2017年2月23日 (木)

内閣府SIP戦略的イノベーション創造プログラム(次世代農林水産業創造技術)「生体センシング技術を活用した次世代精密家畜個体管理システムの開発」平成28年度研究推進会議開催

 畜産センサ研究コンソーシアム(代表研究機関:国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)動物衛生研究部門)で実施している内閣府SIP戦略的イノベーション創造プログラム(次世代農林水産業創造技術)「生体センシング技術を活用した次世代精密家畜個体管理システムの開発」の全参画研究者が集い、その年度の研究成果を報告する場である平成28年度研究推進会議が2017年2月20日(月)につくば国際会議場中会議室201において開催されました。
 参加者は内閣府、農林水産省、経済産業省等関係省庁からの来賓および外部アドバイザー(富士通(株)とオリオン機械(株)の有識者)も含め58名が参集しました(写真1:研究推進会議の様子)。

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           写真1 研究推進会議場の様子
  
 これまでの研究推進会議では各参画研究機関から詳細な成果報告と討議を行ってきましたが、今回は来賓のご挨拶の後、各課題の推進リーダから3年間の成果まとめの報告と活発な議論がなされました。製品化という観点からすると課題間で若干の温度差はありますが、各課題とも当初予定したプロトタイプのセンサが完成し、実証試験により、有用なデータが得られたとの報告がありました。そして、最後に外部アドバイザーおよび野口PDから講評を頂きました。研究推進会議の議事次第を以下に示します。

Ⅰ.挨拶
 農研機構 動物衛生研究部門 部門長
Ⅱ.来賓挨拶
 内閣府 政策統括官(科学技術・イノベーション担当)付
 農林水産省 農林水産技術会議事務局
Ⅲ.全体説明
 新井研究代表
Ⅳ.各課題の成果説明
 1.繁殖成績向上のための精密個体管理システムの開発
  (1) 腟内及び体表温センサを用いた受胎向上技術の開発
  (2) 高機能センサを用いた周産期管理の省力化に向けた技術開発
  (3) アニマルセンシング情報の時系列解析を基にした牛の微弱発情検知
    及び周産期疾病予防システムの開発   
 2.高度飼養管理と生産病防除のための精密個体管理システムの開発
  (1) 多機能型ルーメンセンサを用いた生産病の診断及び飼養管理技術の
    開発
  (2) 体表温センサを用いた疾病診断法及び飼養管理技術の開発
  (3) 自律神経機能の乱れからストレス状態の初期の兆候を検知する技術
    の開発
  (4) 無線式pHセンサを用いたルーメンアシドーシスの病態解析と防除
    技術の開発
 3.次世代精密家畜個体管理システムの実現に向けた調査研究
  (1) 家畜管理システムに必要なセンサの現状と動向並びにビジネスモデ
    ルの調査
Ⅴ.アドバイザーコメント
 富士通株式会社 
  オリオン機械株式会社
Ⅵ.PDコメント 
 北海道大学大学院農学研究院   野口 伸
Ⅶ.意見交換会
 マイクロマシンセンターからは11県215件のユーザアンケート結果と経済効果の調査結果を報告しました(写真2)。

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       写真2 マイクロマシンセンターの報告の様子

 ユーザアンケートからはコストが安く、導入メリットが明らかでフォローアップ体制のしっかりしたセンサシステムに仕上げれば、本プロジェクトで開発中のセンサシステムを導入したいとの声が大きく、また、直接経済効果としては繁殖成績向上により513億円、高度飼養管理により2,712億円あり、産業連関分析による間接的波及効果は20分野で2,959億円であることが分りました。残念ながら、本年度でプロジェクトは終了するため、大規模実証まで実施することはできませんが、各課題とも開発した技術を元に新たなプロジェクト予算を獲得するとともに、製品化をさらに進め、農家の方の役に立つ技術に仕上げることを約束して、散会しました。

 本研究は、内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「次世代農林水産業創造技術:(管理法人:農研機構生研支援センター)によって実施されました。

(一般財団法人マイクロマシンセンター 武田宗久)

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2017年2月22日 (水)

【平成29年02月の経済報告】

本項は、マイクロマシン/MEMS分野を取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信しています。

 平成2902月の経済報告をお届けします。

業務の参考として頂ければ幸いです。  

 内容は、以下のPDFをご参照下さい。

 

      「2017.02.pdf」をダウンロード

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2017年2月20日 (月)

第5回海外調査報告会を盛況に開催

 第5回MEMS協議会海外調査報告会を1月30日に新テクノサロンで開催し、約50名の方にご参加いただきました。このイベントはマイクロマシンセンター/MEMS協議会(MIF)が行っているMEMS関連の海外調査及び国際標準化の最新状況について国際交流事業の一環として報告するものです。毎年のように北米や欧州を中心に学会等のイベント、海外の大学や研究施設、関連企業の訪問見学の報告を行ってきましたが、今回は前回に引き続き、欧州の橋梁モニタリングに関連する報告を、特別報告として企画致しました。

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写真1 会場の様子

 MEMS協議会事務局長・長谷川英一からの主催者挨拶のあと、最初の報告は特別報告として「欧州における橋梁モニタリングの現状と動向」と題して技術研究組合NMEMS技術研究機構の中嶋正臣氏から、エジンバラ大学をはじめとした研究機関やConnect Plus Serviceといったインフラ管理のコンソーシアムとの橋梁モニタリングに関するディスカッションや、Forth Bridge及びForth Road Bridge等の橋梁での現地調査の報告がありました。最初にNMEMS技術研究機構が中心になって推進している国家プロジェクトであるRIMS:ROAD Infrastructure Monitoring Systemの説明がありました。これは最先端MEMS技術を駆使して開発されたスーパーアコースティックセンサと言う高周波を発するアコースティックエミッションから低振動まで広い帯域を網羅するスーパセンサや、大面積センサ等の橋梁モニタに特化したセンサデバイスを使った社会インフラモニタリングを行う活動です。

 今回の目的としては、日本より先行していろいろな活動が行われている欧州(イギリス、オランダ)の橋梁モニタリングの現状を把握するため、調査団を結成して現地橋梁モニタリング現場の調査を実施するとともにRIMSプロジェクトの広報を図るとのことでした。

 調査場所としては、イギリス、ロンドンのConnect Plus Service(CPS)とXEIAD Ltd.、道路保守点検会社であるCPSおよび土木コンサルタント(XEIAD)、M25およびQueen Elizabeth II Bridge(QE2)、光ファイバ等センシング技術、イギリスのモニタリング技術の産業化実態調査のためのEpsilon Optics Ltd調査、エジンバラ大学(イギリス、エジンバラ)にてコンクリート等のインフラ主要構造部材の非破壊検査技術の権威であるProf. Mike Fordeとの意見交換、イギリス、エジンバラでの代表的な橋梁であるForth BridgeおよびForth Road Bridge調査、特にForth Bridgeのモニタリング実態調査、さらにオランダ、デルフト/ロッテルダムのAEセンサを用いたAE挙動の評価のためのTNOの調査、またVan-Brienenoord Bridgeのモニタリング計測橋梁調査と極めて大規模なものになっています。

 イギリスにおける、橋梁モニタリングの手段は、光ファイバによる歪センサ計装を使ったものです。とくに英国Epsilon Optics社は、構造設計と光ファイバ計装技術を組み合わせることで、土木、海洋、航空宇宙等の様々な分野へモニタリング技術を提供しています。同社は、光ファイバセンサ自体の開発は行っていないが、光ファイバセンサに対するパッチのアセンブリ等を様々な分野に実装することで、モニタリングに関する幅広いノウハウを有していることを強みとしているようです。その実績は、イギリス国内にとどまらずグローバルなもので、対象も橋梁やトンネルにおけるクラックのモニタリング、ヨットのキールや飛行機の着陸装置への負荷のモニタリング等幅広いようです。

 また訪問したエジンバラ大学のProf. Mike Fordeは、コンクリートなどのインフラ主要構造部材の非破壊検査技術の権威であるとともに、超音波トモグラフィ、アコースティックエミッションの世界的先駆者とのことです。Journal Construction and Building MaterialsのChief Editorを務めている他、RILEM(International Union of Laboratories and Experts in Construction Materials, Systems and Structures)、BINDT(British Institute of Non-Destructive Testing)とACI(American Concrete Institute)等の重要な機関で主査を務めています。

 視察した英国のForth Bridge(フォース鉄道橋)は、1890年に完成した全長2530mのカンチレバートラス橋であり、包括的な構造モニタリングシステムが2002年に実装され、リニア変位変換器、回転ポテンショメータ、傾斜計、温度センサとひび割れ検知を含む様々なセンサにより、支承可動部の動きに加え、中央タワーおよびスパン接続部の3軸方向(垂直・水平方向および回転)の動きを検知できるとのことです。

 最後に中嶋氏のまとめとして、「イギリス、オランダでは幹線道路の長大橋を中心に複数のセンサを用いた常時モニタリングを実施して、メンテナンスの効率化を図っている。但し、使われているセンサは有線のセンサであり、膨大な配線が施設されていた。既存のセンサ生データをそのまま常時モニタリングしているため、データ量が膨大になる、信頼性のある無線システムがないことから確実な有線センサを用いているのが現状であり、無線化や自立電源化に関しては、現場では未だ適用されていない。日本視察団を代表して下山教授からRIMSの概要を説明したところ、RIMSプロジェクトで開発しているセンサに関しては訪問したすべての機関で非常に興味をもって頂けた。」と報告を終えました。

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写真2 中嶋氏から報告
 

 続いて、「米国のMEMS産業動向」と題してMEMS協議会 今本氏から10月31日~11月2日に米国・フロリダで開催されたIEEE Sensors 2016、また米国MEMS & Sensors Industry Group主催で、2016年11月9日(水)~11月11日(金)に米国カリフォルニア州スコッツデールにて開催されたMEMS & Sensors Executive Congressへの参加報告がありました。この会議は毎年開催され講演やパネルディスカッションといったフォーマルな行事と、休憩時間等の空き時間でのインフォーマルな会話を通して、情報交換や人的なネットワークを形成することにより、MEMS関連産業のネットワーク構築が可能であることが特徴です。研究開発そのものの発表は少なく、事業化をどう促進するかが主題の会議となっている真に産業化のために推進会議になっています。

 またこの2つの大きな会合の間に、フロリダ大学(Yoon教授)・ジョージア工科大学(Ayazi教授・Tentzeris教授)・BSAC(Pister教授)にも訪問し、専門的な領域に踏み込んだ報告になっています。

 まずIEEE Sensors 2016 参加報告では、日本からの発表が急増し、日本からの参加人数も 2013年の8人程度から2016年では30人 以上、特にEnergy Harvesterのセッション追加されたこと、また企業からの発表が非常に少ないと言う特徴を持っています、

 MEMS & Sensors Executive Congress では、Trillion Sensorを巻き込み、途中でパラレルセッションになったためか、大学や国の研究機関が増えた感じがするが、一方しか聞けないのが残念とのことです。2013年には日本から2名の参加であったが、IoTの影響か日本からの参加が年々増加しているようです。またIoT関連の話題は以前から多いが、今回自動車関連(自動運転・新興国での新たな安全性や排ガス規制)が増えたようです

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写真3 今本氏から報告

 次は「マイクロマシンサミット2016と題してMEMS協議会・国際交流担当の三原が報告しました。マイクロマシンサミットは毎年、各国のMEMS関連状況をそれぞれ報告し、意見交換する場として開催され、今回は3回目(初回:京都、第6回:広島)となる日本・東京での開催で、マイクロマシンセンターが事務局を務めました。今回のテーマは「高齢化社会におけるセンサ・MEMS」、オーガナイザーは東京大学・下山勲教授でした。参加者は16の地域,から51人のデレゲイトであり、今回のテーマである健康・医療やライフスタイル・バイオ関連に対応するマイクロシステムに関する話題が多く出されました。発表数は約47件、Delegatesの多い国は、日本14名、ドイツ 6名、イタリア 4名、スイス 4名の順でした。

 最後は「MEMS国際標準化に関する活動状況]と題して調査研究・標準部長の坂井氏より報告がありました。最近は、センサに無線システムが搭載され、更にエネルギーハーベストに対しての取り組みも強化されており、マイクロマシンセンターでもSSN(スマートセンシング&ネットワーク)研究会を設立して、その活動を強化しています。この分野は、応用分野別にセンサ・無線・エネルギーハーベスト・電源管理、実装と言った要素デバイスや技術の評価を含む国際標準化が必要ですが、特に無線等ではデファクトスタンダードに頼っている側面もあります。このような背景からMEMSの国際標準化はIECを舞台に、更に進められるように「プロダクトアウト/プロセス重視型」のアプローチから「マーケットイン/結果重視型」へと転換が進められています。IECから発行済みのMEMS関連規格は27件で日本提案が12件、韓国提案が13件、中国1件、ドイツ1件となっており、現在審議中が7件あります。審議中の案件には日本・韓国が2件づつ、中国3件となっています。

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写真4 熱心な議論

 最後に懇親会での乾杯の挨拶 として、マイクロマシンセンター副理事長の青柳桂一氏から熱心にご参加、ご議論して頂いた方々へのお礼、また中締めのご挨拶として、毎回ご参加頂き、熱心に議論して頂いているSPPテクロノロジーズのエグゼクティブシニアアドバイザーの神永氏から国際的な視野でのコメントがありました。(MEMS協議会 国際交流担当 三原 孝士)

 

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2017年1月30日 (月)

IEEE MEMS2017への参加報告 第1報


 2017年1月22日から28日まで、米国ラスベガスで開催されたMEMS2017に参加したので、その第1報を取り纏めましたので報告します。

 MEMS2017開催期間中、参加者は704名、オーラルは86件・ポスターは261件(合計367件)で、採択率40%でした。昨年のMEMS2016と比較していずれも微増にとどまっていました。参加国数は25ヶ国ありました。採択数は米国が約100件、次いで日本が約64件、中国が約46件、韓国が約38件の順でした。

 発表分野においては、エナジーハーベスタやガスセンサに関するセッションもあり、IoT関連デバイスの最新技術動向を広く把握できる学会でした。

 参加者にの傾向は、大学や研究機関が約8割と多くを占め、他が企業からの参加でした。代表的な大学や研究機関は、わが国からは東京大学・京都大学・立命館大学・神戸大学から参加しており、海外ではベルギーのIMEC、米国のMIT・Georgia Institute of Technology School・University of California, Berkeley・Stanford University・CALTEC、ドイツのFraunhofer 、スイスのCSEM・ETHZurich、韓国のKAIST、中国のShanghai University等であった。代表的な企業は、Apple・Intel・TSMC・Robert Bosch GmbH・Hitachi・Toshiba・InvenSense, Inc.・LG Electronics・Qualcomm ・Tanaka Precious Metals・Azbil Corporation・NXP・Texas Instruments・Analog Devices, Inc.等であった。IoTセンサネットワークにおけるクラウド層から、個別センサの分野まで、広範囲に渡っていた。

 Student Awardのノミネートは14件(オーラル13件、ポスター1件)あり、3件が受賞(①3D PRINTED THREE-FLOW MICROFLUIDIC CONCENTRATION GRADIENT GENERATOR FOR CLINICAL E. COLI-ANTIBIOTIC DRUG SCREENING,E.C. Sweet, J.C.-L. Chen, I. Karakurt, A.T. Long, and L. Lin, University of California, Berkeley, USA、②64-PIXEL SOLID STATE CMOS COMPATIBLE ULTRASONIC FINGERPRINT READER,J.C. Kuo, J.T. Hoople1, M. Abdelmejeed, M. Abdel-moneum, and A. Lal Cornell University, USA and Intel Corporation, USA、③ENVIRONMENTALLY ROBUST DIFFERENTIAL RESONANT ACCELEROMETER IN A WAFER-SCALE ENCAPSULATION PROCESS,D.D. Shin, C.H. Ahn, Y. Chen, D.L. Christensen, I.B. Flader, and T.W. Kenny Stanford University, USA, InvenSense Incorporated, USA, and Apple Incorporated, USA)

 IEEE Fellowsには、Christofer Hierold,ETZ Zurich, Gwo-Bin Lee,Ntional Tsing Hua University,Olav Solgaard,Stanford University,Xin Zhang Boston Universityの4名が選ばれた。

 Bosch Awardには、Clark C,-T. Nguyen,University of California ,Berkeley, USA が選ばれた。 

 次回のMEMS2018は、BELFAST、NORTHERN IRELENDにて開催。 

MEMS2017のロゴ


 赤外線アレーセンサに関する技術動向としては、オーラル1件、ポスター1件の発表があった。いずれもサーモパイル型で、新規の画素構造により高感度化している。しかしながら、従来研究と比較して感度は同等であるため、NMEMSの赤外線アレーセンサの開発において、これらの研究が脅威になる可能性は低いと思われる。


セッションの座長を務められる年吉先生


 IoTにおけるデバイスに関して、広い範囲で質の高い発表を聴講する事ができ、非常に有意義な学会であった。また、他の研究者と交流を深める事ができ、ネットワーク作りの場としても非常に有益であった。したがって、来年度もLbSSプロジェクトとして参加すべきだと思った。 




ラスベガスの街並み

             

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2017年1月20日 (金)

【平成29年01月の経済報告】 

 

 本項は、マイクロマシン/MEMS分野を取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信しています。

 厳冬の中、平成2901月の経済報告をお届けします。
 業務の参考として頂ければ幸いです。  

 内容は、以下のPDFをご参照下さい。

「2017.01.pdf」をダウンロード

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2017年1月12日 (木)

~ 平成29年ロボット3団体 新年賀詞交歓会、今年も盛況のうちに終了 ~

 平成29年1月11日(水) 12時から、(一社)日本ロボット工業会、(一財)製造科学技術センター及び(一財)マイクロマシンセンターによる「ロボット関連三団体・平成29年新年賀詞交歓会」が、八芳園(東京都港区白金台1−1−1)1階「JOUR」にて開催されました。

  会場では、3団体を代表して(一社)日本ロボット工業会 稲葉善治会長(㈱ファナック会長)から、3団体における本年の活動や、新年の抱負を含めた冒頭挨拶を行い、それに引き続いて、ご来賓の糟谷敏秀経済産業省製造産業局長から、第四次産業革命とも呼ぶべき昨今のIoT/CPS、AI等の技術開発/事業活動において、3団体の活動が我が国産業界に大きく寄与するものとして本年も大いに期待するとのご祝辞を賜りました。

  本賀詞交歓会には、ロボット分野、マイクロマシン/MEMS分野等の分野が脚光を浴びいている背景もあり、425名もの大勢の業界関係者が参集し、時間の許す限り、交流・歓談に花を咲かせておりました。この機会をお借りしまして、ご参加頂きました多くの皆様方に御礼申し上げます。

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本年もよろしくお願い致します。

一般財団法人マイクロマシンセンター事務局一同



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2017年1月 4日 (水)

マイクロマシンセンター平成28年の10大ニュース

 
 新年あけましておめでとうございます。

 昨年は国内では熊本震災をはじめとする災害や多くの悲惨な事故・事件などが、そして海外でも多くのテロや紛争、英国のEU離脱、米国や韓国の政治情勢など、いろいろなことがありました。尻上がりに経済は良くなりつつありますが、波乱の中での年明けには違いありません。そのような中においても、IoT/CPS技術はここ数年の進展がさらに加速され、それらの実装が急速に進むことで、産業・社会の姿を大きく変えていくものとされています。

 それらIoT/CPSのフロントエンドを支えるのが、スマートセンシングの技術です。当マイクロマシンセンターは四半世紀にわたり、まさにこのスマートセンシングに必須のナノ・マイクロ技術分野における研究開発や普及促進等を担ってきています。その中核を成すMEMSデバイスについては、ヨール社(仏)によれば、スマホや自動車用途が世界市場をけん引し、2015年の120億ドルから2021年には200億ドルと、年率約9%で伸びるとされています。特にスマホなどに単独で入れられるセンサに加えて、医療用や産業用などのIoTシステムに連なるスマートセンシング分野や、それらを支えるエネジーハーベスタなどが大きく伸びると見られています。

 当センターでは、6年前に着手したグリーンセンサ・ネットワークのプロジェクトを皮切りに、道路やライフラインのインフラモニタリングシステムなど、MEMSによるスマートセンシングシステムの研究開発を行っています。さらに、このIoT時代に対応するために一昨年に発足したスマートセンシング&ネットワーク研究会において、様々なIoT関連のプロジェクト立案などを行ってきました。その結果を受けて、昨年からは、経産省/NEDOによるIoT横断技術開発の一環として、エナジーハーベスタも含む学習型スマートセンシングシステム(LbSS)の開発をスタートさせ、広くIoTシステムに応用されるようなスマートセンシングのデファクト的な技術開発を目指しています。

 また、最先端のMEMSデバイスの試作開発を担う拠点として発足した、マイクロナノオープンイノベーションセンター(MNOIC)の運営も6年目に入り、センター自らが行う研究開発のみならず、MEMSデバイスユーザーによる試作開発ファンドリとしての利用が大きく伸びつつあります。
当センターとしましては、本年もMEMS/スマートセンシング技術の開発や普及に真摯に取り組み、我が国のIoT/CPS推進に微力ながらも貢献してまいりますので、引き続きご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願いいたします。

 皆様方には以下の10大ニュースをご覧いただき、このような私どもの活動状況をご賢察いただければ幸いです。

< 10大ニュース>
(1) NEDO公募事業「IoT推進のための横断技術開発プロジェクトに提案の「学習型スマートセンシング(LbSS)の研究開発」が採用され、プロジェクトを開始して精力的に推進」

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「IoT推進のための横断技術開発プロジェクト」において、技術研究組合NMEMS技術研究機構が提案した「超高効率データ抽出機能を有する学習型スマートセンシングシステム(LbSS:Learning based Smart Sensing System)の研究開発」が採択されました。

 本研究開発では、工場等の設備の稼働状況等の把握を目的とするスマートセンサモジュール、高効率MEH(Micro Energy Harvester)などの自立電源、及びスマートセンシングフロントエンド回路を開発し、動的センシング制御可能な無給電のスマートセンサ端末を実現します。さらに、同時に開発する学習型スマートコンセントレータとの連携により、従来の環境発電で収集可能な有価情報量を100倍化することを可能とする学習型スマートセンシングシステムの基盤開発と実証を行います。

 その概要及びキックオフの様子は以下を参照ください。
http://www.nanomicro.biz/mems/2016/07/index.html

(2) ナノ・マイクロビジネス展をIoT時代の到来に合わせてリニューアルし、9月にパシフィコ横浜でMEMSセンシング&ネットワークシステム展として成功裡に開催(2017年は10月に幕張メッセでCEATECと同時開催

 MEMSセンシング&ネットワークシステム展として名称と開催時期を変更しリニューアルした本展示会には多数の皆様のご来場を頂きました。同時開催の報告会、シンポジウムも盛況のうちに実施することができました。2016年9月14日(水) から16日(金)までパシフィコ横浜で開催された「MEMS センシング&ネットワークシステム展 2016」は、3日間の開催期間を終え、盛況の内に閉幕しました。

 今回も各ブースには多くの来場者が訪れておりましたが、セミナー会場にも多くの聴講者にお出で頂き、立ち見が出るなど関心の高さが見て取れました。

 最終日には、第22回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウムが13:30から16:30まで開催され、ここでも満員の聴衆が熱心に聞き入っておりました。

 次回は2017年10月4-6日に幕張メッセでCEATEC JAPAN 2017と同時開催を予定しております。

会期中の様子は以下を参照ください。
(初日) 
http://www.nanomicro.biz/mems/2016/09/mems-2016-e738.htm
(2日目)
http://www.nanomicro.biz/mems/2016/09/mems-2016-abd6.html

(3日目)
http://www.nanomicro.biz/mems/2016/09/mems-20163-e26e.htm
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第22回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウムの概要は以下を参照してください。
http://www.nanomicro.biz/mems/2016/09/mems-2016-5c96.html

(3) スマートセンシング&ネットワーク(SSN)研究会を本格的に開始し、3つのWGでの検討がそれぞれULPAC、LbSS、SSIの各研究の開始に繋がる

 2015年10月にMEMS協議会の下に発足したSSN研究会では、新たなプロジェクトの立案を目指して、3つのWGを立ち上げて精力的に検討を行ってきました。そのうちのLbSSとSSIはそれぞれ(1)と(4)に記載しています。

 「センサ端末同期用原子時計(ULPAC:Ultra-Low Power Atomic Clock)の研究開発」については、道路インフラモニタリングシステム(RIMS:ROAD Infrastructure Monitoring System)の2015年度加速テーマとして採択され、2016年度以降もプロジェクト内で継続していくことが決まりました。

 RIMSで用いられるようなセンサ端末群は、ネットワークを介して時刻同期をすることで、データ取得の正確な時間を把握し、かつ、データ転送の効率化を図っています。もし、その時刻同期を不要とすることが出来れば、ネットワークの構築や運用にかかる負担を大幅に低減することができます。そこで、正確な時を刻む原子時計をセンサ端末に搭載可能なサイズや消費電力、価格にすることが出来るかを解析や試作を通して、技術的に検討しています。
 
(4) 経済産業省のエネルギー使用合理化国際標準化委託事業の公募に採択され、「スマートセンシング・インターフェース(SSI)国際標準化プロジェクト」を本格的に開始

 SSN研究会の中で、新たなセンサネットワークの市場創出を目指し、センサ端末における共通プラットフォームの標準化についてWGにて検討を行ってきました。その検討を受けて、スマートセンサと端末モジュール又は自立電源と端末モジュールをつなぐインタフェースに関する国際標準化をテーマに、経済産業省の平成28年度エネルギー使用合理化国際標準化委託事業の公募に提案を行い、3月末に採択が決定しました。今後、国際標準化規格作成に向け実証作業を含めて検討を進めています。

(5) 日本開催が3回目となる第22回国際マイクロマシンサミットが5月、新宿において「高齢化社会におけるセンサ・MEMS」をテーマに成功裡に開催

 国際マイクロマシンサミットは21年前の1995年にマイクロマシンセンターが提唱して始まり、その後は毎年同程度の規模で継続されている国際会議です。通常の学会と異なり、各国の代表が、産業政策や科学技術政策、教育まで含めて議論するのが特徴になっています。日本での開催は、第1回の京都、第8回の広島、今回の第22回が3回目になります。今回のサミットのテーマは、「高齢化社会におけるセンサ・MEMS」であり、健康・医療やライフスタイルに対応するマイクロシステムに関する話題が多く出されました。

 次回(2017)の開催場所は26日の各国代表者会議で、スペインのバルセロナに決定されました。(2017年5月15-17日)

 マイクロマシンサミットの会期終了後の技術ツアーとして筑波地区の最先端技術を巡るイベントを企画しました。最初にフジキン先端事業所で、半導体装置用制御機器の紹介があり、高度の流体制御技術を用いたチョウザメの飼育の見学でした。フジキンはニードルバルブの世界的企業ですが、この技術を応用した様々な事業に挑戦されています。午後の最初の見学はKEKのフォトンファクトリーです。特にSOR光を使った計測や分析は世界中の研究者が利用しています。また普段は見ることが難しい見学として筑波大学・バイオマス研究施設を見学しました。これは淡水の藻を育成してバイオマス材料として利用する試みです。再生エネルギー研究施設に多くの研究者が興味深々でした。最後は産総研・サイエンススクエアを見学しました。

サミットの報告については以下を参考してください。
http://www.nanomicro.biz/mems/2016/06/mms2016-ebba.html

(6) MNOIC(マイクロナノオープンイノベーションセンター)の工程受託コースの需要が増大し、人的な体制も強化し産業界のニーズに対応

 当センターの研究支援サービスMNOIC(マイクロナノ・オープンイノベーションセンター、つくば産総研内)は、事業開始後5年を経て、本格稼動ステージに進み、着実にユーザが増加し、我が国有数のMEMSファンドリーになりつつあります。工程受託の充実、研究施設の拡充、技術ノウハウの蓄積、人材育成を活動の柱として、産官学連携を通じたTIAのオープンイノベーション活動を強化しています。

 また、人材育成に力を入れており、8月には2016MNOIC実習講座「インフラおよび産業機器モニタに利用可能な、MEMSセンサの回路・システム実習」を実施しました。

これらの状況は以下を参照ください。
http://www.nanomicro.biz/mems/2016/08/2016mnoicmems-a.html

(7) RIMS/UCoMSが3年目のNEDOステージゲート・中間評価で高い評価を得て通過し、来年度より本格実証の段階に

 2016.11.1に開催されたNEDO研究評価委員会「インフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発プロジェクト」(中間評価)分科会において、「道路インフラ状態モニタリング用センサシステム開発(RIMS)」及び「ライフラインコアモニタリングシステムの研究開発(UCoMS)」の説明を行った。現在これらの評価が行われており、2017年1月末ころには結果が決まる予定です。

(8) MEMS関連の標準化について、IEC/TC47に振動発電関係の新提案を出すなど、引き続き日本がリード、また、東大の鈴木先生がTC47/WG7のコンビナに推挙され、さらに神戸大の磯野先生がIEC1906賞を受賞

 IEC/TC47技術委員会傘下の、今後発展が期待される半導体デバイス分野であるWG6および、エナジーハーベスティング、エネルギー変換・伝送分野であるWG7のアドホック会議が、2016年4月6日から8日まで、中国・北京にて開催されました。議題としては、2015年10月の、ベラルーシ・ミンスクでの全体会議の審議状況の報告、および現在審議中の規格案について、コンビナから報告の後、意見交換が行われました。

 IEC/TC47技術委員会傘下の、MEMS関連の分科会であるSC47Fのアドホック会議が、2016年6月9日から10日まで、中国・成都にて開催されました。議題は、WGと同じく、ベラルーシ・ミンスクでの全体会議の審議状況の報告、および現在審議中の規格案について、コンビナから報告の後、意見交換が行われました。この中で日本からの提案である「MEMSエレクトレット振動発電デバイス(PL:東京大学 鈴木雄二教授)」が現在CDV回付中である旨の報告がなされました。また、Future workとして、神戸大学 神野伊策教授からMEMS圧電薄膜の信頼性評価についてのプレゼンテーションが行われました。

 IEC/TC47技術委員会の国際会議が、2016年10月3日から7日まで、ドイツ・フランクフルトにて開催されました。ここでの議案は、2015年10月の、ベラルーシ・ミンスクでの全体会議の審議状況の報告、および現在審議中の規格案について、コンビナから報告の後、意見交換が行われました。Future workとして、東京大学 鈴木雄二教授から「低消費電力電子機器向けの力学的環境発電デバイスの試験方法」についてのプレゼンテーションと、今後の日本からの環境発電に関する提案予定が示しました。

 また、神戸大学の磯野教授は長年にわたり、IEC/TC47/SC47Fにおける国際標準化開発のプロジェクトリーダー及びエキスパートを務めてこられ、規格案作成・提案から標準化審議のフォローまで一貫して関われた功績が認められ、IEC1906賞を受賞されました。

 東京大学の鈴木教授も長年のIEC/TC47での貢献が認められ、WG7のコンビナーに推挙されています。

IEC/TC47/WG6,7アドホック会議(4月6-8日)の概要は以下を参照してください
http://www.nanomicro.biz/mems/2016/04/iectc47wg6768-0.html
IEC/TC47/SC47Fアドホック会議(6月9-10日)の概要は以下を参照してください
http://www.nanomicro.biz/mems/2016/06/iectc47sc47f691.html
IEC/TC47/技術委員会の国際会議が(10月3-7日)の概要は以下を参照してください
http://www.nanomicro.biz/mems/2016/10/iec-tc47104-7-a.html

(9) エネルギー・環境先導研究で実施中のMEHとIRiSが、2年間で良好な成果を出しつつあり、最終段階を迎える、共にイノベーションジャパン2016への出展が好評

 イノベーションジャパンは2016年で13回目となる国内最大規模の産学マッチングイベントであり、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が主催し、8月25-26日に東京ビッグサイト西1ホールで開催されました。

 このイノベーションジャパン2016に「高効率MEMS振動発電デバイス先導研究(MEH)」と「革新認識システムの先導研究(IRiS)」が出展しました。それぞれ、パネル展示、デモンストレーション、プレゼンテーションを行い、来場者からは好評を得ました。

プロジェクトの概要は以下を参照ください。
http://www.nanomicro.biz/mems/2016/07/2016mehiris825-.html

(10) 先端技術交流会、MEMS講習会、海外調査報告会等各種イベントを好評裡に開催し、普及啓発活動が順調に推移

 第4回MEMS協議会海外調査報告会を2016年1月21日に新テクノサロンで開催し、約40名の方にご参加いただきました。このイベントはマイクロマシンセンター/MEMS協議会(MIF)が行っているMEMS関連の海外調査及び国際標準化の状況について報告するものです。毎年のように北米や欧州を中心に学会等のイベント、海外の大学や研究施設、関連企業の訪問見学を行ってきましたが、今回は特に特別報告として世界の家畜に関連する報告を企画致しました。

 第31回マイクロナノ先端技術交流会を2016年3月2日に新テクノサロンで開催しました。今回は「嗅覚センシングの新たな可能性について」と題しまして、生産ラインなどの整った環境から屋外へと活躍の場を広げている匂いセンシング技術につきまして、東京工業大学精密工学研究所の中本教授から「ロバストにおいセンシングシステム」、九州大学味覚臭覚センサ研究開発センターの小野寺准教授より「においを図るバイオセンサシステムの開発」と題しましてご講演いただきました。

 第32回マイクロナノ先端技術交流会を2016年9g津20日に新テクノサロンで開催しました。今回は「バイオとエレクトロニクスの融合の新展開、サブタイトルとして、「生体とデバイスのしなやかで細やかな出会い」と題して、人とデバイスをつなぐ最新の取組みを、東京大学生産技術研究所教授の藤田博之先生から「MEMSとバイオの融合ナノシステムの取組み」、東京大学工学研究科教授の染谷先生からは「人と機械を調和する伸縮性エレクトロニクスの最善性」と題してご講演をいただきました。

 2016年10月21日に一般財団法人マイクロマシンセンター(MMC)の新テクノサロンにおいて、第26回MEMS講習会「IoTを支えるセンシング技術、”見える化“ に取り組むIoT活用事例」を開催致しました。MEMS講習会は、MEMS協議会に所属するMEMSファンドリーネットワーク企業を中心に企画され、都内と地方都市で年に1回ずつ開催しています。

第4回MEMS協議会海外調査報告会の概要は以下を参照してください。
http://www.nanomicro.biz/mems/2016/02/4121-4e83.html
第26回MEMS講習会の概要は以下を参照してください。
http://www.nanomicro.biz/mems/2016/10/26mems-3687.html

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2016年12月26日 (月)

2016年度MEMS懇話会開催(2016年12月26日)


 一般財団法人マイクロマシンセンターMEMS協議会はMEMSを中心とした我国の産業競争力の強化を目的に、「MEMS懇話会」(MEMS協議会メンバーの委員と行政側等との情報交換や意見交換を行う会合)を例年実施しており、本年は12月26日に開催しました。

 最近、社会経済にインターネット出現以上に衝撃を与えつつあるIoT(Internet of Things)ですが、あらゆるスマートな「モノ」と現実世界とのやり取りを可能にするMEMS およびセンサ技術がその成長を大きく左右することになり、ウェアラブル、ドローン、医療機器等のIoTアプリケーションへも新しい応用分野が拡大しています。

 このような環境下において、2016年度MEMS懇話会を12月26日に東京・秋葉原、新テクノサロンにて開催しました。経済産業省産業機械課、研究開発課、情報通信機器課および新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、産業技術総合研究所からの来賓を交えて、センサ・MEMS分野に係る今後の課題について意見交換を行いました。

 最初にMEMS協議会山西健一郎会長(三菱電機取締役会長)による主催者挨拶があり、第4次産業革命におけるコア技術の一つであるMEMSセンサやネットワークの技術をさらに展開していくための場として、MEMS協議会の下に「スマートセンシング&ネットワーク研究会(SSN研究会)を設置しWG活動を進めた結果、いくつかの新プロジェクトに採択されたこと、今後もMEMS協議会が、我が国MEMS分野における真の産官学連携のハブになるべく事業を展開していること、MNOICの積極的な取り組みに対するコメントなどがありました。その後、経済産業省、NEDOから2017年度産業技術関係予算案、IoT推進やロボット・AI分野への取組みの紹介の後、MEMS協議会長谷川事務局長から、MEMS協議機活動やセンサ、MEMS市場の動向について報告がありました。

 その後に会員企業から、「最近の業況と今後の見通し」「経済産業省、NEDO、産総研への要望」や「MEMS、センサ、さらにはIoTに対する取組み」について意見発表が行われ、経済省、NEDO、産総研との方々との熱心な議論が予定時間を延長して行われました。終了後、会場をMMC会議室へ移し、懇親会を開きました。

 ご来賓の方々、MEMS協議会メンバーで合わせて約40人の参加であり、MEMS分野に関して新しいコラボレーションをもたらす機会になりそうな予感がする会合となりました。
(MEMS協議会 渡辺秀明)


      写真1 MEMS協議会 山西会長挨拶


     写真2 産機課片岡課長による来賓ご挨拶


     写真3 MEMS懇話会の様子


     写真4 懇話会懇親会の様子

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2016年12月22日 (木)

【平成28年12月の経済報告】 

 本項は、マイクロマシン/MEMS分野を取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信しています。

 初冬、平成28年12月の経済報告をお届けします。
業務の参考として頂ければ幸いです。内容は、以下のPDFをご参照下さい。

   「2016.12.pdf」をダウンロード

   

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2016年12月 9日 (金)

PowerMEMS2016 参加報告

 2016年12月6日から9日にわたって、パリで開催されたThe 16th International Conference on Micro and Nanotechnology for Power Generation and Energy Conversion Applications(PowerMEMS2016)に出席した。組織委員長は、Philippe Basset (Universite Paris-Est, France) と、Skandar Basrour (Grenoble Alpes Universite, France) が務め、Technical 論文委員長はEinar Halvorsen (University College of Southeast Norway) であった。会場はエッフェル塔のほぼ真下に当る好立地であり、行きは朝日に照らされた姿、帰りは日が暮れるのが早いのでイルミネーションをまとった美しい姿を見上げながら会議に通った。

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 付随した行事として5, 6日にはPowerMEMS school が開催された。大学院生を中心に30名ほどの参加者を集め、一日目は講義、二日目は実習があった。6日の夕刻に会議の登録とウェルカムレセプションがあり、7日から9日には研究発表と討議が行われた。招待講演は全員参加、一般講演は2会場のパラレル形式であった。会議の組織委員長がフランスの方であったためか、招待講演者はいずれもフランスから選ばれていた。その他、発表とデモンストレーションの両方を行うPowerMEMS in Actionという新企画があった。

159件のアブストラクト投稿があり、そのうち123件(77%)が採択された。口頭発表が40件、ポスター発表が83件である。トピックスとしては、環境発電が77%と大半を占める。採択された論文の数の国別分布は、フランス:22件、日本:20件、アメリカ:15件、イギリス:14件、中国:6件、等々である。また参加者は、おおよそ200名で内訳は、53%が欧州、19%がアメリカ、29%がアジアとなっていた。

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 発表に関して概括的な感想を述べると、利用に耐える大出力が発電できるものは掌サイズのやや大きなものであり、小型で新規な材料や原理を用いて発電するデバイスではあまり大きな出力が得られていない。この点で、我々(東京大学生産技術研究所・静岡大学・鷺宮製作所)が電力中央研究所の助けを借りながらNEDO先導研究で開発している、小型で大出力の静電型振動発電デバイスは、他に比べて著しい優位性があると感じた。圧電デバイスについては多くの発表があったが、その中では多孔質圧電膜やナノワイヤをポリマーに含浸したフレキシブルな圧電材料の発表が興味深かった。その他、振動発電デバイスから取り出した電流を、有効にコンデンサーに蓄積する電源回路に関する発表も興味深かった。以下、注目すべき講演の内容について、簡単に記す。

W3A02
First experimental demonstration of a Self-Oscillating Fluidic Heat Engine (SOFHE) with piezoelectric power generation
T. Monin, A. Tessier-Poirier, E. L´eveill´e, A. Juneau-Fecteau, T. Skotnicki, F. Formosa, S. Monfray and L G Fr´echette
一端を閉じたパイプに液を入れ、その端を熱くして液体を蒸発させて泡を作る。泡が成長し開口端の方にまで広がると、そこの部分は冷たいので泡の中の蒸気が液体に戻る。このため、泡の端部は温・冷の境を中心に、自励振動する。この振動を圧電膜デバイスに導いて、振動発電した。全長は20cmと大きなデバイスである。115~140℃で働いた。原理は面白いが発電量は小さい。これは、PowerMEMS in Actionの企画論文であり、発表の後の休み時間に、実際のデバイスで発電する様子を実演していた。

T1A03
A Frequency-Independent Vibrational Energy Harvester using Symmetrically
Charged Comb-Drive Electrodes with Heavily Doped Ion Electrets
H. Mitsuya, H. Ashizawa, K Ishibashi, H. Homma, M. Ataka, G. Hashiguchi, H. Fujita
and H. Toshiyoshi
本プロジェクトで得た研究成果を発表した。カリウムドープのシリコン酸化膜に、バイアス電圧を印加しながら熱処理してエレクトレットを形成した。帯電した櫛歯電極を、対称に配置することで可動電極への静電引力を相殺し、わずかの力で振動するようにしたデバイスを作った。インパルス状の振動など、幅広い周波数を持つ外部入力を効率よく電力に変換できることを示した。このため、定常的な周波数の振動に依存しない発電デバイスとして有効である。
次のような質疑応答があった。
「エレクトレットの帯電電圧はいくらまで上昇可能か」答:500Vまでである。
「寿命はどれだけか」答:真空中では劣化は見られない。
「周波数に依存しないというが、やはり振動特性はある周波数帯に限られるのではないか」
答:確かに無限の周波数に対応できるわけではない。インパルス状の振動など、幅広い周波数を持つ外部入力を効率よく電力に変換できるという意味で、このように呼んでいる。
その他「帯電電荷密度が一定とすると、ギャップ間に生じる電圧はギャップ長に依存する。実験で求めた帯電電圧を表記する時は、この点に留意すること」とのコメントがあった。

T2A04
Superhydrophobic surfaces’ influence on streaming current based energy harvester
Florent Fouch´e, Thomas Dargent, Yannick Coffinier, Anthony Treizebr´e, Alexis Vlandas and Vincent Senez
マイクロチャネルに水溶液などを満たすと、流路の表面が負に帯電し、液の方が正になる。100μm以下の高さの流路では、液を動かすと液とともに正電荷が動いてチャネル両端に電圧が出る。壁面を超撥水にすると、弱い圧力で液体の流れを作れるし、壁面での液のスリップがあって電荷が動きやすく、出力が向上する。銀ナノ粒子で加速したSiエッチングでナノワイヤの林を作り、超撥水の壁面とした。これを用いて、5nWがとれた。

FPA-1 招待講演
Thermal transistor with phase change materials and in the quantum regime
Karl Joulan
ギャップ間の熱放射による熱伝達の理論解析に関する講演である。近接場では熱放射が遠距離場に比べて格段に大きい。間隙長が10-8mで、熱伝達が~103倍になる。放射波だけでなくエバネッセント場が効いてくるからだ。誘電率の温度依存性が違う面を対向させ、近接場熱伝達を計算するとダイオード特性になる。しかし残念ながら、小さい整流効果しか得られない。大きい整流効果を生むためには、相変化材料を使うのがいい。たとえば、ある温度を境に誘電体⇔金属という相変化をするVO2を黒体と向い合せた構造が考えられる。また、超伝導体対黒体や、SiC対SiO2も考えられる。熱トランジスタでは、ゲートを相変化材料として、そこの温度を変化する場合には、0.1Hzまでの低周波では熱が制御できる計算結果となる。量子ドットなどの量子系での熱トランジスタや熱ダイオードも考えられる。磁場中でスピンを利用するデバイスを考えると、良い特性が得られるはずである。

F1B01
Novel thick-foam ferroelectret with engineered voids for energy harvesting applications
Z. Luo, J. Shi and S. P. Beeby
フェロエレクトレット材料に加熱時に発泡する化合物粒子をまぜ、成型する。その後、加熱すると化合物が発泡してスポンジ状になる。型の中で熱成型してから、泡を作って固める。この製法で、いろいろな形状のフェロエレクトレットができる。ある形状を作った後、コロナ帯電と接触帯電で、エレクトレット化できる。

F1B03
A paper-based electrostatic kinetic energy harvester with stacked multiple electret
films made of electrospun polymer nanofibers
Y. Lu, D. Amroun, Y. Leprince-Wang and Philippe Basset
2枚の紙を湾曲して重ね、その間にエレクトレット膜を挟み、押しつぶすと発電する。エレクトレット膜は、エレクトロスピニングした糸をランダムに重ねたポーラス体に、パリレンをつけたものである。これをコロナ帯電した。3枚入れた時が最も発電性能が良くて、45.6μW/16MΩ(30V)が出た。全波整流してコンデンサーに貯めると、450回押して0.72μJのエネルギーを蓄積できた(まだ、最適ではないので改善の余地がある。

                                 2016年12月9日

           技術研究組合NMEMS技術研究機構    藤田 博之

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