2017年9月 7日 (木)

第34回先端技術交流会の報告

 9月1日(金)の午後、マイクロマシンセンター新テクノサロンで第34回マイクロナノ先端技術交流会を開催しました。

 今回は「BEANSプロジェクト研究者達の新たな研究の取組み」というタイトルで開催しました。、BEANSプロジェクトは、MEMS技術とナノ・バイオ技術が融合し、自律的に機能する異分野融合型デバイスの開発を目指し、平成20年度から24年度の5年間にわたり、経済産業省の主導のもと、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から技術研究組合BEANS研究所が委託を受け、企業、大学、独立行政法人産業技術総合研究所の研究者を結集し、産学連携体制のもとで実施しました。今回の先端技術交流会はプロジェクト終了から4年を経て、研究開発を推進した研究リーダー4名の先生方をお招きし、現在の研究内容について発表していただきました。

 最初に、BEANS研究所の所長の遊佐様、副所長の東京大学藤田教授からご挨拶をいただき当時のBEANSの様子を振り返り皆さま懐かしんでおりました。

  
(遊佐さん)              (藤田先生)

 最初の講演者は東京大学先端科学技術センターの杉山正和教授です。「高効率太陽光発電と化学的エネルギー貯蔵がもたらす次世代再生可能エネルギーシステム」というタイトルで研究内容の紹介がありました。2050年までに温室効果ガスを80%削減するという我が国の目標があり、再生可能エネルギーの拡大が期待されています。太陽電池の普及を拡大するために、発電効率のさらなる向上とコスト低減について紹介いただきました。発電効率の向上に向けた取り組みとして、マルチジャンクション型セルにおいて、InGaP、Geに格子整合する1.2eVのバンドギャップを有する材料開発が必要であり、InGaAsバリア層とGaAsP井戸層からなる独自の超格子構造や、3次元の波上構造を提案されていました。また、コストダウンの一方策として、GaAs基板上にAl犠牲層を設けることによって、基板を最後で除去することによる、薄膜太陽電池を提案されていました。この構造では、太陽電池に入射した光によりフォトンリサイクリングの現象によって高効率化が期待できると同時に、基板を何度も利用できるので、GaAs基板という高価な材料コストの低減に期待が持てます。温室効果ガス排出量の低減に向けて、安価、高効率太陽電池の実現に期待が膨らみました。

   
(杉山先生)              (竹内先生)

 2番目の講演者は東京大学生産技術研究所機械・生態系部門の竹内昌治教授です。「バイオハイブリッドシステムに向けた取り組み~Life Beansのその後の展開~」というタイトルで、バイオデバイス技術を使った創薬・医療・環境センシングの研究内容について紹介がありました。最初はBEANSで取り組んでいた脂質2重膜のその後の進展についてです。分子デバイスにとして、膜タンパク質による高感度センサーです。膜タンパク質によるバイオセンサとして研究を進めておられ、蜂、蠅、そして蚊などの昆虫の嗅覚受容体を用いた汗等の匂いセンサの開発を紹介されました。すでに汗で反応するロボットも動画で紹介されており、この技術は人の匂いを検知する災害救助ロボットをはじめとした人体検出センサとして期待されています。次に血糖値センサの研究について紹介いただきました。血糖値は食事や運動などによって、時々刻々と変動するため、無意識のうちに連続して情報を読み取ることが望まれています。竹内先生のところでは、血糖値に応答して光の強度を変えるハイドロゲルビーズを実現し、マウスの耳に埋め込んで140日以上長期完全体内埋め込み可能な血糖値センサを実現していました。

 3番目の講演者は九州大学工学研究院応用化学部門兼、最先端有機光エレクトロニクス研究センターセンター長の安達千波矢教授です。安達先生からははBEANSプロジェクトの時から継続して取り組んでおられる有機EL(OLED)の研究の進展について紹介いただきました。従来蛍光材料では内部効率が25%程度しかなく、またそれまで、イリジウム等の燐光による高効率化が実現されていましたが、この貴金属は希少資源であり高価であったため実用的ではありませんでした。安達先生は熱活性化遅延蛍光(TADF)に着目し、網羅的に分子材料の開発に取り組み、2012年に内部効率100%のTADFの実現に成功しました。この成果をもとに2015年にTADFを実用化する大学発ベンチャー((株)Kyulux)が設立され、その代表取締役の安達淳治氏からも講演中にOLEDのデモをご紹介いただきました。今後、有機急拡大する有機EL市場に本技術がますます広く展開していくと感じました。

  
(安達先生)             (伊藤先生)

 最後のスピーカーは東京大学大学院・新領域科学研究科兼、産業技術総合研究所集積マイクロシステム研究センターの伊藤寿浩教授です。「トリリオンセンサ社会に向けてのセンサネットワークの取組み~牛健康モニタリング用センサネットワーク」というタイトルでBEANSプロジェクトのMacro BEANSのその後の成果について講演頂きました。伊藤先生はBEANSプロジェクトを終えた後は、グリーンセンサネットワーク開発プロジェクト、ライフラインコアモニタリング、そして今回の発表の中心の内容である、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)で取り組んできた次世代農林水産業創造技術開発計画のテーマへとセンサおよぶセンサネットワークのプロジェクトで活躍されております。牛の生体内で長期間安定して駆動するセンサを開発し、センサおよびセンサネットワークによって、繁殖管理のためのセンサシステムの開発、および飼養管理のためのセンサシステムの開発に取り組んでおられます。繁殖管理に向けては小型膣内センサの開発を行っており、加速度センサを組み込み牛の活動を分析することによって発情の精度をモニタリングしております。また、飼養管理の観点ではルーメン(牛の第一胃)センサの開発内容を紹介し、胃の中のセンサから首輪の無線中継器へセンサ信号を送り、アンテナまで情報を送るシステムを紹介されました。体内からの無線の難しさ、そして胃の中での長期信頼性の確保が難しいことがわかりました。


(意見交換会)

 4名の先生方によるプレゼンテーションを終え、会場をMMC会議室に移した懇親会では、BEANSの関係者を中心に約50名も集まり、技術的な会話だけでなく、同窓会としても大変盛り上がりました。

(産学交流担当 今本 浩史)

| | コメント (0)

2017年8月30日 (水)

WCEAM2017技術展示及び大規模インフラモニタリング調査報告

 12th World Congress on Engineering Asset Management(WCEAM2017:http://2017.wceam.com/)が2017年8月2日(水)~8月4日(金)にオーストラリアのブリスベンコンベンションセンターにおいて開催されました(写真1:会場のコンベンションセンター入口、写真2:オープニングのスライド)。

1

       写真1 会場のコンベンションセンター入口

2

          写真2 オープニングのスライド

 本国際会議において技術展示を行うとともにRIMS技術の大規模インフラモニタリングへの展開可能性に関して調査をしましたので、その内容について以下に報告致します。

(1)WCEAM2017

WCEAM2017はThe International Society of Engineering Asset Management (ISEAM,www.iseam.org)が開催する年次大会で、全世界のアセットマネージメントに関連する産学官の関係者が集まり、最先端技術、産学間連携、応用展開について議論する国際会議で、今年12回目を迎えました。今年度は振動工学に関する国際会議VETOMAC-XIII (Vibration Engineering and Technology of Machinery)と共同開催されました。本年度は約250名が参加し、活発な議論が行われていました。セッション構成を表1に示しますが、7件のキーノートスピーチ、4件のパネルセッション、3件のワークショップ、3件のミニコースと20件のテクニカルセッションが行われました。キノートセッション以外は4パラレルセッションで行われました。

        表1 WCEAM2017のセッション構成

1wceam2017

 センシング・モニタリング関連のセッションは紫で示した4セッションがありました。今回NDT & AE in Condition Monitoringのセッションが設けられ、RIMSプロジェクトのメンバーである京大の塩谷特定教授が” Advanced NDT contributing performance evaluation of civil structure”と題する招待講演(写真3:塩谷先生の講演の様子)を行われるとともに、東芝の渡部氏がRIMSの成果の発表(写真4:渡部氏講演の様子)を行いました。

3

           写真3 塩谷先生講演様子

4

            写真4 渡部氏講演の様子

 アプリケーション関連のセッションとしては、緑で示したPublic Assets(鉄道、道路含む)、Energy Assets、Water Assets、Defence Assets、Health Infrastructureの5セッションがありました。Assets Managementの対象としては発表件数からも分るように、石油、石炭、風力、水力等の発電施設を含むEnergy Assetsが最も多いことが分かりました。その他としては、上下水道関係のWater Assetsが次に多く、鉄道、道路を含めたPublic Assetsが次に続くことが分かりました。現在オーストラリアでは艦船の老朽化が進んで、更新の計画があることから、今回はオーストラリアから4件のDefence Assetsの発表がありましたが、これは特殊事例と考えて良いと思います。これらのことから道路インフラモニタリング技術の大規模インフラへの展開に関してはEnergy Assetsへの展開が最も有力なことが分かりました。

 WCEAM2017としては、今年度から会議アプリを採用して、プロシーディングレスが図られていました。会議アプリに関しては、畜産関係の国際会議のブログ(http://www.nanomicro.biz/mems/2016/08/precision-dairy.html)でも紹介しましたが、世界的に広がりつつある印象を受けました。また、今回Video Conferencing Presentationとして、Skypeを使ってイギリスからの講演を受け付ける試みもなされていました。

 次回のWCEAM2018は2018年9月24日~26日にノルウエイのStavangerで開催予定です。

(2)技術展示会

 今回、RIMS技術を道路インフラだけでなく、大規模インフラに展開するため、上記のように幅広いインフラ(Assets)に関するAssets Managementが扱われているWCEAM2017の技術展示会に技術研究組合NMEMS技術研究機構として出展を行いました。出展を行うにあたり、費用対効果を考え、出展者ではなくブロンズスポンサーとして出展を行いました。ブロンズスポンサーになったため、学会のHPからRIMSのHPへのリンクがはられたり、学会においても、オープニングやクロージングにおいて紹介(写真5:オープニングでの紹介スライド)されたり、ウエルカムレセプションにおいて紹介する機会(写真6:ウエルカムレセプションによる武田のプレゼンの様子)が与えられたりして、効果的に広報をすることができました。

5

        写真5 オープニングでの紹介スライド

6

    写真6 ウエルカムレセプションによる武田のプレゼンの様子

 展示ブースの全景を写真7に示します。写真7、写真8に示すように、パネルにてRIMS技術の成果の紹介を行いました。オイルプラント等のマネージメントサイドの来場者が多数あり、RIMSで開発したセンサシステムに興味を持って頂き、RIMS技術のアピールができたと考えます。

7

      写真7 NMEMS技術研究機構の展示ブース全景

8

       写真8  NMEMS技術研究機構展示ブースの様子

 技術展示会では表2に示す13の企業・団体が出展を行いました。

             表2 出展者一覧

2_2

 コーヒーブレーク及びランチの会場の周りに出展(写真9:ランチタイムの展示会場の様子)することで、観客を確保するとともに、今回はスタンプラリーのように、各展示ブースを訪問するとシールが配られて、全ての展示のシールを集めた人にはクロージングにおいて、抽選で液晶テレビとノイズキャンセレーションヘッドホンが当たるというような企画も行われて、集客を増やす努力がなされておりました。

9

         写真9 ランチタイムの展示会場の様子

(3)ブリスベン、シドニーの長大橋調査

 今回WCEAM2017が開催されたブリスベンはオーストラリア、クイーンズランド州の南東部に位置し、シドニー、メルボルンに次ぐオーストラリア第3の都市です。市街地はブリスベン川の半島部に位置し、ブリスベン川には100m以上の長大橋が15橋、架かっています。今回会場に近いビクトリアブリッジ(写真10)、キャプテンクックブリッジ(写真11)、ストーリブリッジ(写真12)を調査しました。

10

         写真10 ビクトリアブリッジ外観

11

        写真11 キャプテンクックブリッジ外観

12

         写真12 ストーリーブリッジ外観

 ビクトリアブリッジは1969年に開通しました全長313mのコンクリート橋、キャプテンクックブリッジは1972年に開通しました全長555mのコンクリートボックス桁橋、ストーリーブリッジは1940年に開通しました全長777mの鉄骨トラス橋です。最も古いストーリーブリッジは77年経過しており、補修をしながら使用していました(写真13)が、モニタリングによる劣化診断までは行われていませんでした。

13

        写真13 ストーリーブリッジの補修の様子

 オーストラリアにおいてブリッジの構造健全性モニタリング(SHM: Structural Health Monitoring)が行われている代表として、シドニーのハーバーブリッジ(写真14)の調査を行いました。

14

          写真14 ハーバーブリッジの外観

 ハーバーブリッジは1932年に開通しました全長1,149mの鉄骨アーチ橋です。シドニーの中央ビジネス地域と北海岸の海峡に架けられた橋で、海水と強風に晒されているため、塗装をしても鉄骨の腐食(写真15)がひどく、1年中どこかで速乾性の塗料を使って塗装を行っている状態です。

15

      写真15 ハーバーブリッジ頂上付近のさびの様子

 また、温度差により頂上で18cmも高さが変化するため、ヒンジ機構でサポートされています。開通から85年が経ち老朽化が進んできていること及び交通量が増えてきていることから、バスレーンで重量の大きなバスが通過する第7レーンを支える800の構造部材に3個ずつのMEMS加速度センサを取りつけ、総数2400個のセンサを使った劣化診断モニタリング(サンプリングレート1500Hzまで可能)が非営利の研究機関であるNICTA(National ICT Australia)によって行われています。2400個のセンサからのデータは1日1TBにもなるため、センサのそばにスマートセンサノードを配置して、フィルタリングしてデータ量を削減しています。各ジョイント部が同期して動いている場合には問題はないですが、非同期で動いていることを検知して、AIをつかった解析により劣化診断を行っていました。但し、センサは有線のデイジーチェーンネットワークで接続されており、課題として、ワイヤレス化と自立電源が挙げられており、RIMS技術の展開が可能と感じました。

            (NMEMS技術研究機構 今仲行一、武田宗久)

| | コメント (0)

2017年8月24日 (木)

【平成29年08月の経済報告】

 本項は、マイクロマシン/MEMS分野を取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信しています。

 

13851929_2

                             

 真夏となり、平成2908月の経済報告をお届けします。

業務の参考として頂ければ幸いです。  

 内容は、以下のPDFをご参照下さい。

   

         「2017.08.pdf」をダウンロード

 

| | コメント (0)

2017年8月22日 (火)

NEDO先導研究に「空間移動時のAI融合高精度物体認識システムの研究開発(AIRs)」が採択される

 本研究開発は、NEDO「次世代人工知能技術の社会実装を目指した先導研究」として採択(2017年8月9日)された15件の中の一つとなります。


 本研究開発の提案は、国立大学法人東京大学、国立大学法人電気通信大学、国立研究開発法人産業技術総合研究所、オリンパス株式会社、株式会社デンソー及び一般財団法人マイクロマシンセンターが共同で行いました。

 NEDO採択情報は、以下のサイトを参照下さい。
 http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100814.html

一般財団法人マイクロマシンセンター

| | コメント (0)

2017年8月21日 (月)

MEMSセンシング&ネットワークシステム展の開催準備進む その2

 MEMS関連の技術・製品・アプリケーションを一堂に展示する「MEMSセンシング&ネットワークシステム展2017」の開催準備が進んでいます。
 
 名称:MEMSセンシング&ネットワークシステム展2017
     -IoTシステムの最先端技術展-
 会期:2017年10月4日(水)~6日(金)
 会場:幕張メッセ 国際展示場ホール7、国際会議場会議室302
 同時開催:InterOpto/LaserTech/BioOpto Japan/LED JAPAN/CEATEC
 URL:http://www.mems-sensing-network.com/

 開催内容を順次ご紹介しますが、今回は「国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム」及びい「MEMS協議会フォーラム」のプログラムをお伝えします。

------------------------------------------------------------------
 名称:国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム
  スマートセンシング&ネットワーク(SSN)研究会 公開シンポジウム
 開催日時:2017年10月6日(金)12:30-16:40
 趣旨:"センサからのデータをつなぎそれらを有効活用する「超スマート社会」実現に向けて、様々な”スマートセンシング&ネットワーク”技術開発が必要であると考えられます。 今回、IoT、MEMS分野の国際的最新動向を紹介するとともに、医療、環境発電、時刻同期分野から、最新の役立つ情報を提供します。 "

オープニング    発表者
12:30-
12:35 
開会挨拶 東京大学教授
  下山 勲
セッション1  国際セッション IoT、MEMS分野の最新動向  
12:35-
13:05
CEA LETIにおけるIoT関連技術最前線 CEA Fellow
Dr.Marc   Duranton
13:05-
13:35
MEMS and NEMS Technologies for a Smart World  Dr.Mario Baum
13:35-
14:05 
SiTime MEMS Oscillator Technology ㈱メガチップス
  米田 秀樹
14:05-
14:35 
Metal Oxide Gas Sensing Material and MEMS Process Vice President
Mr.Collin Twanow
14:35-
14:45
休憩   
セッション2  SSN研究会公開シンポジウム
 スマートセンシング&ネットワークの目指す世界
 
14:45-
15:35 
IoTを駆使したスマート治療室SCOT 東京女子医大
 教授
  村垣 善浩
15:35-
16:05 
 超小型原子時計の最新展望 首都大学東京
 教授
  五箇 繁善
16:05-
16:35
 熱電発電の最新動向と課題 産総研
 熱電変換G長
  山本 淳 
クロージング    
16:35-
16:40
閉会挨拶 MMC専務理事
 長谷川 英一

----------------------------------------------------------
 名称:MEMS協議会フォーラム
 開催日時:2017年10月4日(水)13:30-16:10
 趣旨:"一般財団法人マイクロマシンセンター MEMS協議会(MIF)はMEMS関連企業をメンバーとするビジネスコミュニティです。 本セミナーではMEMS協議会の活動報告を通じ、注目すべきトピックスにつき報告します。 セッション1はセンサとモジュールのインタフェース標準化によりプラグインのスマートセンシングを目指す研究開発、セッション2はわが国有数のMEMSファンドリーとなったMNOICでは何ができるのか、セッション3はMEMS関連の主要国際会議であるTransducers2016とMEMS2017の発表から世界のMEMS関連研究動向を、セッション4ではMEMS関連市場についてそれぞれ報告します。"

オープニング    発表者
13:30-
13:35 
開会挨拶 MMC副理事長
 青柳 桂一
   
13:35-
14:10
セッション1
 センサネットワーク時代に向けたSSI(スマートセンシングインタフェース)標準の研究開発
MMC
 標準部長
 大中道 崇浩
14:10-
14:35
セッション2
 MNOICが提供するMEMSオープンイノベーション
MMC MNOIC
 開発センタ長
 荒川 雅夫
 休憩  
15:00-
15:35 
セッション3
 国際会議におけるMEMS関連研究の動向
立命館大学
 教授
 小西 聡
15:35-
16:10 
セッション4
 MEMS関連市場の最新動向
MMC
 産業交流部長
 今本 浩史

 成果については展示会場ブースにおいても展示・説明を行っておりますので、是非お立ち寄りください。
                    <成果普及部 水島 豊>

| | コメント (0)

2017年8月 9日 (水)

MEMSセンシング&ネットワークシステム展の開催準備進む(10月4日-6日)

 MEMS関連の技術・製品・アプリケーションを一堂に展示する「MEMSセンシング&ネットワークシステム展2017」の開催準備が進んでいます。
 
 名称:MEMSセンシング&ネットワークシステム展2017
     -IoTシステムの最先端技術展-
 会期:2017年10月4日(水)~6日(金)
 会場:幕張メッセ 国際展示場ホール7、国際会議場会議室302
 同時開催:InterOpto/LaserTech/BioOpto Japan/LED JAPAN/CEATEC
 URL:http://www.mems-sensing-network.com/
 
 開催内容を順次ご紹介しますが、今回は「研究開発プロジェクト成果報告会」のプログラムをお伝えします。
 
 名称:研究開発プロジェクト成果報告会
 開催日時:2017年10月5日(木)10:30-16:10(昼休み1時間を含む)
 趣旨:工場の操業状況や道路インフラ構造の健全性などを確認するために、センサをいたるところに配置し、無線ネットワークで測定データを集めるIoT(Internet of Things)が注目されています。本セミナーでは、NEDOや国から受託し、研究開発を進めているプロジェクトについて報告します。

オープニング    発表者
10:35-
11:15 
 特別講演
(仮)”Connected Industries”に向けた我が国製造業の課題と取組
経済産業省
 参事官
 徳増 伸二
第一部    
11:15-
12:15
 超高効率データ抽出機能を有する学習型スマートセンシングシステム(LbSS:Learning based Smart Sensing System)の研究開発 東京大学教授
 藤田 博之
12:15-
13:15
 昼休み  
第二部    
13:15-
14:15 
 道路インフラの統合的な常時監視を実現するモニタリングシステムの研究開発成果発表 東京大学教授
  下山 勲
14:15-
14:45 
 センサ端末同期用原子時計(ULPAC:Ultra-Low Power Atomic Clock)の研究開発成果発表  産総研
 柳町 真也
14:45-
15:00
休憩   
第三部    
15:00-
15:50 
 ライフラインコアモニタリングシステムの研究開発成果発表 東京大学教授
 伊藤 寿浩
第四部    
15:50-
16:10
空間移動時のAI融合高精度物体認識システムの研究開発 東京大学教授
  下山 勲

 成果については展示会場ブースにおいても展示・説明を行っておりますので、是非お立ち寄りください。
                    <成果普及部 水島 豊>

| | コメント (0)

2017年7月21日 (金)

IoT World 2017参加報告

 2017年5月16日-18日開催されたIoT World 2017に参加してまいりましたので、ご報告を致します。IoT World 2017は、毎年5月に米国・サンタクララで開催される米国最大級のIoTに関するイベントとなります。イベントでは、主にヘルスケア・農業・ファクトリー分野における講演、ブース展示が実施されていた他、コネクティッドカーに関する展示エリアが併設されておりました。今年は来場者数が約11000人となり、スタートアップ企業の参加も約80社となる等、会場全体で盛り上がりを見せておりました。
               
                  
                  


図 1 開催地であるシリコンバレー近辺の街並み
                  


 本イベントは講演・技術展示ブースともに米国現地企業によるものが多く、展示説明員からヒアリングを行うことでR&D段階の技術が米国のユースケースに今後どのように適用されるか把握することができ、米国のユースケース適用に関する動向調査を行ううえでも最適なイベントでした。
                  
                  
                 

 
図 2 会場入り口の様子
                  


 本イベントのブース展示は、医療制度や農業の社会問題に課題点が多い米国らしく、ファクトリーの可視化・予兆保全よりも、ヘルスケア・農業分野におけるユースケースに関わる展示が多いように感じました。また、可視化においては、デバイスマネジメントやセンサデータ表示を行うダッシュボードと呼ばれる統合管理画面におけるユーザインタフェースに力が入れられており、グラフや数値データ表を配置する従来のダッシュボードだけでなく、CADを開発するAutodesk社による3Dのダッシュボードなどが、来場者の目を引いておりました。3Dや映像データを配置するグラフィカルなダッシュボード画面は、単にレイアウトとして見やすいだけでなく、現場管理者が、火の色といったアナログな映像データを見ることで、目視確認で状況把握を即座に行えます。その後、現場管理者は、把握した状況に応じて他部門や他作業員に指示を送る際に、他部門や他作業員に行う説明を補強するための材料として数値データを用いることができます。こうしたケースでは、映像データや数値データを揃えるだけでなく、ユースケースにおけるデータの関係性が一目で把握できるレイアウトや画面遷移が鍵になると感じました。ダッシュボードは現場管理者だけが理解できる画面では意味がなく、障害発生時に原因から対策までを他部門と協力し、迅速な対応を検討するうえで必要なデータがどれだけ不足なく揃えられるかが重要です。また、映像データに関してもIoTゲートウェイやクラウドに蓄積すればよいだけではなく、確認したいタイミングで確認したい時間帯の映像データを検索できる仕組みが必要になります。今回参加した企業には、IoTゲートウェイやクラウドに転送し蓄積した映像データを必要な機会に検索できる仕組みを検討している企業も御座いました。
                  
                  
                  


図 3 講演会場の様子
                  


                  
                  


図4 各国の講演数(カンファレンス資料より算出)
                  


[講演]
 基調講演にありましたが、IBM社によりますと、クラウド等に収集されるデータの9割は直近2年以内に生成されたデータで占められているようです。

 蓄積されるデータ量は年々増加しておりますが、データ量が大きくなることで、予兆保全はおろか、可視化を行うためだけのデータ検索処理のレイテンシも無視できなくなってきます。エッジコンピューティングには、未加工のフォーマットのデータや、サンプリングされていないデータを扱える利点もあるため、IoTゲートウェイで処理を行うことで、より高度な分析処理が行える可能性がありますが、エッジコンピューティングを行うIoTゲートウェイは、クラウドよりもハードウェア性能が低いことが多く、マイクロバッチ処理のような複雑なウィンドウ集計を行う必要が出てきた際には、高い応答性能を出すことが難しくなると思われます。

[展示ブース]
 今回、動向・技術調査を実施したなかから、LbSS研究のエッジコンピューティングと関係がありそうな技術展示物1件を、ご紹介させていただきます。

 HPE社では航空機の遠隔監視に特化したユースケースにおいて、約2900機の航空機から集められたセンサデータのうち、直近の60分間のフライトデータ(高度、軌跡、等)をリアルタイムに可視化するデモを実施しておりました。こちらのデモでは、合計レコード数として約1782万件のデータから、時系列を考慮した大量のフライトデータを検索していたようです。

 直近60分間のフライトデータを可視化する場合、高度や軌跡、その他の航空機に据え付けられた数多くのセンサを分析する必要があるため、一度の検索で対象となるデータの範囲が広くなります。また、航空機の場合、障害発生時の原因調査が厳しく行われるため、航空機の時系列データは取得間隔の短く、精度の高いデータが要求されており、データ量も大きくなるため、大量のデータに対する高頻度な検索に耐えられる仕組みが必要となります。

 IoTゲートウェイの場合、センサ側のインタフェースから入力されるセンサデータ転送量が大きく、WAN側のインタフェースから出力されるセンサデータのデータ転送量が小さい場合、IoTゲートウェイでは未処理のデータをどのように管理するか考慮しなければなりません。また、センサデータを多角的に分析する場合は、特定のセンサデータを何度も検索することになりますが、大量のデータに対する読み書き処理がIoTゲートウェイのボトルネックになることで、データ欠損、処理遅延、データの矛盾、等、様々な問題が生じてきます。エッジコンピューティングでは、ストリーミング処理を高速に行うことが求められますが、ユースケースによっては性能がシステム全体に及ぼす影響も大きくなり、ミッションクリティカルな制御システムに関してはレイテンシが許容できなくなる可能性もあります。
 今回、エッジコンピューティングにおけるストリーミング処理の技術デモの展示は、この1件だけのように見受けられました。しかし、インメモリ・時系列データベース分野の技術開発により、ストリーミング処理で大量のデータを低いレイテンシで行うことが可能になってきているため、今後のIoT Worldでは、大量データをエッジコンピューティングで扱うユースケースの技術展示が一気に増えるのではないかと感じました。
                  
[全体を通して]
 今回ファクトリーの可視化・予兆保全の技術展示が少ない印象だったのですが、現地でヒアリング調査を行ったところ、米国の工場も日本と同じような課題が見えてきておりました。米国の工場でも、産業機器に接続されているPLCの出力インタフェースが古く、PLCの分析結果を取得し、クラウドで可視化を行うことは容易ではないようです。PLC内部のロジックとしては高度な統計処理が為されているため、PLCのデータをフルに活用できれば、現場作業員による目視確認以上のデバイスマネジメントが可能になるはずです。機械やセンサの相互通信に関して標準化された技術のPLCへの導入も進んできており、スマートファクトリーに参入する壁も低くなってきていることから、米国でもファクトリー分野に関する技術展示が今後増えてくるものと思われます。

[次回開催]
 今回の技術・動向調査で得られた結果はベンチマークとしてフィードバックし、研究・開発を継続してまいりたいと思います。次回のIoT World 2018は、2018年5月14日~17日で開催が予定されております。

         技術研究組合 NMEMS技術研究機構 相見 眞男
                  

| | コメント (0)

【平成29年07月の経済報告】

ここに記事を記入してください 本項は、マイクロマシン/MEMS分野を取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信しています。

 梅雨も明け、夏祭りのシーズンが近づいてきていますが、その中平成29年07月の経済報告をお届けします。
業務の参考として頂ければ幸いです。  
 内容は、以下のPDFをご参照下さい。

   2017.07.pdf をダウンロード

| | コメント (0)

2017年6月27日 (火)

MEMS協議会推進委員会、メンバー交流会を開催しました。(2017/6/26)

 平成29年度のMEMS協議会の活動計画を審議するMEMS協議会推進委員会を6月26日、秋葉原のテクノサロン(MMCの7F)にて開催しました。経済産業省・産業機械課、研究開発課、情報通信機器課および新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)さらに産業技術総合研究所からのご来賓を交えて、MEMS協議会正メンバー会員企業14社が集まりました(写真1)。


写真1 MEMS協議会推進委員会

 最初にMEMS協議会山西健一郎会長(当センター理事長、三菱電機取締役会長)による主催者挨拶があり、最近のトピックスとして1つはスマートセンシング&ネットワーク研究会(SSN研究会)に関するもので、3つのWG活動が昨年度3つの国家プロジェクトに採択されたこと、さらに新たな研究開発のために、WGを3つ設置し、新テーマ発掘に努めていること、二つ目は、設立から7年目のMNOIC事業が、順調に事業量を増やしているものの、設備の老朽化など課題も出てきており、MNOIC未来構想タスクフォースを設置し、検討を開始したことを述べました。

 その後、経済産業省産業機械課長の片岡隆一様からのご挨拶として、経済産業省は様々なつながりにより新たな付加価値が創出される産業社会実現を目指し、“Connected Industries”構想を推進しているが、ここに集まっている企業は、その活躍の場をますます増やすであろうという期待を述べられました(写真2)。


写真2 経済産業省 片岡産業機械課長 来賓挨拶


 MEMS協議会推進委員会では、小川治男MEMS協議会副会長(オリンパス専務執行役員)を委員長とし、今年度の活動計画並びに各社で取組んでいる研究開発状況などについて活発な議論が進められ、活動計画は原案どおり承認されました。引き続き行われたメンバー交流会では、アソシエートメンバーと個人会員も含め約60名を超える参加者があり、“Connected Industries”の推進に向け各企業は何ができるかなど、積極的な情報交換が行われました(写真3)。最後にMEMS協議会副会長伊藤寿浩東大教授の中締めのご挨拶と一本締めで、本交流会が終わりました。


写真3 メンバー交流会
                
                   (MEMS協議会 渡辺 秀明)

| | コメント (0)

2017年6月26日 (月)

国際会議Transducers2017参加報告

 2017 年 6月 18日~22日の 5日間にわたり台湾・高雄(Kaohsiung)で開催された、隔年開催の Transducer 技術に関する国際会議で ある、International Conference on Solid-State Sensors, Actuators and Microsystems(Transducers2017)に、センサ・MEMSデバイスの標準化のための技術調査の目的で参加しました。他業務との兼ね合いもあり、開催期間のうち、6月 20日~22日の3日間、学会を聴講してきました。4つのパラレルセッションにて構成された口頭発表に加え、ポスターセッションならびに関連技術の各社・各機関が出展する展示会も開催され、本技術分野に関する最先端の研究発表が世界各国から結集し、非常に活況を呈していたことが印象に残りました。6月21日の夜には、Grand Hi-Laiホテルの大ホールで開催された学会主催のバンケットに参加することができ、チャイニーズ・シンフォニー・オーケストラの見事な演奏もあり、こちらも大盛況でありました。


開催会場である台湾・高雄エキジビションセンターのエントランス
 
 マイクロマシンセンターでは、「国内外技術動向調査」という取り組みとして、技術進歩が著しい国内外のマイクロマシン/MEMS分野等の研究動向、技術動向を的確に把握するため、MEMS分野の著名な国際会議等をターゲットにした定点観測的な調査を例年行っております。Transducers2017もこの調査の対象学会であり、本分野の有識者から構成される国内外技術動向調査委員会の委員の方々により、学会の発表内容の調査が行われ、報告書に纏めております。従って、今回のTransducers2017で発表された技術の詳細・分析結果については、この「国内外技術動向調査」の報告書で改めて報告するため、本ブログ執筆者の今回の学会参加の感想をお伝えするに留めさせていただきます。


Grand Hi-Laiホテルで開催された学会主催バンケット

 執筆者は、IoT(Internet of Things)向けセンサ技術やエネルギーハーベスト技術に関心があり、本学会に参加することで各種センサを実現するMEMS技術の動向が把握できたことは有意義でした。ここでは各論には踏み込みませんが、個人的に印象に残ったのは、“CMOS”セッションでした。本セッションでは、MEMS-CMOS集積化の取り組みについて幾つか報告がありましたが、台湾TSMC社からは「12 INCH MEMS PROCESS FOR SENSORS IMPLEMENTATION AND INTEGRATION」というタイトルで発表がなされました。MEMSセンサでは、MEMSプロセスでのセンサ形成に加えて、センサ出力を読み出すためには、シリコン半導体CMOSプロセスによる読み出し回路が必要です。本発表では、12インチでのMEMSプロセスウエハと、12インチでのシリコン半導体CMOSウエハを、積層してMEMS-CMOS集積化を行う試みが報告され、共振器、加速度センサ、ピラニ真空計の3種のデバイスを例として、前記方法で実際にMEMSデバイスの試作を行ったことが紹介されました。IoTセンサの普及が本格化する将来に、このような手法での大量・安価なMEMS-CMOS集積センサ製造がどこまで主流となっていくのかが興味深いところです。IoTセンサでは少量・多品種への対応がしばしば必要とされる可能性もあり、CMOSとMEMSのマルチチップでの集積化も残っていくのかという観点です。ファウンダリ各社の今後の動向にも注目したいところです。

 エネルギーハーベスト技術については、“Energy Harvesters”というセッションが設けられ、様々なアプローチでのエネルギーハーベスト技術の発表6件が行われました。IoTセンサの自立発電動作化を実現し、センサ動作・センサ制御・そのセンサ出力の無線伝送をも、自立電源動作させるためには、各部分の低消費電力化の取り組みとともに、エネルギーハーベスト技術は非常に重要な技術分野です。引き続き、技術の進展を見守っていきたいと思います。

 今回は、本ブログ執筆者が本学会に参加した感想のみ記させていただきました。前述のように、当センターでは、「国内外技術動向調査」の取り組みの中で、本分野の有識者から構成される委員の方々により、本学会Transducers2017での発表内容詳細の調査・分析を今後進めていきます。

(調査研究・標準部 大中道 崇浩)

| | コメント (0)

«【平成29年06月の経済報告】