平成22年度産業動向調査報告書まとまる
マイクロマシンセンター産業動向調査委員会ではMEMS関連産業の発展を図るために必要なMEMS関連産業の現状及び将来展望を把握するために、毎年産業動向調査を行っています。平成22年度の産業動向調査報告書がまとまりましたので、その概要をお知らせします。報告書全体は、大きく分けてMEMSアプリケーション調査とMEMS関連企業動向調査とから成ります。社会動向を見ますとすでに多くの場面で取り上げられているように「快適・安全・安心社会」、「環境負荷低減・省エネ」、「超高齢化対応社会」を迎え、それらに対応した機器及びコンポーネントの需要が高まると予想されます。本アプリケーション調査では、MEMSが応用されている全分野を対象とするのでは無く、将来需要の伸びが期待される応用分野を抽出しました。例えば自動車用MEMSは現在最も大きな市場ですが、今後安全システムの高度化を進めるにあたって、益々MEMSデバイスの必要性が増してきます。またヘルスケア・医療機器、エネルギー関連機器、環境計測機器、サービスロボット用MEMSは、技術的に未熟なため現在ほとんど市場を形成してませんが、将来は新たなブレークスルーとともに市場が拡大していくものと予想されます。本アプリケーション調査における調査項目は、各応用分野においてMEMSが搭載される代表的な機器を選択し、そこで使われているMEMSデバイス、それを供給する代表的な国内外企業、その機器の将来動向を調査しました。。さらに全調査結果を鳥瞰することにより、将来どのような応用分野、MEMSデバイスが有望になるかを予測しました。
MEMS関連企業動向ではMEMS関連の主要企業のビジネスモデルを分析し、特に新製品を事業化まで成功させた企業を選択してその成功要因の抽出を試みました。最近のMEMSの産業動向で注目したいことの一つとして、現在もっとも激しい競争が繰り広げられている携帯電話やゲーム機用のモーションセンサで日本企業が苦戦している状況があげられます。海外半導体大手のSTMicroelectronics社や米国のベンチャー企業Invensense社の競争力が高く、全般的に見て日本企業はこの市場で後塵を拝している傾向があります。しかし日本企業にも強い分野があり、旭化成のモバイル機器用電子コンパスやパナソニックの自動車用ジャイロセンサは世界でも高いシェアを確保しています。このように業績を伸ばしている大手企業やベンチャーから新規参入に成功した企業がどのようなビジネスモデルでもって成功を収めたのか、その成功要因の抽出を試みました。また調査企業対象は国内外、ベンチャーから大手まですべての企業から特徴のある企業択しました。セグメント化の方法は、まず経営形態、アプローチの仕方が根本的に異なる大手企業と製造インフラを持たないファブレスベンチャーに分けた。また日本企業の特長と課題を浮き彫りできるように国内、海外に分けて、それぞれ成功に至った代表的な企業を選択して調査を行いました。以上より次の結論を導出しました。
・大手企業、ベンチャー企業それぞれの成功要因抽出
・国内企業、海外企業の取組み比較より日本のMEMS産業の特長と課題、その方策提案
詳細は報告書をご参考に願います。
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