2018年11月 2日 (金)

Future Technologies from Sapporoで14件の発表を実施

 センサ・マイクロマシン分野における日本最大のシンポジウムであるFuture Technologies from Sapporoが2018年10月30日(火)~11月1日(木)に開催されました。
 Future Technologies from Sapporoは、電気学会、応用物理学会、日本機械学会、化学とマイクロ・ナノシステム学会がそれぞれ主催し、相互参加可能な複数のシンポジウムや研究会から構成され、学・協会を超えた討議の場となっています。更に今回は、NEDO インフラ維持管理技術シンポジウムも同時開催されたことから、900名を超える参加者での活気に満ちたイベントとなりました。
 なお、先のブログにある第35回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウムは、電気学会が主催したシンポジウムとなっています。

 マイクロマシンセンター(MMC)及び技術開発プロジェクトであるRIMS(Road Infrastructure Monitoring System)とUCoMS(Utility Infrastructure Core Monitoring System)からは、基調講演やレビューを含め表1に示す14件の発表を行いました。

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 基調講演では、予防保全を前提としたインフラの定量的な診断手法が話題となり、RIMSでの振動センシングアプローチの成果、特に橋梁床版での内部損傷の診断を中心として講演が展開されました。
 レビューでは、Society 5.0を実現するためには、複数のセンサの統合化・小型化や、触覚をはじめとした新たなセンサの開発などやることがたくさんあり、MEMS技術が今後益々重要になることが述べられました。

 シンポジウム全体を通しては、IoTの進展に伴ってか、研究にとどまらず、サービスのデザインまで一気通貫でといった大きな流れがあったように感じました。そういった流れの中で、実用化が近い我々の技術を実フィールドでの実証結果を含めて提示することで、多くの参加者の記憶に残る成果のPRができたのではないかと捉えています。また、電気、物理、機械、化学といったさまざまなバックボーンを有する研究者との討議(写真1)は非常に有意義でありました。
 発表した新規開発センサやモニタリングシステムの会場での評価は良好でした。このことを踏まえ、社会実装に向けた取り組みを加速します。

1a_5           (技術研究組合NMEMS技術研究機構 中嶋 正臣)

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第35回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウムでMNOIC出展報告

 「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム(協賛 マイクロマシンセンター)は1981年に第1回目を開催して以来、産学を中心にした研究グループ間の情報交換、アイデア討議の場として我が国のセンサ分野で重要な役割を担っており、本年で35回目を迎えました。

 本会議は新たな社会ニーズの創造を目指して、新しい物理・化学現象や効果を生かした新センサ・マイクロマシンおよびその製造技術に関心を持つ国内有数の研究者が一同に集うことから、最先端MEMS製造技術や大口径MEMS製造ラインを有するMNOIC(マイクロナノ・オープンイノベーションセンター)との親和性が高く、ここ数年継続して、MNOICのサービス内容について展示、発表しております。

 本年は、北海道命名150年という節目の年であるため、北海道札幌市に10月に開館したばかりの札幌市民交流プラザにて、10月30日から11月1日まで開催されました。この札幌市民交流プラザは北海道における多様な文化芸術活動の中心的な拠点であるとともに、北海道初の多面舞台を備え、多彩な演出を実現する2,302席の劇場(写真1)を有しています。この劇場をメイン会場に、劇場の主舞台と同程度の広さがあるクリエイティブスタジオや、ガラス張りの多目的スペースであるSCARTS(スカーツ)スタジオなどで会議が行われ、会期中は企業、大学などからの近年最高の900名を超える参加者でにぎわいました。

 まず、基調講演として「スペキュラティブエンジニアリング -技術と未来洞察-」と題し、東京大学大学院 情報理工学系研究科 准教授 川原 圭博氏の講演がありました。スペキュラティブ(デザイン)とは、「未来について考えさせる(speculate)ことで、より良い世界にする」デザイン手法の一つであり、「問題解決」のためのデザイン・プロセスの開発から、問いや視点を生み出し、アクションを経て、望ましい未来へ導くこととされていました。他の基調講演は「ナノバイオデバイスとAI が拓くSociety 5.0・健康長寿社会」と題し、馬場 嘉信名古屋大学大学院 工学研究科 教授、そして「固体酸化物形燃料電池(SOFC)の課題と展望」ということで、鹿園直毅東京大学 生産技術研究所 教授、さらに「鳥の求愛コミュニケーション:現在までの知見と展望」相馬 雅代北海道大学理学研究院生物科学部門准教授があり、最終日には、NMEMS技術研究機構と「インフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発プロジェクト」で共同開発中の京都大学大学院 工学研究科塩谷 智基教授から、「インフラの効率的維持管理に向けた振動センシングアプローチ」の4講演が行われました

 MNOICについては、10/30に技術プレゼンテーションと会期中を通して技術展示を行いました(写真2)。お問い合わせの内容としては、MNOICが提供するサービスの主要内容や、具体的な利用の仕方から、主要装置の日常管理法、測定機器の校正、管理法など、ファンドリーサービスに関係深い詳細な問い合わせを受けました。

 ますます活用が本格化・多様化しているIoTやAIにおいて、MEMSセンサはネットワークとの融合で、数10兆個規模市場に急成長を遂げることが予測されています。特に今後のデバイスには、多機能かつ小型、低消費電力等が求められるので、MEMS技術無しでは成り立ちません。この分野でMNOICのサービスの実力をさらに向上させ、試作設備の共用化や、組織間の壁を低くし集団で力を発揮できるオープンイノベーションを推進し、我が国のIoTデバイスをはじめとする産業の発展に引き続き貢献していきます。


写真1 メイン会場


写真2 技術展示

(MEMS協議会 渡辺 秀明)

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2018年10月31日 (水)

【2018年10月の経済報告】

本項は、マイクロマシン/MEMS分野を取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信しています。

                             

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 今回は201810月の経済報告をお届けします。

業務の参考として頂ければ幸いです。  

 内容は、以下のPDFをご参照下さい。


   「2018.10.pdf」をダウンロード


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2018年10月22日 (月)

IEC/TC47国際標準化全体会議(2018年10月15~19日)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)の国際標準化会議が、10月15日から19日まで、韓国・釜山(釜山国際展示場)にて開催されました。


会場の外観写真

 10月15日に開催されたTC47/WG7会議(半導体デバイス エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)には27名(日本13、韓国8、中国3、ドイツ2、米国1)が出席し、現在審議中の規格案の審議状況について、主査から報告の後、意見交換が行われました。


IEC/TC47/WG7会議の様子

 日本からの出席者は、本WGにおいて3人の主査の1人として務めておられる東京大学鈴木雄二教授をはじめ、兵庫県立大学藤田孝之准教授、産総研山本淳グループ長他、13名が、各国と活発な議論を行いました。東京大学鈴木雄二教授からは、先生がプロジェクトリーダ(PL)として提案の「低消費電力電子機器向けの力学的環境発電デバイスの試験方法」の審議状況について報告され、CDV(投票用委員会原案、Committee Draft for Vote)投票の結果、賛成多数で可決され、各国からあげられたコメントへの対応状況を報告し、今後、次フェーズ(国際標準発行前の最終フェーズであるFDIS、Final Draft International Standard、最終国際規格案)に進みます。また、産総研山本淳グループ長からは、熱電関連で今後日本から提案する規格案に関する内容説明が行われました。

 10月16日には、TC47/SC47E/WG1会議(個別半導体、センサ分野)が開催され、29名(日本11、韓国9、中国8、ドイツ1)が出席し、現在審議中の規格案についての意見交換が行われました。日本からの出席者は、SC47E大芝克幸議長、次世代センサ協議会大和田邦樹専務理事(SC47E元議長)をはじめとした11名でした。


IEC/TC47/SC47E/WG1会議の様子

 日本からは、現在、経産省の国際標準獲得・普及促進事業としてマイクロマシンセンターがとりまとめて取組み中の「スマートセンシング・インタフェースに関する標準化」に関して、審議中の2件(スマートセンサの制御方式、スマートセンサの電気特性表示方法)の各国コメント対応状況を議論するとともに、今後提案予定の案件を各国が紹介するFuture workプレゼンテーションでは、スマートセンサを駆動する電源の特性表示方法1件について報告を行いました。本件は新しい分野の取り組みでもあり、各国から、内容理解深化ならびに規格案充実化に向け、さらなる議論を継続したい意向が示され、メールベースや電話会議等による議論を継続していくことで合意しました。

 10月17日にはTC47/SC47F/WG1-3&MT会議(MEMS分野)が開催され、31名(日本10、韓国8、中国11、ドイツ1、米国1)が出席し、現在審議中の規格案についての意見交換が行われました。日本からの出席者は、SC47F主査である熊本大学副学長高島和希教授・大和田専務理事、プロジェクトリーダ(PL)である神戸大学神野伊策教授・名古屋工業大学神谷庄司教授、SC47F国際幹事マイクロマシンセンター三原孝士、国際副幹事マイクロマシンセンター竹内南をはじめとした10人でした。日本提案である「圧電MEMSデバイスのアクチュエータ特性に関する信頼性試験方法(PL:神戸大学神野教授)」、「圧電MEMSデバイスのセンサ特性に関する信頼性試験方法(PL:神戸大学神野教授)」、「フレキシブルMEMSデバイスにおける曲げ信頼性試験(名古屋工業大学神谷教授)」について審議状況説明・内容紹介を実施し、今後の審議における各国への協力要請を行いました。


IEC/TC47/SC47F/WG1-3&MT会議の様子

IEC/TC47/SC47F/WG1-3&MT会議出席者集合写真

 10月18-19日はTC47/SC47F全体会議、TC47/SC47E全体会議、TC47全体会議が開催され、各WGおよびSCにおいて決議された内容について各主査及び議長から報告が行われました。また、国際標準化活動としては1988年から、そして2008年7月のMEMS関連SCであるSC47F発足に際しSC47F国際幹事に就任し9年間務めるなど、長きに渡り国際標準活動に貢献してきたマイクロマシンセンターの竹内南が、来春3月に国際業務を退任予定であることを受け、今回IEC国際会議への参加が最後となる旨、TC47/SC47F全体会議、ならびに、TC47全体会議の席上、各国出席者に報告され、盛大な拍手をもって感謝の意が示されました。今後の国際業務は、2017年7月にSC47F国際幹事を竹内から引き継いだマイクロマシンセンターの三原孝士が継続して担っていきます。

 次回の本会議は来年10月に中国・上海で開催される予定です。

調査研究・標準部長 大中道 崇浩

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2018年10月19日 (金)

MEMSセンシング&ネットワーク展2018 盛況の内に閉幕


 2018年10月17日(水)から19日(金)まで、幕張メッセで開催した「MEMSセンシング&ネットワーク展2018」は、3日間の開催を終え盛況の内に閉幕しました。来場された皆様方には御礼申し上げます。

 最終日は、マイクロマシンセンター主催特別シンポジウムを開催致しました。
 以下は、シンポジウムでご講演頂いた講師の方々です。

【セッション1】
・開会挨拶

経済産業省 産業技術環境局 松本 真太郎 室長

・スマート社会と空間情報


東京大学 芝崎 亮介 教授

・人工知能技術運用によるスマート社会の実現(空間の移動分野)の目指す姿


産総研 小島 功 イノベーションコーディネータ

・地理空間情報プラットフォームの構築と空間移動のスマート化


産総研 中村 亮介 研究チーム長

・空間移動におけるAI融合高精度物体認識システム


東京大学 高畑 智之 講師

・社会レベルの行動モデリング・シミュレーションの研究開発


産総研 大西 正輝 研究チーム長

・物流サービスの労働環境と付加価値提供のためのサービス工学×AIの研究開発


産総研 大隈 隆史 研究グループ長

・AI活用により安全性向上を目指したスマートモビリティ技術の開発


産総研 阪野 貴彦 研究チーム長

・本テーマへの期待


NEDO 小川 泰嗣 プロジェクトマネージャー

【セッション2】
・開会挨拶


理事長 山中 康司

・ナノ機能を駆使した未踏微笑シグナルセンシング技術への挑戦


東京大学  下山 勲 教授

・グローバルIoT時代におけるセキュアかつ高度な生体医工学拠点のの形成に向けて


東京電機大 桑名 健太 准教授

・東芝のスマートセンシング技術


東芝 黒部 篤 首席技監


 今回ご来場頂きました皆様に御礼申し上げます。
 また来年もご来場頂けますよう関係者一同お待ちしております。


成果普及部 水島 豊

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2018年10月18日 (木)

MEMSセンシング&ネットワーク展2018 2日目

 本日2日目も初日同様、展示会場は、IoTに不可欠な技術分野の関心が高く、多くの来場者にあふれ活気に満ちた会場となりました。

 本日は、研究開発プロジェクトの成果報告会を国際会議室302で催し、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や国から受託し、研究開発を進めているプロジェクトについて、各プロジェクトの責任者から報告が行われ、聴衆者は熱心に聞き入っていました。

 成果発表を行った講師の方々です。


開会挨拶を行う長谷川専務理事


RIMSの成果発表を行う 東京大学 下山教授


ULPACの成果発表を行う 産総研 柳町主任研究員


UCoMSの成果発表を行う 東京大学 伊藤教授


アニーリングマシンの成果発表を行う 日立製作所 山岡主任研究員


LbSSの成果発表を行う 東京大学 藤田教授


LbSSの成果発表を行う 日立製作所 高浦主管研究員


SSI国際標準化の成果発表を行うMMC 中嶋担当部長
成果普及部 水島 豊

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2018年10月17日 (水)

MEMSセンシング&ネットワーク展2018  初日


 10月17日(水)から19日(金)までの3日間を会期とした「MEMSセンシング&ネットワーク展2018」が開幕しました。会場は幕張メッセ内の国際展示場7及び国際会議室302です。

 展示会場の概要は、以下のとおりです。


MMC全体

NMEMS前面

NMEMS来客

 初日は、オープニング合同特別シンポジウムとしてMEMS次世代テクノロジーフォーラム&MEMS協議会フォーラムを開催し、多くの参加者があり盛況に終了しました。
講師の方々は、以下のとおりです。

【オープニング合同特別シンポジウム】
・MEMSとLSIのヘテロ集積化、試作インフラと情報の提供


東北大学 江刺 正喜 教授

・高度運転支援・自動運転とセンシング技術


㈱デンソー 川原 伸章 先端技術研究所長

・STのMEMSソリューション ~新たな応用分野への挑戦~


STマイクロエレクトロニクス㈱ 古川 雅一 部長

・国際会議発表を通してみるMEMS関連研究の動向


立命館大学理工学部 小西 聡 教授

【医療×最先端技術セミナー】
・オリンパスのX(Cross)InnovationとMEMSセンシング&ネットワーク


オリンパス㈱ 小川 治男 取締役専務執行役員 

成果普及部 水島 豊

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2018年10月 2日 (火)

標準化への貢献により鈴木雄二氏(東京大学教授)が、経済産業省 工業標準化事業表彰・産業技術環境局長表彰(国際標準化貢献者)の表彰、ならびに、IEC1906賞の表彰を受賞

 工業標準化事業表彰は、経済産業省が、工業製品の標準化推進活動に優れた功績を有する方を、毎年10月に「工業標準化推進月間」に合わせて表彰しているものです。

 また、IEC1906賞は、1906年に発足したIEC(国際電気標準会議)の創立100年にちなんで創設されたIECの記念行事のひとつであり、IECの活動に対して多大な貢献のあった個人を表彰することを目的に、2004年以降毎年行われています。

 この度、両賞の今年度の受賞者が発表され、平成30年10月2日、都市センターホテル(東京・永田町)において、平成30年度工業標準化事業表彰式が行われ、東京大学の鈴木雄二教授が、平成30年度工業標準化事業表彰・産業技術環境局長表彰(国際標準化貢献者)と、IEC1906賞をそれぞれ受賞されました。

 鈴木雄二教授は、IEC/TC47(半導体デバイス)/WG7(エネルギー変換・伝達分野の半導体デバイス)の国内対策主査、プロジェクトリーダ、コンビナ及びIEC/TC47/SC47F(MEMS分野)のプロジェクトリーダとして、振動発電デバイスの国際標準化に一貫して携わってこられました。これらの功績が認められ今回の受賞となりました。


平成30年度工業標準化事業表彰
産業技術環境局長表彰(国際標準化貢献者)
を受賞された鈴木雄二教授

IEC1906賞を受賞された鈴木雄二教授

<報告:調査研究・標準部長 大中道 崇浩>

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2018年9月27日 (木)

MNE2018出張報告

 2018年9月24〜27日にデンマーク・コペンハーゲンのBella Center Copenhagen会議場で開催されたMNE2018(THE 44TH INTERNATIONAL CONFERENCE ON MICRO AND NANOENGINEERING)に参加し、”All-sapphire Cs gas cell for miniature atomic clock fabricated using Au thin-film bonding”と言うタイトルでポスター発表によりRIMSのサブテーマである“センサ端末同期用原子時計(ULPAC:Ultra-Low Power Atomic Clock)の研究開発”の成果アピール及び講演聴講により原子時計のガスセルに必要な微細加工プロセス及び周辺技術の調査を行った。

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図1 Bella Center Copenhagen会議場

 MNE2018は1975年にイギリスのケンブリッジではじめて開催されて以来、南欧と北欧とで交互に毎年開催されており今年で44回目となる。プレナリーセッションでは6件、招待講演が17件、オーラル発表が102件、ポスターセッションは325件の発表があった。参加国数は39ヵ国であり、参加者数を国別に見ると、ドイツ(120名程度)、開催国であるデンマーク(100名程度)に次いで、日本(60名程度)は3番目に多かった。主にマイクロ・ナノ構造やデバイスのプロセスに関する会議であり、1)作製方法・プロセス、2)デバイスやシステムの作製と集積化、3)物理・化学応用、4)生命科学応用の、4つのトピックから構成されており、プレナリーセッションとポスターセッション以外、3セッションが並列に行われた。本国際会議に参加することによりこうした関連のトレンドをいち早く入手出来る。

 

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図2 国際会議での4つのトピック

 

 また、学術的な講演だけでなく学会会場内には世界中のMEMS等微細加工のプロセスメーカーの展示ブースがあり、最新の装置の情報等を入手することも出来た。

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図3 ポスター発表の様子

 初日の午前中に1時間半のポスター発表を行った。発表内容は、小型原子時計用のガスセル製造プロセスとCPT共鳴評価に関してである。これまでの小型原子時計用のガスセルは陽極接合法によりSiとホウケイ酸ガラスとを気密封止接合されていた。しかし、従来のガスセルでは、バッファガスがホウケイ酸ガラスから透過してしまい長期的な安定性が課題であった。我々は今回、ガス透過性が低い材料であるサファイアを世界に先駆けてガスセル材料と考え全てサファイアによるガスセルを実現した。サファイア同士の気密封止接合を図る際に薄膜Auを接合材として用いた。まず、サファイアの接合する面に対して下地膜Ti、下地膜とAu薄膜との間のPtバリア層、薄膜Auの順にイオンスパッタ成膜を施した。気密封止接合時は200℃程度の高温脱ガス処理を施した後にバッファガス中で気密封止接合し、最終的にはCPT共鳴測定を行ったところまでを報告した。発表中は常に参加者からの質問やディスカッションで時が経つのを忘れるくらいであった。具体的質問内容は、脱ガス時高温となるため薄膜Auと下地膜Tiの拡散を防ぐためにPtバリア層を挿入しているが、このバリア層の材質・膜厚や加熱温度・時間などに関しての質問やコメントが多かった。また、質問者のほとんどは原子時計に関してある程度の知識があると思われ、背景などはあまり説明を求められず核心部分からのディスカッションが中心であった。 一番印象に残った講演の概要について下記に紹介する。 “Self‐assembled microtubular devices: From energy storage to cellular cyborg machinery” Oliver Schmidt, (Chemnitz University of Technology, Germany) 本講演は最近話題になっている折り紙MEMS技術によるドラッグデリバリーMEMSへの応用に関しての発表であった。本技術によるMEMSを使うことで液体中の微小物体を捕獲し、それを細胞などまで移動することができ、将来的にドラッグデリバリーに応用が可能とのことであった。液体中で自由に移動するには推進力と方向転換の2つの原動力が必要となるが、推進力に関しては触媒反応により気体を発生させ、方向転換には外部磁場により実現していた。発表では、実際に動物の精子を卵子まで移動させて透明帯を突き破る様子をデモしていた。今回の出張を通して、我々の研究のアピールをすることが出来ただけで無く、これからの研究につながる有用な情報を得る事が出来たことからも、大変有意義な出張であったと言える。

(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 倉島 優一)

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2018年9月20日 (木)

【2018年9月の経済報告】

本項は、マイクロマシン/MEMS分野を取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信しています。

15739355_2平成309月の経済報告をお届けします。

業務の参考として頂ければ幸いです。  

 内容は、以下のPDFをご参照下さい。

 

           「2018.09.pdf」をダウンロード

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