に位置している。ヨーロッパを中心とした最新の衛星技術を学ぶとともに、ドイツの重厚な雰囲気が同時に楽しめるようになっている。

○SPIE Remote Sensingに関して主に調査したセッションは以下である。

 ・ Remote Sensing for Agriculture, Ecosystems, and Hydrology;農業、生態系、水分学
 ・ Remote Sensing of the Ocean, Sea Ice, Coastal Waters, and Large Water Regions:海洋、海氷、広水域観測
・ Sensors, Systems, and Next-Generation Satellites:最新衛星のミッション(日本、ヨーロッパ、アメリカ)
・ Earth Resources and Environmental Remote Sensing/GIS Applications:地球、環境観測
 ・ Remote Sensing of Clouds and the Atmosphere : 雲、大気
 衛星リモートセンシングの適用先である生態系、水分学、海洋、大気観測など幅広い分野における発表があり、最新動向を探ることができた。衛星リモートセンシングの運用においては、環境保全を目的とした運用が主流となっている。可視域を中心とする波長分析から熱赤外域における要求が大きくなってきていることを実感した。実際の衛星に搭載されている光学系は、宇宙での使用を前提としているため、非常に複雑である。可動部や校正系の少ないシンプルなシステムの構築が重要であると思われる。

特に印象的であったのは欧米日の衛星ミッションについて独立したセッションが設けられて発表がされていたことである。世界的な衛星リモートセンシングの動向を把握するには最適であった。

○SPIE Security + Defenceの広域(衛星リモート)センシングシステムの開発に関係の深い以下のセッションを中心に調査を実施した。

・ Military Applications in Hyperspectral Imaging and High Spatial Resolution Sensing

  :ハイパースペクトル、高分解能

・ Electro-Optical and Infrared Systems: Technology and Applications:赤外線、EO

・ Millimetre Wave and Terahertz Sensors and Technology:ミリ波、THz技術

・ Electro-Optical Remote Sensing:リモートセンシング

・ Emerging Technologies:将来技術

 衛星リモートセンシングに関連するセンシング技術に関して、光学系、検出器、データ処理、キャリブレーション方法、イメージングシステムなど幅広い分野における発表があり、最新の開発動向を探ることができた。イメージングシステムに関しては、衛星リモートセンシングや軍用途を含めた様々な応用分野で、より多くの波長帯を検知できるシステムの開発が進められている。例えば、環境監視(森林、海洋)や大気汚染監視などにおいては、可視~赤外領域の波長情報が用いられ、検知対象によって異なる波長情報が求められている。

併設の展示会で多数の企業・機関から多岐にわたる高度な技術・製品が出展されていた。その中でもハイパースペクトルイメージングに関する、製品が多く出展されており、これら製品の注目の高さが伺えた。

 

(NMEMS技術研究機構 小川 新平、 藤澤 大介)

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