2018年12月27日 (木)

MEMS協議会 2018年度MEMS懇話会開催(2018年12月27日)

 一般財団法人マイクロマシンセンター・MEMS協議会はMEMSを中心とした我国の産業競争力の強化を目的に、12月末に「MEMS懇話会」として、MEMS協議会正メンバーの委員と経済産業省など行政側との情報交換や意見交換を毎年年末に実施しています。過去、本懇話会で議論された「MEMSフロンティア未来デバイス技術=次世代基幹デバイス技術構築」や「ファンドリーサービス機能の革新」などの重要性は、後の「BEANSプロジェクト」(2008-2012)などの研究開発プロジェクトや、今やMEMS分野のオープンイノベーション実践の拠点として拡大し続けている「MNOIC」(2011 - )発足に繋がるなど、わが国のMEMS分野で非常に影響力のある懇話会です。

 2018年度MEMS懇話会は、このような歴史の下、12月27日に東京・秋葉原、新テクノサロンにて開催しました。経済産業省産業機械課、研究開発課、情報産業課に加え、本年度より医療・福祉機器産業室と、さらに新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、産業技術総合研究所からのご来賓を交えて、マイクロマシン・MEMS分野に係る今後の課題について意見交換を行いました。最初に今年度より新たにMEMS協議会会長(マイクロマシンセンター理事長)に就任した山中康司会長(デンソー代表取締役副社長)による主催者挨拶があり、「超スマート社会 Society5.0」の実現を目指し、MEMSセンサやネットワーク技術で貢献できる新たな研究開発課題の探索に向けた活動を継続して行っていることなどが紹介されました。その後、本年7月に経済産業省産業機械課長に着任した玉井優子氏から最近の経済、産業動向として、「米国の機微技術管理」について紹介後、MEMS協議会員企業から、「コネクティッド インダストリーズ社会におけるMEMSに対する自社の取組み」と、「経済産業省、NEDO、産総研への要望」について意見発表が行われました。それを受けて、経済省、NEDO、産総研から、MEMS人材育成や国家プロジェクトの紹介についてのコメントが出されました。懇話会に引き続き、参加メンバー間の懇親会を開き、会員相互の懇親を深めました。
(MEMS協議会 渡辺秀明)



写真 1 MEMS懇話会

 

写真 2 玉井産機課長による来賓ご挨拶

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2018年12月25日 (火)

【2018年12月の経済報告】

本項は、マイクロマシン/MEMS分野を取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信しています。

                             

 

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今回は201812月の経済報告をお届けします。

業務の参考として頂ければ幸いです。  

 内容は、以下のPDFをご参照下さい。

       

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2018年11月28日 (水)

道路インフラの新たなモニタリングイメージを披露
  ~ ハイウェイテクノフェア2018へ出展 ~

 5か年計画で進めてきたRIMSプロジェクトですが、いよいよ最終年度を迎えたこともあり、東京ビックサイトで開催されたハイウェイテクノフェア2018(11/28~11/29)において、これまで開発した4種類のセンサによって実現される新たなモニタリングイメージのデモ展示を行いました(表1 新たなモニタリングイメージとデモの一覧)。具体的な活用シーンを来場者に思い描いていただけるように、ぞれぞれのデモでは1/25スケールの道路インフラの模型に実際のセンサを組み込み、リアルタイムで結果を表示するといった形態をとりました。その甲斐あってか、NEXCO中日本の宮池社長をはじめとして多くの皆様にご見学いただいた他、具体的な引き合いにも繋がるなどの成果を残すことができました。

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 ハイウェイテクノフェア2018は、2日間で23,000名を超える来場者があり、活気に満ちた展示会でした。来場者の多くは、RIMSビジネスのステークホルダーであり、その皆様と意見交換できたことは非常に有意義でありました(写真1 NMEMS技術研究機構の出展ブースの様子)。

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 展示会を通して、RIMSプロジェクトの必要性に関して多くの賛同を得て、その方向性は世の中の動向と合致していることが再確認できました。このことを糧に、プロジェクト一同責任をもって社会実装に邁進したいと思います。

           (技術研究組合NMEMS技術研究機構 中嶋 正臣)

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2018年11月26日 (月)

【平成30年11月の経済報告】

本項は、マイクロマシン/MEMS分野を取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信しています。

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今回は平成3011月の経済報告をお届けします。

業務の参考として頂ければ幸いです。  

 内容は、以下のPDFをご参照下さい。

   

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2018年11月15日 (木)

米国研究開発動向調査

 2018年11月6日(火)~11月14日(水)に米国の研究機関及びベンチャー企業を訪問して、米国におけるMEMS、IoTセンサ及びピコセンサ技術に関する最新の研究開発動向調査を行いましたので、以下にご報告致します。今回調査したのは以下の7機関です。
 1. eXo Imaging
 2. Stanford Uiversity, Roger Howe研究室
                 3. Stanford Nanofabrication Facility (SNF) &
                  Stanford Nano Shared Facilities (SNSF)
                 4. MIT, Biomimetics Robotics Lab
 5. ORIG3N
                 6. Stanford University, Khuri-Yakub研究室
                 7. Graftworx 
以下に各訪問先での調査結果を示します。

1. eXo Imaging
(1)面談者:Janusz Bryzex, Chairman & Chief Visionary Officer
      Sandeep Akkaraju, CEO & President
(2)訪問日:2018年11月6日(火)
(3)調査結果
                ・eXo ImagingはTrillion Sensors Initiativeを提唱した主宰者のJanusz BryzekがTrillion Sensorsの動きから出た初めての新ビジネスとして2016年に設立したベンチャー会社です。超音波(PMUT)による画像診断(エコー)を、ポータブル機器として開発しています。

                ・ピエゾMEMSを使って、既存の医療用の超音波診断装置を現状の超音波プローブの大きさに収めた製品を来年の9月にFDA認許をとって販売しようとしていました。

                ・超音波診断子はFDAの認可が必要ですが、非侵襲機器であるため、FDA取得はそれほど大変ではないとのことでした。

                ・通常MEMSではアイデアから製品まで27年かかっていますが、それを3年で実現できると言っていました。

                ・超音波診断子ではインピーダンスマッチングが必要で、ピコセンシングで考えているインピーダンスマッチング層には大きなニーズがあることが分かりました。

                ・今後はピエゾ MEMSが大きな広がりを持つとの考えで、多くのアプリ例を出して説明してくれました。今製品化を進めている超音波診断子はその第一歩との考えでした。

                ・トリリオンセンサのフェーズ1は2016年に終了しましたが、Januszは現在トリリオンセンサのフェーズ2(安く大量に製造するためにプリンテッドエレクトロニクスの革新が中心技術になるとの考え)をSEMIと画策しているとのことでした。

・写真1にeXo Imagingの入り口でのJanuszとの写真を示します。

                  

写真1  JanuszとeXo Imagingの入り口で
                  
               

2. Stanford Uiversity, Roger Howe研究室
(1)面談者:Charmaine Chai, PhD student
(2)訪問日:2018年11月7日(月)午前
(3)調査結果
                  ・MEMSの大御所のひとりのRoger Howe教授の研究室を訪問しました。生憎Howe教授は出張中で不在でしたが、PhDの学生であるCharmaineに実験室を案内してもらいました。

                  ・Howe教授はMEMSからバイオセンサの方に研究テーマをシフトしているとのことでした。

                  ・タンパク質の分析を行うバイオセンサの開発をしているとのことでしたが、分子識別能を使うのではなく、トンネル電流をローノイズで検出する方式のバイオセンサを開発しているとのことでした。

                  ・また、開発したバイオセンサのベンチャーも立ち上げているとのことでした。

                  ・実験室を案内してくれましたCharmaineはアプリケーションよりはnAレベルの微小信号を検出するためのトンネル電流検出プローブやローノイズ回路等の要素技術を開発しているとのことでした。

                  ・微小信号を検出するということで、ピコセンシングと通じるものがありました。現状はノイズ等により検出できる電流はnAレベルで、pAまでは検出は困難とのことでした。但し、現在考えているバイオセンサではnAで十分とのことでした。

・写真2にSanford大Howe研究室でのCharmaineとの写真を示します。

                  

写真2  CharmaineとHowe研究室の実験室で
                  
               

3. Stanford Nanofabrication Facility (SNF) & Stanford Nano Shared Facilities (SNSF)
(1)面談者:Dr. Mary X. Tang, Managing Director, SNF

             Dr. Shivakumar Bhaskaran, Coordinator, SNSF
                 Clifford F Knollenberg, Cleanroom Science & Engineering Associate, SNSF

(2)訪問日:2018年11月7日(水)午後
(3)調査結果
                  ・MEMSプロセス施設のSNF及びSNSFをManaging Director のMaryとCoordinatorのShivakumarとに案内して頂きました。

【SNF】
                  ・SNFは10,000 sq ftのクリーンルームを有する施設で、建設当初はStanford大学でCMOSを製作するめに建設されましたが、最近は半導体からMEMSを中心とする種々デバイス製作の施設に移行しており、全米に16あるNanofabrication Facilityの一つと位置付けされているとのことでした。

                  ・基本的には4インチのラインで、一部6インチウエハの処理が可能な装置があるとのことでした。年末年始のメンテナンス期間(20日程度週)を除くと1日24時間、週7日フル稼働しているとのことでした。日中は企業等の外部からの使用が多く、学生はむしろ深夜に使用しており、深夜の装置稼働率の方が高いとのことでした。

                  ・メインのCRはクラス100で写真3にレイアウトを示すように、一通りの装置が揃っていました。また、メインが大学の研究用なのでいろんな材料を使ったデバイスを製作できるように、写真4に示しますように、ExFabと呼ばれるグレイな領域も設けているとのことでした。

                  ・外部使用は20~25%で、後は学内の使用とのことでした。

・スタッフはSNSFと合わせて35名程度で、SNFは18.6人とのことでした。学生への装置トレーニングが主な仕事で、実際の装置操作は学生が実施するのが多いとのことでした。
・また、学生が使用するので、写真5に示しますように、主要な場所は一括でモニタできるようにして、監視しているとのことでした。
・写真6にMaryとSNFのファブの前での写真を示します。

                  
 
                  写真3 SNFメインCRのレイアウト
                  
                  
                  写真4 ExFabのレイアウト
                  
                  
                  写真5 CR監視モニタ
                  
                  
写真6 MaryとSNFの前で
                   

 【SNSF】
・SNSFはStanford大学のナノテク関連の高性能なプロセス装置及び評価装置を共同で利用するために作られたサービスセンターで、以下の4つのグループから構成されています。
① Nanofabrication
② Electron & Ion Microscopy
③ X-ray & Surface Analysis
④ Soft & Hybrid Materials
                  ・SNSFでは学内外合わせて年間約850件のサービスを実施しており、そのうち約750件がStanford大学内の25の学科からの使用とのことでした。

                  ・装置は3つのビルに分かれて設置されています。そのうちメインのSpilkerビルの装置レイアウトを写真7に示します。主要な装置を見学させて頂きましたが、さすがスタンフォードで、高価なプロセス装置や分析装置がたくさんありました。

・NaofabricationのマネジャーのClifford F Knollenbergとの写真を写真8に示します。

                  
                  

写真7 SNSF- Spilkerビルの装置レイアウト
                  
                  
写真8 CliffordとSNSF-CRの前で
                  

4. MIT, Biomimetics Robotics Lab
(1)面談者:Dr. Quan Nguyen, Post-Doctoral Fellow
(2)訪問日:2018年11月9日(金)午前
(3)調査結果
                  ・MIT の4足歩行ロボット「Cheetah(チーター)III」を開発しているBiomimetics Robotics Labを見学し、ポスドクのQuanから説明を受けました。

                  ・CheetahIIIは視覚を使わず、接触検出アルゴリズムによりTV等でも話題のボストンダイナミクスのSpotMiniより外力に強くなっているとのことでした。

                  ・但し、触覚センサは搭載しておらず(足に市販の触覚センサをつけたが、ジャンプ等の衝撃に耐えうるものはなかったそうです。)、各モータにつけたエンコーダと慣性ユニットで足の接地場所を計算しているとのことでした。

・各足に3軸のモータとエンコーダを搭載し、胴体部分に慣性ユニットを搭載していました。
                  ・今年10月に開催されましたThe 2018 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent                   Robots and Systems (IROS 2018)でお披露目となり、不整地や階段歩行、その場回転、ジャンプや棒でつついても倒れないデモ等をこなし、話題となっている4足歩行ロボットです。(http://news.mit.edu/2018/blind-cheetah-robot-climb-stairs-
                  obstacles-disaster-zones-0705
)

                  ・写真9にCheeterIIIの外観を写真10に説明してくれているQuanの写真を示します。

                  

写真9 MITの4足ロボットCheeterIII
                  
                  
写真10 説明しているQuan
                  
               

5. ORIG3N
(1)面談者:Kate Blanchard, Founder & COO
(2)訪問日:2018年11月9日(金)午後
(3)調査結果
                  ・ORIG3Nは2014年に設立された遺伝子検査を行うベンチャーで、COOのKate Blanchardに会社概要を紹介頂いた後、会社見学(写真11、写真12:事務所の外観、写真11奥にPCR解析装置が写真12に幹細胞貯蔵用の冷凍タンクが置かれています)をさせて頂きました。

                  ・PCRによる遺伝子解析装置を使った人間のDNA検査(FDAの認可は不要)をサービスとしており、フィットネスDNA検査キット等20種類($24~$149)のDNA検査キットを現在ドラッグストア等で販売する一方で、幹細胞やiPS細胞を培養して、医療応用を目指した研究の2本柱で会社運営をしようとしていました。

                  ・DNA検査キットの方はドラッグストア等で販売するビジネスモデルである程度の成長はするとは感じましたが、現状は人をターゲットにした検査だけを考えているようで、リピータの確保が難しく、検査時間も2,3週間かかるとのことでしたので、成長には限界があるように感じました。

                  ・製品としては、パッケージの中に口内の皮膚細胞を採取する検査綿棒が入っており、それでDNAを採取して、内蔵されているビニール袋と封筒に入れて送付するだけで、結果は専用のアプリをダウンロードすることでスマホから見れるというものでした。

                  ・技術的には同じなので、食品やセキュリティ分野でMEMS技術を使ったリピータの確保が可能なポータブル検査の方向も考えた方が良いように思いました。

・幹細胞やiPS細胞の医療応用ビジネスに関しては、まだまだ製品には遠そうな印象を受けました。
                  ・DNA検査キットに関しては、現在は米国での販売ですが、1,2年後にはアジアを含めた海外展開を考えているとのことでした。

                  ・試しに、フィットネスDNAテスト($149のもので6種類の検査を行う)をして頂いたので、結果楽しみですが、フィットネスDNAテストで$149は少し高いようにも感じました。

                  ・TVを見ているとORIG3N以外の会社から自分のルーツを探るDNA検査キットのコマーシャルが流れていましたので、米国では遺伝子検査ビジネスはかなりポピュラーになっているように見受けられました。

・写真13にORIG3Nの玄関の製品陳列棚の前でのCOOのKateとの写真を示します。

                  

                  写真11 ORIG3Nの事務所外観(1)
                  
                  
                  写真12 ORIG3Nの事務所外観(2)
                  
                  
写真13 ORIG3N玄関の製品陳列棚の前でのCOOのKateと
                    
                  

6. Stanford University, Khuri-Yakub研究室
(1)面談者:Dr. Butrus (Pierre) T. Khuri-Yakub, Professor
       Dr. Kamyar Firouzi, Research Associate
        Dr. Quintin Stedman, Research Associate
              Dr. Minoo Kabir, Post-Doctoral Fellow
              Dr. Bo Ma, Post-Doctoral Fellow
              Farah Memon, PhD Candidate
(2)訪問日:2018年11月12日(月)午前
(3)調査結果
                  ・Khuri-Yakub先生はゼロックスでインクジェットプリンタの開発をされておられた方です。ゼロックスはプリンタの事業からは撤退し、その技術は製薬開発に使う液滴滴下装置に転用されLabcyte(                   https://www.labcyte.com/ )という会社に引き継がれているとのことでした。

                  ・また超音波のCMUT(Capacitive micromachined ultrasonic transducers)の考案者で基本特許を持っておられた方です。1.のeXo ImagingではピエゾMEMSが今後広がるとJanuszさんが言っていましたが、超音波診断子としてはCMUTの方が広帯域、高感度で優れているというのがKhuri-Yakub先生の主張でした。

                  ・また、超音波プローブだけでスマホに接続できるCMUTの製品はButterfly (https://www.butterflynetwork.com/)という会社から1年前に製品化されているとのことでした。ここでもeXo Imagingは出遅れているように感じました。

・また、0.75agの重量を検知できるCMUTを使った化学量センサ(ガスセンサ)の開発をされており、まさにピコ(10-12)どころかアト(10-18)グラムの検出が可能とのことでした。但し、ガス吸着の高分子膜の開発が必要になりますが、それは専門外とのことでした。実際の化学量センサ(写真14)をDr. Quintin Stedmanに説明頂きました。
・そのほかカプセル超音波センサ(カプセル内視鏡のように飲んで超音波診断を行うもの)や脳の活動量モニタリング等の研究をされておられました。
                  ・写真15に教授室でのKhuri-Yakub教授と写真を示します。

                                      

                  写真14 agの検出可能な化学量センサ
                  
                  
写真15 Khuri-Yakub教授と教授室で
                   

7. Graftworx
(1)面談者:David J. Kuraguntla, CEO
      Anthony F. Flannery Jr. Vice President
(2)訪問日:2018年11月12日(月)午後
(3)調査結果
                  ・CEOのDavid J. KuraguntlaとVPのAnthony F. Flannery Jr.に対応頂きました。Davidから会社概要、Anthonyから来年にFDAを取得して発売予定の透析患用のモニタリングシステムの技術的な説明をパワーポイント及び試作品を使って受けました。

                  ・モニタリングシステムは①スマートパッチ(写真16)、②携帯対応データハブ(写真17)、③データ蓄積クラウドと④診断用フロントエンドから構成されていました。

                  ・スマートパッチはマイクロフォン、3軸加速度センサ、高精度温度計と光学の脈波センサ(PPG)を12mm角の基板に実装し、特注のバッテリを搭載したパワーマネージメントユニットとマイコン、メモリー、通信(BLE4.2)ユニットを耐久性のあるフレキシブル基板で接続し、シャワーでも使えるIP64相当を有するコーティングで実装したものでした。

                  ・脈波センサの詳細は分からなかったですが、ピコセンシングで考えている脈波センサのアプリの例として参考になると思いました。

                  ・また、システムとして製品化するためには、MEMSそのものよりは、耐久性、データのセキュリティ、診断技術等周辺の技術が大事とAnthonyは言っておりました。

                  ・本システムではハブにセキュリティ機能を持たせ、スマートパッチからスマートフォンにデータを直接やり取りすることはやめ、ハブを介することでセキュリティを高めたと言っておりました。

                  ・AthonyはInvenSenseの創始者でしたが最近はMEMSそのものよりは医療用デバイスとして役にたつものを開発したいと言っておりました。その他有意義なディスカッションができました。

・写真18に会議室でのDavidとAnthonyとの写真を示します。

                                      

写真16 スマートパッチ
                  
                  
写真17 携帯対応データハブ
                  
                  
写真18 会議室でDavid(左)とAnthony(右)と
                  

以上

                  
(一財)マイクロマシンセター 武田宗久
                  
               

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2018年11月 2日 (金)

第35回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウムでMNOIC出展報告

 「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム(協賛 マイクロマシンセンター)は1981年に第1回目を開催して以来、産学を中心にした研究グループ間の情報交換、アイデア討議の場として我が国のセンサ分野で重要な役割を担っており、本年で35回目を迎えました。

 本会議は新たな社会ニーズの創造を目指して、新しい物理・化学現象や効果を生かした新センサ・マイクロマシンおよびその製造技術に関心を持つ国内有数の研究者が一同に集うことから、最先端MEMS製造技術や大口径MEMS製造ラインを有するMNOIC(マイクロナノ・オープンイノベーションセンター)との親和性が高く、ここ数年継続して、MNOICのサービス内容について展示、発表しております。

 本年は、北海道命名150年という節目の年であるため、北海道札幌市に10月に開館したばかりの札幌市民交流プラザにて、10月30日から11月1日まで開催されました。この札幌市民交流プラザは北海道における多様な文化芸術活動の中心的な拠点であるとともに、北海道初の多面舞台を備え、多彩な演出を実現する2,302席の劇場(写真1)を有しています。この劇場をメイン会場に、劇場の主舞台と同程度の広さがあるクリエイティブスタジオや、ガラス張りの多目的スペースであるSCARTS(スカーツ)スタジオなどで会議が行われ、会期中は企業、大学などからの近年最高の900名を超える参加者でにぎわいました。

 まず、基調講演として「スペキュラティブエンジニアリング -技術と未来洞察-」と題し、東京大学大学院 情報理工学系研究科 准教授 川原 圭博氏の講演がありました。スペキュラティブ(デザイン)とは、「未来について考えさせる(speculate)ことで、より良い世界にする」デザイン手法の一つであり、「問題解決」のためのデザイン・プロセスの開発から、問いや視点を生み出し、アクションを経て、望ましい未来へ導くこととされていました。他の基調講演は「ナノバイオデバイスとAI が拓くSociety 5.0・健康長寿社会」と題し、馬場 嘉信名古屋大学大学院 工学研究科 教授、そして「固体酸化物形燃料電池(SOFC)の課題と展望」ということで、鹿園直毅東京大学 生産技術研究所 教授、さらに「鳥の求愛コミュニケーション:現在までの知見と展望」相馬 雅代北海道大学理学研究院生物科学部門准教授があり、最終日には、NMEMS技術研究機構と「インフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発プロジェクト」で共同開発中の京都大学大学院 工学研究科塩谷 智基教授から、「インフラの効率的維持管理に向けた振動センシングアプローチ」の4講演が行われました

 MNOICについては、10/30に技術プレゼンテーションと会期中を通して技術展示を行いました(写真2)。お問い合わせの内容としては、MNOICが提供するサービスの主要内容や、具体的な利用の仕方から、主要装置の日常管理法、測定機器の校正、管理法など、ファンドリーサービスに関係深い詳細な問い合わせを受けました。

 ますます活用が本格化・多様化しているIoTやAIにおいて、MEMSセンサはネットワークとの融合で、数10兆個規模市場に急成長を遂げることが予測されています。特に今後のデバイスには、多機能かつ小型、低消費電力等が求められるので、MEMS技術無しでは成り立ちません。この分野でMNOICのサービスの実力をさらに向上させ、試作設備の共用化や、組織間の壁を低くし集団で力を発揮できるオープンイノベーションを推進し、我が国のIoTデバイスをはじめとする産業の発展に引き続き貢献していきます。


写真1 メイン会場


写真2 技術展示

(MEMS協議会 渡辺 秀明)

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2018年10月31日 (水)

【2018年10月の経済報告】

本項は、マイクロマシン/MEMS分野を取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信しています。

                             

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 今回は201810月の経済報告をお届けします。

業務の参考として頂ければ幸いです。  

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2018年10月30日 (火)

Future Technologies from Sapporoで14件の発表を実施

 センサ・マイクロマシン分野における日本最大のシンポジウムであるFuture Technologies from Sapporoが2018年10月30日(火)~11月1日(木)に開催されました。
 Future Technologies from Sapporoは、電気学会、応用物理学会、日本機械学会、化学とマイクロ・ナノシステム学会がそれぞれ主催し、相互参加可能な複数のシンポジウムや研究会から構成され、学・協会を超えた討議の場となっています。更に今回は、NEDO インフラ維持管理技術シンポジウムも同時開催されたことから、900名を超える参加者での活気に満ちたイベントとなりました。
 なお、先のブログにある第35回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウムは、電気学会が主催したシンポジウムとなっています。

 マイクロマシンセンター(MMC)及び技術開発プロジェクトであるRIMS(Road Infrastructure Monitoring System)とUCoMS(Utility Infrastructure Core Monitoring System)からは、基調講演やレビューを含め表1に示す14件の発表を行いました。

1a_2
 基調講演では、予防保全を前提としたインフラの定量的な診断手法が話題となり、RIMSでの振動センシングアプローチの成果、特に橋梁床版での内部損傷の診断を中心として講演が展開されました。
 レビューでは、Society 5.0を実現するためには、複数のセンサの統合化・小型化や、触覚をはじめとした新たなセンサの開発などやることがたくさんあり、MEMS技術が今後益々重要になることが述べられました。

 シンポジウム全体を通しては、IoTの進展に伴ってか、研究にとどまらず、サービスのデザインまで一気通貫でといった大きな流れがあったように感じました。そういった流れの中で、実用化が近い我々の技術を実フィールドでの実証結果を含めて提示することで、多くの参加者の記憶に残る成果のPRができたのではないかと捉えています。また、電気、物理、機械、化学といったさまざまなバックボーンを有する研究者との討議(写真1)は非常に有意義でありました。
 発表した新規開発センサやモニタリングシステムの会場での評価は良好でした。このことを踏まえ、社会実装に向けた取り組みを加速します。

1a_5           (技術研究組合NMEMS技術研究機構 中嶋 正臣)

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2018年10月22日 (月)

IEC/TC47国際標準化全体会議(2018年10月15~19日)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)の国際標準化会議が、10月15日から19日まで、韓国・釜山(釜山国際展示場)にて開催されました。


会場の外観写真

 10月15日に開催されたTC47/WG7会議(半導体デバイス エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)には27名(日本13、韓国8、中国3、ドイツ2、米国1)が出席し、現在審議中の規格案の審議状況について、主査から報告の後、意見交換が行われました。


IEC/TC47/WG7会議の様子

 日本からの出席者は、本WGにおいて3人の主査の1人として務めておられる東京大学鈴木雄二教授をはじめ、兵庫県立大学藤田孝之准教授、産総研山本淳グループ長他、13名が、各国と活発な議論を行いました。東京大学鈴木雄二教授からは、先生がプロジェクトリーダ(PL)として提案の「低消費電力電子機器向けの力学的環境発電デバイスの試験方法」の審議状況について報告され、CDV(投票用委員会原案、Committee Draft for Vote)投票の結果、賛成多数で可決され、各国からあげられたコメントへの対応状況を報告し、今後、次フェーズ(国際標準発行前の最終フェーズであるFDIS、Final Draft International Standard、最終国際規格案)に進みます。また、産総研山本淳グループ長からは、熱電関連で今後日本から提案する規格案に関する内容説明が行われました。

 10月16日には、TC47/SC47E/WG1会議(個別半導体、センサ分野)が開催され、29名(日本11、韓国9、中国8、ドイツ1)が出席し、現在審議中の規格案についての意見交換が行われました。日本からの出席者は、SC47E大芝克幸議長、次世代センサ協議会大和田邦樹専務理事(SC47E元議長)をはじめとした11名でした。


IEC/TC47/SC47E/WG1会議の様子

 日本からは、現在、経産省の国際標準獲得・普及促進事業としてマイクロマシンセンターがとりまとめて取組み中の「スマートセンシング・インタフェースに関する標準化」に関して、審議中の2件(スマートセンサの制御方式、スマートセンサの電気特性表示方法)の各国コメント対応状況を議論するとともに、今後提案予定の案件を各国が紹介するFuture workプレゼンテーションでは、スマートセンサを駆動する電源の特性表示方法1件について報告を行いました。本件は新しい分野の取り組みでもあり、各国から、内容理解深化ならびに規格案充実化に向け、さらなる議論を継続したい意向が示され、メールベースや電話会議等による議論を継続していくことで合意しました。

 10月17日にはTC47/SC47F/WG1-3&MT会議(MEMS分野)が開催され、31名(日本10、韓国8、中国11、ドイツ1、米国1)が出席し、現在審議中の規格案についての意見交換が行われました。日本からの出席者は、SC47F主査である熊本大学副学長高島和希教授・大和田専務理事、プロジェクトリーダ(PL)である神戸大学神野伊策教授・名古屋工業大学神谷庄司教授、SC47F国際幹事マイクロマシンセンター三原孝士、国際副幹事マイクロマシンセンター竹内南をはじめとした10人でした。日本提案である「圧電MEMSデバイスのアクチュエータ特性に関する信頼性試験方法(PL:神戸大学神野教授)」、「圧電MEMSデバイスのセンサ特性に関する信頼性試験方法(PL:神戸大学神野教授)」、「フレキシブルMEMSデバイスにおける曲げ信頼性試験(名古屋工業大学神谷教授)」について審議状況説明・内容紹介を実施し、今後の審議における各国への協力要請を行いました。


IEC/TC47/SC47F/WG1-3&MT会議の様子

IEC/TC47/SC47F/WG1-3&MT会議出席者集合写真

 10月18-19日はTC47/SC47F全体会議、TC47/SC47E全体会議、TC47全体会議が開催され、各WGおよびSCにおいて決議された内容について各主査及び議長から報告が行われました。また、国際標準化活動としては1988年から、そして2008年7月のMEMS関連SCであるSC47F発足に際しSC47F国際幹事に就任し9年間務めるなど、長きに渡り国際標準活動に貢献してきたマイクロマシンセンターの竹内南が、来春3月に国際業務を退任予定であることを受け、今回IEC国際会議への参加が最後となる旨、TC47/SC47F全体会議、ならびに、TC47全体会議の席上、各国出席者に報告され、盛大な拍手をもって感謝の意が示されました。今後の国際業務は、2017年7月にSC47F国際幹事を竹内から引き継いだマイクロマシンセンターの三原孝士が継続して担っていきます。

 次回の本会議は来年10月に中国・上海で開催される予定です。

調査研究・標準部長 大中道 崇浩

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IoT Solutions World Congress 2018参加報告

 2018年10月16日‐18日にスペイン・バルセロナで開催されたIoT Solutions World Congress 2018(以下、IoTSWC)に参加してまいりましたので、ご報告します。IoTSWCは、スペイン・バルセロナで開催される欧米最大級のIoTに関するイベントで、来場エントリ数は120ヶ国から約16,250人以上となり2016年開催時の2倍となった他、一般展示ブースに加え、インダストリアル・インターネット・コンソーシアム(以下、IIC)承認のテストベッド等も多数発表され、メディア等による記事数が2000を超えるなど、本イベントの注目度の高さが窺えるものとなっておりました。また、同イベント開催期間において、会場から少し離れたItalian Pavilion会場ではIoT Solutions Awardの受賞式が行われ、IICテストベッドからも多数受賞するなど、大きな盛り上がりを見せておりました。

 本イベントはIICが推進するテストベッドの展示も多数行われるため、インダストリアルIoT事業を複数社で共同して推進する社技術動向をベンチマークとして測るには非常に有益なイベントと考え、毎年の定点観測を行っております。


図 1 バルセロナの街並み

 一昨年リサーチ会社によるIoT市場予測において、2024年のIoT市場規模予測が1.6兆円から1.3兆円に下方修正されました。生産工場等の機密データや、そこで従事する個人に紐づく稼働データを収集するIoT機器においては、センサデータがクラウドに収集されるまでの経路においてデータを第三者の盗聴・改竄なしに正しく配送される必要があり、この認証情報をやり取りする経路のリソースを正しく配分するためのスケーラビリティを確保する構成にするには専門性の高いネットワーク技術者等のノウハウが必要となり、デバイス管理技術とセキュリティの両立への課題になっていると考えます。こうしたことが生産工場に存在する数千、数万といったセンサデバイスを一度に大量に、認証またはリボークする際のセッション管理やリソース確保においてネットワーク構成設定の煩雑化を招き、工場ごとにことなる構成のIoT機器の導入を難しくしております。また、ヘルスケアやウェアラブル端末からの情報収集等も考慮すると個人情報に結びつくデータを扱う可能性が非常に高いIoTゲートウェイにおいて特に欧州では個人情報の匿名化技術等も注目されつつあることから、こうした技術を発表する社もあり、IoT機器に関する技術動向調査として非常に有益な機会となりました。


図 2 会場入口周辺の様子

 一般的なIoTに対する課題には既存のIT技術を適用できますが、大量のセンサデータに対して、セキュリティやプライバシー保護のための処理を施すためにCPUリソースを大きく割くと、IoTゲートウェイが規定時間内にデータを処理するためのマイクロバッチにおいてデータの検証までを含めた高い応答性能を出すことが難しくなると考えます。

 既存解析基盤を連携させてより高度な処理を施す際に、規定した時間内で必要な応答を受け取って処理を継続するための連携手法に関してもヒアリングを実施しましたが、今後多数のセンサ端末を収容する際にセンサに対応するアルゴリズムを適用する動的な制御を行うプラットフォームを構築する場合、アルゴリズム間のインタフェースの差異によりレイテンシにも時間差がうまれ、意図した応答時間内に分析が終えられないことにより他のセンサデータの刈り取りが失敗しデータ欠損が発生するといった課題についても、膨大なセンサ群を接続するユースケースにおいて、検討が必要不可欠な事項であると考えます。


図 3 講演会場の様子


表 1 各国の講演者数(開催プログラムより算出)

 現在、産業機器から取得するデータをクラウドへ送信する際に有価情報を効率よく抽出する、超高効率データ抽出機能を有する学習型スマートセンシングシステムの研究に従事していますが、本研究に関連が深い数社に関して抜粋し、ご報告致します。

 1社目は、I社 E技術によるデバイス・プロビジョニングの例となります。こちらは従来のPKIと同じく、1対1の秘密鍵と公開鍵を生成したうえで、当秘密鍵から複数の新たなMember秘密鍵を生成し、サードパーティ側でシグネチャを検証することでデータの改竄を検知します。サードパーティのクラウドからは署名されたデータが複数のMember秘密鍵のどの秘密鍵によるものか判別がつかない為、匿名性を保ったままで改竄検知等が行える点が特徴です。これにより例えばヘルスケアの現場ではIoT機器活用のユースケースの幅が増えると考えられます。ヘルスケアのような現場では、患者は医師に対してより正確な医療アドバイスを求める為に自己のデータをできる限り開示すると考えられますが、将来的な投薬研究や医療保険上のデータには収集の際に十分な匿名性が担保されることを望む傾向にあります。データ保護のレベルをデータの利用用途ごとに動的に変更する技術を、デバイスのユニークなIDで管理する技術はチップベンダの強みと考えます。

 2社目のH社はネットワーク構成、各設定を単一の汎用サーバのソフトウェアにより動的に変更するSoftware Defined Network(以下、SDN)技術を採用したIoTプラットフォームと、分散型対応かつリモート制御可能なIoTゲートウェイにより、エッジからクラウドまでの一元管理を実現しています。例えば製造現場の構成が変わりIoT機器の配置・数が変化するなど、IoTゲートウェイやクラウドの構成が大きく変わるリソース増減時には、各機器に対するファイアウォールや経路の設定が必要となりますが、従来は専門の知識を習得したネットワーク技術者が煩雑な設定手順を踏む必要があり管理コストが大きくなっておりました。SDNはIoTゲートウェイのネットワーク構成がモニタリング対象により動的に変化する場合も上記課題を解決し、管理コストの増加を大きく抑えることが可能になると考えます。また、H社は同時に、Kernel部分が10KB以下で省電力な動作制御が可能な超軽量OSアーキテクチャの発表を行っておりました。ウェアラブル端末は個人に紐づくデータが収集される為、ウェアラブル端末やヘルスケア現場でのコネクテッドデバイス上の動作を想定した、ARM、X86、RISC-V、Microcontrollersといった異なるアーキテクチャをサポートする超軽量OSの登場で、例えば1社目で紹介しましたI社E技術を抽象化するソフトウェアの実行環境も整えやすくなり、高度なデータ処理を要求するウェアラブル端末上等で、セキュリティやプライバシー保護に関する課題を解決できるのではと考えます。H社では、数千万台のデバイスのプラグアンドプレイや、通常よりも格段に容量が小さくIoT機器に搭載可能な超軽量OSの展示等、本展示会において積極的な展示を実施する社の一つであり、同社の車両用に特化したIoTプラットフォーム等2件でIoT Solutions Awardsを受賞していたことから、本イベントで存在感を際立たせておりました。

 3社目は、P社による顔認証が可能なIoTゲートウェイのデモです。額から顎までの大きさ、顔のライン、各パーツから、顔データの特徴を抽出することで1データを128Bytesに削減した顔データを扱っておりました。最低1000データが必要な顔認証用データも、IoTゲートウェイでデータを適切に間引き意味のあるデータ部分のみを蓄積することで、ゲートウェイ相互に顔認証で必要なデータのスムーズなやり取りを可能にし、当ゲートウェイの設定から、導入時のデータ収集、運用までを専門知識なしに導入可能な構成となっておりました。本IoTゲートウェイは社内の複数地点に設置し、社員からの顔特徴データをIoTゲートウェイ相互でやりとりし認証精度を向上させることが可能なため、ユーザ側の負担が極力抑えられるゲートウェイとなっている印象でした。ただし、例えばスペインでは、顔画像だけではなく顔特徴データも個人情報として扱いを受ける為、こうしたデータを各拠点間のIoTゲートウェイで相互にやり取りさせる場合には、データ自体やデータの所在を、匿名化または仮名化したうえでデータの改竄検証等を正しく行える仕組みも求められているのではないかと考えます。

 4社目のP社では、S社とのゲートウェイでの動体検出及び異常検知デモや、T社が推し進めるAR技術を利用した工場保守員支援システムの具体的なデモを提示しており、特定のユースケースに専用にチューニングされたエッジコンピューティングとしてシステムを開発する社のIICテストベッドを用いたパートナーシップ戦略が前年度に引き続きスムーズに進んでいる印象を受けました。

[所感]
 生産から配送までのデバイス・プロビジョニング、クラウド側のSDNを利用した一元管理等の技術を組み合わせることで、専門技術者の介在なしにデバイスが相互に認証しつながる柔軟なIoTのコネクティビティを向上させることが可能であると考えております。また、I社技術によりデータの出所を匿名化しつつ、データ自体の改竄を検出するような技術は、サードパーティ上のクラウドで匿名化技術を実装することなく、開発者の負担も軽減できることからPoCから導入までの一連のサイクルを短期間にこなす為の技術としても重要であると考えます。

 前年に引き続き、耐タンパ性を有するセキュリティチップ等を利用したセキュリティの議論が、G社、I社、M社、A社といった企業をはじめ、スペイン企業であるW社といった現地企業からも出ており、TPMを利用したデバイス管理技術のユースケースがより具体化したものとなってきた印象でした。こうした技術は改竄には効果を発揮しますが、IoTという特性上、悪意ある第三者の物理的な攻撃は全て防ぐことができるものではなく、クラウドやゲートウェイに対する意図しない制御データのIoTゲートウェイやデバイスからの侵入をどのように防御するか、多段レイヤの観点で検討していくことが、運用現場において完全性や可用性を担保するための要素であると考えます。

 今後もこうした技術動向調査で得られた知見をベンチマークに、研究開発を進めていきたいと考えております。次回の IoT Solutions World Congressは、2019年10月29日~31日に開催が予定されております。

技術研究組合 NMEMS技術研究機構 相見 眞男
            

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