2017年7月21日 (金)

IoT World 2017参加報告

ここに記事を記入してください2017年5月16日-18日開催されたIoT World 2017に参加してまいりましたので、ご報告を致します。IoT World 2017は、毎年5月に米国・サンタクララで開催される米国最大級のIoTに関するイベントとなります。イベントでは、主にヘルスケア・農業・ファクトリー分野における講演、ブース展示が実施されていた他、コネクティッドカーに関する展示エリアが併設されておりました。今年は来場者数が約11000人となり、スタートアップ企業の参加も約80社となる等、会場全体で盛り上がりを見せておりました。


図 1 開催地であるシリコンバレー近辺の街並み

本イベントは講演・技術展示ブースともに米国現地企業によるものが多く、展示説明員からヒアリングを行うことでR&D段階の技術が米国のユースケースに今後どのように適用されるか把握することができ、米国のユースケース適用に関する動向調査を行ううえでも最適なイベントでした。



図 2 会場入り口の様子

 本イベントのブース展示は、医療制度や農業の社会問題に課題点が多い米国らしく、ファクトリーの可視化・予兆保全よりも、ヘルスケア・農業分野におけるユースケースに関わる展示が多いように感じました。また、可視化においては、デバイスマネジメントやセンサデータ表示を行うダッシュボードと呼ばれる統合管理画面におけるユーザインタフェースに力が入れられており、グラフや数値データ表を配置する従来のダッシュボードだけでなく、CADを開発するAutodesk社による3Dのダッシュボードなどが、来場者の目を引いておりました。3Dや映像データを配置するグラフィカルなダッシュボード画面は、単にレイアウトとして見やすいだけでなく、現場管理者が、火の色といったアナログな映像データを見ることで、目視確認で状況把握を即座に行えます。その後、現場管理者は、把握した状況に応じて他部門や他作業員に指示を送る際に、他部門や他作業員に行う説明を補強するための材料として数値データを用いることができます。こうしたケースでは、映像データや数値データを揃えるだけでなく、ユースケースにおけるデータの関係性が一目で把握できるレイアウトや画面遷移が鍵になると感じました。ダッシュボードは現場管理者だけが理解できる画面では意味がなく、障害発生時に原因から対策までを他部門と協力し、迅速な対応を検討するうえで必要なデータがどれだけ不足なく揃えられるかが重要です。また、映像データに関してもIoTゲートウェイやクラウドに蓄積すればよいだけではなく、確認したいタイミングで確認したい時間帯の映像データを検索できる仕組みが必要になります。今回参加した企業には、IoTゲートウェイやクラウドに転送し蓄積した映像データを必要な機会に検索できる仕組みを検討している企業も御座いました。


図 3 講演会場の様子


図4 各国の講演数(カンファレンス資料より算出)

[講演]
 基調講演にありましたが、IBM社によりますと、クラウド等に収集されるデータの9割は直近2年以内に生成されたデータで占められているようです。

 蓄積されるデータ量は年々増加しておりますが、データ量が大きくなることで、予兆保全はおろか、可視化を行うためだけのデータ検索処理のレイテンシも無視できなくなってきます。エッジコンピューティングには、未加工のフォーマットのデータや、サンプリングされていないデータを扱える利点もあるため、IoTゲートウェイで処理を行うことで、より高度な分析処理が行える可能性がありますが、エッジコンピューティングを行うIoTゲートウェイは、クラウドよりもハードウェア性能が低いことが多く、マイクロバッチ処理のような複雑なウィンドウ集計を行う必要が出てきた際には、高い応答性能を出すことが難しくなると思われます。

[展示ブース]
 今回、動向・技術調査を実施したなかから、LbSS研究のエッジコンピューティングと関係がありそうな技術展示物1件を、ご紹介させていただきます。

 HPE社では航空機の遠隔監視に特化したユースケースにおいて、約2900機の航空機から集められたセンサデータのうち、直近の60分間のフライトデータ(高度、軌跡、等)をリアルタイムに可視化するデモを実施しておりました。こちらのデモでは、合計レコード数として約1782万件のデータから、時系列を考慮した大量のフライトデータを検索していたようです。

 直近60分間のフライトデータを可視化する場合、高度や軌跡、その他の航空機に据え付けられた数多くのセンサを分析する必要があるため、一度の検索で対象となるデータの範囲が広くなります。また、航空機の場合、障害発生時の原因調査が厳しく行われるため、航空機の時系列データは取得間隔の短く、精度の高いデータが要求されており、データ量も大きくなるため、大量のデータに対する高頻度な検索に耐えられる仕組みが必要となります。

IoTゲートウェイの場合、センサ側のインタフェースから入力されるセンサデータ転送量が大きく、WAN側のインタフェースから出力されるセンサデータのデータ転送量が小さい場合、IoTゲートウェイでは未処理のデータをどのように管理するか考慮しなければなりません。また、センサデータを多角的に分析する場合は、特定のセンサデータを何度も検索することになりますが、大量のデータに対する読み書き処理がIoTゲートウェイのボトルネックになることで、データ欠損、処理遅延、データの矛盾、等、様々な問題が生じてきます。エッジコンピューティングでは、ストリーミング処理を高速に行うことが求められますが、ユースケースによっては性能がシステム全体に及ぼす影響も大きくなり、ミッションクリティカルな制御システムに関してはレイテンシが許容できなくなる可能性もあります。
 今回、エッジコンピューティングにおけるストリーミング処理の技術デモの展示は、この1件だけのように見受けられました。しかし、インメモリ・時系列データベース分野の技術開発により、ストリーミング処理で大量のデータを低いレイテンシで行うことが可能になってきているため、今後のIoT Worldでは、大量データをエッジコンピューティングで扱うユースケースの技術展示が一気に増えるのではないかと感じました。

[全体を通して]
今回ファクトリーの可視化・予兆保全の技術展示が少ない印象だったのですが、現地でヒアリング調査を行ったところ、米国の工場も日本と同じような課題が見えてきておりました。米国の工場でも、産業機器に接続されているPLCの出力インタフェースが古く、PLCの分析結果を取得し、クラウドで可視化を行うことは容易ではないようです。PLC内部のロジックとしては高度な統計処理が為されているため、PLCのデータをフルに活用できれば、現場作業員による目視確認以上のデバイスマネジメントが可能にはずです。機械やセンサの相互通信に関して標準化された技術のPLCへの導入も進んできており、スマートファクトリーに参入する壁も低くなってきていることから、米国でもファクトリー分野に関する技術展示が今後増えてくるものと思われます。

[次回開催]
 今回の技術・動向調査で得られた結果はベンチマークとしてフィードバックし、研究・開発を継続してまいりたいと思います。次回のIoT World 2018は、2018年5月14日~17日で開催が予定されております。

                  技術研究組合 NMEMS技術研究機構 相見 眞男

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MEMSセンシング&ネットワークシステム展の開催準備進む(10月4日-6日)

 MEMS関連の技術・製品・アプリケーションを一堂に展示する「MEMSセンシング&ネットワークシステム展2017」の開催準備が進んでいます。
 
 名称:MEMSセンシング&ネットワークシステム展2017
     -IoTシステムの最先端技術展-
 会期:2017年10月4日(水)~6日(金)
 会場:幕張メッセ 国際展示場ホール7、国際会議場会議室302
 同時開催:InterOpto/LaserTech/BioOpto Japan/LED JAPAN/CEATEC
 URL:http://www.mems-sensing-network.com/
 
 開催内容を順次ご紹介しますが、今回は「研究開発プロジェクト成果報告会」のプログラムをお伝えします。
 
 名称:研究開発プロジェクト成果報告会
 開催日時:2017年10月5日(木)10:30-16:10(昼休み1時間を含む)
 趣旨:工場の操業状況や道路インフラ構造の健全性などを確認するために、センサをいたるところに配置し、無線ネットワークで測定データを集めるIoT(Internet of Things)が注目されています。本セミナーでは、NEDOや国から受託し、研究開発を進めているプロジェクトについて報告します。

オープニング    発表者
10:35-
11:15 
 特別講演
(仮)”Connected Industries”に向けた我が国製造業の課題と取組
経済産業省
 参事官
 徳増 伸二
第一部    
11:15-
12:15
 超高効率データ抽出機能を有する学習型スマートセンシングシステム(LbSS:Learning based Smart Sensing System)の研究開発 東京大学教授
 藤田 博之
12:15-
13:15
 昼休み  
第二部    
13:15-
14:15 
 道路インフラの統合的な常時監視を実現するモニタリングシステムの研究開発成果発表 東京大学教授
  下山 勲
14:15-
14:45 
 センサ端末同期用原子時計(ULPAC:Ultra-Low Power Atomic Clock)の研究開発成果発表  産総研
 柳町 真也
14:45-
15:00
休憩   
第三部    
15:00-
15:50 
 ライフラインコアモニタリングシステムの研究開発成果発表 東京大学教授
 伊藤 寿浩
第四部    
15:50-
16:10
 究極の省エネを実現する「完全自動化」自動車に不可欠な革新認識システムの研究開発成果報告 東京大学教授
  下山 勲

 成果については展示会場ブースにおいても展示・説明を行っておりますので、是非お立ち寄りください。
                    <成果普及部 水島 豊>

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【平成29年07月の経済報告】

ここに記事を記入してください 本項は、マイクロマシン/MEMS分野を取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信しています。

 梅雨も明け、夏祭りのシーズンが近づいてきていますが、その中平成29年07月の経済報告をお届けします。
業務の参考として頂ければ幸いです。  
 内容は、以下のPDFをご参照下さい。

   2017.07.pdf をダウンロード

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2017年6月27日 (火)

MEMS協議会推進委員会、メンバー交流会を開催しました。(2017/6/26)

 平成29年度のMEMS協議会の活動計画を審議するMEMS協議会推進委員会を6月26日、秋葉原のテクノサロン(MMCの7F)にて開催しました。経済産業省・産業機械課、研究開発課、情報通信機器課および新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)さらに産業技術総合研究所からのご来賓を交えて、MEMS協議会正メンバー会員企業14社が集まりました(写真1)。


写真1 MEMS協議会推進委員会

 最初にMEMS協議会山西健一郎会長(当センター理事長、三菱電機取締役会長)による主催者挨拶があり、最近のトピックスとして1つはスマートセンシング&ネットワーク研究会(SSN研究会)に関するもので、3つのWG活動が昨年度3つの国家プロジェクトに採択されたこと、さらに新たな研究開発のために、WGを3つ設置し、新テーマ発掘に努めていること、二つ目は、設立から7年目のMNOIC事業が、順調に事業量を増やしているものの、設備の老朽化など課題も出てきており、MNOIC未来構想タスクフォースを設置し、検討を開始したことを述べました。

 その後、経済産業省産業機械課長の片岡隆一様からのご挨拶として、経済産業省は様々なつながりにより新たな付加価値が創出される産業社会実現を目指し、“Connected Industries”構想を推進しているが、ここに集まっている企業は、その活躍の場をますます増やすであろうという期待を述べられました(写真2)。


写真2 経済産業省 片岡産業機械課長 来賓挨拶


 MEMS協議会推進委員会では、小川治男MEMS協議会副会長(オリンパス専務執行役員)を委員長とし、今年度の活動計画並びに各社で取組んでいる研究開発状況などについて活発な議論が進められ、活動計画は原案どおり承認されました。引き続き行われたメンバー交流会では、アソシエートメンバーと個人会員も含め約60名を超える参加者があり、“Connected Industries”の推進に向け各企業は何ができるかなど、積極的な情報交換が行われました(写真3)。最後にMEMS協議会副会長伊藤寿浩東大教授の中締めのご挨拶と一本締めで、本交流会が終わりました。


写真3 メンバー交流会
                
                   (MEMS協議会 渡辺 秀明)

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2017年6月26日 (月)

国際会議Transducers2017参加報告

 2017 年 6月 18日~22日の 5日間にわたり台湾・高雄(Kaohsiung)で開催された、隔年開催の Transducer 技術に関する国際会議で ある、International Conference on Solid-State Sensors, Actuators and Microsystems(Transducers2017)に、センサ・MEMSデバイスの標準化のための技術調査の目的で参加しました。他業務との兼ね合いもあり、開催期間のうち、6月 20日~22日の3日間、学会を聴講してきました。4つのパラレルセッションにて構成された口頭発表に加え、ポスターセッションならびに関連技術の各社・各機関が出展する展示会も開催され、本技術分野に関する最先端の研究発表が世界各国から結集し、非常に活況を呈していたことが印象に残りました。6月21日の夜には、Grand Hi-Laiホテルの大ホールで開催された学会主催のバンケットに参加することができ、チャイニーズ・シンフォニー・オーケストラの見事な演奏もあり、こちらも大盛況でありました。


開催会場である台湾・高雄エキジビションセンターのエントランス
 
 マイクロマシンセンターでは、「国内外技術動向調査」という取り組みとして、技術進歩が著しい国内外のマイクロマシン/MEMS分野等の研究動向、技術動向を的確に把握するため、MEMS分野の著名な国際会議等をターゲットにした定点観測的な調査を例年行っております。Transducers2017もこの調査の対象学会であり、本分野の有識者から構成される国内外技術動向調査委員会の委員の方々により、学会の発表内容の調査が行われ、報告書に纏めております。従って、今回のTransducers2017で発表された技術の詳細・分析結果については、この「国内外技術動向調査」の報告書で改めて報告するため、本ブログ執筆者の今回の学会参加の感想をお伝えするに留めさせていただきます。


Grand Hi-Laiホテルで開催された学会主催バンケット

 執筆者は、IoT(Internet of Things)向けセンサ技術やエネルギーハーベスト技術に関心があり、本学会に参加することで各種センサを実現するMEMS技術の動向が把握できたことは有意義でした。ここでは各論には踏み込みませんが、個人的に印象に残ったのは、“CMOS”セッションでした。本セッションでは、MEMS-CMOS集積化の取り組みについて幾つか報告がありましたが、台湾TSMC社からは「12 INCH MEMS PROCESS FOR SENSORS IMPLEMENTATION AND INTEGRATION」というタイトルで発表がなされました。MEMSセンサでは、MEMSプロセスでのセンサ形成に加えて、センサ出力を読み出すためには、シリコン半導体CMOSプロセスによる読み出し回路が必要です。本発表では、12インチでのMEMSプロセスウエハと、12インチでのシリコン半導体CMOSウエハを、積層してMEMS-CMOS集積化を行う試みが報告され、共振器、加速度センサ、ピラニ真空計の3種のデバイスを例として、前記方法で実際にMEMSデバイスの試作を行ったことが紹介されました。IoTセンサの普及が本格化する将来に、このような手法での大量・安価なMEMS-CMOS集積センサ製造がどこまで主流となっていくのかが興味深いところです。IoTセンサでは少量・多品種への対応がしばしば必要とされる可能性もあり、CMOSとMEMSのマルチチップでの集積化も残っていくのかという観点です。ファウンダリ各社の今後の動向にも注目したいところです。

 エネルギーハーベスト技術については、“Energy Harvesters”というセッションが設けられ、様々なアプローチでのエネルギーハーベスト技術の発表6件が行われました。IoTセンサの自立発電動作化を実現し、センサ動作・センサ制御・そのセンサ出力の無線伝送をも、自立電源動作させるためには、各部分の低消費電力化の取り組みとともに、エネルギーハーベスト技術は非常に重要な技術分野です。引き続き、技術の進展を見守っていきたいと思います。

 今回は、本ブログ執筆者が本学会に参加した感想のみ記させていただきました。前述のように、当センターでは、「国内外技術動向調査」の取り組みの中で、本分野の有識者から構成される委員の方々により、本学会Transducers2017での発表内容詳細の調査・分析を今後進めていきます。

(調査研究・標準部 大中道 崇浩)

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2017年6月22日 (木)

【平成29年06月の経済報告】

本項は、マイクロマシン/MEMS分野を取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信しています。

 

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 初夏、平成2906月の経済報告をお届けします。

業務の参考として頂ければ幸いです。  

 内容は、以下のPDFをご参照下さい。

 

 

                       「2017.06.pdf」をダウンロード

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2017年6月21日 (水)

MemsONE実習講座の開催報告

 MemsONE実習講座(基本操作コース)は不定期の開催で、申込を受けて企画することにしています。 「基本操作コース」は、MemsONEのGUI操作や解析手順を学習するもので、導入ユーザ様及び導入を検討中の方々が対象となります。

 平成29年度の第1回MemsONE実習講座(基本操作コース)を4月19日(水)に大阪で開催しました。今回は大学様のご要望により、外部で特別開催したもので、

学生さん6名と公的研究機関から1名の計7名が参加されました。

当方の実習用PC5台を宅配しての開催となりましたが、受講者内にMemsONE触れたことのある方が多かったため、実習をスムースに進めることができました。

また、実務で困っていることに対する助言ができたことも、有意義であったと考えています。

■第1回MemsONE実習講座(基本操作コース)

 開催日時: 平成29年4月19日(水) 13:00~17:30

 開催場所: 大阪府堺市の大学内

 受講料金: 無料

 参加者数: 7名

受講希望の方は、下記URLで詳細をご確認ください。 http://mmc.la.coocan.jp/mems-one/hiroba/seminar_info/

ご不明な点が御座いましたら、下記までお問合せください。
一般財団法人マイクロマシンセンター
MemsONEサポート担当:水津
電話: 03-5835-1870 FAX: 03-5835-1873
E-mail: mems1-user@mmc.or.jp

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2017年6月16日 (金)

ベルギー、オランダ研究機関との技術交流報告

 NEDOの森口主査と京都大学の塩谷教授とともに2017年5月26日(金)にベルギーのVUB(ブリュッセル自由大学:Vrije Universiteit Brussel)と5月30日(火)にオランダのTNO(オランダ応用科学研究機構:the Netherlands Organization for Applied Scientific Research)を訪問し、技術交流を行いましたので、その内容を以下に報告します。
(1)VUBとの技術交流
 VUBはベルギーの首都ブリュッセルにあるベルギー有数の大学です。ベルギーが1830年にオランダから独立したときに、首都ブリュッセルに大学がなかったため、1834年に創立されたブリュッセル自由大学が1970年にフランス語系のUniversité Libre de Bruxelles(UL) とオランダ語系のVrije Universiteit Brussel(VUB) の2つの大学に分かれました。どちらの大学も「自由大学」と名前が付けられているように、自由を校風にしています。VUBには約15,800人の学生がいます。今回はVUBのMechanics of Materials & Constructions(MEMC)学科のDanny VAN HEMELRIJCK教授とDimitrios G. AGGELIS教授を訪問し、技術交流を行いました(写真1)。

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       写真1 VUBのMEMCの看板の前での記念撮影

 MEMCは実験と数値解析によって、材料と構造物の研究を行っている学科です。実験室には大型疲労試験機(写真2)や2軸疲労試験機(写真3)等の各種試験機があり、写真4に示すようなAEセンサを使ったコンクリート材料のリング試験等を行っており、各種材料の基礎的な実験データを取得するとともに、数値解析と合わせることで構造物の劣化状態を判別しておりました。橋梁、洋上風力発電設備、滑走路の照明設備やビール瓶等の幅広い構造物を対象としていました。

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            写真2 大型疲労試験機

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           写真3 2軸疲労試験機

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   写真4 AEセンサを使ったコンクリート材料のリング試験の様子

 実験室見学の後、会議室でMEMCのメンバーに、森口主査からNEDOの紹介(写真5)と武田からRIMSの概要説明(写真6)をしてRIMSの広報を行うとともに、博士コース学生(Alexandros Iliopoulos)からインフラ施設のSHM(Structural Health Monitoring)の最新技術の紹介を受け、技術交流を行いました。その様子はVUBのフェースブックでも紹介されています(https://www.facebook.com/MEMCVUB/)。引き続き技術交流を行っていくことを約束して散会しました。

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     写真5 NEDO森口主査からのNEDO概要紹介の様子

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        写真6 武田からのRIMS概要紹介の様子

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    写真7 Alexandrosからのインフラ施設のSHMの紹介の様子

(2)TNOとの技術交流

 TNO (オランダ応用科学研究機構(the Netherlands Organization for Applied Scientific Research) )は、1932年に設立されたオランダの総合受託試験研究機関で、オランダ全土に10箇所の研究拠点があり、今回はデルフト工科大学のキャンパス内にある拠点を訪問し、技術交流を行いました。(写真8、写真9)。

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    写真8 デルフト工科大学キャンパス内のTNO建屋のひとつ

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       写真9 TNO入口でDr. Pooriaと記念撮影

 今回の訪問では、インフラ関連のプログラムディレクタであるPeter-Paul van't Veen氏をはじめとする4名でご対応いただき、双方の組織概要と道路インフラモニタリングの取り組みを紹介しあうとともに意見交換を行いました(写真10~写真14)。

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     写真10 NEDO森口主査からのNEDO概要紹介の様子

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        写真11 武田からのRIMS概要紹介の様子

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        写真12 PeterからのTNO概要紹介の様子

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      写真13 Pooriaからの鋼橋劣化診断技術紹介の様子

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           写真14 意見交換の様子

 その後、デルフト工科大学の一角に開設されたTNOのエネルギ関連ラボで太陽電池を道路に埋め込んだソーラーロード(写真15)や新材料を使った蓄電システム(写真16)等を、また、強度評価ラボで大型強度評価装置(写真なし)も見学させて頂きました。

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          写真15 ソーラーロード

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        写真16 新材料を使った蓄電システム

 さらに、TNOがSHMの実証実験を実施しているvan Brienenoord Bridge(写真17~写真19)にて、SAセンサシステムの実証が可能かの確認を行いました。

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         写真17  van Brienenoord Bridge

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           写真18 センサ設置現場

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        写真19 データ取得用PC(橋梁内部)

 今回、ベルギーのVUBとオランダのTNOを訪問し、RIMSの広報を行うと伴に、技術交流を実施しました。両機関はRIMS関連で積極的な活動をしており、今後も引き続き連携を図っていく予定です。

                (NMEMS技術研究機構 武田宗久)

 

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2017年6月12日 (月)

AEWG-59参加報告

本米国AE学会(AEWG: Acoustic Emission Working Group)は、1967年に当時Aerojet-General Corp.のAllen T. Greenと、Battele-NorthwestのJack C. Spanner、両名の呼びかけにより集まった12名の研究者により設立されたAEに特化した会議である。当時Lawrence Radiation Laboratory(現Lawrence Livermore National Laboratory)で、AE分野に多大な影響を及ぼしたHarold L. Duneganが創設者の一人として在籍していたことでも知られ、まさにAE技術の発展をリードしてきた学会であるといえる。本会議の特徴としては、撮影や印刷物を制限する代わりに、AEに関するあらゆるOngoing workの発表を奨励しており、その場に参加しないと得られない貴重な情報が得られる点にある。またAE技術の進化を担ってきた専門家の集まりであり、有益なコメントが得られる場でもある。第59回目を迎える今回のAEWGは、CTL GroupのDr. David Kosnikのホストで、シアトルのCedarbrook Lodgeで開催された。

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写真1 会場のCedarbrook Lodge

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写真2 講演会場の様子

 参加者は30名程度、多くが米国内の研究者である。全体的な参加者は少ないものの、創始者の一人であるAllen T. Greenをはじめ、AE分野での著名な研究者が数多く参加していた。 セッションは以下の6パートに分かれており、発表は口頭発表18件と、企業からの技術展示3件という構成であった。

<セッション>(括弧内は講演件数)
1) Opening Technical Session(3)
2) Technical Session: Wire Breaks(3)
3) Technical Session: In-Service Monitoring(4)
4) Technical Session: Calibration and Uncertainty(3)
5) Technical Session: Source Location(2)
6) Closing Technical Session and Roundtable Discussion(3)

 RIMSからは碓井が、Opening Technical Sessionにおいて “An Event-Driven, Energy harvesting, Wireless AE Sensor System for Long-term Structural Health Monitoring”と題して講演発表を行った。本プロジェクトの成果である、エナジーハーべスティングにより動作する無線AEセンサシステムに関する基本コンセプトとイベントドリブンアーキテクチャを中心に説明した。発表に対してはAEシステムに関する最大手である米MISTRAS Groupや独Vallen Systeme GmbH、その他大学関係者を含め、延べ10件近くの質問や反響コメントがあり、本プロジェクトの取り組みを存分にPRできたものと考えている。その他、講演の聴講で印象に残った発表について以下に示す。


- Metamaterial design to focus wave energy in pipe-like structures
Minoo Kabir and Didem Ozebin (University of Illinois at Chicago)
UICのOzebin教授による、メタマテリアルの進捗に関する報告である。パイプラインのモニタリングのために、パイプに周期構造の突起を形成し、機械的なバンドリジェクトフィルタ(もしくはバンドパスフィルタ)を構成するというアイデアの発表であった。3Dプリンタで作った箱状の立方体を周期的にパイプの回りに接着する。ノイズの周波数が特定の周波数に決まっているようなアプリケーションであればAE検知時のSNを向上できるというもの。メカニカルなフィルタとして活用できる可能性もあると感じた。

- Long-term acoustic emission structural health monitoring of post-tensioned beams for wire break detection
Terry A. Tamutus, Richard Gostautas and Jon Watson (MISTRAS Group)
MISTRAS社による長大橋のモニタリング事例の紹介である。30システム、430チャネルを使った大規模なPCケーブルのモニタリングを行った。さすがに規模が大きく、業界最大手ならではの事例であるといえる。MISTRASのシステムは、デイジーチェーン型と呼んでいるもので、サブユニット間を数珠つなぎ状に有線接続するタイプのものである。1システムは、2chのユニットを最大16ユニット程度接続している模様である。各ユニットが有線接続されている点が我々の思想と異なる。配線に関しては課題が残るとのことであり、無線システムへの需要を再認識した。

- Intelligent AE sensors  and smart materials
Horst Trattnig (Vallen Systeme GmbH)
  AEセンサの新たな応用として、AEとひずみゲージを合わせたハイブリッドセンサの紹介をしていた。ファイバ型(光ファイバではなく、繊維タイプのひずみセンサ)を織り込んだシート状のセンサで、AEとひずみを同時に計測可能なセンサ試作品を開発したとのことであった。見た目は100mm角程度のCFRPシートで、コネクタが2つ(AE用とひずみ用と思われる)付属している構造になっている。ひずみとAEは同時に計測する場合が多く、新しい発想のセンサとして興味深い事例であった。

次回は2018年、サウスカロライナ大のホストでサウスカロライナ州チャールストンでの開催が予定されている。
       

 (技術研究組合NMEMS技術研究機構 碓井隆)

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Smart Sensing 2017の出展報告(6月7日-9日)

 センシング技術とIoT社会のニーズを繋げるサービスプラットフォームの展示会として、株式会社JTBコミュニケーションデザイン主催のSmart Sensing 2017が6月7日から9日までの3日間、東京ビッグサイト東展示場2で開催され、それに出展しましたので報告します。
 Smart Sensing 2017の出展団体は39団体あり、各団体はIoT社会に貢献する技術、製品等を展示し、来場者に積極的に説明を行っていました。
 来場者数は、6月7日は2,032名、8日は2,215名、9日は2,667名、合計6,914名が来場しました。東2展示場では同時期開催展示会が有り相互移動が出来るため、来場者数はこれより多いと思われます。


受付の様子

会場の様子

 マイクロマシンセンターは、MEMSセンシング&ネットワークシステム展2017の案内を中心にポスター展示を行いました。また、MMCとMNOIC事業を紹介した資料配付も行いました。

 本展示会の基調講演では、NEDOプロジェクト「超高効率データ抽出機能を有する学習型スマートセンシングシステムの研究開発」の研究開発責任者で、東京大学生産技術研究所の 藤田博之 教授が登壇され、センサノードとエッジに着目し、そこでのMEMSやAIの活用について、背景になった過去のプロジェクトからの段階的な発展を含めて紹介されました。


藤田教授の基調講演の様子

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«IEC/TC47/SC47Fアドホック会議東京の開催報告