2026年10月 5日 (月)

「2025年度 分野別動向調査報告書」発行について(MMC「国内外技術動向調査委員会」)

 マイクロマシンセンターでは、国内外の最新かつ詳細なマイクロマシン・MEMS、及び、ナノ関連の研究開発状況の情報を収集・分析し、会員の皆様にお知らせすることを目的に、各年度MEMSの分野で代表的な国際会議を定点観測して、分野別動向調査報告書にまとめています。

 2025年度は“Transducers2025(The 23rd International Conference on Solid-State Sensors, Actuators and Microsystems)”と“MEMS 2026(The 39th IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems)”を調査・分析しました。

以下に両国際会議の発表件数の動向概要を記載いたします。

 “Transducers”はマイクロセンサ、マイクロアクチュエータに関する最先端の研究開発事例が発表される国際会議で、1981年にボストン(米)での第1回会合以来、隔年に開催されています。今回のTransducers2025は23回目で、2025年6月29日から7月3日にオーランド(米)で開催されました。

 論文投稿数は805件で前回の863件より6.7%減少しました。採択件数は509件(口頭190件、ポスター319件)で、採択率は63.2%でした。加えて、Late Newsへの投稿97件からも41件が、ポスターとして採択されました。

 国別の発表件数を見てみると、中国が最多の68件で(前回48件)、続いて日本40件(前回49件)、米国32件(前回17件)、韓国17件(前回13件)というような各国からの発表件数となっています。

 発表内容の大分類別では、Fundamentals(基礎)が143件(26%)、Applied Devices/Systems(応用)が407件(74%)、基礎分野に関する発表と応用分野に関する発表件数の割合は、前回と比べると「基礎」が5ポイント増加しています。

発表内容の小分類別では、Mechanical Sensorが31件、Bio Medical Applicationsも31件と最も多く、続いてActuators22件、Radiation/Material Substance Sensorが21件でした。いずれの分野も前回より件数が増加しています。

 次に、“MEMS2025”は、IEEEのMEMS技術に関する国際会議で、毎年開催されています。39回目にあたるこの会議は、2026年1月25日~29日の日程で、オーストリア ザルツブルグのSalzburg Congress Centerで開催されました。

投稿件数は880件(前回729件)で、昨年より約20%超増加しました。採択された論文数は、全体で415件(前回328件)、採択率は約47%(前回45%)でした。採択論文の地域別の割合は、アメリカ10%、ヨーロッパ&アフリカ12%、アジア&オセアニア78%となっており、アジア&オセアニア地域が大変大きな割合を占めています。中でも中国の発表件数が著しく増加しています。

 国別では、昨年に続き中国が182件(前回114件)でトップとなり、第2位が米国43件(前回41件)、韓国43件(前回32件)で、第4位が日本36件(前回44件)と台湾36件(前回28件)で同数でした。次に、開催国のオーストリア12件(前回2件)、フランス10件(前回1件)、インド8件(前回8件)と続きます。

 発表内容の大分類別では、Fundamentals(基礎)が386件(全体の44.0%、前回は35.28%)、Applied Devices/Systems(応用)が485件(全体の55.3%、前回は64.3%)と基礎研究分野の比率が9ポイントほど上がっています。

小分類別で50件以上となったのはDesign and Modeling(103件)、Radiation/Material Substance Sensor(86件)、Material(82件)、Mechanical Sensor(78件)、Tissue/Organ & Medical Applications(76件)、Actuator(66件)、Optical(65件)、でした。小分類別で 特に増加数の多い項目は、Design and Modeling(103件←56件:増加数47件)、Material(82件←27件:増加数55件)、Radiation/Material Substance Sensor(86件←56件:増加数30件)、Optical(65件←31件:増加数34件) などでした。

 

 報告内容の詳細は、マイクロマシンセンターホームページ内の賛助会員ページにてご覧になることができます。(※ログインには、ユーザーID及びパスワードの入力が必要です。)

 

(調査研究・標準部長 古田 一吉)

 

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2026年8月 5日 (水)

2026年度 第1回「MEMS事業者連携委員会」開催報告(7月24日)

 今年度第1回MEMS事業者連携委員会(委員長:東京大学 年吉洋教授)を経済産業省からも来賓として出席していただき、50名程の事業者や大学の先生方のご参加を得て、2027年7月24日にオンラインで開催いたしました。 委員会においては主に1.国の政策とMEMSの位置付けの変化、2.今後目指すべき研究開発等について、3.我が国MEMS産業の勝ち筋などについて議論しました。


 1.については、事務局から25年5月の半デジ戦略の中で初めて「電子部品やMEMS等、・・・、官民での政策のアプローチを検討」とMEMSに言及されたのち、25年12月には、「電子部品については、・・・、センサ類やMEMS等も含めて、我が国の経済安全保障上、重要な電子部品について、我が国の自律性・不可欠性を高める取組を検討する。」と「経済安全保障上、重要な電子部品」と位置付けられ、さらに26年6月には、「マイコン、パワー、アナログIC、センサ、高周波、光、MEMS等の重要基盤領域について、経済安全保障上も重要な基盤として国内基盤の拡張、再編・高度化、必要に応じた国内回帰を進める。特に我が国が競争力を有する(MEMSも当然含まれる)センサデバイスについては、フィジカルAIを支える中核として、RAWデータを活用した“エッジ・センシング・プラットフォーム”を構築。」と単なる検討段階から政策の具体的内容が示されたとの説明がなされました。
 2.については、事務局から研究開発テーマとしてフィジカルAIに今後注目していきたいこと、NEDO及び防衛装備庁の研究開発制度について紹介いたしました。最後に、7月1日からNEDOから先導研究プログラムにおいてRFI(Request for Information)の募集がなされたので、それを受けてMEMSに関連しそうなテーマについて事務局から紹介するとともに、MMCでお役に立てることがあれば何なりとご相談してほしい旨説明いたしました。
 3.については、事務局よりYole GroupによるStatus of the MEMS Industry 2026(2026年6月末公表)をもとに世界全体ではMEMS産業は好調であり、2025年の世界売上は171億ドル(前年比+7.6%)、出荷数は330億個を超え、2025〜2031年の年平均成長率(CAGR)は6.1%(売上)である一方で、我が国MEMS産業は、長期低落傾向にあり、2016年には世界のTop30企業のうち日本企業は11社を占めてシェアも世界の約4分の1(23%超)を占めていたものの、25年ではわずか4社(TDK、Canon、村田製作所、エプソン)となりシェアも11%程度にまで低下していることから、MMCとして我が国MEMS産業の今後の勝ち筋について、今年度の産業動向調査で検討する旨説明しましました。
 これを受けて委員会では海外の事例に倣い民間企業と大学が共同して人材育成に取り組む有用性、半導体のように生産基盤整備から研究開発投資への流れをMEMSにも当てはめられる可能性、小規模生産を請負えるMEMSファウンドリーへのニーズがあること、など様々な有益な意見が出され、今後の我が国MEMS産業の勝ち筋の議論に反映させていくこととしました。また、併せてこれらの委員会での議論を踏まえ、次回委員会までに継続検討する項目についても各委員に示されました。
 
 次回開催は2027年2月頃を予定しています。

 なお、この「MEMS事業者連携委員会」は、MEMSに関する事業や研究を行われている事業者や、大学・公的研究機関の方々には、広く門戸を開放しておりますので、ご関心のある向きは、これからのご参加を歓迎いたします。
 委員会への参加には委員やオブザーバ等への登録が必要ですので、下記事務局の方にお問合せをいただければと思います。また当センターホームページからも登録可能です。

★MEMS事業者連携委員会ホームページ
   https://www.mmc.or.jp/mbcc/index.html

★MEMS事業者連携員会事務局
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JCK MEMS/NEMS 2026参加報告

 7月8日(水)から7月10日(金)に韓国・釜山の国際コンベンションセンターBEXCO(Busan Exhibition Convention center)にて開催されましたJCK MEMS/NEMS 2026に参加しましたので、報告いたします。JCK MEMS/NEMSは日本-中国-韓国のMEMS/NEMS(Micro Electro Mechanical Systems / Nano Electro Mechanical Systems)に関するジョイントの国際会議で、今回が第17回目になります。
 今回のジェネラルチェアはKAISTのJungchul Lee先生でしたが、交通事故で入院中とのことで韓国のコチェアであるDGIST(Daegu Gyeongbuk Institute of Science and Technology)のHoe Joon Kim先生が代わりに取り仕切って開催されました。韓国、日本、中国から各1件のプレナリートークと18件の招待講演(日本:3件、中国:4件、韓国:10件、シンガポール:1件)、34件の口頭発表(日本:9件、中国:1件、韓国:24件)、59件のポスター発表(日本:3件、中国:0件、韓国:56件)の計114件の発表があり、MEMS/NEMS分野の最新の研究発表に関して活発な議論がなされました。会場のBEXCO入口、コチェアのHoe Joon Kim先生の開会挨拶、口頭発表会場の様子、ポスター発表の様子及び集合写真を写真1~写真5にそれぞれ示します。

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写真1 会場のBEXCO入口

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写真2 コチェア(Hoe Joon Kim先生)の 挨拶

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写真3 口頭発表会場の様子

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写真4 ポスター発表の様子

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写真5 集合写真

 

 国別の発表では日本16件、中国6件、韓国91件、シンガポール1件で、開催国の韓国からの発表者がもっとも多かったです。韓国は、最近は海外出張が制限されているため、中国、日本で開催のJCKでは参加者が少なくなっていましたが、今回は91件と前回韓国・済州島で開催されたJCK2023の22件と比較しても非常に多くの韓国からの発表があったのが今回の特徴の一つでした。また、今回JCK以外としてシンガポールから1件の招待講演があったのももう一つの特徴でした。詳細のプログラムは以下のURLからご覧いただけます。

 

https://drive.google.com/file/d/1Jw2iKYbrKOgFMhSsNrKUjJL3pg8x0fhU/view

 

 初日午前はインバイトセッションとして、以下の韓国、日本、中国から各1件の招待講演の後にプレナリーセッションがありました。インバイトセッションの韓国からの発表のDr. Sanghyun Leeは札幌で開催されたJCK2016の時に学生で参加していたとのことでしたが、今回インバイトセッションで発表するにまで成長されたということで、JCKの目的の一つであるMEMS/NEMS分野の若手の成長を支援するということが実践された良い例であり、非常にうれしいとオープニングセレモニーで日本のコチェアである東大伊藤先生からの発言もありました。プレナリートークは毎年、韓国、日本、中国から各1件の発表がありますが、今回は韓国からはPNUのJong Soo Ko先生からマイクロメッシュに関する発表がありましたが、元々水中ガス検知器として開発していたマイクロメッシュに学生が誤って油をこぼしたことから水油分離機能があることが分かり海上のオイル漏れのオイル回収の用途が発掘されたことを例にSerendipity(偶然)とその後のPerseverance(忍耐)が研究には重要であるとの発表が印象的でした。日本のプレナリートークは京都大学の土屋先生のMEMSリザーバーコンピューティングの話でした。中国からはSUSTechのWang Fei先生からナノマテリアルとMEMSと機械学習を組合わせた高感度ガスセンサの話がありました。

【インバイトセッション】

  • Vacuum-assisted Void Removal in Flip-Chip Underfill Encapsulation ( Sanghyun Lee, Korea Maritime and Ocean University, Korea)
  • 2x-nm-wide Gate Patterning by Tone Reversal EBL Combined with Semiconductor Fabrication Process (Dr. Sung-Won Youn, AIST, Japan)
  • Intelligent Point Diffraction Interferometry for Micro/Nano-Scale Precision Measurement of Aspherical Optics ( Zhuo Zhao, Xi’an Jiaotong University, China)

【プレナリートーク】

  • Serendipity and Perseverance in Micromesh Research ( Jong Soo Ko, Pusan National University, Korea)
  • MEMS Physical Reservoir Computing for Edge Processing (Dr. Toshiyuki Tsuchiya, Kyoto University, Japan)
  • MEMS Gas Sensors - From Nanomaterials, Microelectrodes to Machine Learning ( Wang Fei, Southern University of Science and Technology, China)

 午後にはポスターセッションの後に2つのパラレルセッションとして以下のセッションが行われました。今回発表件数が多かったので、パラレルセッションとして開催されました。セッションBは流体・バイオ関連で、セッションAはそれ以外に分かれていました。今回日本からは3件の招待講演と9件の口頭発表がありましたが、内8件がバイオ・流体関連の発表となっていました。

【セッション構成】
A1: Energy Harvesting & Self-Powered Devices
(2招待講演(韓国:1, 中国:1)、4口頭発表(韓国:4))
B1: Microfluidics & Bioassays
(2招待講演(韓国:2)、4口頭発表(韓国:3, 日本:1,))
A2: Wearable & Flexible Sensors
(2招待講演(韓国:2)、4口頭発表(韓国:4))
B2: Cell & Tissue Microsystems
(2招待講演(日本:1, シンガポール:1)、4口頭発表(韓国:2, 日本:2))

 2日目は以下の2つのパラレルセッションとクロージングセレモニーの後、Nextronへの見学会が行われました。

【セッション構成】
A3: Nanomaterials & Device Fabrication
(1招待講演(中国:1)、6口頭発表(韓国:6))
B3: Biomedical Sensing & AI
(2招待講演(韓国:1, 日本:1)、4口頭発表(韓国:1, 日本:3,))
A4: Manufacturing & Devices
(2招待講演(韓国:1, 中国:1)、4口頭発表(韓国:1, 日本:3))
B4: Nanofluidics & Materials
(2招待講演(韓国:2)、4口頭発表(韓国:3, 中国:1))

Nextronは釜山国立大学のDr. Hakbeom Moonが2007年に設立した大学発のベンチャーで、「サージアブソーバ」、現代重工業との共同開発を通じて開発した「古い変圧器を診断するための水素ガスセンサの開発」を経て、現在は「マイクロプローブシステム」を製造販売する会社です。パリとシカゴに支店を持ち、日本にも販売代理店を擁してグローバルな展開を行っています。見学会では新社屋にて、会社概要説明及び「マイクロプローブシステム」等の見学を行いました。見学会の様子を写真6に示します。

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写真6 NEXTRON見学会の様子

 

 次回のJCK MEMS/NEMS 2027は2027年11月6日(土)~8日(月)に中国の上海で開催されることがジェネラルチェアになる中国の上海交通大学Zhuoqing YANG教授からアナウンスされました。

 

(MEMSシステム開発センター長 武田 宗久)

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2026年7月 6日 (月)

マイクロマシンセンター各種委員会及びMEMS協議会活動について

 今年はどんよりして湿っぽい梅雨らしい天気が続いておりますが、マイクロマシンセンターでは各種委員会及びMEMS協議会の活動を精力的に実施しております。

 まず、5月13日に、第45回先端技術交流会を開催し、「最新の半導体実装技術とMEMSの融合」をテーマに、産業技術総合研究所 ハイブリッド機能集積研究部門3D集積技術研究グループ 菊地克弥研究グループ長、及び東京大学 生産技術研究所 野村政宏教授にオンラインにてご講演を頂きました。(詳細は、先月号のブログ記事をご覧ください。)

6月29日には、今年度第1回の国際交流委員会(委員長:東京大学 伊藤寿浩教授)をオンラインで開催し、今年度の国際関連イベントの開催状況や、既に開催された第29回国際マイクロマシンサミット2026(英国・サウサンプトン、6月14日-17日)の参加報告がありました。(詳細は、今月の別のブログ記事をご覧ください。)

また、6月25日には、MEMS協議会活動をサポートする産業交流委員会を書面開催し、本協議会の昨年度活動結果と今年度活動計画など、MEMS協議会推進委員会の議題について報告いたしました。

 さらに、7月8日には第1回産業動向調査委員会を、7月24日には第1回MEMS事業者連携委員会を開催する予定としております。
 
 さて、MEMS協議会活動全般をとりまとめるMEMS協議会推進委員会は、7月1日、霞が関官庁街に隣接したAP虎ノ門会議室で開催されました。(写真1)

 まず、岡徹理事長(MEMS協議会会長)(写真2)による主催者挨拶として、MEMS事業者連携委員会において引き続きMEMSの競争力回復に向けた政策提言等に努めることや、MEMSファウンドリ事業が工程受託を中心に事業量を増やし、着実に活動を進めていることなどのお話がありました。

 次に、経済産業省情報産業課デバイス・半導体戦略室長の清水英路様(写真3)から、最新の半導体・デジタル戦略を巡る動きについてのご説明がありました。我が国産業の国際競争力強化と「強い経済」の実現の観点から、国産のフィジカルAIモデルを開発し、ロボット基盤モデルの開発能力を強化するとともに、ロボットOEMの育成やモーター、減速機、センサー、蓄電池等の重要部品の設計・製造能力を強化する施策を講じることで、2040年に米中と並ぶ第三極として世界シェアの3割超、20兆円市場を獲得するというものでした。そのためにMEMS協議会の参加企業とも政策の実現、具体化のため議論して、連携、政策協調されたいとのお話でした。

 経産省からはこのほか産業機械課、ロボット政策室、イノベーション政策課、IEC課、医療・福祉機器産業室から政策紹介が、またNEDO、産総研関連部門からは活動紹介などがおこなわれ、またアカデミアの観点からのご意見に加え、MEMS協議会メンバーからは、本日の説明を聞いて産業の立場からも微力ながら貢献したい、日本成長戦略会議の戦略17分野の中でフィジカルな部分が結構あって日本の強みを生かせるMEMSの領域もあるのでそこで経済合理性を企業としても突き詰めなければならない、といったご意見をいただくことができました。

 最後にご来賓や、MMC賛助会員・アソシエートメンバー等も含め50名を超える参加者で行われたメンバー交流会では、企業や大学の枠を超えた本音の議論が繰り広げられました。本メンバー交流会のようなリアルに顔を合わせて議論を行う機会の重要性・貴重性を改めて実感したところです。(なお、交流会にはMMCの賛助会員様をご招待しています。)


(写真1)2025MEMS協議会推進委員会
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    (写真2)岡理事長   (写真3)清水デバイス・半導体戦略室長

(MEMS協議会事務局 濱田直春)

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2026 第29回「国際マイクロマシンサミット」(イギリス・サウサンプトン) 参加報告

 マイクロマシンサミットは、年に1回、世界各国・地域の代表団が集まり、マイクロマシン/ナノテクノロジーに関する課題や展望につき意見交換する
場です。日本の提案により1995年3月に京都で開催されたのが始まりで、以後、各国持ち回りで開催されています。第29回マイクロマシンサミット(図1)が、イギリスのサウサンプトンで、2026年6月14日(日)から17日(水)まで開催されましたのでご報告いたします。
 今回は特別のテーマを決めず、半導体 NEMS, 量子コンピューティングや他のマイクロナノに関連する最新技術が発表されました。日本からは東京大学大学院精密工学専攻の伊藤寿浩教授がチーフデリゲイトとなり、マイクロマシンセンター(MMC)の国際交流担当の武田と2名で参加いたしました。今回のジェネラルチェアは、イギリスのサウサンプトン大学のNick Harris教授で、会場はサウサンプトン大学でした。

Mms2026_01図1 第29回マイクロマシンサミット概要

 今回は参加国・地域が例年より少なく、欧州から3カ国1地域(イタリア、ルーマニア、イギリス、イベリア)、北アメリカから1カ国(カナダ)、アジアから1カ国(日本)、オセアニアから1カ国(オーストラリア)の7国・地域から15名のデリゲイトの参加がありました。また、新たな参加国はございませんでした。最も参加者の多かったのはイベリア地域(スペイン)で5名が参加しました。会場の様子及び集合写真を写真1、写真2に示します。

Mms2026_02写真1 会場の様子

Mms2026_03写真2 集合写真

 第1日目はイギリスのチーフデリゲイトのサウサンプトン大学のNick Harris教授の開会の挨拶(写真3)の後、各国の現状を報告するチーフデリゲイトからのカントリーレビューとデリゲイトからの関連するプレゼンの計12件の発表がありました。日本からは伊藤チーフデリゲイトから日本の半導体デジタル戦略、AI/半導体戦略、産総研ハイブリッド集積研究部門、ムーンショットでの畜産センサ及びMEMS関連プロジェクトとして、ハプティックMEMSやスマートテキスタイルの取組み状況等の紹介がなされました(写真4:伊藤チーフデリゲイトのプレゼンの様子)。各国とも半導体、MEMS、フォトニックスと量子技術を一体として予算がついて研究開発を実施していますが、予算は縮小傾向にあることが分かりました。

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写真3  Nick Harris教授の開会の挨拶の様子

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写真4 伊藤チーフデリゲイトによる日本のカントリーレビュー報告の様子

 また、2日目は「Future technologies and evolution」として以下の4つのテーマでそれぞれに関連する5件(計20件)の講演とパネルディスカッションが行われました。
・Session 1: Capabilities and Infrastructure
・Session 2: Advanced Packaging and Integration
・Session 3: Quantum and Photonics
・Session 4: Hardware for the Mind: Innovations in Memristive and Neuromorphic

Session1のパネルディスカッションの様子を写真5に示します。

Mms2026_06写真5 Session1のパネルディスカッションの様子

テクニカルツアーとしては、6月17日(水)にサウサンプトン大学の施設見学を行いました(写真6:テクニカルツーの様子)。

Mms2026_07写真6 テクニカルツアーの様子

  高電圧ラボ、教育施設、PEM(Printed Electronics Material)ラボ及びZeplerクリーンルームを見学しました。Zeplerクリーンルームは当初予算£120Mをかけて建設された1,600m2のクリーンルーム(クラス10~10,000)で、イギリスにおける最大のクリーンルームとのことでした。Siの200mmのプロセスとフォトニックスの150mmのプロセスの一貫生産が可能で、MPW(Multi-project wafer)サービスを実施しています。特長としましては、日本以外では初導入のJEOLの200kVのEB露光装置を有するとともにガラスファイバー製造ラインも保有しています。

 次回のMMS2027は来年の6月に、イタリアにおいて、Institute for Microelectronics and Microsystems, CNR-IMM LecceのDr. Luca Franciosoがオーガナイザーを務め開催することが決まりました。開催場所に関しては、複数都市が候補として挙げられましたが、後日イタリア内部で関係者と調整した上で決めることとなりました。また、今回は特定のテーマを決めず、広く半導体 NEMS, 量子コンピューティングや他のマイクロナノに関連する最新技術としましたが、特定のテーマを決めた方が良いとの意見がチーフデリゲイト会議で出され、今回参加のチーフデリゲイトで構成するステアリング会議を開催し、そこでテーマを決定することになりました。今後もマイクロマシンサミットにおいて、世界各国のMEMS関係機関との国際交流を深め、世界のMEMSの最新動向を入手して、情報発信してまいります。

(MEMS協議会 国際交流担当 武田宗久)

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