« 平成22年度産業動向調査報告書まとまる | トップページ | サウジアラビア研究所訪問2011 報告 »

2011年5月13日 (金)

マイクロマシンサミット2011(第17回) 参加報告

          マイクロマシンサミット2011(第17回) 参加報告
                                                                   2011年5月13日
                                                                       MMC 三原

  アラブ首長国連邦(UAE)のアラス・アルハイマ(Ras Al Khaimah)にて2011年4月26-28日、第17回マイクロマシンサミット(Micromachine Summit 2011)が開催されました。今回、日本としては、MEMS協議会国際交流委員会委員長の下山東大教授および安達九州大学教授(Life BEANS九州センター長)から成る代表団を組織しました。
 マイクロマシンサミットは、年に1回、各国・地域の代表団が集まり、マイクロマシン/マイクロナノテクノロジーに関する課題などについて意見交換する場です。通常の学会と異なるのは、各国・地域が代表団を組織して集まるというところであり、質の高い、まとまった講演と、影響力のある人々と意見交換できることが特徴となっています。
 今回のマイクロマシンサミットは、スイスを拠点とする国際的なマイクロナノテクに関する研究・教育・技術移転を行う組織であるFSRMがオーガナイザーとして企画・準備されました。参加は、ヨーロッパ、アジア、北米から17の代表団(国数としては22)でした。UAEは7つの首長国で構成されていますが、ホスト役であるShaikh Saud首長のご挨拶から始まる厳かな開始となりました。また主催者、首長、各国代表団から日本の震災や原発事故のお見舞いがありました。今回のテーマは ”MNT for Renewable Energy” と言うことで、各国が太陽電池やEnergy harvestingの為のナノテク・MEMS技術を発表の中心に置き、日本で発生している電力不足を下山先生が発表されることと重なって感慨深いサミットとなりました。会期中も日本の代表団に(個人的にも)エネルギー政策に関する多くの質問があり、ナノテクやMEMSによる再生エネルギーの活用、センサーによる電力や環境モニタリングが更に重要であることを身に沁みて感じました。

Mms_photo1_3

                            写真1.マイクロマシンサミット会場

今回のテーマは、
・MNT for Renewable Energy
であり、各国からのCountry Reviewが18件、個別テーマが14件の合わせて32件の講演がありました。テーマの背景としては、ナノテクやMEMS活用による二酸化炭素削減および再生エネルギーの活用があります。更にMEMSセンサーを活用してエネルギーを効率に使うことが日本代表団の下山教授を始め、幾つかの国から提案されました。安達教授からは、ナノテクを駆使した新規な有機材料を用いる太陽電池の発表がありました。また先進国が抱える高齢化の進んだ場合のエネルギー政策も指摘がありました。更に中国が9人の代表団を送り込むなど、中国の熱心さが伺えます。多くの国が太陽電池に使うナノ材料に取り組み、これを各国の誇る国立研究所で集中して行っており、競争は厳しいと感じました。日本でもMNOICのような国立研究拠点を企業が有効に使う体制の立ち上げが急務であると感じました。

Mms_photo2

                 写真2.下山東大教授(団長)によるCountry Review発表

<チーフデリゲートミーティング> (4月27日昼食時)
各国・地域の団長が出席して、参加国に関する課題や次回開催地について議論する場に下山団長が参加されました。今回はシンガポール、カナダ、インド、オーストラリアが不参加でしたが、新たにUAEとブラジルが加わりました。初めてプロシーディングを無くし、USBメモリで資料を配布しました。今後の課題としてCountry Reviewはもっと短くても良い、具体的な議論が出来るトピックスを増やす、企業を惹きつける工夫、パネルディスカッション実施等、成熟に伴って次の展開を図りたいという意見がありました。次回は台湾に決定されました。また英国が近いうちに開催したいとの意志表明がありました。

Mms_photo3

          写真3.安達九州大学教授(Life BEANS九州センター長)の発表

<テクニカルツアー>(4月28日)
全体会議の翌日テクニカルツアーとして、以下のような企業、研究所を訪問しました。
・Falcon Technologies International:CD, DVD, Blu-ray Discの生産工場の見学、工場での工程管理、電力や水の有効利用、スイスの支援によるエンジニアリング
・CSEM-UAE “Open air lab”:スイスCSEMとの共同研究、太陽熱を有効利用するシステム化技術の研究開発
・Masder Institute of Science and Technology:MITと共同して、再生エネルギー関連の研究開発

Mms_photo4

                写真4.CSEM-UAE “Open air lab”の太陽発電設備

アラビア半島の砂漠に突然、研究所や最先端工場が建設され、欧州の研究者・エンジニアと移民工員による研究開発や生産と言った、日本では決して見られない光景を目の当たりにしました。世界は急速にグローバル化して来ています。

|

« 平成22年度産業動向調査報告書まとまる | トップページ | サウジアラビア研究所訪問2011 報告 »

国際交流」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 平成22年度産業動向調査報告書まとまる | トップページ | サウジアラビア研究所訪問2011 報告 »