2011年8月11日 (木)

BEANSもはや4年目をむかえ

BEANプロジェクトではこの4月から5月にかけて、十名以上の研究者とスタッフが入れ替わりました。この中には出向元に帰任した人、その代わりに派遣された人、あらたにBEANS研究員、職員に登用された新人など色々な方が含まれます。これまでにたくさんの優れた成果を出してくれたベテラン研究者が抜け、一時はどうなるかと大変心配しました。
幸い、いまは研究業務の停滞・遅延も特段になく順調に進展しております。新旧による仕事の引き継ぎがスムーズにおこなわれたことは、BEANSなればこそと少し自慢したい気分です。さて、プロジェクト活動ですが期間は残すところ一年半余となりました。この後は雲の上のゴールを目指して一直線に駆け上るだけです。だが、プロジェクトや研究者にとってはここが辛抱の時期でもある。頂上は見えていても簡単には登らせてくれない、胸付八丁の険しい道がまだ待っているからです。これを乗り越えるのは最早体力でも技量でもはなく、ただ使命感と志しのみと考えています。プロジェクト発足当時全員一丸となったあの不思議な熱気、これは何処からきていたのかを思い起こします。これから予想される厳しい局面に自らが奮い立ったのか、それともひと時の集団意識か。どちらにしてもこれからも全員が新たな意気込みでBEAN成果の集大成を目指して、それぞれのミッションを達成してもらえればと切に願っています。

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2011年6月 9日 (木)

2011年度BEANS総合研究会報告

 BEANS総合研究会が経済産業省,独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から御来賓をお迎えして,2011516日の午後から17日の1.5日間,神奈川県横浜市のMELONDIAあざみ野にて総勢80名の参加により開催されました.本総合研究会は各テーマ,研究員の昨年度研究開発報告,各拠点間の技術融合による新技術創出,BEANSが創出する未来に関する議論,及びプロジェクト内協力,競争力の向上を目的として実施されました.

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 16(1日目)は来賓ご挨拶,遊佐プロジェクト・リーダー挨拶,グループディスカッション,平成23年度第1回プロジェクト推進連絡会,第1回技術研究委員会が実施されました.

 プロジェクト・リーダー挨拶では総合研究会の目的と主旨についての意義の確認,および最終目標に向けた研究計画の遂行力の強化について,プロジェクト研究員が全員一丸となって目標クリアに向けて注力することが重要であるとの話がありました.

 グループ・ディスカッションでは竹井副所長のコーディネイトにより,各拠点センターの研究員を産官学が融合する形で研究員を6つのグループに組織し,“がんばろう東北! がんばろう日本! BEANSがめざす「人・生活・地球」への貢献”と題してグループ・ファシリテーターを中心として各グループにキーワード,サブテーマに従ったディスカッションが行われました.その後は食事を挟み,各研究テーマに関する議論が深夜まで交わされていました.

 グループ・ディスカッションと並行してプロジェクト推進連絡会/技術研究委員会が開催されました.NEDOから平成23年度プロジェクト推進方針,プロジェクト・リーダーによるPL方針説明の後,各センターの今年度実施計画が発表されました.また,トピックスとして2件の技術講演(九州工業大学宮崎教授,東京大学三田准教授)が行われました.

  17(2日目)はポスター成果発表,グループ・ディスカッション報告,口頭研究発表,優秀ポスター賞,優秀研究表彰が行われました.

 ポスター形式発表のためのインデクシングを実施後,ポスター形式による昨年度研究成果発表が行われました.

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 ポスター形式による昨年度研究開発報告は36件ありました.各研究員は優秀ポスター発表を目指して,各自の持ち時間ポスター発表を行い,多くの有効な議論が交わされていました.

 2日目午後には,グループ・ディスカッションの結果が参加者全員に紹介されました. 

 口頭研究発表では,各センター長推薦による以下の研究員の優秀研究発表が行われ,活発的な質疑が交わされました.

  • Life BEANSセンター  松井等
  • Life BEANSセンター九州  種田将嗣
  • 3D BEANSセンター       嶋田友一郎
  • Macro BEANSセンター  今井孝彦

 表彰式では上記研究員の他,以下の優秀ポスター賞の表彰も行われ,遊佐プロジェクト・リーダーより表彰状が手渡されました.

  • 最優秀ポスター賞 百瀬健
  • 優秀ポスター賞  小島伸彦,高橋正幸,許允禎

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 最後にBEANSプロジェクト・サブプロジェクトリーダーである東京大学藤田先生から,総合研究会の総評として,BEANSと異分野融合に係わる研究についての講演を頂き,散会となりました.

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2011年4月15日 (金)

本年度の技術研究組合BEANS研究所事業計画について

 技術研究組合BEANS研究所では、4年度目に入ったBEANSプロジェクトを着実に推進し、更なる成果を上げることを目標に研究開発事業を実施してまいります。

【基本的なスタンス】
 全世界的課題として環境エネルギー問題への対応が国や産業毎に強く求められており、革新的次世代デバイスの実用化においては製造プロセス自体の省資源や高効率な製造プロセスの実現による低環境負荷化が期待されています。併せて、東日本大震災の復興や被災者対策にも活用できる環境・エネルギー、健康・医療、快適・安心・安全に資する革新的デバイス群の創出も要請される観点です。

 このため、技術研究組合BEANS研究所が実施するBEANSプロジェクトは、サイエンスとエンジニアリングを融合させ、将来の革新的次世代デバイスの創出に必要な新しいコンセプトに基づき、基盤的プロセス技術群を開発し、かつ、そのプラットフォームを確立することを目的として平成23年度事業を実施します。

 さらに、本年度においては、低炭素社会づくりに貢献する高機能MEMSセンサおよびそれを活かしたネットワークシステムの構築と、革新的次世代デバイスの実用化における低環境負荷型製造プロセス技術を確立することを併せて実施します。

【平成23年度事業計画における主な研究内容】
 平成23年度は以下の事業を推進する。

●研究開発項目①:バイオ・有機材料融合プロセス技術の開発
 ①バイオ・ナノ界面融合プロセス技術
 ②バイオ高次構造形成プロセス技術
 ③有機・ナノ界面融合プロセス技術
 ④有機高次構造形成プロセス技術

●研究開発項目②:3次元ナノ構造形成プロセス技術の開発
 ①超低損傷・高密度3次元ナノ構造形成技術
 ②異種機能集積3次元ナノ構造形成技術

●研究開発項目③:マイクロ・ナノ構造大面積・連続製造プロセス技術の開発
 ①非真空高品位ナノ機能膜大面積形成プロセス技術
 ②繊維状基材連続微細加工・集積化プロセス技術

●研究開発項目④:異分野融合型次世代デバイス製造技術知識データベースの整備

以上



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ちょっと明るいニュース

この4月にプロジェクト関係者で転任や昇進された主だった方をご紹介します。
先ず、大学の先生ですが、九工大のM先生が教授に昇進、また東大のK先生が古巣の東北大へ準教授として栄転、同じくM先生も講師へ昇任しました。慶応大ではM先生が准教授に昇任しました。そして京大のO医師は医学部から東大・工学研究系の准教授へと華麗な転進を図りました。いずれの先生方もプロジェクト発足時からBEANS研究テーマに深く携わって頂いた方々です。云うまでもなくこの昇進はこれまでの研鑽と学術貢献が評価された結果ですが、その中にBEANS成果も含まれているのではないかと推察しております。加えてポスドク研究員では、東大M氏が出身研究室の助教に、産総研のS女子が研究職員に登用されるなど、若手研究者もキャリアーアップを図ることが出来ました。他にプロジェクト管理部門では、M電機から出向のT部長が産官学連携プロジェクトマネジメントの実績とスキルを高く評価されて東京本社へ栄転しました。このようにBEANSプロジェクトに関わっている多くの方が栄転や昇進されて、責任ある役職へ確実にステップアップしてゆく姿をそばでみられるのは大変楽しみであります。今後、更なる活躍を期待して、心から応援したいと思います。

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2011年4月14日 (木)

今、BEANSで出来ること

東日本大震災からもう一か月が経ちましたが、被災地や災害に遭われた方のことを思うと、まだまだ胸の痛む日々が続きそうです。さいわい、BEANSプロジェクトについては産総研ツクバと東大駒場の研究拠点が軽微な被害ですんだので、研究活動への影響は夏場の電力節電以外になさそうです。しかし、プロジェクトが最終ゴールに向かって折り返しをした矢先なので,研究者のモチベーション低下やメンタルヘルス面でなにか影響が現れるのではとちょっと心配しています。一方、今も被災地で復旧・復興活動に不眠不休で取り組んでいうる人々を思うと、元気や勇気づけにプロジェクトとしてできることは何かを考えます。被害に合わなかった人や組織ができることはボランティア活動・節電・義援金・企業活動、組織の活性化などたくさんあります。そして、大切なことは一人ひとりがこれまで以上にやれることに取り組むことではないかと思います。とくに国プロのように研究資金を公費で賄ってもらっている場合はなおさらです。国民の一人としては国難とも云うべきこの非常時に研究開発よりも復旧・復興事業を優先して欲しい気持ちです。一方において日本の科学技術の進展をこの震災で停滞させたくない理性もあって、この狭間で複雑な心境になります。プロジェクトもこれから研究予算の見直し、削減や節電などいろいろな震災対応が迫られかもしれないが、これを前向きに受け止めたい。今、BEANSとしてできることは、被災地の窮状や被災者の心情を想って、与えられた使命や目標の達成にこれまで以上に頑張ることしかないのではと思う。この地道な努力がいづれ日本経済の復活や産業力の強化の助けになると信じています。

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2011年4月11日 (月)

Gデバイス、低環境負荷社会に向け大きな成果を得て終了

H21年度補正予算としてNEDOプロジェクト「異分野融合型次世代デバイス製造技術開発事業(BEANSプロジェクト)」に新たに加えられた研究課題「高機能センサネットシステムと低環境負荷型プロセス開発」略してGデバイスは、H22年度4月より1年間の短期集中課題として実施、先月3月に当初の狙いを完遂して終了しました。技術研究組合BENS研究所に6社の企業と、開発拠点の中心である産業技術総合研究所、関西拠点としての立命館大学が新たに加わり、企業15社とマイクロマシンセンター合計18団体が集い取り組んだものです。いわゆるMEMSセンサを用いたきめの細かいセンサネットワークシステムにより半導体やMEMSプロセス用クリーンルームのエネルギー削減、プロセスそのものの高効率化、低環境負荷化というグリーンイノベーションに向けた喫緊の取り組み課題をつくばイノベーションアリーナ(TIA)で、最先端8インチMEMSラインを実験場として導入し実施しました。BEANSプロジェクトの成果の一部の実証としてセンサデバイスへの可能性の検討や8インチプロセスラインでの特性、形状評価なども開発に取り組みました。

その成果については、2月に産総研つくば中央の共用講堂で行いましたInternational Workshop on Green Devices and Micro Systems 2011(GDMS2011)においていち早く一般に公開し、多くの参加者を得て高い評価を戴きました。今回の取り組みは、グリーイノベーション推進の強力な手段としてきめの細かいセンサネットワークによるエネルギーマネジメントが重要であることを半導体MEMS製造ライン、他で先駆的、実証的に示せたことが大きな成果といえます。加えて省エネルギーに向けて、クリーン空調だけではなく、製造装置そのものの強力な管理ツールとしても示せたことも重要な意義があるといえます。製造プロセスそのものの低環境負荷化に向けた取り組み指針を得られたことも意義があり、将来の国プロへの先導的な役割を果たすことができました。

ご協力いただきた多くの方々、温かいご声援をいただいたたくさんの方々に、この場を借りて御礼申し上げます。

                      小池

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2011年3月 9日 (水)

一足早い成果を

 プロジェクトでは年度末を迎えて,研究の追い込みや成果の取りまとめと日々忙しく 仕事をしています。毎年ながら従事者の皆さんには頭の下がる思いです。一足早い成果、これは残念ながら BEANS‘マメ’ではなくお米から生まれたものです。今年も一足早く収穫できました。ある友人と一緒に山形県の酒造会社に小さなタンクで特別にあつらってもらったお酒です。昨年収穫した山田錦を50%精米して仕込み、原酒を火入れをしないで、さらに袋取りと云って時間をかけてゆっくりと絞った純米吟醸酒です。ただの限定のお酒といえばそれまでですが、しかし、お酒は その年の原料米の出来や発酵の状態によって風味やアルコール度数が微妙に異なるため ここでしか手に入らない一品です。また、酒のオリジナルラベルに特長を込めています。BEANSのロゴマークの下に“a rich harvest from the BEANS project for2008-2012“と書きこんでいます。毎年、プロジェクト関係者に進呈して、今年の収穫を味わって貰っています。さて、ことしの出来ばいですが、昨年よりもいくぶん辛口に仕上がった感じです。やはり酷暑の影響でしょうかそれとも中間評価の 結果がお酒にもすこし響いたのかなと。

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2011年2月17日 (木)

GDMS2011開催-大雪の中大盛況

昨年よりNEDOの委託事業BEANSプロジェクトの中で、単年度での新たな研究テーマとして「⑤高機能センサネットシステムと低環境負荷型プロセスの開発」に関する研究開発をAIST集積マイクロシステム研究センター前田センター長を研究体長として、鋭意取り組んできました。3月の終了前に、現状でみえてきたその成果について内外に報告しようということで、International Workshop on Green Devices and Micro Systems(GDMS2011)を2月9日(水)、AISTつくば中央共用講堂で開催しました。

      
 

Oral Session事前登録は130名に上り盛況がが予想されましたが、当日関東地方は朝から大雪模様となり、出席者がすくなることが予想されました。ところが、当日の出足は順調で、最終的に参加者数146名となりました。グリーンイノベーションを主題にした本テーマへの関心度の高さと、当日合わせて企画したAISTつくば東の最先端8インチMEMSラインなどのラボツアーへの期待の大きさを示すものでした。最先端8インチMEMSライン及びそこに設置したオンデマンド型空調エネルギー制御システムは本研究開発の取り組みの一環で実施したものです。
  

   

当日のプログラムは、METI研究開発課 矢野研究開発調整官とNEDO機械システム部久木田部長がプロジェクトの位置付けと成果についての期待を込めたご挨拶のあと、環境利用エネルギーハーベスティングやRFMEMSの研究で著名なProf. Stepan Lucyszyn商業店舗などのエネルギーマネジメントに関する研究で著名な東大藤本教授の招待講演が行われました。

GDMS2011プログラム

10:20

Opening session,  Moderator R. Maeda
     T. Yano (METI), S. Kukita (NEDO)

10:30

Invited talks,  Moderator R. Maeda
     “Ambient Electromagnetic Energy Scavenging for Sensor Networks”, Prof. Stepan Lucyszyn, Imperial College of London
     “ Energy management in retailing business”, Prof. J. Fujimoto (Tokyo University)

11:30

Project overview:  Moderator T. Koike
     T. Toshihiro Itoh and S. Sugiyama

12:10-
14:30

Working Lunch
     Poster view of project details and topics from Inter university network
     Green 8 inch MEMS prototype station “TKB812” tour (A)

Special Tutorial  13:30-14:20)
     “Challenges and Progress in MEMS Energy Harvesters”, Prof. C. Lee (National University of Singapore)

14:30

Oral session:  Moderator T. Sakamizu
     “Green operation on demand (GOOD) for clean room”, K Ando
     “Development of Wireless Smart Multisensor Devices for a Green World”, A. Ranjith
     “MEMS Particle sensor for GOOD, H. Sven
     “Micro coil fabrication for ubiquitous power monitoring” Y. Zhang
     “Ultra Low Power Consumption IC for Green device”, T Fujimori
     “Environment Friendly MEMS process, D. D
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16:00-

Poster View and Green 8 inch MEMS prototype station “TKB812” tour (B)
Reception: Opening remark: S. Ichimura(AIST),  Closing remark: K. Aoyagi (MMC)

Poster Sessionそのあと、二つの研究拠点Gデバイスセンター(AISTつくば東)伊藤センター長、Gデバイスセンター関西(立命館大びわこくさつキャンパス)杉山センター長(立命館大杉山教授)が両拠点での取組みや成果の概要について報告がありました。さらに、昼食時に、ポスターセッションでの各テーマごとの報告、及び代表的テーマのオーラルセッションが行われました。どのセッションでも、最後まで多くの参加者が熱心に聴講及び意見交換が行われました。
 

 

最先端8インチMEMSライン見学は、3回に分けて実施されましたが、すべて、定員一杯で事前登録で締め切らせていただくほどでした。当日、装置メーカのポスター展示も好評でした。 → Gdevice Technical Reports
 

 協力頂いた全ての方々に深く感謝いたします。  小池

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2011年1月28日 (金)

雪の下で春を待つ・・

大寒に入り、寒い日が毎日続いています。北日本や西日本の人々は、近年まれにみる大雪に見舞われて、大変不自由な生活を強いられていることに同情します。今年、BEANSプロジェクトは方針や予算面で厳しい環境に取り囲まれています。昨年末に事業活動の中間評価が公表されました。個々の研究成果は高い評価を得ましたが、プロジェクト終了後の応産業用や実用化など全体評価ではやや辛い評点となりました。おそらくプロジェクトの特長である基盤技術の開発や異分野融合研究と云った概念は理解できても、実現する手段や具体的な成果展開のスキームが不明確であったのが理由かと思われます。昨今のプロジェクト出口指向の強まりをもっと意識して、成果の普及などを積極的にPRしなかったことを少し悔やんでいます。しかしながら、この3年間でBEANSは着実に成長し、たくさんの有用な成果が蓄積されて来ています。この厳冬期でも木々や花はもう春の準備を始めています。BEANSも雪の下で春の開花を待つ心境で、蕾をもっともっと大きく膨らませたいと願っています。

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2010年9月14日 (火)

BEANSプロジェクト中間評価審査を終えて

 さる9月10日(金)にNEDOによるBEANSプロジェクト中間評価分科会が開催されました。ここでプロジェクト発足から2年半にわたる事業活動や研究開発成果を研究評価委員の先生に評価をして頂きました。結果については後日公表されると思いますので、ここではプロジェクトとして中間評価への対応や事前の準備作業、また当日の会議の様子などについて私見を交えて報告します。
 NEDOではプロジェクト中間評価をスタート3年目に行います。BEANSプロジェクトが開始したのは平成20年7月なので、プロジェクト活動期間は実質24カ月しかなく、日程スケジュールが大変厳しい実施計画となっています。そこで、本年度のプロジェクト方針には中間目標の一部を前倒しして達成することを掲げました。正直言って昨年度の成果には中間目標からすこし逸れたテーマや、また今の状況のままでは目標達成が覚束ないものがありました。そのために、先ずは6月の総合研究発表会にてプロジェクトリーダーの方針を徹底させて、全メンバーに中間目標の必達とそのためのチーム力の結束をお願いしました。以後この3カ月間で、研究者の頑張りは目を見張るもので、研究スピードが急速に上りました。研究者皆さんの努力とそれを指導された研究センター長の熱意に敬意を払いたいと思います。その結果は7月28日から30日に行われたマイクロナノ2010での技術展示内容に現れました。昨年の展示会では研究コンセプトや先行研究事例だけの発表でしたが、本年度は各研究センターがプロジェクト成果物を漏れなく展示することが出来ました。加えて、同時に開催した第4回BEANSセミナーにおいて各研究センター長には中間評価を意識したプレゼンテーションをお願いしました。参加者はプロジェクトの進展状況を目のあたりにして、研究成果に納得していただけたと思います。また、会場には事前審査のため研究評価委員の先生も来場されておりましたので、プロジェクト成果をアピールする絶好の機会にもなりました。以上本年度4月から中間評価対応への一連の取組では首尾良い結果が得られました。
 次は、いよいよ中間評価分科会のための準備ですが、プロジェクト活動の集大成とも云えるプロジェクト事業原簿の作成が大変な作業でした。原簿にはプロジェクトの位置づけ、研究マネジメント、研究成果、実用化の見通しそしてテーマ成果の詳細を記述します。この作業は、原簿に最新の研究データをできるだけ盛り込みたいために、提出期限ぎりぎりまでが続きました。やっとA4紙で900ページにわたる草稿が完成しましたのは8月下旬でした。またこれと併せて分科会当日に用いる審査委員へのプレゼンテーション資料の作成も並行して行いました。この間にBEANSスタッフおよび研究センター長には色々と面倒な手作業をお願いしましたが、お陰さまで事業原簿は記述内容とボリュームともに大変素晴らしいもの出来と確信しています。(事業原簿はNEDOより公開予定ですので是非一読をお願いします。)

 いよいよ分科会当日ですが、NEDOプロジェクト関係者、審査委員、説明者あわせて約30名位が出席しました。午前中の公開の部ではプロジェクト全体概要の説明と質疑が行われました。NEDO渡辺主査とプロジェクトリーダーである遊佐から事業原簿の内容にそって50分ほどプレゼンテーションした後で審査委員から質問を受けました。質問の内容は主に事業の概要や研究開発マネジメントに関わるものでした。特に、プロジェクトの位置づけと目標設定の妥当性、また成果展開の方法は実施者と委員との間で活発な質疑応答があって、会議が終了したのは12時過ぎで、終了時刻を大幅にオーバーしました。議論が弾んだ理由は、ひとつは評価委員にとって本プロジェクトの目的がデバイス製造プロセス基盤技術開発とそのプラットフォーム構築と云う新しい概念であること、加えてこれまでのNEDOプロジェクトとはすこし異質な定性的な目標設定にあったと思われます。この議論は当初から想定しておりましたので、サブプロジェクトリーダーの藤田先生がプロジェクト背景や目標設定の経過そして他のプロジェクトとの相違点などを確認して、議論収拾の方向で午前の部は終了しました。午後の部は非公開の会議となります。ここでは研究センター長からプロジェクトテーマ総数8件にわたる研究成果の詳細を報告しました。トップバッターは竹内センター長がバイオ融合プロセス技術開発で2件を、引き続き有機材料融合プロセス技術で安達センター長が2件を、そして杉山センター長が3次元ナノ構造形成プロセス技術で2件、さらに木股センター長が宇宙適用次元ナノ構造形成プロセスで1件をそれぞれ発表しました。休憩を挟んでマイクロナノ構造・大面積連続製造プロセス技術で伊藤センター長が2件を そしてBEANS本部からは武田副所長がBEANS製造技術知識データベースで1件を発表しました。審査委員はBEANSの最新のホットな研究話題に興味と高い関心を持たれました。そのせいか午前中の議論とはまた雰囲気が変わって、それぞれ専門家の立場で研究成果の学術的な意義や産業技術の価値など幅広い視点から深い討論がなされました。
 そして、最後に全体を通しての質疑と講評がありました。ここでは、全委員がプロジェクト成果とその創出活動を高く評価をしていること、そして今後はプロジェクト成果の普及や展開のために目標や方向をより明確にして、そして日本のMEMS技術の発展への貢献と産業の国際競争力の強化にむけたシナリオを検討することへの要望がありました。
 最後に、プロジェクト実施者側としては、プロジェクトの狙いや目標値設定の考え方など説明不足と議論足らずの感じはありましたが、計画達成状況や学術的な意義、成果の普及やこれからの成果展開などの内容について十分満足のゆく説明が評価委員にできたと思っております。公式の評価結果がでるのは一カ月先となりますが、今はプロジェクト折り返し中間地点である重要ポイントを無事通過したことで内心ほっとした心境です。(プロジェクトリーダー 遊佐 厚)

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