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2011年7月29日 (金)

「マイクロナノ2011」国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム開催(2011年7月13日)

「マイクロナノ2011」国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム開催(2011年7月13日)
MMC 三原 孝士

 世界最大規模のマイクロマシン/MEMSの総合イベントである、「マイクロナノ2011」(東京ビッグサイト)の中でも、17回と言う歴史を持つ「国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム」は、(同時通訳もついて)世界のマイクロマシン/MEMSの産業、技術動向を気軽に得ることが出来る場となっています。今回は、東日本大震災の影響で海外からの講演者への依頼が難航、一般財団法人・マイクロマシンセンターとのアフィリエート関係にある海外の研究所や、コーディネートを手掛ける法人を含む海外からの出展者が大幅に減る、等の影響を受けて海外からの講演者を集めるのに大変苦労をしました。一方、TIA(つくばイノベーションアリーナ)の研究拠点活動の中で、MEMSセンサーネットワークが節電に大きな効果が得られることが判ったことも大きな驚きです。このような背景から、国際交流委員会の委員長である、東大・下山教授チェアマンを中心に「大災害復興・節電に必須なMEMSグリーンイノベーション」と題したテーマでプログラムを作成しました。
 作田理事長の主催者挨拶に続いて、経産省・藤木産業機械課長のからご来賓のご挨拶のあと、以下の3つのセッションを行いました。
セッション1:「大災害復興・節電に必須なMEMSグリーンイノベーション」
UCバークレーのPisano先生から、「地熱発電とそれに必要な耐環境MEMSセンサーシステム」:米国のエネルギー源の鳥瞰図と、地熱発電への期待、SiC等を用いたMEMSセンサー、更に耐環境集積化MEMSの最先端の研究報告
セッション2:「MEMSの未来応用」萎縮しがちな産業界ですが、MEMS領域において少しでも未来を照らしたいとの思いから、MEMSの新しい技術および応用や、市場動向を企画しました。
1) 未来を開く電磁メタマテリアル(大阪大学・萩行先生):マイクロ・ナノ加工によって誘電率や透磁率を制御する全く新しい材料(メタマテリアル)を基礎・理論から応用まで判りやすく解説、
2) スマート電話向けのスマートセンサー(Guilaume氏、MOVEA社 フランス)LETI発ベンチャーのセンサー開発とその事業、
3) 集積化MEMSの市場動向(南川氏、HISアイサプライ 米国)拡大を始めたMEMS産業と今後の期待、
セッション3:「世界の研究所からの報告」マイクロナノオープンイノベーションセンター(MNOIC)の設立を記念して海外の研究所からの最新情報を報告して貰いました。
1) CMOS-MEMSの可能性(Lee所長、NNFC 韓国):韓国のIMECと呼ばれるNNFCの紹介とCMOSやナノエレとMEMSの接点、
2) バイオ・健康・医療応用MEMS(Rouzaud副所長、LETI フランス):カンチレバーを使った化学センサー
3) MEMSセンサーネットワークによる節電事例(前田センター長、UMEMSME 日本): クリーンルームのセンサーネットワークによる環境可視化、

 個人的なことで恐縮ですが、私はマイクロマシンセンターに出向する3月までは企業の研究者としてUMEMSME/信大繊維学部との共同研究を行い、MEMSマイクロカンチレバーを用いた化学センサーを研究していました。この種の研究は日本では数少ないのですが、(特別に依頼したわけではありませんが)LETIのRouzaud副所長が完成度の高いマイクロカラムを含む、マイクロカンチレバーを用いた化学センサーのご紹介をされていたのに、深い感銘を受けました。
 この国際シンポジウムの参加者数は192名でした。多くの方々にご参加頂いたことに感謝致します。来年に向けて更に充実した企画をして行きたいと思いますので、ご気軽にご意見を頂ければと思います。

写真 1 UCバークレイ Pisano先生
Prof_pisano_int_sympo_1

写真 2 Guilaume氏、MOVEA社
Movea_int_sympo_2

 

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